2018.12.10
  • インタビュー
「たくさん苦労しました」と書いてくださるとうれしいです(笑)
色とりどりの煌めきを放ちながら身体を包み込んでいくような電子音。衣服を揺らし、心臓にダイレクトに響いてくる重低音は、もはや“音”ではなく“振動波”のよう。そして、ビルドアップとドロップが巧みにレイアウトされたダイナミックな曲展開は、果てしない高揚感をフロアにもたらす。そんな研ぎ澄まされた音のレイヤーの上には、時にハッピーに、時にシリアスに、時に情感豊かに、時にコケティッシュに、時に挑発的に、と多彩な表情を見せながらも、とにかくキュートな歌声が乗る。 “沸ける正統派アイドル”Devil ANTHEM.(通称:デビアン)。あらゆるジャンルを取り入れ、本格的なサウンドを標榜ししてきたデビアンは、その“楽曲の良さ”で耳目を集めるが、同時にその“音の良さ”も特筆すべきものがある。いわゆる“爆音”で鳴らされるそのサウンドは、大きいだけなら“騒音”となってしまうが、音そのものに際立つ色彩感や包み込むようなふくよかさがあり、それらが繊細にレイアウトされているがゆえに、あの“心地好い爆音”が生まれ、それによりフロアが“沸く”のだ。もちろん、そうした優れた“音のパレット”の上に鮮やかな色彩を乗せ、一層魅力的な形でオーディエンスに届ける5人のメンバーのパフォーマンスも、あの独特の高揚感や多幸感を生むことに大きく貢献しているのは言うまでもない。 だが、デビアンはこれまでに数多の苦難を乗り越えてきた。インディーズではアルバムもリリースし、ワンマンライブを幾度も成功させているが、なかなかメンバーが安定せず…。しかしながら、インタヴューにもあるとおり、彼女たちには、自ら“ネタ”にして明るく前に進んでいくような“軽やか”で“しなやか”な強さがある。そして、とにかく5人が個性的で、まだ覚醒していない部分も考え合わせると、このグループの潜在能力と可能性は果てしない。 2014年12月にデビュー。幾度ものメンバーチェンジを経てきたが、10月にAKIRA.を迎えて新たな5人体制となったデビアン。現在は「Make Some Noise」というキャッチコピーを掲げ、メジャーデビュー目指して邁進中だ。そして、このところのシングルの充実ぶりには目を見張るものがある。キックとベースを4つ打ちで重ねるハードスタイルを取り入れた「Like a 熱帯夜」を5月にリリース(個人的には、随所にアンビエントかつヒプノティックなムードをたたえたカップリング曲「Replay」がお気に入り)。そしてこの度、ニューシングル「えっとねれみしー」をリリース、とさらにギアが一段上がった印象だ。プログレッシヴ・トランスの要素を取り入れた表題曲「えっとねれみしー」は、単純な4つ打ちから進化した軽快なリズムがユーフォリックなフィーリングをもたらす。そしてカップリングの「STARLIGHT CIRCUS」は、初期デビアンを彷彿とさせるようなミステリアスでシアトリカルなロックチューン。驚きは、ポストパンク期のホワイトファンクを思わせるような端正なファンクナンバー「Only Your Angel」だ。畳み掛けるように、煽るように言葉を紡ぐ5人の歌いっぷりがグルーヴを加速させていく。 いよいよ臨戦体制が整い、覚醒間近のデビアン。AIRI.、YUME.、KURUMI.、AKIRA.、KAEDE.の5人に、グループのこと、ニューシングルのこと、そして12月16日に迫った新宿BLAZEでのワンマンライブなどについてお話を伺った。 「“沸ける正統派アイドル”というのははこれなんです」というのをデビアンが示す、みたいな…(AIRI.) ――まず最初に、Devil ANTHEM.ってどんなグループですか? KURUMI.:Devil ANTHEM.は、今、結成して3年目を走っているところなんですけど、いろいろなメンバー編成を経て今に至っています。最初は「天使と悪魔の二面性アイドル」というキャッチコピーで活動していたんですが、今は「Make Some Noise」というキャッチコピーで「Devil ANTHEM.のライブで大いに沸いて楽しんでもらう」というコンセプトでやっています。「Make Some Noise」の日本語訳が「音を立てる」とかそんな感じなんですけど、以前の「天使と悪魔の二面性」から「沸ける正統派アイドル」というようにキャッチコピーが変わりました。ライブでもすごく盛り上がってもらえる、はしゃげる感じですね。目の前の目標としては“メジャーデビュー”を掲げていて…。まだみんな若いんですけど——最年少が中3で3人。高1が1人、高2が1人という結構若いグループなんですけど、活動歴は意外と長くて、いい具合に熟してきたアイドルです(笑)。 ――なるほど。経験はちゃんと積んでスキルもあるけど、フレッシュさもまだあるという感じですね。 一同:はい! ――何か補足するところなどないですか? AIRI.:KURUMI.ちゃんが結成時からいる“初代デビアン”なので、一番いろんなことを見てきたメンバーですね。 KURUMI.:次に、YUME.とKAEDE.が入って、で、昨年AIRI.ちゃんが入って、つい最近AKIRA.ちゃんが加入しました。 ――ところで、今日みなさんのライブを拝見して、改めて“音楽”にこだわっているだけではなく“音響”にもこだわっていることを感じました。今日も低音がすごかったです。 KURUMI.:低音が本当にすごくて、服が揺れるんですよ。 ――実際、最初椅子に座ってたら、床から振動が伝わって身体がすごい揺れてましたよ。 KURUMI.:ですよね。ステージが小さかったりすると音が直で来るので、みんな「うっ」ってなる時はあります。低音で自分のマイクの音が聞こえなかったりすることがあるんですけど、やっぱりお客さん側から聴くとちょうどいいなと思います。自分たちはスピーカーと近いからね。 ――楽曲もいろんなスタイルのものを歌っていますよね。 AIRI.:曲とかもマネージャーさんの好みで変えていくみたいなので(笑)。だから今後ずっとEDM系というわけではないと思います。その時代の流れとマネージャーさんの好みによってどんどん変わっていく感じですね。 ――その音楽性に関しては、皆さんの好みは反映されているんですか? 一同:ない。 KURUMI.:取り入れもらったりとかは一切ないです(笑)。そういうのは(笑)。 一同:(爆笑) KURUMI.:ライブパフォーマンスに関しては、自分たちで意見を出したりしてるんですけど、ライブの演出だったり音とか曲とかダンスとか、全然そういうのは聞いてもらった事がないというか…。そもそも私たちにはそういうことに関して口を出せるほどの知識がないので。でも、毎回新しいジャンルとか違う感じの曲が届くので、歌ってて飽きないです。 ――個人的にはどういう音楽が好きなんですか。 KURUMI.:私は割とDevil ANTHEM.の新しい曲。「えっとねれみしー」とかのジャンルがすごく好きで。前回のシングル「Like a 熱帯夜」が“ハードスタイル”というジャンルだったんですけれど、そういうのも好きですし、個人的にはバンド系の激しい感じのロックもすごく好きです。 ――具体的に誰が好きというのはありますか? KURUMI.:アイドルさんなんですけど、我儘ラキアさん。メンバー全員すっごく歌が上手くて、曲もすごく良くて。イヤホンでめちゃめちゃ爆音にして聴いていますね。ライブパフォーマンスもすごくて。お客さんとの距離がホントに近くていいんですよ。そういう感じにすごく憧れがあります。 ――爆音でライブをやって、プライベートでも爆音で聴いて。耳を大事にしてくださいね(笑)。他の方はどうですか? YUME.:私は、「えっとねれみしー」のカップリングの「Only Your Angel」という曲が好きです。そういう“カッコいい系”の楽曲が好きですね。私は歌詞よりもメロディーに耳がいって…。聴いていてカッコいいなって思える曲が好きです。 AKIRA.:直感で感じるみたいな? YUME.:そう。直感で。 KURUMI.:メロディー派ですね、YUME.ちゃんは。 ――なるほど。僕もあの曲大好きですよ。 YUME.:ホントですか。 ――いいですよね。めっちゃいいです。あの曲は何てスタイルですか? YUME.:なんてスタイルなんだろう? AKIRA.:あれは… AIRI.:なんだっけ。なんかレコーディングの時に言ってましたよね。 KAEDE.:「Only Your Angel」でしょ? ――まあ、ファンクですよね。しかも、どちらかと言えば白人がやるようなファンク。さらに言えば、ポスト・パンク/ニューウェーブ期あたりの、イギリス人が憧れでやっているファンクみたいな感覚があります。なので、本場の黒人の濃厚なファンクではなくて、もっと端正なグルーヴというか…。 AIRI.:超勉強になる。 KURUMI.:それが好きだという。 ――YUME.さん、いいとこ突きますね。 YUME.:ホントですか? ありがとうございます。 ――KAEDE.さんはいかがですか? KAEDE.:私は「EMOTIONAL」という曲と「MY WAY」という曲が好きなんですけど。「EMOTIONAL」ってどういう… KURUMI.:初のバンドスタイル! ――バンドっぽいですよね。 KAEDE.:歌詞もすごく良くて、感情が入れ込みやすいというか。感情移入ができる曲が好きです。聴いていて元気をもらえるとか、そういう曲がすごく好きです。 ――「EMOTIONAL」って先ほど言われたようにバンドサウンドというか、ロック的なリズムや展開がちょっとPassCodeさんとかあの辺りを連想させますよね。 一同:あぁ!確かに。 ――そういう激しいのが好きだということですね。 KAEDE.:はい。 ――AKIRA.さんは? AKIRA.:私は、アイドルさんだとBiSHさんとか、ジャンルでいうとバラード系とか。結構幅広く聴いてます。シンガーソングライターさんとかも好きです。よく聴くのはBiSHさんとか、ミオヤマザキさんとか、そういう系統が好きですね。  ――いろいろ聴かれてるわけですよね。では、続いてAIRI.さん。 AIRI.:私は、背景が浮かび上がってくるような特徴のある曲が好きで…。今回のカップリングの「STARLIGHT CIRCUS」とか、本当にサーカスみたいな曲じゃないですか。そういう色の濃いモノが好きなのと、クラシックバレエをずっとやってきたのでクラシックを聴くと落ち着きますね。あと、ウクレレの平井大さんの曲とか。プライベートでは落ち着くのものが好きなんですけど、仕事のスイッチが入ると「STARLIGHT CIRCUS」みたいな曲が好きです。 ――ああ、クラシックバレエをやられてたんですね。留学もされようとしたんですよね? AIRI.:はい。留学するか上京するかの二択で迷って、ギリギリのタイミングでこっちに来たんです。 ――僕クラシック大好きですよ。バレエというとどういう演目をやられたんですか。 AIRI.:いろいろやってますね。一番最後にやったのは『ドン・キホーテ』でした。すごく落ち着くんです、クラシックバレエの曲を聴くと。 ――デビアンの曲にもクラシカルなフレーズとか結構入っているじゃないですか。 AIRI.:ちょっと違いますね。でもおもしろいです。今勉強中です。加入して1年経ったんですけど、まだ全然知らない曲のジャンルとかもたくさんあるし、デビアンもどんどん新しいジャンルに触れてるからとても楽しいです。 ――みなさんの音楽嗜好をお聞きしましたが、では、今“正統派アイドル”というとどの辺のものをイメージしているんですか? KURUMI.:正統派アイドル…。 KAEDE.:乃木坂さんとかAKBさんとか? AIRI.:コンセプトが変わった時にみんなで「え?沸ける正統派?それって正統派じゃないよね?」みたいな話しをしていて。「どうしよう」ってなってたんですけど、「デビアンなりの“沸ける正統派”を作ればいいんじゃない?」という結論に至って。だから、「“沸ける正統派”といえばデビアンなんだよ」という認識にしようということになりました。「“沸ける正統派アイドル”というのはこれなんです」というのをデビアンが示す、みたいな…。 ――それは5人で話したんですか? 大人も入って? KAEDE.:マネージャーさんに「正統派アイドルってどういうことですか?」って聞いたときに、「デビアンの正統派とは今のデビアンのこと」みたいな答えだったんです。「俺の中でのデビアン」みたいな。 AIRI.:「俺が作ったらこうなるんだよ」って。 KURUMI.:「俺の正統派アイドルはこれだよ」と言われて。「ウチらの正統派と全然違うな」と思ったんですけど(笑)。純白な感じがするじゃないですか、“正統派”って聞くと。でも、マネージャーさんが言うには「俺の正統派はこれ」って。「あ、これ正統派なんだ」と思いました。
2018.11.20
  • インタビュー
みなさんと出会った場所が“約束の場所”になるから、そこが“HOME”になると思います
