2019.09.25
  • インタビュー
ファンの人みんなを幸せにするライブにできたらなと思います
  この9月29日でデビュー1周年を迎える染脳ミーム。最初の半年こそラインナップも安定しなかったが、今年3月24日、糸飴キセ、書庫りり子を迎えて新体制となってからはメンバーも固定され、結束も大いに強まり、ステージに対する意識も一層高まってきた様子が伺えた。とりわけ最近のライヴではそれが如実に表れていると言えるだろう。 これまではメンバー各々の個性的なキャラクターや規格外の楽曲を様々な形で配置する"レイアウトの妙"と、それらが描き出す"歪な落差"で耳目を捉えていた感があったが、今ではメンバー個々が能動的に"表現"し始めたかのよう。それはある意味、表現が"パッシブ"から"アクティブ"に切り替わったとでも言おうか。 そして、1周年ワンマンに先立つ2つの主催ライブ『新型感染初期』『新型感染経路』ではそれぞれ「ばぶるがむシンドローム」「リガチャ。」という新曲が披露されたが、既に8月に披露されていた「The Last Magic」も含め、それらにも進化が表れている印象だ。これまでは、あたかもカットアップのごとく様々な断片を無軌道に繋ぎ合わせ、それらがもたらす"歪な落差"を楽曲の魅力としていたが、これらの新曲では、そうした"歪な"要素は前面には打ち出さず、それらを内包させながら"ポップス"として纏めて上げている感がある。先鋭性は維持しながらも間口を大きく広げるものであり、これらの新曲を武器にますますファン層を拡大していきそうな気配だ。 ちょうどデビュー1周年となる9月29日には『感染中期』と題されたワンマンライヴが行われる。この文字通りワンマンによる長尺ライヴでは、さらなる新曲も披露される。彼女たちが1年に及ぶ活動の集大成をどのような形で見せてくれるのか、大いに期待が高まるところだ。 9月15日の主催ライブ『新型感染初期』の翌日、おきんとん、夏目鳳石、糸飴キセ、+あむ+、書庫りり子、乃依ねおの6人にお話を伺った。   書庫とキセが入ってくれて良かったな、って改めて思いました(ねお)   ――さっそく昨日の主催ライブ『新型感染初期』について伺います。率直にいかがでしたか?  書庫りり子(以下:書庫):昨日はホントに楽しかった! それが率直な気持ちです。やってる側はもちろん、お客さんも楽しんでいただいてたようで、コールの声も一段と大きかったですし、とにかく盛り上がりがものすごかったです。1周年記念イベントの一発目でしたが、一発目でこれなら、ワンマンはどうなるんだろうってワクワクしています。ほんとに楽しいライブでした。   ――たしかに昨日のお客さんの盛り上がりはすごかったですね。 書庫:昨日は新曲の初披露だったにも拘らず、みんなすごく盛り上がって、振りコピもしてくれたので、とても嬉しかったです。   ――では、続いてキセさん。 糸飴キセ(以下:キセ):初期SEで登場したんですが、みんな爆上がりしたので鳥肌が立ちました。私と書庫さんは初期メンではないですけど、初期SEをやった時に「メンバーになった」と改めて思いました。新曲「ばぶるがむシンドローム」がどう受け入れられるか少し不安でしたが、「新曲が良くてワンマンのチケット買いました」と言ってくれた人がいましたし、新曲なのに最初から振りもマネしてくれたし、コールも入れてくれたし、「受け入れてくれた」と思えて、とても嬉しかったです。   ――お二人がメンバーになってから半年ぐらいですよね。  キセ:はい、半年です。   ――今回初期衣装で出演したということで、キセさん加入前の半年を擬似体験できたのではないでしょうか。それがお客さんにも伝わって、昔からのファン、そして初期を体験してない最近のファンも盛り上がったのかもしれないですね。 キセ:はい。そう思います。   ――では、ねおさん。 乃依ねお(以下:ねお):SEが流れた時から期待を上回る盛り上がりで「おおー」ってなりました。最初から最後までコールとか振りコピとかリフトとか、それぞれの推しがワーって盛り上がってましたよね。ミームを初めて観る人が「良かった」ってツイートしてくれたり、チェキ撮りに来てくれて、「ワンマンのチケット買います」って言ってくれたり、とにかく嬉しいことだらけでした。だからワンマンに対しても「もっと頑張ろう」って気持ちが強くなりましたし、書庫とキセが入ってくれて良かったな、って改めて思いました。   ――初めて観たお客さんも結構いましたか? ねお:そうですね。今回は、他の演者さんたちのファンの方たちが染脳ミームを初めて観ていっぱい褒めてくださいました。   ――では、初見の人も魅了するという自信も湧いてきたのでは? ねお:はい!   ――おきんとんさんはいかがでしょうか? おきんとん:昨日はSEが始まった瞬間から高揚して、みんなの声が聞こえてきたらぶっ飛びました。それで「よし、いったるわ!」って思って… 。   ――鳥肌が立ったって感じですか? おきんとん:鳥肌立ちました。総立ちでした。   ――ノッてましたよね。 おきんとん:はい、ノッてました。 夏目鳳石(以下:夏目):それに、おきんとんはパリピなので、煽り要員になってもらっていますね。   ――なるほど。煽りもやりながら、リーダーとしても場を締めるわけですね。 おきんとん:それはちょっと違いますが…。とりあえず「フロアをブチ上げよう」と思ってやりました。昨日は激アツでした。   ――激アツでしたよね。夏目さんはいかがですか? 夏目:ホントに楽しかったです。最初から最後まで終始楽しくて、あっという間でした。あとは、新体制での初期衣装と初期SEは初めてだったので、それを皆さんに「受け入れてもらえた感」があって良かったです。たぶん初期衣装、初期メンに思い入れがある方もいると思いますが、「すごく可愛い!」って喜んでくださった方が多くて。初期から進化させていって、いい意味で昨日それをぬり替えられたかなと思います。   ――キセさんと書庫さんのお二人は、初期衣装を初めて人前で着たわけですよね。 夏目:そうです。あの初期SEでは自分の名前を言うんですが、新しいメンバーの名前では初めてでした。みんなが「新しい染脳ミーム」をきちんと認めてくれたことを昨日実感できたと思います。   ――では、あむさん。 +あむ+(以下:あむ):昨日は、1曲目の『パンデミックジェネレーション』から、みんな「うおー」ってめちゃくちゃ盛り上がってくれました。昔からのファンの方も「今回のライブが一番楽しかった」って言ってくれましたし、初見でめちゃくちゃ盛り上がってくれた方も多くて、それがすごく嬉しかったです。