ひょっとしたら“歴史的瞬間”に立ち会っているのではないか。そんな想像を膨らませながら“音楽を聴く幸せ”を噛み締めている。RYUTist史上においてはもちろん、アイドル史上、そして少々大袈裟かもしれないが、日本のポップ史上における“マイルストーン”を今こうして享受しているのではないか。そんな感覚に浸っている。 柔らかなアコギのストロークを合図に、さざめくストリングスと煌めくウィンドチャイムが編み上げる荘厳な音像の中から、ピアノの旋律が一気に駆け上がり、最高音を鳴らす。すると、深遠なハーモニーが木霊のように響き渡り、この壮大な音絵巻の幕開けを告げる。その瞬間に解き放たれた聴き手の情動は、起伏に富んだ展開によって様々な方向に揺さぶられながらも、じわじわと、ぐんぐんと上昇していき、やがて法悦の高みに昇り詰めるのだ。 『日本海夕日ライン』『柳都芸妓』という傑作を世に問うた後、それらで上がりまくったハードルを飛び越えるのではなく、いきなり100m走へと種目を切り替えて優勝したかのような、疾走感溢れるシングル「青空シグナル」によって期待値を更に上げたRYUTist。8月には地元新潟での7周年ワンマンライブを成功裏に収め、11月25日にはいよいよ東京での7周年ワンマンライブに臨む。そんな中投下されたのが、ニューシングル「黄昏のダイアリー」だ。 なんといっても注目なのは、表題曲「黄昏のダイアリー」だ。Cymbals~TWEEDEESの沖井礼二とROUND TABLEの北川勝利がスタジオでせめぎ合いながら共作したというこの楽曲は、これまでのRYUTistにはないドラマティックな展開が特徴的(Tansaによるストリングス・アレンジが効いている!)。その上に乗るRYUTistのヴォーカル/ハーモニーもこれまで以上に芳醇かつ清澄だ。TWEEDEESで沖井の“相方”を務める清浦夏実が手掛けた詞にも、時の流れの中で揺れ動く情感が示唆的に綴られており、激しい展開の楽曲と相俟って、普遍的な日常に潜む壮大なドラマが浮き彫りにされている。 カップリングの2曲も秀逸である。ayU tokiOとしても活動する猪爪東風が作詞曲を手掛けた「心配性」は、室内楽的な装飾が随所に施されつつも、生々しさや泥臭さが仄かに漂うロッカバラード。RYUTistの面々も、自らの活動に重なるような詞世界を自然な語り口で綴る。そして、microstarの飯泉裕子・佐藤清喜のペンによる「a birthday song」は華々しい響きのレトロなディスコ。だが、この享楽的なビートにRYUTistの美しいハーモニーが乗ると、一転して清廉かつ愛くるしいトーンを帯びるのが面白い。 この超強力な3曲を一枚に収めた贅沢なシングル「黄昏のダイアリー」を引っさげ、いよいよ東京での“HOME LIVE”に臨むRYUTist。このところのライブでもその絶好調ぶりに拍車がかかっている彼女たちが、11月25日にどんな歴史を刻むのか。ライブを直前に控えた彼女たちにお話を伺った。 みなさんの想いが詰まった一枚を手にした時に「アァ、これから大切にしよう」って気持ちに改めてなりました(むうたん) ――みなさん今、絶好調ですよね? ともちぃ(宇野友恵):えっ? みくちゃん(横山実郁):絶好調です!(笑) むうたん(五十嵐夢羽):絶好調です!(笑) のんの(佐藤乃々子):(笑) ――(笑)どういう意味で絶好調だと感じていますか??? みくちゃん:シングルも発表もあり、MVも公開されて、皆さんからご好評をいただいて…。 ――あぁ…いや、最近のライブを観ると、めちゃくちゃいいじゃないですか! ともちぃ:え?ホントですか!? むうたん、みくちゃん、のんの:ありがとうございます! ――どうですか?ライヴ。どんなイベントに出ても素晴らしいパフォーマンスでオーディエンスの心をがっちり掴んでいる印象です。 ともちぃ:いえいえいえ…。 ――首を振ってらっしゃいますが、ともちぃさんこそ、まさに絶好調じゃないですか! ともちぃ:ホントですか???ありがとうございます。 ――いや、ホントに最近観るライブはどれも素晴らしい歌いっぷりですよ。 ともちぃ:(小声で)やった…。 ――リアクション薄いですね(笑)。 一同::(爆笑) ――この話は広がらないようなので(笑)、早速新曲について伺います。 一同::アハハ(笑)。はい! ――シングル「黄昏のダイアリー」。東京でのワンマンを11月25日に控え、皆さんにとってもとても重要なリリースになるのかな、なんて思っているんですが、いかがですか? どんな心構えでレコーディングに臨んだ、とかありますか? ともちぃ:あまり意識はしてないですが、今回ご一緒させていただいた作家さんがすごかったので、とても緊張してレコーディングに臨みました。 ――気負いみたいなのはありましたか? のんの:気負い…。う~ん…。素晴らしい曲をいただいて、私たちがどう表現できるかでその曲の良さも変わってきちゃうと思ったので、そのプレッシャーはありました。 みくちゃん:みんなで曲を壊さないように頑張って歌おうね、って話してましたね。 むうたん:毎回毎回違うものをお届けしたいなと思っているので、前回の「青空シグナル」の時よりも更に歌や表現などでパワーアップしたものをお伝えできるように、という気持ちは持っていました。 ――初めて曲を聴いた時はどんな印象でした? ともちぃ:衝撃でした。 のんの:3曲ともそれぞれシングルの表題曲でもいけるくらいの曲なので、自分たちにこんな曲をいただけるなんて、びっくりしました。 みくちゃん:前のシングル「青空シグナル」の時もそうだったんですが、初めて聴いた時に「これ、自分が歌うの?」っていう不安もあって…。でも、この素敵な作品を自分のできる精一杯でやろう、っていう気持ちになりました。 ――珍しく“やる気”が出たわけですね(笑)。 みくちゃん:いやいやいや(笑)。いつもありますよ!!! ――(笑)。他の方は? ともちぃ:3曲とも全部いい曲で、それぞれ曲によって違う雰囲気で…。レコーディング前から思ってたんですけど、ライブで歌うのが楽しみだなと、思いました。 むうたん:みんなも言ってますが、ホントにいい曲で、こんな曲をRYUTistがいただけたって思うと鳥肌が立ったぐらいで…。レコーディング前、曲を聴きながら練習するのが楽しかったです。 ――では「すごい曲をいただいた」という認識はありながらも、結構楽しんでいたわけですね? 一同::はい! ――やはり絶好調ですね! 一同::(爆笑) ――プレッシャーにも負けない感じですよね。 みくちゃん:でも、レコーディングの時はプレッシャーに押し潰されそうでした。 ――あぁ、北川さんが怖かったんですよね??? 一同::アハハハ(笑)。 みくちゃん:最初だけです、最初だけ! ――最初だけですね(笑)。で、もうCD盤も出来上がったんですよね。 一同::はい! ――いかがですか、完成品を手にして。出来栄えは? みくちゃん:CDとして手にすると感動しました。これがRYUTistの作品として後にみなさんのところに届いていくんだな、って思って、すごい嬉しいことだなと思いました。 のんの:いい曲が揃っているのももちろんなんですが、ジャケットも素敵で、メンバーの自然な感じがよく出てていいジャケットにしていただいたな、と。ちょっと映画みたいな感じで、ジャケットもお気に入りです。 ともちぃ:3曲完成したのをみんなで聴いた時に、みんなで試聴会みたいなのをやったんですけど、その時にもう感動してウルってきちゃって…。で、周りを見たら「誰も泣いてないな」と思って(笑)。で、泣かないようにはしていたんですけど、自分の中ではすごい感動して…。で、たぶんみんなもそう思ってたからなのか、終わった後も何回も聴き直しました。 ――周りの3人はウルっとはしてなかったんですか??? 一同::アハハ。 むうたん:ぐぁーっと来ました。いただいたCDを見てみると、ジャケットも細かいところまで丁寧に作っていただいてて…。もちろん音の方も編集やマスタリングをされる時もこだわってやってくださってて…。そういうみなさんの想いが詰まった一枚を手にした時に「アァ、これから大切にしよう」って気持ちに改めてなりました。ずっと聴いてます。移動の車の中とか。
2018.10.25
  • インタビュー
「しっかりしたパフォーマンスを見せれば認めてもらえる」と思ったので、頑張りました!
昨今のアイドル界は“解散ラッシュ”の様相を呈している。たしかに、ここ数ヶ月でもバニラビーンズ、ベイビーレイズJAPAN、ベボガ!、PASSPO☆、AIS、チャオ ベッラ チンクオッティなどが、さらに少し遡れば、GEMやアイドルネッサンスなどが解散。また、この11月にはX21が、来年2月には妄想キャリブレーションが活動を終えることとなっている。この数年間シーンを牽引し、“アイドルブーム”に貢献してきたグループが相次いでその活動に終止符を打っているのだ。 だが、筆者はこの状況を決して悲観的な目だけで捉えてはいない。解散があれば、新たなグループも生まれている。また、解散したグループのメンバーも新たなグループの一員として、あるいはソロという形で、再びシーンに新たな血を送り込もうとしているのだ。いわばこれは“新陳代謝”という循環であり、それはある意味、それだけシーンが長く持続していることの証左なのではないだろうか。考えてみれば、昨年の春頃にも“解散ラッシュ”があり、その時は筆者も少々悲観的にもなったりしたものだが、いくらかの多寡はあれども、毎年そうしたことが繰り返されてきたように思う。さらに言えば、SNSなどで情報収集していると、有名無名グループを含めると、まさに毎日のように解散、卒業、脱退が報じられており、同時に、毎日のように新しいグループも生まれている。まさに“血”が入れ替わっているのだ。 だが、ネガティブに捉えざるを得ない側面もある。それは優れた楽曲が埋もれてしまう可能性があるということだ。グループが解散してもメンバーはシーンに戻ってくることができるが、楽曲は権利関係などの諸問題があり、封印されてしまうケースが少なくない。もちろん、残された音源でそうした名曲を楽しむことは可能だが、やはり“ライブアイドル”の醍醐味はライブ。そうした名曲をライブで体感できなくなるのは、やはり大きな損失である。 そんな中、そうした名曲を歌い継ぐグループとして今大きな注目を浴びるのが、このG-COMPLExである。GALETTeの「She is WANNABE!」や「Neo Disco」、そして「じゃじゃ馬と呼ばないで」といった楽曲群を、さらにはそれらの作曲者である筑田浩志が書き下ろしたオリジナル曲をレパートリーとし、“ガールズファンク”を標榜するグループだ。 例えば、ひめキュンフルーツ缶のようにメンバーを一新しながら「例えばのモンスター」といった名曲を歌い継ぐグループや、There There TheresのようにBELLRING少女ハートから改名しながら「the Edge of Goodbye」といった名曲を歌い継ぐグループはあれど、G-COMPLExのように、特定のグループの楽曲やサウンドを母体も名称も全く異なるグループが継承するケースは、極めて稀なのではないだろうか。 G-COMPLExは、オフィシャルに謳われているように、「公式にGALETTeやGIRLS4EVERのガールズファンクを継承」するグループである。GIRLS4EVERは、SMAP「青いイナズマ」の作曲者としてしられる林田健司がプロデュースしたガールズファンク・ダンス&ヴォーカルユニット。G-COMPLExの桜庭かすみと八木くるみがかつて在籍しており、GIRLS4EVER解散直後に、桜庭と八木を迎え、「そのコンセプトを継承」する形でG-COMPLExがスタートした。いわば、There There Theresのような“改名”する形でその母体となったグループのサウンドを受け継いでいる側面もあるのだ。 そういう意味でも、G-COMPLExは「GIRLS 4EVERのスピリットを受け継ぐ桜庭と八木が、新たにメンバーを加え、伝説と化したガールズファンクのアイドルグループ、GALETTeの楽曲を引き継ぐ」という“二つの継承”を標榜するグループであると言えよう。インタビューでも言及されているとおり、それら二つの“G”の“複合体(complex)”なのだ。先述の筑田楽曲を中心に、林田健司のペンによるGIRLS4EVERの「Down the Line」、あるいはSPEEDのプロデューサーとして知られる伊秩弘将が書いたGALETTeの「Brand-New Style」「至上の愛」などを、これまでにステージで披露してきている。ガールズファンクのスペシャリストたちの楽曲を歌い継ぐことで、アイドル文化が生んだ名曲の伝承に寄与しているのだ。 そして、彼女たちの魅力はなんといっても、そうした名曲を臨場感たっぷりに再現するライブである。筑田流ファンク(古典ファンクの写実的かつ懐古的な再現ではなく、かといって最先端のビートに寄せたエッジの効きすぎたものでもなく、彼独自の咀嚼によってその機能性を抽出し、普遍的なダンスミュージックへと再構築したものだ)の溌剌としたビートに乗って、あたかも“永久機関”のごとくアンストッパブルに歌い踊る。その迸る躍動感ときたら! 一度ステージを観れば、圧倒されること請け合い。そして、それだけ動きながらも、起伏に富んだ筑田メロディをブレることなく歌いこなすのも驚きである。 2018年4月15日結成ゆえに活動期間はまだ半年。7月1日に檜森ももかを迎えて現在のラインナップとなり、都内を中心に全国各地で精力的にライブを行いながら、その弾けるようなグルーヴでぐんぐんと知名度を上げてきている。 10月27日には「筑田浩志トリビュートライブ in Tokyo」に出演、翌28日には、同じく筑田プロデュースの九州女子翼とのツーマンに臨むなど、熱いライブが目白押し。そして来年4月15日には一周年ワンマンライブも控えており…。そんな彼女たちにインタビューを敢行。現在療養中のYu-kaを除く、桜庭かすみ、八木くるみ、檜森ももかの3人にお話を伺った。 ライブでは常に動いてますね(桜庭) ――まずは、G-COMPLExとはどういうグループなのか、ご説明いただきたいと思うのですが…。 八木くるみ(以下:八木):G-COMPLExは、GALETTeさんとGIRLS4EVERのガールズファンクを継承したグループです。「スピード感」「疾走感」「Groove感」があるグループで、歌もダンスも激しめですね。 ――「スピード感」と「疾走感」というのは、どう違うんですか??? 桜庭かすみ(以下:桜庭):「スピード感」と「疾走感」は…。難しい質問ですね(笑)。 ――突っ込みますよ、こういうところ(笑)。 桜庭:「スピード感」は… 八木:速い! 桜庭:「疾走感」は… 檜森ももか(以下:檜森):「駆け抜ける」イメージですかね…。難しいですね。 ――「スピード感」は数値的な「速さ」を表していて、「疾走感」は常に動いているような躍動感も含んだ「速さ」という感じでしょうか? 桜庭:そうですね。ライブでは常に動いてますね。 檜森:静かになるところはないですね。 八木:ないよね。ずーっと動いてます。 ――ライヴはまだ数回しか拝見していないんですが、ホントにずっと動いていて止まらない感じですよね。疲れるだろうなぁ、って見ていました。 八木:でも、ライブ中はアドレナリンが出てるので、全然しんどくないです。 ――そうですか。終わった後とかは? 檜森:終わった後は汗だくですね。 桜庭:汗が止まらない。 ――でも1日に2本3本とやられることもありますよね? 檜森:全然大丈夫です。 ――ところで、G-COMPLExという名前なんですけが、これにはどういう意味があるんですか? 八木:「G」が、GALETTeさんの「G」とGIRLS4EVERの「G」っていうのをコンプレックス… 桜庭、檜森:コンプレックス(笑)、 八木:「G」を混ぜた、みたいな(笑)。 ――「コンプレックス」っていうと、いわゆる「コンプレックス」とか「固定観念」「強迫観念」という意味もあれば、「複合体」という意味もあって…。 一同:そうですね。 ――それを合わせたということですよね。で、やっぱり「x」が小さくなってるっていうのは… 一同:GALETTeさんの「e」に合わせてです。 ――なるほど。で、先ほどもおっしゃいましたが、GALETTeとGIRLS4EVERを公式に継承してるとのこと。そういうコンセプトは、皆さん事前に聞かされていたんですか? 一同:はい。 ――そういうコンセプトをどう思いました? 八木:元々くるみとかすみさんはGIRLS4EVERでそういったファンク系の曲をやっていたので、「GALETTeさんの曲ができる」ってことを聞いた時はすごい嬉しかったです。 ――そういう意味では、GALETTeのようなジャンルの曲はお好きだったというか、やりたかったという感じですか? 一同:はい。 八木:やりたかったです。 ――でも、GALETTeって思い入れの強いファンの方もたくさんいらっしゃると思うんですが、プレッシャーみたいなものは感じなかったですか? 桜庭:最初はありました。 八木:お披露目の時は「どういう反応がくるのかなぁ」といった不安もあったんですけど、「しっかりしたパフォーマンスを見せれば認めてもらえる」と思ったので、頑張りました! ――では、初めてG-COMPLExとしてステージに立った時は、しっかりと準備して、自信もあったわけですね? 