旧衣装も「エモい~」って言っていただいて、それも嬉しかったですね。   ――皆さん楽しく出来たとおっしゃいましたが、僕もすごくいいライブだったと思いました。で、以前にインタビューさせていただいた際、特に夏目さんなどは「ここがダメだった」みたいな、いわば反省点をよく述べていたように思いますが、今回はそういうことはなく満足できたって感じですか? 夏目:はい。昨日のライブに向けていろいろ練習していましたし、ステージでの煽りの構成などもきちんと練ってきていたので、もちろん今回も至らないところはありましたが、今までの反省点やマイナス部分をカバー出来たんじゃないかと思いました。   お客さんからいい煽り方をゲット出来たなと(笑)(書庫)   ――前回のインタビューで、メンバー全員で話をしながら様々なことを自分たちで決めていくとおっしゃっていました。昨日のライブ、あるいは21日の主催ライブや29日のワンマンに向けて、それこそ「煽りをどうしていくか」といったことを話し合ったわけですか? 夏目:話し合いましたし、15日以前にライブが何本かあったので、そこで煽りを試していたりしましたね。そうしたら、久しぶりライブに来てくれた人が「煽りうまくなったな」とツイッターで書いてくれてたので、とても嬉しかったです。   ――計画を練ったことがきちんと結果になっている、と。 夏目:はい、結果になっていると思います。   ――煽りに関して、どんな作戦を立てたんですか? 夏目:初見の人でも出来るように簡単な手拍子を多めに入れるとか、それぞれのキャラに合ったセリフを考えて入れたりもしました。   ――それはカチッと決めて入れたんですか? それとも自由に好きなところで「隙あらば」みたいな感じで入れたのでしょうか? 夏目:ある程度の基盤は組んで、あとは自分たちの好きなように考えて、一回練習して良ければ取り入れました。   ――完全なアドリブではなくて、ある程度“練習”をしたというわけですね? 夏目:そうです。元になるものは決めておいて、ライブになったら好きなようにやりました。リズムにハマっていればやっていいよ、って感じで…。   ――皆さんには「フロアに行って盛り上げる」っていう得意技がありますが、昨日も「The Last-Magic」でされていましたね。 夏目:はい。あの曲では毎回。   ――「点描のロータス」でも行きましたよね? あれも決めていたんですか? 書庫:はい。一応決めてます。 夏目:「ロータス」は最初全員で踊ってたんですが、これはもっと楽しく皆さんと盛り上がれる曲だという話になって、サビで踊る人は踊る、でも、もっともっとお客さんを巻き込むために降りる人は降りる、という風に決めてやっています。   ――煽り担当としてはどんな戦略で臨んだのでしょうか? おきんとん:戦略?   ――はい。 おきんとん:ピョンピョン飛んでいる人とは一緒に飛んで、飛んでいない人は「なんで飛んでないの?」みたいな顔で、「やれ!」と。   ――“脅迫”するわけですね(笑)。かなり攻めますね。 おきんとん:ニコニコしてやっているので、マルです。   ――他の方は、煽りの工夫で「こんなことした」とかありますか?  書庫:「点描のロータス」に「飛ぶ」箇所があるですが、最初大きめのライブで「ロータス」をやった時に、お客さんがサビで “推しジャン”して飛んでくれたのが始まりなんです。「ロータス」には「飛べ」という歌詞があるのでちゃんとはまってますし、「もうみんなで飛んじゃえばいいんじゃね?」ということになって煽りに繋がりました。お客さんからいい煽り方をゲット出来たなと(笑)。   ――ある意味お客さんと一緒作ったということですね。すごくクリエイティブな現場ですね。 書庫:はい。嬉しいですね。   ――ねおさんはいかがですか? ねお:「The Last-Magic」でフロアに降りて、お客さんと一緒にサークルを作って回るんですが、棒立ちで見ている人や地蔵で見ている人も中にはいるんです。それも楽しみ方の一つだと思うんですが、回る時に「一緒に回ろう」という感じでグイグイ行くと、結構みんな回ってくれて、その後にノリ始めたり、地蔵から“ノル”スタイルになったりするんですよ。「やってみると楽しい」って言ってくれた方もいて、嬉しいですね。お客さんに色んな楽しみ方を知ってもらいたいと思います。フロアに降りると、距離が縮まるからノリやすい空気を作ることが出来るんですよね。だから「フロアに降りるの楽しいな」って思いました。   ――他に「やってやろうと思ってやったら、うまくいった」とか、「ちょっと響かなかった」とかありますか? あむさん、いかがですか? あむ:…。 夏目:あむの場合「何々を言って」とか、私が決めています。きちんと実行してくれているので助かります。   ――なるほど。どんなことを言われるのですか? 夏目:あむは容姿もそうですが、声が可愛くて特徴的なので、喋るとハッとなる方が多いですね。なので、その声を活かしてセリフは語尾を「ぽよ」にして、とか、ちょっと小悪魔的な感じに、とか、そういったことをやってもらっています。   ――いろいろ演出をするわけですね。 夏目:ある程度は…。   ――夏目さんは“プロデューサー”としての役割も担っているということですね。では、キセさんは何かありますか? キセ:私は、とりあえず大きい声を出すようにしてます。聞こえないといけないですから。   ――歌い出しの時や、センターとしてソロで歌う時なども、いろいろな表情をされてましたが…。 キセ:はい。   ――昨日のライブで、「今までより伝わった」「今までより自分が出せた」あるいは「曲について、思うとおりに描けた」といった手応えなどはありましたか? 夏目:知らず知らずのうちになので、それほど実感してはないんですが、私含め全員が以前よりも“発信”出来るようになってきたと思います。なにしろライブの回数を重ねるごとに多くのことを学ぶので、まだまだな部分があったとしても一つ一つ次の段階に上がっているという気はしていて…。それが昨日は“爆発”した感はあります。   ――なるほど。他の方はいかがですか? おきんとん:昨日は空気が違いました。何て言うんだろう…。お客さんも柵飛び越えそうな勢いで来てくれたので、「ウチらも行ったろー」って激アツになり…。あれっ、さっきと同じこと言ってますね(笑)。 一同:(笑)。   ――(笑)。他の方はいかがですか? 