八木:そうですね。たくさん練習したので。 桜庭:私も最初は「いろいろ思われるだろうな」とは思ってました。やっぱりGALETTeさんを思う気持ちが強い人たちからは「ええ~、そんなユニットどうなのかな」って思われるだろうなと。でも、「歌い継いでくれる人がいて嬉しい」と思う人もきっといるだろうなと思ったので、そこは気持ちで負けないように自信を持ってやっていこう、と思うようにしました。 ――檜森さんはその時はまだいらっしゃらなかったんですよね。 檜森:はい。G-COMPLExには7月1日に加入しました。GALETTeさんは前やってたグループの時に見させていただいてて、それで「すごいな」と思ってて。まさかそのGALETTeさんの曲をできるなんて思ってなくて…。どの曲もいい曲で、ファンの人の思い入れもあって…。そんな曲を歌わせていただけて、すごいありがたいです。だからGALETTeさんのファンの人にも、もっともっと認めてもらえるような、GALETTeさんの曲を歌って認めてもらえるようにはなりたいなって思いました。 ――G-COMPLExのお披露目ライブは観られたんですか? 檜森:いえ。観てないです。 ――では、そもそも皆さんどういうふうに集まったというか、集められたというか…。どういう経緯でG-COMPLExが結成されたんでしょうか? 桜庭:大人の人たちから呼び寄せられました(笑)。 一同:(爆笑) 桜庭:先ほど言ったみたいに、私とくるみはGIRLS4EVERで活動していたんですが、その縁があってというか…。そこで「こういうユニットをやるんだけど、もし良かったらやらないか?」という風にお誘いをいただいて、「是非お願いします」とお答えして、やらせていただくことになりました。 ――G-COMPLExのお披露目が4月で、GIRLS4EVERも割と直前まで活動してたんですよね? 桜庭、八木:はい。 ――じゃあ、すんなりと新しいグループに移行した、と。失業することなく(笑)。 八木:そうですね(笑)。元々N-FlavoRの一部のメンバーがGIRLS4EVERも兼任していたんですよ。くるみはGIRLS4EVERだけで…。 桜庭:私はGIRLS4EVERとN-FlavoRを兼任していて。 八木:で、GIRLS4EVERが解散になって、兼任していたN-FlavoRのメンバーはN-FlavoRに一本になって、という感じです。 ――で、そのお披露目が4月15日にあったわけですが、その前日にも何かあったんですよね? 桜庭、八木:はい。プレお披露目が。 ――プレお披露目というのは何だったんですか? 八木:「ジーコン、こういう曲やるよ」みたいな。「こういう活動していくよ」みたいなのを、前日に少し見せたというか…。 ――その時はGALETTeの曲を継承するってことは公言していたわけですよね? マネージャー:言ってはいましたけど、その日はGALETTeの曲はやりませんでした。 桜庭:オリジナル曲を2曲やりました。 ――なるほど。それは対バンみたいなのに出たという感じですよね? 八木:そうですね。 ――で、翌日に本番のお披露目となったわけですが、いかがでしたか? 桜庭:お披露目の時にすごい感じたのは……GALETTeさんの楽曲のイントロが流れた瞬間のお客さんの反応がすごくて! 「うおおお!」みたいな。もう、それがすごい嬉しくて。すごい喜びとか楽しさとか、そういう記憶が強く残ってます。 ――その1曲目って何をやられたんですか? 桜庭:ライブの1曲目は…。オリジナルをやったんだよね? 確か…。覚えてない(笑)。 八木:「G to G」だった気がする。 桜庭:うん、「G to G」だ。で、MCで自己紹介とか「これからよろしくお願いします」というのを言って、その後「これからGALETTeさんの曲を歌わせていただきます」って言って、「Brand-New Style」と曲名を言って、イントロが「デュデュデュデュ♪」って鳴ったら、もうワーー!って感じでした。 ――八木さんはいかがでした? 八木:やっぱりステージに立つ前はすごいドキドキして、何かもう「どうなっちゃうんだろう」と思ったんですけど。ステージに立って、お客さんがすごいいっぱい来てくれてて…。それを見て「これからここで本当に頑張っていこう」という強い気持ちになりました。 ――終演後の特典会ではファンの方からも直接いろいろお話があったと思うんですが、どんな反応がありましたか? 八木:「楽しかったよ」とか。結構いい反応だったので良かったです。 桜庭:GALETTeさんのファンだった方とかも結構来てくれてたので、その人たちに「楽しかった」「パフォーマンスもしっかりしてた」「またライブ来るね」って言ってもらえたのがすごい嬉しかったです。 ――当日は盛り上がりがすごくて、皆さんのアドレナリンもすごく出てって感じで、その時にはちょっと分からなかった部分もあると思うんですが、後から振り返って、例えば反省点とかありました? 桜庭:う~ん。でも、練習期間がかなり短かった割には、お披露目の時はそれなりのパフォーマンスはできたかなとは思うんですけど…。でも、後から映像とか見て振り返ると“激しさ”がまだ足りてないなみたいな。ちょっと何か「上手にやらなきゃ」みたいな感じが見えるなって。その後、「激しさを見せよう」といったことを考えながら色々と工夫していったんですが、今思うと、最初の頃はまだまだ足りなかったかなと思いますね。 ――なるほど、まだ“爆発”が足りなかったと。 桜庭:まだまだでした。 八木:今に比べるとやっぱり動きの激しさが足りなかったと思いますね。
2018.09.07
  • インタビュー
素晴らしい楽曲をいただいているので、私たちもしっかりパフォーマンスしなきゃってずっと思っています。
誤解を恐れずに言えば、RYUTistは“分かりにくい”アイドルである。 いや、もっとポジティブな表現をしよう。一見簡単にクリアできそうに見えながら実は一筋縄ではいかず、ひとたび足を踏み入れると思いもよらぬ展開が次々と起こり、その高低差に翻弄されながらも気がつけば奥深い森に迷い込んでいる……そんな、一度ハマると病みつきになるゲームとでも言おうか。 筆者の例で説明しよう。筆者がこの新潟を拠点とする4人組アイドルにハマったのは、2016年8月にリリースされた2ndアルバム『日本海夕日ライン』から。彼女たちの素性はほぼ知らぬまま美しいジャケットに目を奪われ即購入、そこに収められた音楽はジャケット以上の素晴らしさだった。その時は、大人っぽい白のワンピースに身を包んだ4人をやや遠景で捉えたジャケット、そして超高品質なポップサウンドと美しいコーラスワークから推察して、「20代後半のコーラスグループかな」ぐらいに思っていたのだが…。そして、その翌月に幕張メッセで行われた@JAMにて彼女たちのライブを初見。いかにもアイドルアイドルしたギンガムチェックの衣装にアイドル定番の自己紹介、さらには10分ほどしかない持ち時間を3分ぐらい地元のゆるキャラ紹介に割いたりして…。「あれ?これが『日本海夕日ライン』を歌っている人たち?」と驚きを隠せなかった。もちろんその後も音源は愛聴していたが、ライブを観る機会はなく…。だが、2017年8月にリリースされた『柳都芸妓』で前作を上回る衝撃を受け、その直後に渋谷eggmanで行われたワンマンライブではそのあまりの素晴らしさに心を鷲掴みにされた。そこでは傑作『柳都芸妓』が全曲披露され、RYUTistの“楽曲派アイドル”としての真骨頂が大いに発揮されたのだ。 そして、先日8月18日地元新潟で行われた7周年記念ワンマンライブ「RYUTist HOME LIVE~7th Anniversary@NIIGATA LOTS~」では、さらに森の奥深くを垣間見ることとなった。普遍的なポップの魅力を湛える“楽曲派アイドル”としての姿。ギミックに頼ることなく直向きに歌い踊る“王道アイドル”としての姿。老若男女に愛される“地元アイドル”としての姿。あたかもセーラームーンやプリキュアのごとく小さいお子さんたちから憧れられる“スター”としての姿。そして、数々のローカルCM曲を歌う“ご当地アイドル”としての姿。これまで見てきた様々な側面、さらにはまだ知らなかった一面を含め、ようやく彼女たちの全貌を見届けたと感じたのだ。 ところがその翌日、彼女たちは「HOME LIVE」と呼ばれる定期公演をしれっと行い、なんとほぼ全編カバー曲のレアなセットリストを展開。沢田玉恵からGO-BANG’S、毛皮のマリーズにフジファブリックなど、これまた“分かりにくい”選曲で、前日の2時間半のワンマンライブに詰め込むことができなかったまた別の一面を、ここで披露したのだ。この森はどこまで深いのか…。 様々な側面を打ち出しながら、あらゆる層を懐深く引き受ける。これぞまさに“アイドル”である。それは、閉じた世界に向けて作られた類型的なアイドルではなく、むしろマイケル・ジャクソンやマドンナ、あるいは松田聖子のような広義に捉えた“アイドル”だ。むろん、今はまだこうしたビッグネームに比肩する存在ではないが、彼女たちの持つ多様性や普遍性は大きな可能性を秘めている。 現に、“楽曲派”を自負する耳の肥えたリスナーには、その頑固な心を氷解させながら、ライブの終わりには「バハハ~イ」と手を振らせ、しまいにはゆるキャラ好きにまでさせてしまう。一方、王道アイドルとして彼女たちを好きになった面々には、ザ・ビートルズやフィル・スペクター、モータウンやスウィング・ジャズなどの要素が咀嚼されたサウンドを聴かせることでその普遍的な魅力を伝えている。加えて、全国各地から新潟の地へと足を運ばせる力もある。さらに言えば、『日本海夕日ライン』では地域性を、『柳都芸妓』では伝統を巧みに織り込むことで、日本情緒と現代ポップスを見事に融合させている。これは日本のポピュラー音楽では稀有な例と言えるだろう。そこには国や文化、言語の壁を越える力さえ宿っている、と筆者は本気で思っている。このように、彼女たちの音楽は様々なものを“突破”する力があるのだ だが、RYUTistの真の魅力は、4人のメンバーの実直で真摯なパフォーマンスにある。前述の突破力もそれらがあってこそだ。当初は“出すカード”によって若干戸惑いを覚えることもあったが、今や筆者にとって最も“音楽を浴びる喜び”を感じさせるグループである。とにかく、彼女たちのステージは喜びに溢れている。オーディエンスに歓喜や法悦、そして時に感涙をももたらす。多くのファンが口にし、筆者も聴くたびに痛感するのだが、「口笛吹いて」という曲の「この世界はいつでも希望で溢れてる」「この世界はそれでも愛が溢れてる」というフレーズを、彼女たちほど真っ向から歌える歌手はいないだろう。その純粋は響きは、彼女たちにしか紡ぎ出せない説得力を帯びているのだ。 そんなRYUTistにインタビューを敢行。純朴で真面目でストイックな印象だったが、話してみると意外と茶目っ気もあり、“わちゃわちゃ”した感もあった。そんな”どこにでもいるような女の子”たちが直向きに伝えようとするがゆえに、我々も「この世界は希望で溢れている」ことを信じてみようと思うのかもしれない。 7周年ライブの翌々日、新潟は古町にて。むうたん(五十嵐夢羽)、ともちぃ(宇野友恵)、みくちゃん(横山実郁)、のんの(佐藤乃々子)に、ライブのこと、グループのこと、メンバーのことなど伺った。 小さいお子さんが一生懸命「7周年おめでとう」って言ってくれたんですよ!(むうたん) ――NIIGATA LOTSでの7周年ワンマンライブを終えられて、率直にいかがですか? のんの(佐藤乃々子):想像以上に沢山の方にRYUTistを応援してもらっているということを、LOTSさんですごく感じることができて、今は幸せな気持ちでいっぱいです。一昨日のことだったんですけど、まだほわほわしている感じです(笑)。 ――昨日早速ライブ一本やっているというのに? のんの:はい。早速昨日やっているんですけど、まだ余韻が…。「終わったんだ~」と思ってほわほわしています。 ――みくさんはどうですか? みくちゃん(横山実郁):正直終わったという感じがしていなくて…。ライブが終わった直後は、「あぁ、LOTS終わった~」って思ったんですけど、一日明けてふと振り返ると、「あぁ~」って溜息ついちゃうような。「もう終わっちゃったんだな」って…。ちょっと寂しさもありますね。この日に向けていろいろ準備してきたので。 ――なるほどね。ともちぃさんはどうですか? ともちぃ(宇野友恵):自信がつきました。 ――おぉ~。 ともちぃ:LOTSさんのライブ前は「まだRYUTistはLOTSさんではできない」「まだまだ力不足だ」と思っていたんですけど、LOTSさんのステージに立って、沢山の方に応援していただいていることを感じて、ステージに立ったこの現実というものを感じて……昨日やったHOME LIVEでは自分が一段階パワーアップしたような感じがして、すごく自信になりました。 ――むうさんはどうですか? むうたん(五十嵐夢羽):もう、ホントに最初から最後までずっと楽しくて! 「終わっちゃったんだな」っていう寂しい気持ちと、「その日に戻ってもう1回やりたいな」っていう気持ちがありますね。あと、すごく心に残っているのが……小さいお子さんが一生懸命 「7周年おめでとう」って言ってくれたんですよ! ――それは特典会で? むうたん:はい、握手会の時に。頑張って伝えようとしてくれているのが可愛くて、すっごいうれしかったです。 ――なるほど。僕も皆さんのこうした大規模ライブを新潟で見るは初めてだったんですが、「雰囲気が違うな」っていうのをすごく感じました。なにか「RYUTistの全貌がようやく分かった」っていう感じがしたんです。まあ、その翌日のライブでまた違うところを見せられて、「いったいどこまであるんだろう、この人たち」みたいな感じがしたんですが(笑)…。でも、LOTSのフロアにはお子さんからお年寄りまで様々な方がいらっしゃいましたよね。 ともちぃ:そうですね。メンバーのお友達、親戚の方も来てくださっていました。 ――ともちぃさんは、数少ないお友達が観にいらしたんですよね? ともちぃ:はい。数少ない(笑)。 ――お友達はどうおっしゃっていましたか? ともちぃ:「楽しかったよ」って、「また見に行きたい」って言ってくれました。 ――なるほどね。お友達、大事にしてくださいね。 一同:(笑) ともちぃ:ほんとに大事にします。 ――みくさんはお友達の“ギャルズ”が来てたんですよね? 一同:(爆笑) みくちゃん:ギャルズ(笑)。 ――言い方がちょっと古いですか???(笑) みくちゃん:(笑)。RYUTistのファンの方にも「ああいう黄色い声援はすごい新鮮だった」って言ってくださる方が沢山いて(笑)。メンバーが手を振ったりすると、本人たちもうれしかったみたいで「キャー」って言ってくれたんですよ。で、昨日友達からLINEが来て、「私たちめっちゃ騒いじゃったけど、大丈夫だったかなぁ?」ってちょっと反省していたんで、「全然大丈夫!みんな喜んでたよ!」っていうふうには伝えました(笑)。 ともちぃ:滅多にないからうれしかったよね。 むうたん:うれしかった。 ――確かに、ちょっと賑やかな声が聞こえてきていました。 みくちゃん:「キャー」ってすごい叫んでました。 ――むうさんは、先生がいらっしゃったんですよね。 むうたん:そうです。中学校の時の担任の先生と今の担任の先生が見に来てくれたんですけど、ずっとむうのライブを見てみたいって言ってくださっていて、でもなかなか先生もお仕事がお忙しいので来られる機会がなかったんです。で、今回「こういう大きなライブあります」って言ったら、「これは絶対行く」って言ってくださって、予定を合わせて観に来てくれたんです。「こんなにいろんな人に囲まれて活動してるの知らなかったし、パフォーマンスもカッコよくてまた見に来たいって思いました」って言われて、よかったです。 ――のんのさんは…? のんの:お友達と、あと親戚の皆さんがいっぱい来てくれました。私、お盆とかお正月とか、親戚が集まる時には、いつも私だけ参加できなかったんですよ。なので、今回はLOTSさんにみんな集まってくれて、こんな風に活動している私の姿を見てもらってすごくうれしかったです。 ――初めて見られる方もいらっしゃったわけですね? のんの:はい。そうですね。 ――受け答えが手堅いですねぇ。 のんの:そうですかね。(みくちゃんを見ながら)なんでいつも私の時、そんなに見るの? みくちゃん:あっちも見てるよ! のんの:見てる?見てないよ、こんなに見られると緊張しちゃうよ。 ――いや、でもすごいなと思っちゃいますよね。 みくちゃん:お話上手だなと思って。 のんの:上手じゃないよ。 ――(笑)。で、いわゆるアイドル現場って、本来“アイドルに憧れるお子さん”にも開かれているべきだと思うんですが、例えば東京だと、そういう空気って残念ながらあんまりないんですよね。でも一昨日のみなさんのライブではそういうお子さんも沢山いました。そういう老若男女に支持されている姿を見ると、「やっぱりアイドルだな」って思いました。広い意味での、というか、本来の意味での“アイドル”というか…。 むうたん:うれしい。 のんの:小さいお子さんが来てくれるのすごいうれしいです。 ――みなさんのレパートリーの中には、CMソングなんて特にそうですが、そういうお子さんも踊れるような、分かりやすいようなものもやられてますよね。CMにも沢山出られていますし…。 みくちゃん:そうです。うれしいことに。 ――まあ、新潟県外ではCMの浸透具合は実感としては分からないんですけど、もう、みなさんは街も歩けないぐらいで…? 一同:(爆笑) みくちゃん:それは言い過ぎです(笑)。 ともちぃ:普通に歩いてます。 むうたん:今日も歩いてきました。 のんの:偶然むうたんと会ったよね、途中で。 みくちゃん:このTシャツ(RYUTistのTシャツ)来て普通に歩いてきました(笑)。 ――でも、「テレビの人だ」って見られることないですか? のんの:いや~。 ともちぃ:4人で歩いているとたまにありますけど。 むうたん:たま~に、ね。 みくちゃん:1人だったらないよね。 のんの:そうだね。 ともちぃ:気配消しているので(笑)。 ――消しているんですか??? いや、逆に近づけないオーラが出てるんじゃないですか? みくちゃん:見向きもされないよね? のんの:全然オーラない(笑)。 ともちぃ:のんのは街でたまに会うと「あ、全然違う」って思いますね、オーラが。芸能人っていう感じがします。 ――そうなんですか? のんの:たぶん姿勢がいいだけだと思います(笑)。 ――アハハハ。 みくちゃん:リュックをこうやって持って歩く人そうそういないからね。 ――え? どういうふうにですか? みくちゃん:普通の人はリュック担いでいてもこう普通に歩くじゃないですか。乃々子さんは歩く時いつもリュックのヒモにこうやって手を掛けて、(編注:リュックのストラップを両手で掴むような仕草で)こうやってずっと歩いているんですよ(笑)。 のんの:そう?そうなんだ…。 ――それは背中が曲がらないようにというか、姿勢を保つように、という感じですか? のんの:肩が痛いなって思って(笑)。 ――肩が痛いな、ですか?(笑) のんの:はい。 ――ハハ(笑)。で、ライブは「楽しかった」とおっしゃいましたけど、実際はみなさんめっちゃ泣いていましたよね? むうたん:出番前が一番泣いていたよね? ともちぃ:うん。 ――っておっしゃっていましたよね。出番前から泣かれてたって。 ともちぃ:(プロデューサーの)安部さんが本番前に「大丈夫だよ」ってお話ししてくださったんですけど、その時からずっと泣いてたんですよ…。 ――えっと、泣いたのは…? のんの:むうたんとみくちゃんです。 ――ともちぃさんは、あんまり泣かない方なんですか? ともちぃ:私も泣きそうなぐらいすっごい緊張していたんですけど、2人がわんわん泣いているから、泣けないなっていう…。2人を慰めないと、と思って(笑)。 ――で、お二人はどういう涙だったんですか? みくちゃん:緊張がすごくて、まだライブが始まってどうなるかっていうのが未知数で、自分の中でも、私自身LOTSさんのステージに立つのが初めてだったんですよ。なので、これからどうなるんだろうっていう緊張もありましたし、「わあ、始まる」って思ったら、「大丈夫だよ」っていう言葉さえも泣くきっかけになってしまって、泣いちゃいましたね、本番前なのに。 ――そういう気持ちって初めてでした? みくちゃん:そうですね、普段は結構気合入れて(太ももを叩きながら)よし、よし、よし、よしみたいな感じでやっているんですけど。 のんの:初ライブの時以来じゃない? みくちゃん:そうですね。RYUTistとしての初めてのライブの時も泣いていたんですけど、緊張が抑えられなくなるのはホントに久しぶりだったなって思います。 ――「鮫とゾンビ」(編注:RYUTist加入前のソロ歌手としてのデビュー曲)を披露した時とどっちが緊張しました? みくちゃん:うわぁ!よくご存じで!(笑) ――いろいろ調べてきましたから(笑) みくちゃん:あの時は小学生だったので。 ――あ、小学生だったんですね。 みくちゃん:小学校6年生の最後、卒業前くらいだったので、「やるぞー」みたいな感じの子供のテンションだったんですけど、今はちょっと大人になったので…。成長するといろいろ考えてしまって緊張が止まらなかったです。 ――なるほど。では、むうさんはどんな涙だったんですか? むうたん:「いよいよ始まるんだな」っていう緊張と、安部さんの言葉で…。あと会場のアナウンスで「もう一歩ずつ前に詰めていただけますか」っていうのが聞こえて、「そんなにいっぱいいるの?」って思って。それでうれしくなって出た涙もありました。あと、のんのがちょっと涙目だったっていうのもあります。 ――え?そうなんですか? むうたん:のんのはなかなか泣くことがないので「えっ」て思って。それでびっくりしてちょっともらい泣きしたところもありました。 ――涙が出そうだったんですか? のんの:必死に堪えました。でもバレていたとは…。今知りました(笑)。 むうたん:すぐ分かったよ。 のんの:ばれてた??? ――でも、出番前から緊張されたり涙したりしたのに、でも、またやりたいとか、終わってちょっとロスみたいなものを感じている、っていうことは、やはり何か掴んだものがあるんじゃないですか? 例えば、ご自身ではこのライブをどう評価しますか? みくちゃん:う~ん。自分の中では「まだもうちょっとできたかな」って思うところはあります。緊張しながらも100%で臨んではいたんですけど、もう1回やるってなったらたぶんもっとすごいものを、もっとしっかりしたものをお見せできるかな、っていうのはあります。あのステージに立ったことで、自分はここまでできるんだっていう自信に繋がったこともあったし、こうしなきゃいけなかったなって反省に繋がったこともあったので、それを踏まえたら「まだもうちょっとできるかな」って思いました。 ――他の方はどうですか? のんの:あの規模の会場で2時間ちょっとのライブするのが初めてだったので、総合的に良かったなって私は思うんですけど、初めてだったので、今度そういうことでやる時には「もっとこうしたい」っていうのが沢山見えてきたので、それもすごく良かったなって思います。次に繋げられるライブになったかなって思っています。 ――例えば具体的にこうしたいみたいなのって、どんなことですか? のんの:歌の聞こえ方とかが全然違って、当日のリハーサルで結構短い時間で合わせたんですけど、それももっといろいろ話し合ってやることができたら、もっとよく聴こえたんじゃないかなって思ったりとか…。自分の声の出し方とかも、感覚を掴むまでにちょっと時間がかかったので、そういうところとか…。フォーメーションとか、ステージの使い方ももっといろんなことできるかなって思いました。 ――極めて音楽的な、アーティスティックな感じですね! 一同:アハハハ。 ――でもホントに、低音の鳴り方とかヴォーカルの聴こえ方とか、翌日の定期公演とはやっぱり違いましたよね。 のんの:全然違いますね。 ――昨日の定期公演ではとても歌いやすそうに歌っていた感じがしました。 のんの:そうですか?良かった。 ――一昨日のLOTSでは、ちょっと“戦って”いた感じが…。 のんの:やっぱりそうですか。私もそう思いました。 ――他には何かありますか? ともちぃ:私もみくちゃんやのんのと一緒で、まだもっとできたなって思いました。気持ち的には「ファンの方に助けてもらったな」っていうのがすごくあって…。本番前にすごい緊張してたって言ったじゃないですか。ステージに出た瞬間、ファンの方からいっぱい声援をいただいて、そこから「よし、やるぞ」みたいなエンジンがかかったというか…。ライブ中ずっとファンの方の一つ一つの反応に助けられていた感じがしました。なので、次にこうした大きな会場でやる時は、自分たちからもっと皆さんに何かを届けられるように…。元気を届けるというか、楽しいって思ってもらえるようなことができたらいいなって思いました。 ――ステージに出てからは緊張しなかったですか? ともちぃ:ステージに出てからは「大丈夫だ」って思いました。私が一番最初に出たんですけど、出た瞬間にファンの方の大きな声援が聞こえて、会場がお客さんでいっぱいで、「全然大丈夫だ」と思っちゃって、それでエンジンがかかりました。 ――なんというか、“ホーム感”ってすごかったですよね。むうさんはどうでしたか? むうたん:気持ち的にはもちろん気合十分で臨んだんですけど、やっぱりみんな言っているように、ダンスとか歌とかMCとかでも反省点はいっぱいありました。でも、ファンの人に楽しんでもらうっていうのが一番なので、「最高だったよ」とか「楽しかったよ」って沢山の方に言ってもらえたっていう点では、すごいいいライブをお届けできたんじゃないかなって思います。
2018.09.03
  • インタビュー
「聴き手にちゃんと音楽の良さを伝えられてるな」って感じることが多くなってきましたね
グルーヴィーなリズムにブラスやオルガンなどが配された、古き良きソウルミュージックを想起させる音像。女の子の日常から溢れるキラキラ感がちりばめられた、ガーリーでスウィートでハッピーな歌詞。そして、それらに生命を吹き込むのは、ふわふわとした柔らかさや煌めくような華やかさ、そして凜とした力強さをたたえた3人の女の子たち。時代を越えるスタイリッシュさ、本能をダイレクトに刺激する躍動感、多くの人と共鳴するリアルな言葉、可愛らしさと大人っぽさの繊細なグラデーションに彩られた味わい深いルックスやキャラクター。メンバー自身がインタヴューで述べているように、多彩な魅力を備えた、まさに「いいとこ取り」のユニットである。 さんみゅ~のSENAとMAMIにHINAを加えた3人からなる“ヴィンテージソウル・ガールズユニット”MELLOW MELLOW”。2017年10月2日に始動し、同年11月25日にタワーレコード池袋店にて初お披露目。12月6日にインディーズよりシングル「ガールズアワー」をリリース。2018年6月20日にはシングル「マジックランデブー」でメジャーデビューを果たしている。 メジャーデビュー・シングルの表題曲「マジックランデブー」の作曲を担当するのは、フィロソフィーのダンスの作編曲、寺嶋由芙や東京女子流などへの楽曲提供で知られる新進気鋭の作曲家・宮野弦士。作詞は、巷でじわじわと注目を集めるソロガールズラッパーのMCpero。そして、レコーディングエンジニアは、佐野元春や電気グルーヴから星野源に至るまで数々の著名アーティストを手掛けてきた大御所・渡辺省二郎。また振り付けは、数多くのCMやミュージックヴィデオを手掛け、カンヌ国際広告祭グランプリなど数々の賞に輝いてきた日本の振付師集団・振付稼業air:man。ちなみに宮野弦士はカップリング曲「グレフル」「シュガシュガ」、そしてインディーズシングル「ガールズアワー」の作曲も、MCperoは「シュガシュガ」及び「ガールズアワー」の作詞も手掛けている。 こうした一流の作家陣を揃えて制作された楽曲は、幅広いリスナーの心を掴む高品質のもの。そして、それを直接リスナーへと届ける役割を帯びながら歌い踊るSENA、MAMI、HINAの3人の表現力も、決して楽曲に引けを取らないクオリティの高さを誇る。何より彼女たちは、「ヴィンテージソウル・ガールズユニット」「身長150cm以下の小柄女子ユニット」といったコンセプト以上にこのユニットにとって重要な「楽曲の素晴らしさを伝える」「歌を届ける」というテーマを直向きに実践しており、そうした真摯なアティテュードがこれらの楽曲群を一層魅力的にしているのは間違いない。 とはいえ、まだデビューして一年にも満たないMELLOW MELLOW。まだまだ発展途上であり、その伸び代は果てしない。彼女たちの行く末に大きな期待を寄せつつ、SENA、MAMI、HINAの3人にまずは来し方を、そしてこのユニットや楽曲の魅力についてお話を伺った。 もうなんか、ちょっと可愛すぎてびっくりしたんですよ(HINA) ――まずはMELLOW MELLOWの結成のいきさつをお聞かせください。 SENA:さんみゅ~の定期公演にテイチクエンタテインメントのレーベル“I BLUE”の方に観に来ていただいて…。HINAちゃんも結構さんみゅ~のライブに遊びに来てくれていたんですよ。それが始まりですね。 MAMI:そうですね。 ――ああ~、お二人はさんみゅ~に飽き足らず… SENA:そんなことないですよぉ!!! ――じゃなくて?(笑) MAMI:そんなことないです!(笑) 観ていただいて、「この3人でやったらいいんじゃないか」ってなったんです! ――なるほど。その時はお二人とHINAさんはお知り合いだったんですか? MAMI:いえ、知らなくて…。 ――知らなかったんですね。で、「一緒にやったら」という提案があって…。そう言われた時はいかがでした? SENA:最初は本当にびっくりしました。自分の人生で2つグループをやるとは思ってなかったので。 MAMI:びっくりでした。 ――お二人はさんみゅ~の中では…え~、仲、良かったんですか…??? SENA:仲いいです! ――でもグループって必ず派閥ありますよね?(笑) SENA:ないですよ!