今までのライブと違ったところは? キセ:初期衣装が可愛いので「自分が可愛い」と錯覚しました(笑)。 夏目:可愛いかったよ~。 おきんとん:昨日お泊りしたんですが、みんなで動画を見たんですよ。「あーここ可愛い」って思うのばかりで、結局全部可愛かったです。「ここのキセ可愛い」って夏目ちゃんも言っていました。 キセ:自分の見せ方が少し分かったのかもしれないです。それと、お客さんがアガっていたので“ステージの自分”になりやすかったですね。いつもそれをやらなくてはいけないんですが…。昨日は特にそれができた気がしました。   ――つまり、ステージに上がる時にはキセさんの中でモードが切り替わってステージの人になるということですね? そして、それが昨日はいい感じでなれた、と。 キセ:すんなりいきましたし、強く出せたと感じました。   一瞬一瞬が濃かったんだと思います(おきんとん)   ――いよいよ結成1周年を迎えます。1年を振り返っていかがですか? 夏目:長いと思う時もありましたが、意外と早く過ぎたと思う時もありました。あっという間という感じではないですが…。初期の4人とは一年いるのでいつも一緒にいるのが当たり前になっていますが、新メンバー2人が入ってからの方がメンバー全員一緒にいる時間が長いので、新しい2人もずっと前から一緒にいるみたいです。だから「2人も含めて1年迎えました」みたいな感覚になると思います。   ――おきんとんさんはいかがですか? おきんとん:昨日の夜考えてたんですが、1年が一瞬のようで一瞬じゃなくて…。一瞬一瞬が濃かったんだと思います。ホントにすごく色んなことがあって、一瞬の1年なのに、こんなに濃かった1年はなかったと思いました。色んな経験をして、色んな人と出会って、とってもいい1年でした。フフフ(笑)。   ――いい1年だった、と(笑)。では、ねおさん。 ねお:色んな刺激がありましたね。アイドルを始める前は本当に何もなかったんですが、始めてからは普通では経験出来ないことを経験させていただきました。初期に肉フェスに出演できたのもすごいことでしたし、タワーレコードさんでリリースイベント出来るなんて思ってもみなかったです。最近だとヴィレッジヴァンガードさんとお仕事を一緒にやらせてもらっていることも大きな出来事です。でも、グループのメンバーが抜けて、ライブをお休みしたり、新しいメンバー入ってきたり、とゴタゴタもあって…。アイドルとはこういう世界なんだなというのを実感しています。とにかく毎日刺激的で楽しいです。   ――アイドルの世界は、必ずしもいいことばかりではないかもしれないですけど、それも含めて山あり谷ありが面白いということですね。 ねお:それが現実なんですけど、どこか非現実的感覚が漂っていて、深い世界を感じます。夏目が言っていたみたいに、新メンバーとはまだ半年しか一緒にいないのに「まだ半年?」って思うほどです。   ――なるほど。では、あむさんはいかがですか? あむ:1年前にスタートした時は、1年後はもっと大きくなっていると想像をしていましたが、でも始まってすぐにいろいろなことが起きて、たくさんの壁があり、さらにリリイベの5人の時の思い出が強すぎたせいもあるのか、すごく苦戦したというのが実感です。でも、メンバーの仲が良いのが本当に救いです。すごく楽しくライブ出来ますし、救われていますね。   ――前半は「苦戦」したとおっしゃいましたが、今はメンバーが安定して、目に見えてステップアップしているんじゃないでしょうか。 あむ:特に夏目ちゃんが案とか指示をたくさん出してくれるお陰で、すごく纏まってきましたし、「みんなでちゃんとやろう」という気持ちが共有できてきてると思います。ライブがものすごく楽しくなったのは夏目ちゃんのお陰だな、と本当に思います。   ――そうなんですね。では、新メンバーのお二人にとってはどんな半年でしたか? 書庫:私の半年間はあっという間でした。新メンバーとして入ることが決まって、お披露目までの期間もとても短くて、しかもその間7曲覚えましたし、お披露目後はメンバーとして覚えないといけないこともたくさんあったり、と考えることが多くて、今まで生きてきた中で一番頭を使いました。本当にあっという間でしたが濃い半年でした。以前の私では考えられないことばかり体験させてもらいましたね。昨日はO-nestでのライブでしたが、私がミームに入る前にO-nestでライブした時はお客さん2人でした。それが昨日は、あんなにたくさんのお客さんの前でライブできるなんて…夢のようです。そして9月29日の初めてのワンマンライブ。お披露目とはまた違って「1周年記念ワンマンライブをやらせてもらえるのか」と気持ちが昂ぶっています。それに、メンバー全員が仲が良くて、一緒にいるのが楽しいですし、音楽の面でも見ている先が同じで、上にいこうという気持ち、もっとみんなで頑張ろうという思い、で纏まっているので心強いです。私もたくさん考えて、ますます頑張るつもりです。   ――キセさんは? キセ:わずか半年ですが、私の人生においておそらく一番努力していたと思います。受験の時の何倍も時間や神経を使い、おかげでストレスは溜まっていますけど…。でも私は生きている中でライブが一番楽しいと思うので、それに向けての苦痛だったら全然厭わないですし、その努力が楽しいと感じられるんです。それに、苦しい時もメンバーも頑張っているから頑張ることができて、メンバーをすごく好きになりました。そういうことを味わうことができた貴重な半年でした。   ――キセさんは、落ち着いて話されていて、熱量が若干低めかな?と思う時もあるんですが、すごいアツいものがありますね。 キセ:アツいです。 一同:(拍手)。      
2019.09.10
  • インタビュー
違う意見をちゃんと受け入れるのがこのグループの良いところだと思います