ないです!(笑) MAMI:全然ないです!(笑) ――(笑)でも、逆に言えば、5人いて2人だけ選ばれるとなったら…さんみゅ~の他のメンバーは文句言ったりしませんでしたか?(笑) MAMI:文句なんてことは全然なかったです! でも私たち、ちょっと誇りに思いました(笑)。 SENA:アハハハ。 MAMI:本音が出ちゃった。 SENA:でもそうやって観に来ていただいて、きっといいと思ってくださったから生まれたグループなので。 ――ある意味、お二人は“MELLOW MELLOW選抜”ですよね。 一同:アハハハ。 SENA:あと、私たち3人皆身長が150センチ以下なんですよ。そういうのもあって…。 ――あ、そういうコンセプトもあるんですよね。身長150センチ以下って。 SENA:後付けなんですよ。 ――あぁ、後付けなんですね。 MAMI:たまたまみんな小さくて。 ――あぁ、測って選んだわけではないんですね…。ボクシングの計量みたいに(笑)。 SENA:はい(笑)。 ――で、HINAさんはどうでしたか? このお二人とユニットを組むことになって。 HINA:最初やるって聞いた時は、もう本当に“びっくり”と“うれしさ”で、もうすごかったです。さんみゅ~を観ていて「すごいな~」と思ってた二人なので…。そんな二人と一緒にグループができるのは本当にうれしかったですね。 ――さんみゅ~を観にいらしてたってことは、ファンだったんですか? HINA:はい、そうですね。 ――どうですか?お二人はそういう風に言われて? SENA:いや、うれしいですよ。そういう人と一緒にやれた方が楽しいと思いますし。 ――三人で顔合わせしたのっていつですか? SENA:去年の5月ですね。 ――初めて会った時はいかがでしたか? HINA:いや、もうなんか、ちょっと可愛すぎてびっくりしたんですよ。 SENA:それはこっちもそうです! HINA:間近でアイドルさんを見た時の「おぉ!」みたいなのが、すごかったです。 SENA:いやいや、こちらもですよ。 MAMI:透明感がすごくて。 SENA:透けてました(笑)。本当に。 ――(笑)いや、分かりますよ。こんなお綺麗な方々を目の前にすると、そうやって褒め合うのも分かりますけど、でも、お二人は先輩じゃないですか? 結構業界長いじゃないですか? SENA:そうですね(笑)。 ――(笑)怖くなかったですか??? HINA:いや、怖くはなかったです(笑)。 SENA:いいんだよ、本音言っても(笑)。 HINA:実は…とか言って(笑)。
2018.08.17
  • インタビュー
成し遂げた人が歌う応援ソングじゃなくて、まだまだ掴みたいものがたくさんある私たちが、一緒に走りたいという気持ちを込めて歌っているんです
インタヴューの冒頭から“疑いにかかって”いるが、ステージ上の彼女たちは本当に“平均年齢17歳”には見えない。例えば今年3月に行われたワンマンライブ。3人の声が清澄な響きを伴って重なり合うアカペラに始まり、続いて各々がストンプで腕利きミュージシャンたちと掛け合いを行なったかと思えば、やがて力強い生歌でフルバンドと互角以上に渡り合う。ローティーンの頃からこのグループを始め、その長い活動期間を通して酸いも甘い噛み分けてきたとはいえ、この威風堂々たるパフォーマンスを見るにつけ、やはり“平均年齢17歳”とは俄かに信じがたい。 いや、同系統のガールズグループを見渡せば、個々人では彼女たちより上手いシンガーを見つけ出すことは可能だろう。彼女たちより上手いダンサーもいるだろう。だが、メンバーのボーカルやダンス、ステージング、表現力などのスキルの平均値、あるいはグループの総合力という点では、彼女たちを越える同系統のガールズグループはなかなかいないのではないだろうか。 また、昨今のこうしたガールズグループは、ファンクやディスコ、パンクやニューウェイヴ、グランジやラウドロック、ポストロックやプログレなど特定のジャンルを打ち出すことでその“特異性”をアピールし、また洋楽的要素を取り入れることでその音楽性の高さを担保する、という“戦略”をとるケースが少なくない。 だがJ☆Dee’Zの場合、そのアプローチは少々異なる。このグループのサウンドは、概ね“ダンス・ミュージック”と言えるかもしれないが、特定のジャンルやアーティストに大きく寄ったようなものはない。いや、実際ジェームス・ブラウンを想起させるファンクや、モータウンビートを配したレトロなポップンソウル、あるいは80年代ディスコ風トラックなど、アーティストやジャンルを意識したものはいくらかあるが、いずれもが、言うなれば“J-POP”に、さらに言えば“J☆Dee’Zサウンド”に巧みに落とし込まれている。そういう意味では、特定の色に染まっておらず、サウンド的には“自由”だ。 それはすなわち、サウンド自体には“色”は塗らず、3人の高い技量によってそこに“色”を施させよう、というのがこのグループのコンセプトなのではないだろうか。いや、さらに言うならば、“サウンドの色”というよりも、3人の上質のスキルによって描き出される“メッセージ”こそがこのグループの表現の核なのではないだろうか。ゆえにサウンドに過度な色彩は施されず、そのことこそがJ☆Dee’ZをJ☆Dee’Zたらしめているのだ。 2010年にキッズダンスグループとして始動し、やがてボーカル&ダンスグループへと進化。2014年に「Beasty Girls/Let the music flow」でメジャーデビュー。その後も紆余曲折を経ながら研鑽を積んできた。そして8周年を迎えた今年。8枚目となるシングル「未来飛行/流星のパノラマ』をリリース。表題曲「未来飛行」は、サウンド的には8ビートロックを基調に「抑制~解放」という音像の転換で聴かせるナンバーだ。シンプルであるがゆえに、彼女たちのボーカルがニュアンス豊かに響き、そのメッセージが大きな説得力を帯びる。もう一つの表題曲「流星のパノラマ」では、ハウス/エレクトロの影響が色濃いJ-POP風トラックの上で、ロマンティックな恋心が歌われている。いずれも、その真に迫るボーカルの表現力が秀逸だ。 そんな充実作をリリースしたJ☆Dee’Zの3人、Nono、ami、MOMOKAにグループの歴史や魅力、そして最新シングル、さらには3年ぶりとなる東名阪ツアーなどについて伺った。 仕事となると大人っぽく見られるんですけど、オフになったら“結成当時の歳ぐらい”に戻ります(笑)(Nono) ――「平均年齢17歳、本格派ボーカル&ダンスグループ」と資料にありますが、え~、これはまさか…古いデータじゃないですよね??? 数年前の。 ami:え? 古くないです。 ――本当に平均17歳ですか? 17歳に見えないですよね??。 ami:あぁ~、よく驚かれますね。 MOMOKA:そうですね。「10代に見えない」と言われることもありますし、結成が随分と昔なので「え? 今17歳? あの時も10代だったと思うけど、まだ10代なんだ!」と言われることが結構ありますすね。 ――お2人は高校生。 ami:私は高校3年生です。 Nono:私は2年です。 ――MOMOKAさんは今年高校を卒業されたんですよね。 MOMOKA:はい。 ――ライブを拝見すると、ステージ上では堂々とされていて17歳に全然見えないですよね。で、こうやってお会いすると「やっぱり年相応かな」と思うパターンが多いんですけど、皆さんの場合、やはり平均17歳には見えないです。 ami:そうですか???そうなんだ! ――大人っぽいですよね。このデータ、本当間違っていないですよね??? Nono:間違っていないです! 真実です! 信じてください(笑)。でも、メンバー全員そうなんですけど、オンとオフのギャップがすごくて…。今はオンなんですけど…。こうして仕事となると大人っぽく見られるんですけど、オフになったら“結成当時の歳ぐらい”に戻ります(笑)。 MOMOKA:幼稚園生みたいな(笑)。 ――結成というと8年前の??。 Nono:はい。「ワーッ!」みたいな(笑)。そのギャップが激しいですね。 ――ひとつ確認しておきたいんですが、3月のワンマンの時、MCでamiさんが「夜に駅のホームで3人で集まって~」とおっしゃってましたよね? あれはデビューの前日だったんですか。 ami:そうですね。メジャーデビューの前日です。 ――それは「ポケモンで踊ろう with J☆Dee’Z」ですか。 MOMOKA:いえ、「Beasty Girls/Let the music flow」ですね。 ――「Beasty Girls/Let the music flow」がメジャーデビューなんですね。 ami:そうですね。「ポケモン~」はデビュー前ということになりますね。 MOMOKA:結成してから8年経って、今9年目なんですけど、デビューしてからは4年です。 ――なるほど、デビューが「Beasty Girls/Let the music flow」で、結成は2010年ですよね。 MOMOKA:なので、デビューまでに4年くらい間がありますね。 ――分かりました。それまでの約4年は、“ダンスグループ”という感じだったんですよね。 Nono:そうですね。 ――その時って、どんな活動をされていたんですか。 MOMOKA:例えば、キッズダンスのコンテストがあって、そのゲストダンサーとして出演したりしていました。5分くらいのショーケースで踊ってましたね。それが土日にあったとしたら、その前にちょっと集まって練習したりもしていました。あとは雑誌のモデルもやらせていただいていたので、その撮影があったり…。みんなダンススクール通っていたりとか、他の活動もやったりしてましたね。 ami:出身も違うので、なかなか集まれなくて…。私は兵庫県ですし…。それぞれ別のダンススクールに通いながら、週末に集まってイベントに出たり、練習をしたり、というような感じです。 ――ダンスグループだった時は、どういう音楽で踊ってたんですか。 MOMOKA:ケシャさんとか、クリスティーナ・アギレラさんとか、あと、ケイティ・ペリーさんとか。 ami:あとはリアーナさんとかですね。 ――バリバリの洋楽ですね。個人的にはどんな音楽から影響を受けました? どういう音楽が好きでした? ami:私は安室奈美恵さんをずっと聴いていて、ダンスを始めた当時も、歌って踊れるカッコいい女性の代表みたいな感じだったので、ずっと安室奈美恵さんを聴きながら、ダンスを練習していました。 ――ということは歌いたかった。 ami:いえ、あの時は歌うことは考えていなくて、ダンスだけが好きでした。ダンサー目線で安室奈美恵さんがカッコいいなって思ってました。 ――Nonoさんはどうですか。 Nono:私がTLCさんとかブルーノ・マーズさんをよく聴いてました。 ――ブルーノ・マーズって結構最近ですよね。 Nono:そうですね。ブルーノ・マーズさんは小6ぐらいですかね。 ――そうか…。まだ17歳ですもんね。MOMOKAさんはどうですか。 MOMOKA:私も洋楽は聴いていました。家族が聴いている曲を一緒に聴いたりしていましたし、ダンスのレッスンで使った曲を聴いたりとか。あと、邦楽も聴いていました。J☆Dee’Zの前にも、ちょっとしたダンス&ボーカルグループみたいなのをやっていたので、歌をやりたいという気持ちは芽生え始めていたと思います。 ――それは別のグループですか。 MOMOKA:ダンススクールの中で何人か集めてやるみたいな“企画”としてやってました。そんなのやってたな、っていうのは最近思い出したんですけど(笑)。本当に何回かしかステージには立っていなくて、レコーディングも一応したんですけど、全然活動していなくて、解散も結成とかもなくて、出る場所があればステージに立つという感じでした。でも、そういう活動があったので、歌って踊ることには興味を抱いていました。
2018.07.10
  • インタビュー
最高に生きてる感があって、踊ってる私たちも「人間って最高!」みたいな人間賛歌的なものを感じて
「FUNKY BUT CHIC」を旗印に、哲学的思考を背景とした詞を、本格的なダンス・ミュージックに乗せて歌い踊るフィロソフィーのダンス(通称:フィロのス)。ウルフルズやナンバーガール、相対性理論などを手掛けてきた加茂啓太郎がプロデュースするこの”アイドル”グループは、“楽曲派アイドル”の理想形と言えるかもしれない。 まずは“楽曲”という側面から見ると、洋楽などにどっぷり浸かった耳の肥えたリスナーにも突き刺さるような、本格的なサウンドを展開。シックやEW&F、ジェームス・ブラウン、カーティス・メイフィールドといった偉大な先達にオマージュしたファンクチューンを基調に、時にエレポップやAOR、スタジアム・ロックやエスニックチルアウトまで多岐に亘るサウンドで音楽好きを唸らせるのだ。また、加茂プロデューサー曰く「ポップ・ミュージック・ヒストリーのアーカイブの発掘と再解釈」もテーマとして掲げているとのこと。それはすなわち、フィロのスがオマージュを捧げる音楽を知らない層にも、その普遍性を伝承する役割を果たしているということだ。 そして“アイドル”という側面から見れば、4人のメンバーの“四者四様”のルックスとキャラクターがなんといっても魅力的だ。また、“フォーマット“としてのアイドルの機能を存分に生かして、いわゆる特典会での“接触”やSNSなどでの言動で“神対応”をすることにより、ファンの心をぐっと掴む。そのことにより、“アイドル界隈“外から楽曲で引き寄せられてきた人たちに“アイドル”の素晴らしさを伝える役割をも担っていると言えよう。 楽曲によって引き寄せられた層がアイドルという“フォーマット”の中でさらに虜になっていく。一方、アイドルとしての魅力に惹かれた層が楽曲にその普遍的な素晴らしさを見出す。あたかも“フィロのス”という存在を媒介して、“楽曲”と“アイドル”の素晴らしさが各々伝播されていくかのようだ。 そんなフィロのスが、6月16日恵比寿リキッドルームにて、初のバンドセットワンマンライブを行った。“楽曲派アイドル”にとっては、バンドセットライブは一つの到達点ともいうべきもので、多くの“楽曲派アイドル”が既に挑んでいる。そんな中、フィロのスはまさに満を持してのバンドセット。この夜のライブは、フィロのス史上でも「過去最高となった」と言っても過言ではないだろう。洗練された和声やニュアンス豊かなグルーヴを完全再現するのみならず、そこに臨場感と躍動感を加える、手練手管のミュージシャンたちの優れた演奏に乗り、フィロのスの4人は思う存分歌い踊った。驚きだったのは、この特別な編成による特別なライブで紡ぎ出されていたと感じたのが、決して特別なものではなく、他ならぬ“フィロのスらしい魅力”だったということだ。 それは、彼女たち特有の“肯定性”というか…。いわば“懐古的なダンスミュージック”を鳴らしているがゆえに、ともすれば享楽的、刹那的、あるいは幻影的になりがちだが(もちろん、そうした表現をサウンドの妙とする優れたグループは存在するが)、彼女たちの場合は、幸福感や現実感、あるいは生命感に満ち溢れているのだ。 そうした“肯定性”の秘密を探るべく、十束おとは、日向ハル、奥津マリリ、佐藤まりあの4人にインタビューを敢行。