違う意見をちゃんと受け入れるのがこのグループの良いところだと思います なんと鮮やかな飛翔だろう。なんと驚くべきストーリーだろう。 8月3日TIF2019のスカイステージに姿を現した九州女子翼の5人。悲喜交々が渦巻く紆余曲折のストーリーを描きながらそこへと辿り着き、“公約”どおりにその場を九州女子翼の“赤”に染め、鮮烈なパフォーマンスを披露。まさに大きく翼を広げ、晴れ渡るお台場の青空へと舞い上がったのだ。 TIF2019開催が昨年11月に発表されるやいなや、「#お台場を赤く染めたい運動中」というハッシュタグを掲げ、TIF出場への並々ならぬ決意を表明。さらにはこの時点ではTIF出場が決まっていなかったにも拘らず、スカイステージを想定した楽曲「空への咆哮」を作り、今年3月29日に初披露。そして、5月16日には念願のTIF出場を決める。「空への咆哮」を引っ提げ、TIFへの乗り込もうとするその姿は、多くの人々の耳目を集めることとなった。のみならず、TIF当日も実際にその場を赤く染め、見事なステージを繰り広げた。とりわけスカイステージはTIF2019屈指のライブとして多くの人々を魅了したのだ。なんという有言実行だろう。 だが、これほど鮮やかに決めると、老婆心ながら“打ち上げ花火”の後が大事だと心配になってくる…。しかし、それは杞憂だった。TIFを終え、すぐさまアルバム『RED STYLE』をリリース。「空への咆哮」「Merry Go Round」をいった新機軸を擁するその充実した内容は、オリコン・デイリーチャート2位(ウィークリー14位)という結果をもたらし、早くも期待以上のものを見せ、さらには今後の大いなる可能性をも示してくれたのだ。 9月にはタイ公演も決まり、念願の海外進出をも実現する。海外進出は結成当初からの目標であり、ここでも“公約”をきっちりと果たすこととなるのだ。 さらなる上昇気流に乗り、文字通り“TAKE WING”して、異国の地まで“赤く染めよう”と目論む九州女子翼。実玖、新谷香苗、山本愛理、詩絵里、鈴川瑠菜の5人にお話を伺った。   「わー帰ってきたな」って思ったんです(瑠菜) ――まずは今年のTIFについてお伺いしたいのですが、率直にいかがでしたか? 山本愛理(以下:愛理):超楽しかったです。今年は鮮明に記憶が残っているTIFでした。   ――ということは昨年はあまり覚えてないってことですか?   愛理:はい。前回はTIF全国選抜LIVEでファンの方の投票で出させていただいたということもあって、「ちゃんと爪痕残さなきゃ」という想いがあったので、必死だったんだと思います。今回は全てのステージを楽しむことができたんじゃないかと思いますね。   ――瑠菜さんはいかがですか?   鈴川瑠菜(以下:瑠菜):去年のTIFの時期はまだ女子翼に入ったばかりだったので、ただライブをやることに一生懸命でしたが、今年は楽しむことができました。去年スカイステージに立った時に、パッと後ろを向く振付けがあるんですが、その時に見えた景色がすごく綺麗だったのをよく覚えていて、今年はスカイステージが一番最初だったんですが、その景色を見るのがすごく楽しみで。で、ステージに立って、後ろを向く振付けになって、そこで後ろを向いた時に「わー帰ってきたな」って思ったんです。   ――「帰ってきたな」って感じだったんですね。   瑠菜:はい。「帰ってきたな」って。その前に、まずステージに登場してきた時……いつもはSEってカッコよく決める感じで出ていくんですけど、ステージに出た瞬間、赤いTシャツを着た方、女子翼Tシャツを着た方が想像以上に多くて、その光景が嬉しくて「カッコよく決める」とかもうその時点でもうどっか行っちゃいました。ホントに嬉しくて、涙目になりながらもすごい満面の笑みで登場していった感じでしたね。心が躍った瞬間でした。   ――では詩絵里さん。   詩絵里:はい。詩絵里は去年、人生で初めてのTIFだったので、「楽しみ」「ワクワク」「ドキドキ」の感情が強かったんですが、今年はそれもありつつ、自分たちのパフォーマンスに自信を持ってステージに立とうと思いました。あと去年は2日目に喉を壊して歌えなかったんですが、今年はもう全部絶好調でいけたので、それはすごい良かったかなって思います。   ――香苗さんはいかがですか?   新谷香苗(以下:香苗):はい。去年は皆さんの応援によって皆さんと一緒に出場を勝ち取ることができたので、その部分はやはり感動が大きかったんですけど、今年は、まずステージ立った時に女子翼Tシャツの方が沢山いるのが見えて、その時に「私たちが皆さんを連れて来たんじゃないか」と思えて、そのことに感動して…。なので、この1年間で私たちを応援してくださる方が増えたのもその時実感できましたし、1年間活動を頑張ってきて改めて良かったなってそこで感じました。   ――では、続いて実玖さん。   実玖:はい。実玖は張り切っちゃうとホントに記憶が無くなっちゃうので…(笑)。去年のスカイステージでも、最後のMCを実玖に任せてもらったんですが、それもちゃんと喋ったかどうか覚えてないぐらい全然記憶が残ってなくて…。今年は「とりあえず楽しむこと」と「記憶を残したまま帰ってくること」が個人的な目標でした(笑)。今年は「楽しかった」っていう記憶もありますし、「ファンの皆さんと一緒に楽しい時間を作れた」っていう記憶もちゃんと残したまま帰って来れたのがすごく大きかったです。ライブはもちろんですし、特典会の時も想像以上に沢山の方に来ていただいて。TIFで女子翼を見ようってタイムテーブルに入れてた方もいましたし、初めてライブ観たって方もいて、それで特典会まで足を運んでくださった方も多くて、それが本当に嬉しかったです。   ――新規を沢山獲得したわけですね。   一同:(笑)。   ――スカイステージでの皆さんの表情を観ていたんですが、いやーそれぞれでしたね。まず実玖さん。めっちゃニコニコしてましたよね。まさに“破顔一笑”って感じの晴れやかな笑顔でした。   実玖:そうなんです。なんだかスカイステージの時はもう自分でも顔の筋肉の動かし方がよくわかんないぐらい、もう楽しかったです。   ――いい笑顔をされてましたよ。で、瑠菜さん。なんか全身で風を感じていたように見えたんですが。   瑠菜:そうですね~、はい。もうどこまでこの手を伸ばしても絶対どこにも手が当たらないですし、どれだけ飛んでも天井に当たらない、っていうのが嬉しかったですね。「fair wind」の時にワッて風が吹いたんですよね。   ――ありましたね。   瑠菜:あの時間帯が一番風がないって言われてたんですけど、それでも風を感じましたし、たしか「TAKE WING」の時に飛行機が飛んでいったのを見て「あ、飛行機だ!」って思ったのも覚えてます。   ――で、香苗さん。めっちゃ飛んでましたよね?   一同:(笑)   香苗:飛んでました???   ――はい。多分一番高くジャンプしてたと思います。   香苗:ホントですか?あら。   ――香苗さんは、イメージ的にはちょっとふわっとしている感じで、一番アイドルアイドルしてる印象なんですが、この日はものすごく飛んでました。というか、最近のダンスのキレすごいですよね。   香苗:ホントですか? 最近ファンの方からも言われるんですよ。これまでは私、ダンスで常に全力だったので、「ちょっと休む部分を作ろう」「それも技の一つ」って言われてたんです。それを意識するようになってから「キレが増したね」って言われることが多くなって。自分としては「ホントですか?」って感じなんですけど…。   ――いや、もう目に見えてキレが増してますよ。休むところを作ることによって動くところがよりキレるって感じですかね。力の配分ができて、静と動のコントラストもできて。とにかくスカイステージでは一番高く飛んでたと思います。   香苗:ホントですか? そう言われてびっくりしました(笑)。   ――詩絵里さん。なんかすごい柔らかな笑顔をされて。ステージはもうめちゃめちゃ暑かったじゃないですか。でも、そんな中で涼しさを運んでたような…。   詩絵里:ホントですか?   ――はい。感じがありました。   詩絵里:パッと見、私「暑苦しい」って言われるんですけど(笑)。   ――そうですか?(笑)   詩絵里:そうだったんですかね~。でも「歌を大事に歌おう」とは思ってました、スカイステージは特に。去年歌えなかった分大事に歌おうっていうのと、スカイステージは女子翼にピッタリだと思ってましたし、今年は去年よりもセトリがピッタリはまってたので、だからこそ大事に、って。勢いもありつつ、大事にパフォーマンスしようっていうのはすごく思ってました。   ――なるほど。で、愛理さん。   愛理:何ですか???   ――めっちゃプロっぽかったですよ(笑)。   愛理:ホントですか???   ――というか、初期の頃は、最年少で、ちょっと“飛び道具”的な印象だったんですけど、今やステージ上では一番しっかりしてる感じがします。安定感があって。   愛理:えぇええ! 良かったです!   ――はい。歌もそうですけど、煽り方とかプロっぽかったすね。っていうか実際にプロなんですけど…。   愛理:わー嬉しい! ありがとうございます!   ――ご自身ではどうですか?   愛理:でも今回は、去年はなんか「勢いで頑張ろう」って思ってたんですけど、今回は2回目なので「もっと上手くやろう」と思ったり、去年と一緒じゃいけないから「余裕もちょっと見せていこうかな」とか思って頑張りました。   ――プロっぽい意見ですね(笑)。   一同:(笑)。
2019.08.19
  • インタビュー
気持ちがないと書けないですよね
気持ちがないと書けないですよね 筆者がインタビュー中に思わず漏らしてしまっているように、HALLCAは思いのほか赤裸々に話してくれる。決して「これが本音だ」と声高に主張するわけでもなく、あるいは、心開いていることを殊更アピールするわけでもなく、もちろん真摯であることを武器に何らかの策略を巡らせているわけでもないが、極めて本能的に純粋な気持ちを包み隠さず口にしているといった印象だ。「素直な自分をもっと出していきたい」といった“手の内”さえも無邪気に明かしてしまうほどに。 そして、そんな純粋さはその歌声にも表れているのではないだろうか。彼女の歌声は決して突き刺すような豪速球ではないが、その包み込むようなサウンドスケープの中で、さり気なく佇むかのごとく清澄に響くがゆえに、聴き手の心の鎧を剥ぎ取り、そこにスーッと染み込んでいく。 Especia解散後、約一年半の“準備期間”を経て、2018年7月『Aperitif e.p』でソロ・デビューを果たしたHALLCA。その後、今年2月より5ヶ月連続して配信シングルをリリースし、9月にはいよいよ待望のアルバムを世に問う。 その語り口は“赤裸々”だが、彼女がこれまでに綴ってきたサウンドは幻想的で夢想的な非日常的なもの。この相反するかのように見える要素は、互いにその特性を引き立て合う。そして、歌声に“人間”HALLCA、“人間”冨永悠香が透けて見えるからこそ、その背景にある幻想世界がいっそう幻想性を増し、同時に現実世界と滑らかに溶け合うのではないだろうか。あたかも、我々の生きるこの世が仮初めの幻想世界であり、そこに生々しい情感を対峙させることこそが“生きる”ということである、と示唆するかのような…。 HALLCAに“赤裸々”に語っていただいた。   最初は公園のベンチとかで一緒に曲を作ってたんですよ ――まずは根本的なところからお訊きしますが、“HALLCA”っていうアーティスト名にしたのはどういう意図からですか? HALLCA:そうですねぇ。“冨永悠香”でも全然良かったんですけど、新しい自分でいきたいな、と思いました。そんな深い意味があるわけではないんですが、じゃぁ英語でいこうかな、みたいな。 ――“HALLCA”っていうのは、プロジェクト名なんでしょうか? それとも個人名ですか? HALLCA:“どっちも”でいきたいです。 ――“どちらも”と。 HALLCA:はい。個人の名前でもありプロジェクト名でもあり。 ――ちょっと細かい話になりますけど、じゃあ、HALLCAというプロジェクトのヴォーカリストは“HALLCA”さんですか? それとも“冨永悠香”ですか? HALLCA:そこは…多分“HALLCA”なのかなぁ。どっちですかね…。でも、“冨永悠香”はプライベートの自分なので、ホントは“HALLCA”のままでいきたいところなんですが…。最近思うのは、ちょっと作り過ぎるのに疲れてしまって…。今は“冨永悠香”寄りの要素も出していきたいって思いはあります。「素直な自分も出していきたいな」って。 ――なるほど。で、HALLCAという表記になったのはSuicaがきっかけでしたよね? HALLCA:丁度新しいアーティスト名を考えている時にSuicaの表記を見て「HALLCAにしよう!」って思い付いたんです。“CA”になってたので…。 ――PiTaPaじゃないんですね?(笑) HALLCA:その時はもう東京に住んでいたので、Suicaでしたね(笑)。 ――もうすっかり“東京の人”になったって感じですよね。 HALLCA:それ、ちょっと思いました。Suicaってめっちゃ東京やん!って(笑)。でも、PiTaPa魂もありますので(笑)。 ――(笑)。上京して3年ぐらいですか? HALLCA:はい。3年ですね。 ――:どうですか? 東京はもう慣れましたよね? HALLCA:もう慣れましたし、最初っから結構慣れてました。 ――以前から東京での活動も結構ありましたもんね。 HALLCA:はい。関西に住んでる時も東京での活動も結構あったので「東京嫌だ」とか全然ないですね。 ――でも、“関西っぽさ”は抜けてないですよね。 HALLCA:ホントですか? ありがとうございます。