バンドセットライブを終えた数日後に、ライブについて、グループの根源的な魅力についてなど伺った。あの幸福感・生命感の源は“富士そば”??? 「早くアリーナツアーをやりたいので、売れてください」って言われたので、もう何がなんでも売れたいなと思いました(日向ハル) ――恵比寿リキッドルームでのバンドワンマンを終えて、今、率直にどうですか? 佐藤まりあ(以下:佐藤):私たちまだまだ成長できるなって思えたというか…。「すごく良かったよ」と言ってくださるファンの方が本当に多かったし、自分たちも今までにないぐらい一生懸命準備して来たので、“成功”と言っていいかは分からないですけど、しっかりと形に残すことができて良かったと思います。夏フェスもいっぱい決まってるし、これからまだまだフィロソフィーのダンスを知ってもらえると思いますし、「未来に少し希望が見えた」みたいなワンマンだったなと思っていて、「この先も頑張ろう」って気持ちで、今いっぱいです。 ――あくまでまだ通過点というわけですね。 佐藤:はい。ワンマンも「ここは通過点だから」ってスタッフさんにも言われてたんですけど、もうまさにいい感じに通過できたので、また次の目標を決めて、そこもしっかり通過して行きたいなと思っています。 ――なるほど。奥津さん、お願いします。 奥津マリリ(以下:奥津):私は、当日のMCでも言ってたんですけど、“夢が叶った感”がすごい強くて。とにかくすごい幸せで。でも「ここで燃え尽きちゃダメだ」というのはメンバーもスタッフさんもみんなで言ってて、それに、私たちもそうですけど、「ああ、良かった」みたいな感じでファンの方も燃え尽きてしまわないか、って思ってて…。なので、今は「これからを見せなきゃいけない」という思いが強いです。夢が叶って、また次、また次、って思ってもらえるようになりたいな、って。ワンマン翌日にもライブがあったんですけど、ファンの方も「あのフィロソフィーのダンスだから、もっといいものを見せてくれる」みたいな期待感を抱いていただいていたみたいで、翌日のライブでもその熱を持ったまま、階段を下がらずにしっかり上がれたので、これからもまだまだ上がって行きたいな、という思いです。 ――ハルさんはいかがですか? 日向ハル(以下:日向):リハーサルから本番までの約半月だったんですけど、自分が今までやってきた中で、一番刺激を受けて、一番自分が成長したなと思える時間でした。まずプロの力に感動したというか…。初めてリハーサルを見学した時に、メンバー全員感動して泣いちゃうぐらいすごい演奏で…。「こんな素晴らしい演奏なんだから、お客さんにこれをさらにいい形で伝えるのは、もう私たち4人に掛かっているな」と思って必死に練習したんですよ。こんな豪華な方々と今までやる機会がなかったので、やっぱりそういうのを目の当たりにして、自分に対して思うこともありましたし、「やっぱプロってすごいな」って改めて思いましたし。ライブが終わってからも、そのバンドメンバーの方々と打ち上げとかでたくさん話して、「なんで音楽を始めたんですか?」とか、「どういうモチベーションで頑張って来たんですか?」とかいろいろ聞かせていただいて…。 ――お聞きになったんですね? 日向:聞きました。そんなに簡単に会える方々ではないので、貴重な経験になったと思いますし、終わってからもメンバーの方に「今までバンドでライブをやることに慣れ過ぎてて、今回ハルちゃんたちが僕らの演奏に合わせて本当に楽しそうに幸せそうに歌って踊っているのを見て、心が洗われました。バンドって素晴らしいなって改めて思いました。ありがとう!」って言われて…。こっちはもう素晴らしい演奏をバックにただただ楽しかっただけなのに、そう言っていただけたことがすごく嬉しくて。「早くアリーナツアーをやりたいので、売れてください」って言われたので、もう何がなんでも売れたいなと思いました。 ――十束さんはいかがですか? 十束おとは(以下:十束):まずは「終わってすっきりした」っていうのが本音で…。すごいプレッシャーというか、自分が気付いていないものまで抱え込んでいたみたいで、終わった瞬間もう10キロぐらいの重みが取れたと思うぐらい、めちゃめちゃ体がすっきりしました。私、基本的には毎朝6時に起きるんですけど、あの日終わって夜寝てから翌日のお昼12時ぐらいまで目が覚めなくて…。それぐらい自分の体が疲れてた、そこまで頑張ってた、っていうのを改めて知ったんですよね。今まで生きてきてそこまで何かに打ち込んだことってなかったので、「本気になって1つの物事に取り組むことができて、一応成功という形で終われたのは良かったな」って思いました。バンドメンバーの方もすごい豪華な方々で、しかもそれがクラウドファンディングという皆さんの出資で実現したというのが、私はアイドルとしての理想の形じゃないかなと思っていて…。自分たちではまだ呼べる力はないですけど、こうやって応援してくれてる方々の力があって、あのバンドと共にリキッドルームに立てたということが、私の中ではすごい大切な一歩だったなと思っていますね。改めてアイドルとファンの在り方を感じて、「やっぱりアイドルっていいな」って思いました。 ――で、当日なんですが、もう始まる前からフロアになんかすごい熱気というか高揚感があったんですよね。そういうのって、例えば舞台袖にいた時とか感じたりしました? 十束:私、影ナレをしたので、みんなより一足先に舞台袖に行ったんですが、熱気がめちゃめちゃすごくて、「なんだこの空気?」って思いながら影ナレしてたんですけど、流れているBGMでもうみんなでノリノリな感じになってて、「えー!すごーい!」と思って!(笑) ――そうなんですよ。 日向:クラブ状態だったんだね。 十束:影ナレでも、言葉を発したら、もう「ワー!」みたいな。「こんなに人いるんだ」って、その声で改めて圧倒されて、それでライブやるのがさらに楽しみになりました。 ――なんかちょっともう異様って言っていいぐらいでしたよね。僕はワンマンを見させていただく度に、「ブレイクするアーティストの空気みたいなのを感じる」って毎回ツイートしてるんですけど…(笑) 一同:ありがとうございます! ――今回は本当にそれまでで一番感じました。異様なぐらいでした。 十束:不思議だった…。不思議でしたよね? ――不思議でした。 佐藤:体験したかった。 奥津:ステージに降り立った時、一番最初に聞こえた歓声が、なんかテレビでよく使われるような「ワー!」みたいな大歓声だったんですよ。たくさん人がいて遠くの方からも聞こえてくるみたいな音ってあるじゃないですか。素材というか…。本当にたくさんの人がいるというのを感じて、なんか他人事みたいに「テレビのあれみたい」と思ったんですよね(笑)。実感がないというか…。今まで感じたことない空気でした。 ――ある意味すご過ぎて、現実感がなかったという感じなんですかね? 奥津:そうそう。 ――確かに。いや、それこそ加茂さんが選曲された開演前のBGMでね。 加茂プロデューサー(以下:加茂):あそこでうまくつながりましたね。偶然。 ――ですよね。え、でも偶然なんですか?狙ってらしたんじゃなくて? 加茂:狙ってなかったです。 ――ちょっと押したんですよね。で、開演時間が過ぎたぐらいでChicの「Le Freak」が流れて、もう皆さんもあの曲で「いよいよ始まるな」っていうをなんとなく感じていて、あそこでまた一段と「これはなんかすごいことが始まる」みたいな空気が膨らんだんですよね 佐藤:えぇ~!フロアにいたかった…。
2018.07.01
  • インタビュー
それぞれの曲に色があるので、これを聴いてエモまってほしいです。エモまってください!
絶好調のlyrical school(通称:リリスク)である。 だが、旧体制からの”ヘッズ”(リリスクのファンのこと)の中には、これほどまでの見事な復活劇を想像できなかった向きも少なくなかったのではないだろうか。 2010年「tengal6」としてデビューし、2012年にlyrical schoolと改名。その後、幾度かのメンバーチェンジを経ながらも順調に活動してきたが、2016年12月21日に突如としてami、ayaka、meiが卒業を発表。翌2017年2月26日の3人の卒業によって、遂にはオリジナルメンバーがいなくなってしまった。残ったminanとhimeは「新たなメンバーを迎えてリリスクを存続する」と表明していたものの、当時は筆者を含め多くのヘッズが「リリスクは終わった」と認識していたのではないだろうか。楽観的なヘッズでさえ、「たとえ何らかの形で復活したとしても、そこに至るまでにはかなりの時間を要するだろう」と捉えていたはずだ。 そんな中、minanとhimeはhinako、risano、yuuの3人を迎え、2017年5月21日新体制お披露目ライブを敢行。旧体制の終焉より約3ヶ月という驚異的なスピードでの“カムバック”だ。スピードだけではない。新メンバーお披露目で示した大きな期待感。その後、ライブを重ねるたびに、そして新曲を発表するたびに、それはさらに大きく膨らんでいき、やがて“確信”として、あるいは“新たな希望”として我々の目の前に提示された。そんな風にリリスクは“最強の5人”として戻ってきたのだ。 難易度の高いフロウを事もなげに、そしてあくまで“可愛さ”を維持しながら聴かせるという点では唯一無二のラッパー、hime。その情感溢れる歌と凛としたラップで耳目を奪うのみならず、リリスクの揺るぎない支柱として君臨するminan。新体制となってからのこの2人の覚醒ぶりが、現在のリリスク大躍進の大きな要因であるのは間違いない。だが、新加入の3人がもたらした“新風”も極めて重要な要素だ。アイドル性たっぷりの笑顔と類い稀なるコミュニケーション能力で観る者全てを魅了するhinako。LAで培ってきたダンススキルとはっちゃけた性格、そして物怖じしない推進力でステージ上やフロアに新たなグルーヴを巻き起こすrisano。今やminanと双璧を成すまでとなったヴォーカル、独特の愛らしさを醸し出すフロウ、そしてその柔らかな空気感によってじわじわとオーディエンスを惹きつけるyuu。 そんな5人が、新体制として初となるアルバム『WORLD’S END』をリリース。ジャケットはかの江口寿史(リリスクの2013年のアルバム『date course』も手掛けている)。作家陣には、坪光成樹、高橋コースケ、大久保潤也、泉水マサチェリー、ALI-KICKといったお馴染みの面々に加え、スチャダラパーのBose、SHINCO、そして、かせきさいだぁ、思い出野郎Aチーム、Ryohu(KANDYTOWN)といった面々を迎えている。これまでのリリスクの作品同様、コンセプトアルバムの様相を呈しているが、お馴染みのスキットは冒頭のみ。通底するテーマを設けつつも、それを殊更“コンセプトアルバム”として打ち出すのではなく、一曲一曲を強力なキラーチューンとして提示している印象だ。だが、いささか矛盾する物言いになるが、一曲一曲が充実しているがゆえに、加えてテーマが通底しているがゆえに、アルバムとして一気に聴くことができる。とりわけ「DANCE WITH YOU」から「Hey! Adamski!」、そして終焉「WORLD’S END」へと向かう流れは見事だ。 そしてこのたび、hinako、risano、yuuの新メンバー3人にお話しを伺った。ステージ上から感じられる魅力を再認識したのみならず、まだ隠し持っている新たな一面を垣間見ることもできた。さらにはメンバー同士も知らなかった新事実も(?)。じっくりとご一読ください。 適当にポンポン押していって、たまたま開いたらオーディションがあって、押して、はい!(hinako) ――risanoさんはLAに留学されてたんですよね? risano:はい、そうです。 ――それはダンス留学みたいな感じだったんですか? risano:そうですね。小さいころから歌って踊るのが大好きで…。ダンサー/シンガーになりたいって思いがあったんですが、「歌が苦手」っていう気持ちが自分の中であったので「ダンス一本にしようかな」と思ってロサンゼルスに行ったんでけど、そこでリアーナさんのコンサートを観て「リアーナになりたい!」って思ったんです。その時「歌って踊りたい」っていうのを改めて確信しました。 ――リアーナが原点だったんですね。で、Twitterを拝見すると、先日ジョディ・ワトリーを見に行ったんですよね? risano:はい。つい最近。 ――そこにダンスの師匠がいらっしゃったとのことで。 risano:そうなんですよ。 ――で、その時呟かれていましたけど、リリスクに入る前にジョディ・ワトリーのライブで踊っていたんですか? risano:そうなんです! 同じ舞台で去年、加入前に。“ジャパニーズダンサー”として2人選ばれた内の1人として。 ――それはロスから“来日”したんじゃなくて、日本で? risano:日本にいた時です。「踊って」って師匠に言われて、「うっしゃー!」って(笑)。 ――ある意味、そういう“洋楽”志向、“ダンス”志向があったrisanoさんが、リリスクメンバーに応募っていうのはどういう経緯で? risano:そうですね。日本に帰ってきて「アーティストになりたい」ってずっと思っていて、アイドルはあんまり意識して見たことはなかったんですけど、たまたまYouTubeでリリスクさん…リリスクさんだって!(笑)…を見て、「え、これ、アイドル? こんなにカッコいいアイドルさんがいるの?」って思って、どんどん調べまくって、止まらなくなって……応募まで至りました(笑)。 ――一番最初に見たのは何でした? risano:なんだったけな…。「PRIDE」! カッコよかったですね。YouTubeが好きで結構見ていて、“関連”で飛んできました。 ――yuuさんは? yuu:私もずっとダンスやっていて。私の夢も「歌って踊るアーティストになること」だったんです。小学校2年生の時からダンスを始めて、最初はプロダンサーになりたくて…。ダンサーとして結構大きいスタジアムとかで踊らせてもらってたんですよ。でも、やっぱりrisanoと同じで、目が行くのは歌手の方で。バックステージとかでお会いするじゃないですか。もうなんてカッコいいんだろうと思って、そこから私も歌に興味を持ち始めて。で、中学生の時に歌を始めて、ずっと歌とダンスを習ってました。ユニットを組んだりもしていたんですけど、その後東京に出てきて…。でも、私と同じ目標を持つ子が周りにいなかったんですよね。なんか、すごい孤立感を感じでしまって。で、いろいろあって一回姫路の実家に戻っちゃったんですよ。しばらくはダンスも歌もやめちゃって。でも、東京で教わっていた先生が、「お前と同じことを言っている子がいる」って紹介してくれて…。それがrisanoだったんです。で、2人で連絡取り合って。 risano:その先生からyuuの連絡先を教えてもらって、「はじめまして」って(笑)。 yuu:「risanoです」みたいな。 risano:「東京来るとき教えて」って言ったら、すぐ教えてくれて。で、朝、吉祥寺で会ったんだよね。 yuu:朝、モーニング食べながら、初めて会うっていう(笑)。お互い夢語り合って、「こういうことやっているんだよ」っていう動画見せあったりして…。なんですかね…。一度歌もダンスもやめた時に、やっぱり心の中でモヤモヤがあって…。ずっと続けてきたものをこのままやめてしまってもいいのかな、って…。そんな時にrisanoが声をかけてくれたんですよ。「yuu、どうしてる?」みたいに。ずっと気にかけてくれていて。私も何回か東京に行ったりしていて、で、「リリスクのオーディションがあるんだけど」ってなって…。「もし、まだやる気あるならやらない?」って言われて。「もう、これはやるしかない」と思って、最後のチャンスみたいなくらいで意気込んで行ったんですよ。オーディションを受けるのも久しぶりすぎて、めっちゃ緊張しました。でも、自分を出し切っちゃえと思って、全部アピールして、受かって、っていう…。まさかだったんですけど。当時プロデューサーさんとかには、risanoと知り合いだっていうことは言ってなくて。 ――採用する側は、“繋がって”っているのを知らなかったんですね? yuu:知らなかったですよね? マネージャー氏:なんか、後半に「パフォーマンス・オーディション」みたいなのがあって、その時に「やけに急に仲良いな」みたいな感じはありましたけどね。 ――なるほど。そういう疑問はあったと。 マネージャー氏:「急に接近したな」みたいな…。 ――では、hinakoさん。 hinako:私は…Twitterで、オーディションかなんかで調べて、パッと出てきて…。そしたらこうなりました(笑)。 ――調べたのは調べたんですか? hinako:調べたのかなぁ…。 ――聞いたところによれば、Twitter開設したら「フォローしましょう」って出てきた、とか…? hinako:あ、出てきたんです! そうです! お勧め欄から出てきたんです。 ――でも、それが出てくるっていうことは、やっぱりそういうものを、アイドルなのかヒップホップなのか、を調べていたんですか? hinako:最初の時点で、たぶんアイドルをフォローしようと思って調べていたんだと思います。でも、リリスクをフォローしているとは分かっていなかったです。たまたまフォローしていた感じです。 ――アイドルに興味があったんですか? hinako:興味あったというか、友達きっかけで別のオーディションを1回受けたことがあって。でも、それは体調不良で行けなくて。ちょっと悔やんでいたというか、「どこまでいけたのか知りたかったな」って気持ちはあって…。で、そこからTwitterやろうと思って始めて、フォローして。最初20人フォローしなきゃいけなくて、で、アイドルかなんか調べて、適当にポンポン押していって、たまたま開いたらオーディションがあって、押して、はい! ――すごい運命ですよね。それ、出てこなかったら今いないかもしれないですよね。 hinako:いないと思います。 risano:そういうことだよね。 ――なんかでも、そのエピソードはすごいhinakoさんらしいですよね。 hinako:あ、本当ですか? ――いろんな意味で(笑)。 hinako:なので、あんまりオーディションっていう感じもせずに、私はもう「遊びに来た」って言ったら悪いですけど… risano:悪い、悪い(笑)。悪すぎる! hinako:自分がどれくらいやれるのか知りたいなと思いましたし、もし「運命なら受かるだろう」と若干思っていた部分もあります(笑)。 ――なんかいろいろと“強い”ですね…。
2018.05.28
  • インタビュー
(大きく手を広げて)今ではもうここからここまでぐらいに大きく広がったのがこの3年間の成長だな、と
この精巧かつスタイリッシュなサウンドを奏でる表現者たちを形容するに相応しい言葉ではないかもしれないが、callmeは“スルメ”アーティストである。その多彩な楽曲には様々な工夫が凝らされており、そこには、一撃で聴く者の心を射抜くものもあれば、耳馴染むまでに少々時間を要するものもあるが(筆者の印象としては、後者の方が多いように感じる)、いずれにせよ彼女たちの作品は、繰り返しの鑑賞に堪えうる、いや、聴けば聴くほどさらに味わい深くなるものであることは間違いない。すなわち、噛めば噛むほど味が出る楽曲を自ら作り、それらを歌い踊って表現する“スルメ”アーティストなのだ。 以前に取材をさせていただいた際、彼女たちの中には「ポップの軸」とでも称すべき“基準”があり、「キャッチー」と「コア」の間でその軸をしなやかに動かしながら「どこに合わせるか」によって様々な表現を試みている、といった趣旨のことを述べていた。そして、「この一線を越えてポップになりすぎるとcallmeらしくない」あるいは「これ以上踏み込みすぎてコアになってはいけない」といった“バランス調整”も行なっており、こだわり抜いた上で“callmeのポップ”を構築しているようなのだ。ともかくも、大衆の耳目を奪うためだけの奇を衒った表現がすぐに飽きられることを知っており、その一方で、聴き手を置いてきぼりにする自己満足のための表現に意味がないことも認識しているのは確かだ。裏を返せば、大衆に寄り添おうが、自己の表現をとことん追求しようが、そこにブレない軸があれば、聴き手の心を長く深く揺さぶり続けることが可能であることも…。 “しなやかに動き”ながらも“ブレない“軸。この矛盾こそ、callmeサウンドの“スルメ要素”なのではないだろうか。それはあたかも、揺れに合わせて柔らかにしなりながら震動を吸収する、耐震性に優れた高層ビルのようだ。「ポップ」から「マニアック」までその“軸”を微細に動かすからこそ、“ブレない”callmeサウンドが確立されるのだ。 そして、「callmeサウンドが確立された」2ndアルバム『This is callme』後にリリースされたEP群では、その“振り幅”がさらに広がっている印象だ。「ポップの軸」がさらに多彩な位置に設定されているのだ。だが、その軸はあくまでブレていないがゆえに、いずれのサウンドにおいても「callmeらしさ」は失われていない。 KOUMI、RUUNA、MIMORIから成るセルフプロデュース型ユニット。それぞれの得意分野でその手腕を発揮しながら、自ら楽曲を制作し、それらを歌とダンスで表現してきた。ダンスと英語が得意なKOUMIは、振り付けを担当し、しばしばその流暢な英語でラップも披露する。リーダーのRUUNAはヴォーカルの要となり、同時にマーケターとしてトレンドを意識しながらcallmeサウンドにバランスをもたらす。そして、MIMORIはこれまで全楽曲を作曲し、多くの曲で作詞も担当する。2014年12月30日結成。翌2015年3月に「To shine」でシングルデビュー。同年3人の高校卒業を期に仙台より上京し、活動を本格化。現在に至る。 これまでリリースされた2枚のアルバム『Who is callme?』『This is callme』、そしてその後にリリースされたEP『Bring you happiness』『One time』、そして最新EP『Hello No Buddy』について伺いながら、これまでcallmeが歩んできた道のりを辿り、そのサウンドの“噛みごたえ”の秘密を探った。 今まではあんまり“気持ちを新たにする”感覚はなかったんですけど、今回はやっと少し立ち止まって振り返ることができたんですよね(RUUNA) ――先日(4月22日)のヤマハ銀座スタジオでのライブの際にMCで、ライヴのリハを行なった2週間で、これまでのことを色々と振り返られた、といったことをおっしゃっていました。どんなことを振り返られたんですか? RUUNA:そうですね。いつもは結構ギリギリのスケジュールの中でやってるんですけど、久しぶりにライブまでの時間が多めに取れたんですよ。振り付けもライブの3日前とかから始めて、みたいなことが多かったんですが、今回は『Hello No Buddy』をリリースして、ひと段落した状態で単独ライブに臨めたので、毎日入念にリハをやって、(3人で暮らしている)家でもリビングで集まってライブの打ち合わせとかも結構念入りにやったりして。そうしているうちに、なんか新しい気持ちになったというか…。4月って新しく始まる新年度のイメージがあるじゃないですか。でも、私たちは学校とかに行っているわけでもなく、皆これ一本でやってきているので、今まではあんまり“気持ちを新たにする”感覚はなかったんですけど、今回はやっと少し立ち止まって振り返ることができたんですよね。それで「ああ、こういうのあったよね」って感じで…。 KOUMI:スタジオ以外でもお家に帰って、リハ動画を見て「ここもうちょっと詰めた方がいいね」とか「直した方がいいね」とか。そういうことは今まではスタジオでしかやってこなかったんですけど、ちゃんとお家帰っても皆忘れないようにして、より精度を上げられたんじゃないかな、って。今回のライブは、特に何かの節目とかではなかったんですけど、今までとは違った新しい気持ちでできたかなと思いました。 ――先程もおっしゃいましたけど、お家でそういう“残業”をすることはあまりなかったんですか? RUUNA:そうですね。3人とも割と仕事とプライベートとは分けるタイプで、お家に帰るとそれぞれの部屋で自分の時間を過ごすんですよ。なので、これまではできるかぎり仕事は家には持ち込みたくないって思っていました。でも、3周年を迎えて、自分たちの中ではやっと土台ができたと思っていて。なので、今年は外に飛び出す1年にしたいな、思ってるんです。3年間頑張ってきたんですけど、これまでチャンスが来なかったのはきっと「自分たちにまだ何かが足りないからだ」って思っていて…。そういったことを今回色々と話して「いろんなことをやってみよう」という結論に至ったんです。今まではやっぱり「それはcallmeらしくない」とか、自分たちの中でも選んでいた部分があったんですけど、もう今年は提案や意見を聞いたら「とりあえず全部やってみて、それで吸収していこう」って。3人はもう10年ぐらい一緒にいるので、関係性が変わらないことはすごく居心地がいいんですけど、それがマイナスポイントでもあるのかなって…。なので、今年は全部変える気持ちで何かやろうと思っていて、自分たちの中でも意識が変わったというか。関係性は変わらないんですけど、そういうまた違った気持ちになったんですよね。 ――その気持ちになったのが2週間のリハの時ですか?それとも今年になってから? RUUNA:そうですね。今年入ってから「そういうタイミングではあるよね」って思ってたんですけど、実際にそれをしっかりと実践できたのがその2週間だったかなって。皆で同じ気持ちになって、皆で一緒にご飯を食べて、そのご飯を食べている時もずっと仕事の話をして。「なんかこういうのがちょっと足りないよね」とか意見交換をして…。例えば、ちょっと逃げちゃう場面っていうのもあるじゃないですか。あまりSNSが得意じゃないメンバーがいれば、「じゃあ、いいよ」って他のメンバーが更新したり…。でも、これからはちゃんとやろう、と。まあMIMORIさんのことなんですけど。 KOUMI:なので、今年からは決まったんですよ。 RUUNA:言ったんです。「もうそういう甘えは聞かない」って。 ――おぉ。 MIMORI:だから「1日2回はツイートしよう」ってことで、今日も朝入れてきました(笑)。 RUUNA:そうやってくれてすごく嬉しくて(笑)。まあ、本当に些細なことなんですけど。 ――なるほど(笑)。そうやって振り返られたとのことなので、ではここで、これまでの軌跡を作品ごとに簡単に辿ってみたいのですが…。それぞれの作品が皆さんの中でどういう位置付けなのか、どういう意味を持つのか、といったことを皆さんの口からお聞きしたいんですが、まずは1stアルバム『Who is callme?』。これは皆さんにとってどういう作品でしょうか。 RUUNA:もう無我夢中で作った作品ですね。“セルフプロデュース”っていうものがまだ何もわかってない状態でやっていたので、アルバムのバランスとかもそんなに考えず、沢山作って良かったものを選ぼう、ぐらいな気持ちで曲を作っていた印象です。でも今聴くと「それも良かったな」って思うんですよね。私もずっと作詞をやってきてある程度書き方とか分かってきましたし、各メンバーも自分のやりやすいものを見つけて結構書けるようになってきています。でも、この頃の無我夢中で絞り出していた作品もいいなって。今ではもうできなくなってしまった感覚ですよね。そういう意味では、最近callmeのことを好きになってくれた方も、『Who is callme?』を聴いていただければ、私たちがどんな歩みをしてきたのかが分かっていただけると思います。 ――自分たちで音楽を作るっていう“初期衝動”みたいなものが溢れてるんでしょうね。 KOUMI:やっぱり1stアルバムなので、本当にやりたいことだけを詰め込んで、歌詞も本当に初々しい私たちの一面がそのまま出ているかなって思っているので、そんな1stと今の作品を聴き比べてみてると面白いんじゃないかなって思います。 ――ある意味、今じゃ書けないような詞ですか??? KOUMI:そうですね、はい(笑)。 MIMORI:恋愛の歌詞とかは結構ベッタベタだと思います。高校生の妄想って感じです。 RUUNA:もう本当に“ザ・少女漫画”。自分たちの空想の中でこういうのに憧れていたみたいな、学生のときに憧れていたみたいなものが詰まっているので、全然共感できないような歌詞だったと思うんですよね。だけどあの時の自分たちにとってはそれが“恋愛曲”だったんですよね。最近の作品は等身大というか、自分たちのリアルを描くようにしているんですけど、なんかあの時は“夢がいっぱい詰まっている”じゃないですけど…。 KOUMI:キラキラしてる。 RUUNA:いっぱい詰め込まれている感じですよ。 MIMORI:未知の世界への輝きが詰まってますね。自分たちもまだよく分からないけど、とりあえず自分たちのやりたいことをやり始めて、「こういうのやってみました。皆さん、どうぞよろしくお願いします」っていう挨拶代りの1枚だと思います。 ――まさに名刺代わりの1枚。「callmeと申します」という感じですよね。では、続いて『This is callme』。 RUUNA:『This is callme』は「これがcallmeです」っていうのが明確に出たアルバムだと思っています。1枚目の『Who is callme?』が「callmeを知ってもらおう」っていうものですが、そこから活動してきて、ちょっと見つけた「自分たちらしさ」みたいなものが詰まっている作品じゃないかと。結構そこが基盤になって、そこから今も広がってるんじゃないかと思います。ダンスが踊れるリズムで曲を作るんですけど、歌とダンスの基準がここで定まったように思います。それまでは結構模索していたんですが、こういう方向性でやっていこうっていうのが自分たちの中でピシッとハマった1枚ですね。 MIMORI:1枚目で模索して、で、発売して、何曲か「こういうのが自分たちの得意ラインだね」っていうのを見つけたので、得意ラインの方をメインに据えて作ったのが2枚目だと思います。