それは嬉しいです。「あんまり関西弁出ないよね」って言われることが多くて。関西なんやけどなぁみたいな。関西魂はやっぱりあるので、「抜けてない」って言われるのは嬉しいです。 ――多分、東京の人は「関西弁出ないですね」と思うかもしれないですが、関西人の僕から見ると… HALLCA:「出てるやん!」みたいな? ――「関西人の喋る標準語だな」って感じはします(笑)。 HALLCA:ホントですか?一応、東京に住んでた期間もあったんですよ。幼稚園は東京でしたし、小学校2年生で関西に引っ越したので、ちょっと東京も混ざりつつ、みたいな…。 ――で、ソロ・デビューして1年経ちましたよね? HALLCA:そうなんです。再始動してからちょうど1年で。 ――その時は確か大阪の事務所にいましたよね? HALLCA:はい。大阪の事務所に所属していました。 ――そこに所属していた期間は短かったですよね? HALLCA:短かったですね。でも、再始動の半年ぐらい前から打ち合わせとか曲作りとかしていたので、関わっていた期間は1年弱ぐらいですかね。 ――で、去年の終わりぐらいにちょっと“悲痛な叫び”みたいなツイートをされましたよね? HALLCA:あれは事務所辞めた時ですね。 ――事務所を辞められてフリーになった、と。 HALLCA:そうです。フリーになりました。 ――なるほど。「どんな曲にしようか」とか「誰に発注しようか」とか、HALLCAさんが最終決定するって感じですか? HALLCA:周りの方にも相談はしますね。 ――『Aperitif e.p』では、“Executive Producer”のクレジットはありましたが、“Producer”や“Sound Producer”はクレジットされていませんでした。例えば、方向性とかビジュアルイメージとか、グッズだったりライヴのブッキングだったり、HALLCAさんはそれら全てに関わっていますか? HALLCA:そうですね。「これこういう感じに出来ませんか?」みたいな感じで。 ――ということは、総合プロデューサーでもあるわけですよね。 HALLCA:プロデューサーというより、セルフマネジメント、という感じじゃないですかね? ――例えば「新曲を作ろう」となった時、「誰にお願いしようか」みたいなところから始まるわけですか? HALLCA:そうです。日頃から「この人にお願いしたいな」っていう人が自分の中であったりするので。でも、PellyColoさんとかRillsoulさんの曲が好きなので、基本的にはそのお二人に頼みたいなっていうのはありますね。「こういう曲やりたいな」って思った時に、「これは絶対コロちゃんに作って欲しい!」って思ったりとか。 ――「コロちゃん」って呼んでるんですね(笑)。ダメ出しとかもするんですか??? HALLCA:コロちゃんの曲にしてもリルさんの曲にしても、そんなこと1回も思ったことがなくて。これってすごくないですか? 私今まで他のことに関して「これちょっと違う」「これちょっと直して欲しい」とか思ったことはあるんですけど、曲全体に関しては全くないんですよ。自分のヴォーカルに関して「ここの歌い方があまり好きじゃないので直して欲しい」とか、サウンドに関しても「ここのシンセの音をもう少し出して欲しい」とか、そういうことしか言わなくて。曲全体に関して「これはちょっと」とか思ったことが全くないんですよね。ホントにあの二人のサウンドが好きなんだろうなって思います。 ――「どんな曲にしたい」といったことを具体的に発注することもあるんですか? HALLCA:リルさんに関しては言ったことなくて。リルさんは自分がかっこいいと思うものとHALLCAの世界観を融合をしてくれてる感じで、PellyColoさんは「4つ打ちのハウスでやりたい」みたいな感じで発注したり、参照して欲しい曲を投げたりはします。 ――それぞれ違うんですね。 HALLCA:リルさんの中には自分の世界観ができていて、自分の作りたい曲があるというか…。PellyColoさんももちろん自分の世界観を持っているんですが「自分のやりたいことは自分で決めろ」っていうタイプなんですよ。私が自分のやりたいことがはっきり分からない初期の頃に「前に立つ人間なんだからそんなんじゃダメでしょ」とめちゃめちゃ怒られたこともありました。 ――それはソロになってからのことですか? HALLCA:ソロになってからです。最初は公園のベンチとかで一緒に曲を作ってたんですよ。 ――公園のベンチですか?(笑)。 HALLCA:青春ですよね。そう、作ってました。その時にすごい怒られたこともあります(笑)。   「自分がソロ・シンガーになれるはずがない」って思ってたんです ――再始動までに約1年半の“ソロ活動準備期間”がありましたが、その期間はどんな感じでした?   HALLCA:そうですね~。Especiaが解散した直後は、すぐに「ソロシンガーになろう」とは思ってなくて…。もちろんなれるものならなりたかったですけど「自分がソロ・シンガーになれるはずがない」って思ってたんです。自信がなかったので、もうちょっと違う道を探したいって気持ちがあって、色々やってみたいな、と。 ――その間、舞台もやられましたけど、ああいったことですか? HALLCA:“歌”ぐらい自分が夢中になれるものって他にもしかしたらあるかもしれない、と思ったんですよね。ソロってほんとに厳しいと思うし、「私ごときに出来るはずない」ってずっと思ってたので、舞台をやったりしたんですが、歌ほどに“アツい気持ち”が自分の中に生まれなくて…。MCのお仕事とかやったんですけど、そこまで「極めたい」とは思えなくて、いろいろ模索した上で、やはり「歌いたいな」って思うようになりました。 ――新宿BLAZEでのEspecia最終公演の時は、「どうするか」は明言はされなかったですよね。 HALLCA:そうなんです。明言しませんでした。自信がなくてできなかったんです。 ――ぺシスタ/ペシスト(編注:Especiaのファンのこと)の間では「ソロでやるんだろうな」って皆さん思っていたと思います。 HALLCA:えっ? そうなんですか? ――ええ。 HALLCA:全然感じなかったです、そんなこと。 ――え? 全然感じなかったですか!? HALLCA:はい。むしろ「あんまり期待されてないかな」「やっぱりやらないほうが良いかな」ってちょっと思って、「他の道を試してみたい」って気持ちで動いてました。 ――そうですか…。まあ、あまり「ソロでやります!」