自分たちの好きなものを沢山作って、その中に「callmeらしさ」っていうものを見つけて、その中から「callmeらしいPOP感」を見つけました。 ――そういう意味ではcallmeサウンドを確立したと言ってもいいでしょうか? RUUNA:そうですね。それが『This is callme』ですかね。 ――でも、それをリリースした直後ぐらいにインタビューをさせていただきましたが、その時って例えば『Sing along』とか「Cosmic walk」とかって、新機軸というか、それまでにはなかった“新しい試み”みたいな感じだったじゃないですか。 RUUNA:はい。 ――でも、今やそれらもcallmeサウンドとなりましたよね。それも含めた“callmeサウンド”って感じです。 RUUNA:そうですね。本当に。MIMORIはポップなメロディを作るのがあまり得意じゃないんですが、自分たちの中でのポップを追求したのが『This is callme』ですね。毎回アルバムを出すたびに反省点はたくさんあるんですけど、でも、ちょっと一歩踏み出せたアルバムかもしれないですね。「Sing along」 とかも、今聞くと「すごいPOP」ってわけではないんですけど、でもあの当時の自分たちからしたら「すごくPOPなのができた」って思っていたんですよ。なので、「挑戦する」っていうことの大切さを感じた1枚でもありますね。それ以来「ずっと挑戦していくこと」がテーマになりました。 ――当時聞いた時にすごい思ったんですけど、それまでは緻密に作り上げたカッコいいサウンドで、ある意味“隙がない”印象だったんですが、『This is callme』では、とりわけ「Sing along」なんて、何というか、歌い掛ける、問い掛ける、みたいな部分が出ているように感じました。 KOUMI:ポップな曲でも皆が言うようなポップじゃなくて、ちゃんとcallmeエッセンスも入れたいなと思ったので…。前作では「step by step」がポップソングだったんですけど、『This is callme』では、私たちの色を入れてさらに進化したポップソングが出来たんじゃないかなと思っています。 ――そうした「“ポップの軸”をどこに置くか」といったお話を以前のインタヴューでされていたと思うんですけが、やはりそれもその時々で変わってくるんでしょうか? RUUNA:そうですね。 MIMORI:最近はその振り幅が大きくなりました。振り切りたいものは思い切り振り切るし、逆に本当に追求したいものはとことん追求する、っていう感じです。今までここからここまでだったのが、(大きく手を広げて)今ではもうここからここまでぐらいに大きく広がったのがこの3年間の成長だな、と感じています。
2018.05.22
  • インタビュー
5年間のつりビットが見せられるライブです。新しいこともやります。
いくつもの“武器”を持つグループである。 見目鮮やかな正統派アイドルとしての魅力。「釣り」というコンセプトの面白さとそれに本格的に取り組む真摯な姿勢。アイドルファンを越えた層にまで訴求する優れた楽曲。そして、それを華やか且つ味わい深く再現する歌やダンスの技量。さらには、5人のメンバーも“五者五様”の個性を際立たせてきており、グループはいっそう彩り豊かになってきた。 そうした“武器”は、とりわけステージ上で活きてくる。例えば対バンライブやフェスなどでは、“対戦相手”やロケーション、シチュエーションなどに応じて、豊富なレパートリーの中からその場に合ったセットリストを組むことができる。王道アイドルソングで通したり、横揺れグルーヴナンバーを集めたり、「釣り」や「お寿司」などを題材にした“お祭り”ソングで攻めたり、あるいはそれらを混ぜ合わせたり…。たっぷり時間のあるワンマンライブでは、それらをフルコースで“提供”することができ、MCやそれぞれの見せ場などでは5人のメンバーのキャラクターを存分に発揮する。それはいわば「旬の魚の刺身盛り合わせ」あるいは「大将おまかせの豪華にぎり」といったところか。 そんな彼女たちがこの5月にデビュー5周年を迎える。5年のキャリアがありながらも、デビュー当時は小学生だったメンバーもいたゆえに、まだまだフレッシュだ。小中学生~高校生という多感な時期にエンターテインメントの世界で様々な経験を積んだことによる“脂の乗り”と、まだまだ十代(が中心)という“鮮度”が合わさった、まさに“今が旬”だ。 昨年4月に2ndアルバム『Blue Ocean Fishing Cruise』をリリースし、そこに収められたタイトル曲や「渚でラテアート」「Get ready Get a chance」などで“つりビット流アーバンリゾートミュージック”を提示した彼女たち。その後に続いた「1010~とと~」「不思議な旅はつづくのさ」のシングル2曲では、“洗練を維持しつつも原点に立ち返る”という形でまた一段と進化し、さらには、それらのカップリングとなる「’Cause you make me happy」(フィリーソウルを咀嚼したニューミュージック/シティポップ風ナンバー)、「Piece of Cake」(濃厚なファンクビートが聴いたグルーヴチューン)、「ハピハピフィッシングデート」(ラテンやレゲエ/スカが入り混じる多彩なダンストラック)などでは、ますます多様な音楽的実りを見せている。また新たな“武器”を手に入れた印象だ。 そして、5月27日に行われる5周年記念ワンマンライブ「つりビット5th Anniversary Live~Go on 5~」がいよいよ目前に迫ってきた。「つりビットの集大成を見せる」と意気込む彼女たちに、グループの魅力やその音楽観、そして釣りの魅力、さらには5人のチームワークの秘訣など、様々なお話を伺った。 本当に釣りをやっています!(聞間) ――ひと言で、「つりビット」ってどんなグループですか? 長谷川瑞(以下:長谷川):名前は割と異色な感じですけど、やっていることは正統派なのかなって思います。ちゃんとアイドルやっているっていう感じですかね。「つり」が入っているとバラエティー色が強いのかなと思われがちなんですけど、そんなことなくて。いろいろ楽曲もありますし、パフォーマンスとしてもアイドルらしさを忘れずにやっているぞ、っていうことを知って欲しな、と思います。ひと言で表せてない(笑)。 ――いえいえ、大丈夫です! 安藤咲桜(以下:安藤):二面性があると思います。 ――二面性が? 安藤:はい。「つりビット」っていう名前の通り、「釣り」や「魚」「お寿司」の曲を歌っていて、お寿司屋さんとコラボしたりとか、築地のイベントに出たりとかしながら、アイドルとしても王道なアイドルソングを出して、アイドルフェスに出たりとか、アイドルとしても精一杯活動するっていう…。「釣り」と「アイドル」の二つの面をしっかり打ち出せているので、二面性があるアイドルじゃないかなと思います。 ――なるほど。他につけ加えることはありますか? 聞間彩(以下:聞間):なんか、もうすごい表面的なことしか言えない…。 ――何でしょう? 聞間:本当に釣りをやっています! 長谷川:アハハ。確かにね。 竹内夏紀(以下:竹内):大事、大事! 長谷川:ネタだと思われがちです(笑)。 聞間:よく「つりビットって名前に入っているけど、本当はやってないでしょ?」みたいなことを言われるんですけど、実際普段からそれぞれで釣りに行ったりとか、あと魚も最初は捌けなかったんですけど、今ではみんな捌けるようになりました。 ――皆さん捌けるんですね? 長谷川:はい。三枚おろしに。 ――すごいですね。アイドルやめても大丈夫ですよね。 一同:いやいやいや(笑)。 ――竹内さんは二級小型船舶操縦士の資格を持ってるんですよね? 竹内:はい、持ってます。 ――なんかすごいのが運転できるんですね? 竹内:いや、でもまだそんな大きいのは駄目なんですけど、でも5人とか余裕で乗れるくらいです。 安藤:ちょうどいいんですよ。 ――乗ったことありますか? 小西杏優(以下:小西):ないんです、まだ。 聞間:ないですね。乗せて! 安藤:連れてってくれないんです。 聞間:今年の夏! 長谷川:でも、船をまず持ってないですし、船持っていたら、めっちゃ、やばいですよね。 ――というか、竹内さん17歳ですよね? 竹内:17です、まだ(笑)。 ――ですよね。船を持ってたらちょっとね。 竹内:ですよね。それに4人の命を預かることはちょっとまだできないです(笑)。 聞間:いいよ、いいよ。 安藤:いいよ、投げ出せるよ。 竹内:いいの? でも、そうですね、一応免許持ってます。 ――ところで、みなさんにとって釣りの魅力って何ですか? 長谷川:魚を捌けるようになってから、自分が釣った魚を食べるようになったんですけど、やっぱり釣れたての魚ってすごくおいしいんですよ。だから、おなかも満たしてくれるし、あと釣れたときの感動というか、あんな玩具みたいなルアーとかで魚が釣れちゃうのがすごくて。本当に初めて釣った時はすごく感動して。釣れなくても、「次はどうしたら釣れるか」って考えるのが楽しくなってくるので、どんどんはまっていきます。“沼”だなと思います。釣りは。 ――釣りのことは詳しくないんですけど、ルアーで釣るんですか? 餌ではなく? 長谷川:餌もルアーも。 安藤:いろんな釣り方があります。 ――釣り堀とかそういう所で釣るんですか? それとも、船を出したりして? 長谷川:どっちもやるよね。 安藤:やりますね。手軽なのはやっぱり釣り堀とかですけど、船出して行った方がやっぱり釣果はいいんだよね。 ――「釣果」って言うんですね。 安藤:はい。釣果。釣果が上がるので。 ――どれだけ釣れるかっていうことですよね? 安藤:はい、そうです。釣りの成果。 ――そういう専門用語が自然と出てくるんですね。 一同:いえいえ。 安藤:結構みんな普通に会話しててもポンポン出てきます。 ――何かすごいのを釣ったことありますか? 安藤:すごいの? ある? ――何センチの、とか。 小西:そこまでは…。 聞間:私、全然ないな。 長谷川:何センチかな? 竹内:どれくらいだろう? 聞間:今までで一番大きいのってあれじゃない? 何だっけ? 竹内:イナダ? 安藤:イナダだ。 60センチくらいのイナダを釣りました。 ――安藤さんが、ですか? 安藤:はい。ミュージックビデオの撮影で。「Go! Go!! Fishing」って曲のミュージックビデオで、みんなで釣りをしてるんですが、そこに映ってます。大きなイナダを釣ってます。 長谷川:大変だったんだよね、あれ。手がね。 安藤:そうそう。電動リールじゃなくて手巻きだったんですけど、巻くとこまで巻いたらもう自分で糸を手繰り寄せなきゃいけなくて。結構重たいので、糸がもう痛いんだよね。 ――手袋か何かしてないんですか? 安藤:してた? 小西:ミュージックビデオの撮影だったので、用意していただいた衣装を着ていたので…。私もなんか、引っかけたのは違う人なんですけど(笑)、釣り上げたんですよ、一応。でも、「水中の中で魚が泳いでいるシーンを撮りたいから、ちょっと待ってて」って言われて、ずっと引っ張られて、ずっと待っていて…。魚ってすごいなって思いました。海中なので、すごい動くし。 安藤:必死にね、生きようとして暴れるんだよね。 小西:その後はおいしくいただきました。 ――おいしくいただくのは、お刺身が多いですか? 小西:そうですね。お刺身が多いですかね。 安藤:新鮮なうちにお刺身にしとこう、みたいな、ね。 ――で、ファンの方にはもうお馴染みですが、それぞれに担当の魚がある、と。これってどのように選んだんですか? 好みの魚を選んだとか? 安藤:そうですね。デビューライブを迎えるにあたって「自己紹介をどうするか」って話になった時に、「普通に名前と年齢だけじゃつまらないから何かを入れよう」ってことになったんですよ。あの時は、チャームポイントとかも言ってたよね。「チャームポイントと、いずれ釣りたい魚を言おう」っていうことになって、みんなで決めたんだよね。「じゃあ私これにするー」みたいな、結構軽いノリで決めたんです。なんか歩きながら、「何にする?」「カツオ」「ワカサギ」「アユ」みたいな。彩ちゃんと私がマグロでかぶって、「じゃあ私、カジキマグロにする」って感じで…。 竹内:でも、杏優は一応理由はあるじゃん。 小西:私は名前と一緒なので、一生アユで行こうかなって思っています。 竹内:釣らないってことだよね? 小西:でも、もうアユ釣ったんですけどね(笑)。 ――ああ、そうか。「釣りたい魚」ですから、釣っちゃったらホントは変えなきゃいけないんですね? 小西:そうです。釣ったら更新しなくちゃいけなくて。でも私は、なんだかんだ理由をつけてずっとアユで行こうと思っているんです。 ――アユにもいろいろ種類があるんでしょうしね。 小西:そうなんですよ。何回かお仕事でアユ釣りに行かせてもらっているので、「プライベートで釣ったら」とか、「何センチ以上のアユを釣ったら」とか、いろいろ考えています。でも、アユは本当においしいし、釣るのもめちゃ楽しいんで。 ――川で、ですよね? 小西:川です。川の中ジャブジャブ入って行くんですよ。ちゃんあやとか絶対好きだと思います。 聞間:本当? 小西:結構深いところまで入って行って。もう夏とか行ったら最高に気持ちいいよ。 聞間:水着で泳ぎに行きたいね。 小西:どうぞ(笑)。本当に楽しいんですよ。まだみんなで行ったことがないので… 竹内:やりたい! 長谷川:行ったことな~い! 小西:じゃあ、みんなで行くまで更新しないです(笑)。 一同:なるほど。 安藤:うまいね。 ――皆さんで行ったら、じゃあ更新して、小西さんの名前も変わるわけですよね? 小西:そうですね。名前変えれば早いですよね。本名も魚の名前に合わせます(笑)。 ――出世魚みたいな感じで、名前も変わっていくみたいな(笑)。 長谷川:小西タラです!みたいな(笑)。 竹内:かわいくないじゃん(笑)。 長谷川:ヤマメとか。 安藤:ヤマメ!? ――ブラックバスとかね。 長谷川:小西ブラックバス(笑)。 聞間:YouTuberみたい(笑)。 小西:瑞ちゃんとかはね、もう更新してるんですよ。 長谷川:うん。変わりました、私は。 小西:釣ったので、変わってます。 ――あ、ですよね。 長谷川:最初ワカサギだったんですが、すぐに釣れたんですよ。最初は本当に食べるのが好きでワカサギを選んでいたんですけど、あっさり釣れちゃって。「あ、じゃあ変えます」みたいな感じになって。で、めでたいから釣れたときにうれしいだろうなって思ってタイにして。マダイで。そうんなんです。出世しました。出世??? ――なるほど。でも、ワカサギって何かイメージとしては、 長谷川:穴釣りですか? ――あぁ、そうです。 長谷川:最初は穴釣りがやりたかったんですけど、そのときはボートかな? 安藤:ドーム船? 長谷川:ドーム船じゃなかったよ。 聞間:その前にボートで行ったよ。 長谷川:そう、その前にボートで行って、思っていたワカサギ釣りと違うワカサギ釣りをしたんです(笑)。なんか普通にボートから釣り糸を垂らして、釣り上げて。 安藤:じゃあ「穴釣りするまで変えません」って言っちゃえばよかったのにね。 長谷川:やば(笑)。今気付いちゃった(笑)。