みたいなことをガンガン言うタイプではないとは思っていたので、ラスト・ライヴでは敢えて明言されなかったんだろうなとは思ったんですが…。 HALLCA:そうですね。ただ普通に就職することは考えれらなくて、舞台やステージに立つことがすごく好きだったので、そっちの方面で考えたいなとは思っていました。 ――舞台やMCのお仕事をやられましたけど、他の選択肢ってどんなのがあったんですか? HALLCA:えーなんだろう。舞台とMCと…。あ、あとEspeciaの頃からラジオがずっと大好きだったので、ラジオDJもやってみたかったかな。ラジオに関しては具体的に動いたわけじゃないですけどね。 ――では、歌の道に舞い戻うと思ったのは、いつ頃でどういうきっかけでした? HALLCA:いつからだっけ…。たしか舞台やってる時期に福岡の方とコラボとかしたりして…。 ――はい。ありましたね。あの時は「いよいよ動き出したな」みたいな印象を抱きました。その頃ですか? 明確なきっかけとかそういうものはありました? HALLCA:明確なきっかけは…。あの頃に色んな人と音楽をやろうって感じにはなったんですが…。 ――:お声が掛かったりしたんですか? HALLCA:自分から関係者の方に相談したりしてました。で、曲を作ったりとかしたんですけど、うまく進まなくて…。そんな中2017年の年末頃に、コロちゃんに相談する機会があって、その時に「今作ってる曲でAORぽいのがあるから、ちょっとそれ聴いて、よかったら歌詞をつけてみたら?」って言われて、聴かせてもらったんですよ。それが「Milky Way」で、聴いた時に「やっぱりコロちゃんの曲最高!私はこういう曲を歌いたい!」ってなって、再始動への流れができていった感じですね。 ――:なるほど。それからはトントンを進んでいったわけですか? HALLCA:そうですね。コロちゃんに「こういう曲が良いんですけど…」って相談して作っていただきました。 ――つまりは、2017年末のPellyColoさんとの食事をきっかけに曲を作ってもらうこととなり、2018年7月『Apelitif e.p』での再始動に繋がって、でも、その年末には事務所を辞めてフリーになって、紆余曲折がありながら、今年2月には「歌うことが大好きな自分に戻ってきてるなって思う」というポジティヴなツイートがありました。そして、1周年を迎えられたというわけですね。 HALLCA:そうですね。なんか記憶が曖昧なので1周年という節目にこんな風にインタビューしていただいて、ありがたいです。
2019.06.14
  • インタビュー
お互いに“ぶつけ合ってる感”があったので、あの感覚は忘れないようにしたいなって思いました
MELLOW MELLOWがいよいよ“仕上がって”きた。 昨年10月に稲毛海浜公園で行われた校庭カメラガールドライ主催『PLAYGROUND MUSIC FESTIVAL』では、自分たちの理想とするライブの“在り方”を掴み、パフォーマーとして開眼。同年12月にリリースされたシングル「君にタップ」では、元DA PUMPのKENをコリオグラファーとして迎え、その本格的なダンスをさらに激しく、さらにシャープにステップアップ。また、校庭カメラガールドライ、lyrical school、MIGMA SHELTER、CYNHNといった個性溢れる面々との対バンでしのぎを削り、自身も数多のリリース・イベントなどを行うなどして研鑽を積んできた。 そして今年4月にリリースした最新シングル「Dear My Star」。フィロソフィーのダンスや寺嶋由芙などを手掛け、MELLOW MELLOWとはインディーズ・デビュー時からの付き合いである宮野弦士が作曲した表題曲「Dear My Star」は、昨今の80’s~90’sファンク/ディスコ・リバイバルを俯瞰するかのような視座で、新旧サウンドを巧みに織り交ぜながらポップに仕上げたダンス・ナンバー。久保田利伸や三浦大知らを手掛けるMANABOONと、安室奈美恵や少女時代らの楽曲制作に携わるAKIRAとの共作「Hit Me Love」は、あたかもティンバランドやロドニー・ジャーキンスがプロデュースしたかのようなバウンシーなヒップホップ・ソウル。家入レオやKis-My-Ft2らの楽曲制作に携わるる栗原暁(Jazzin’park)と、嵐や私立恵比寿中学校らを手掛ける前田佑とが共作した「Trap or Love」は、ジャネット・ジャクソンの名盤『リズム・ネイション1814』に収録されていてもおかしくないような本格派ニュー・ジャック・スウィング。そして、『サイボーグ009』主題歌「誰がために」をエレクトロ風味に再構築した「Tagatameni」。いずれも、急成長するMELLOW MELLOWの表現の幅を一層広げる、表情豊かな楽曲である。 そして今、彼女たちは仙台、名古屋、大阪を回る全国ツアーを始めたばかり。この充実した楽曲群をいかにライブで自分たちの表現へと昇華させるのか。オーディエンスとの“本気(マジ)”な勝負に挑むSENA、MAMI、HINAの3人にお話を伺った。 自分もちょっとやり過ぎかもと思うぐらい限度を超えてやりました(HINA) ――昨年10月27日に行われた稲毛海浜公園でのライブが「大きな転機になった」といった発言をされていましたが…。 SENA:そうですね。稲毛海浜公園のライブでは「MELLOW MELLOWのライブってこうやって楽しんで欲しいんだな」っていうことを私たち自身が気付いた日だと思います。 ――お二人はどうですか? MAMI:あのライブを通して、ファンの方とのライブ中の関わり方とか、盛り上がり方とか、盛り上げ方とか、そういったことが分かりました。自分たちも「こういうパフォーマンスがしていきたいな」っていうのも見つかったと思います。 HINA:私も一緒で、ホントにあのライブで「自分たちはこういうライブがしたい」「ファンの方もこういうふうに盛り上がってくれたらいいな」っていうのが分かりました。 ――僕も拝見しましたが、いろんなファンの方々、皆さんのファンはもちろん、他のグループのファンもいらっしゃって、たくさんの方々が前方に来て、大きく身体を揺らしながらノッているのが印象的でした。 SENA:私たちの音楽、私たちの歌声やダンスで、観てる人たちが揺れてたり、楽しそうな顔をしてる、っていうことが“コミュニケーション”になってるんだなって思いました。 MAMI:自分の好きな時に好きなように動いて、楽しそうに笑顔になったり…。私たちが歌って踊るのを観て自然と体が動いてる、っていう感じが伝わってきたので、そういうのを見るとこちらも「自分の歌をもっと届けたいな」っていう気持ちになって、お互い良いものをぶつけ合ってる感覚が芽生えて…。そういうものをこれからもどんどん大きくしていって、もっと良いものを作っていきたいなって思いました。 HINA:はい。私も同じなんですけど。 ――同じでもお訊きしますよ(笑)。 HINA:はい(笑)。私たちの音楽が好きで、それに合わせて一緒に盛り上がってくれる。それが気持ちいいというか…。私たちの曲を聴いて、パフォーマンスを観て、身体が勝手に動いてるっていう、そういうところがいいなって思いました。 ――そういう感覚ってあの時が初めてでしたか? SENA:3人共があんなに感じたのは多分初めてだったと思います。 MAMI:そうだね。 ――確かに、皆さんかなり高揚していたのは見受けられました。 SENA:そうですね。 ――皆さんのお客さん煽りもすごかったですよね。 MAMI:野外だし、開放的になっていたので。 HINA:ステージが大きかったっていうのもあったと思います。 ――それは、もうステージに出てきた時から? SENA:そうですね。登場した時から、客席の方からただならぬ熱気みたいなものを感じて。 MAMI:あった。 SENA:それを受けて、私たちも最初からドーンって感じで攻めたので。 ――なるほど。 SENA:結構興奮してましたね。 ――みんな昼間っから飲んでたからなんじゃないですかね?(笑) SENA:皆さんがね。 ――はい。お客さんが(笑)。 MAMI:確かに。 SENA:それもあるかもしれません(笑)。 ――でも、野外ってことで、ちょっとフェス感というか、まあ、実際コウテカさんのフェスだったわけですが、そういう「自分を解放して楽しもう」みたいな雰囲気はありましたよね。 SENA:そうですね。 ――その時、皆さんのパフォーマンスも変わりましたか? SENA:お客さんの反応とか盛り上がり方と、私たちのテンションとが一致した時の“瞬間の高まり”のようなものはありましたね。 MAMI:そうですね。稲毛より前も何度もライブをさせていただいてたんですが、あの時は自分たちの音楽をすごい爆音で鳴らしていただいて、自分たちも大きく歌って、で、お客さんも私たちも「楽しい」っていう感情が一番に出てきてて…。お互いに“ぶつけ合ってる感”がホントにあったので、あの感覚は忘れないようにしたいなって思いました。 HINA:あの時ホント楽しすぎて。結構緊張もしていて、怖いなっていう気持ちもあったんですが、楽しさの方が勝って…。飛ばし過ぎて、もうヘトヘトになってましたね。「これぐらいやっていいんだ」って思いました。 ――あの時、ストッパーが外れたみたいな感じだったんですね。 HINA:お客さんのテンションもすごかったので、自分もちょっとやり過ぎかもと思うぐらい限度を超えてやりました。もう終わった後はヘトヘトで、今までで一番体力がヤバかったです(笑)。 ――稲毛から約半年経っていますが、その後も変わりましたよね?あの後、ダンスがすごく激しくなったなっていう印象があるんですが、「君にタップ」あたりからですよね? SENA:そうですね。「君にタップ」から結構ダンスを踊るようになって…。それまではキャッチーな振りとか、かわいい感じの振りが多かったんですが、「君にタップ」からはガッツリ踊ってるって感じですね。 ――元DA PUMPのKENさんが振付されてるんですよね? 一同:はい。 ――やっぱりそこから変わったと。 MAMI:そうですね。一気にシフトチェンジしたって感じです。 ――あんなに激しいダンス。しんどくないですか???(笑) MAMI:最初はやはり…。なんかいきなりステップが多くなったり、振り数も多くなったりしましたし、初めてやるジャンルのダンスもあったのでちょっと不安もありましたし、いきなり色んなダンスに取り組んだので、体力面とかでも心配な部分はあったんですけど…。KENさんにいろいろ教えていただいて、今はもうライブでもがっつり踊れるようになりました。そういうダンスも見て欲しいなって思います。 HINA:ホント最初は体力的にもきつくて…。でも慣れてきて、今はもうひたすら楽しいって感じです。
2019.05.25
  • インタビュー
武道館に立っても「通過点だ」って言うと思います
これまでフィロソフィーのダンスのワンマンライブを観るたびに「まさにブレイクしようとしているアーティストを目の当たりにしている」と感じ入っていたのだが、昨年12月の品川ステラボールでのワンマンを観た際にはその想いは桁違いに膨れ上がった。フロアを埋め尽くすオーディエンスの“海”を目撃したことで、彼女たちまた新たなフェーズへと突入したことを確信。さらには、その先の壮大な未来像をも極めて鮮明に想像させてくれたのだ。それまでは「ブレイクしそうなアイドルの一つ」といった認識だったが、今や「最もブレイクが近いアイドルの筆頭」である。もはや「一択」である。だが、その後の数ヶ月の間にも彼女たちはぐんぐんと先へ進んでいった。 ステラボールでのワンマンをスタートに昨年12月から今年1月にかけて9都市を回る初の全国ツアーを敢行。3月にはファンクラブ「Color Me Funk」をオープンし、4月にはアルバム『エクセルシオール』をリリース。同じく4月には、初の地上波冠番組『フィロのス亭』がスタートし、バンドを従えての全国ツアーも行われた。さらには、5月より6ヶ月連続リミックス配信をスタートし、その第1弾としてヒャダインによる「ライク・ア・ゾンビ~ヒャダインのリリリリ☆リミックス」をリリース。などなど、その活躍ぶりはとにかく目覚ましい。 とりわけ、3枚目となるアルバム『エクセルシオール』は、フィロソフィーのダンスの“ファンク”がさらに深化していることを如実に表すもの。より広くオーディエンスと対峙していこうとする中、決して“中庸”な表現で大衆へとおもねるのではなく、むしろファンク道をさらに突き進んでいる印象だ。グループの規模をぐんぐんと拡大しつつ、同時にその音楽性や表現も一層深化させている。“フィロソフィー”という論理的思考と“ダンス”という本能的運動といった相対する概念を併記するグループ名になぞらえるかのごとく、このグループは“大衆化”と“音楽的先鋭化”という対立概念を共存させ、極めて鮮やかな手法で同時に推進しているのだ。このことは、音楽を愛する者たちにとって“希望”に他ならない。 そんなフィロソフィーのダンスの4人、奥津マリリ、佐藤まりあ、日向ハル、十束おとはに取材した。驚くべきスピードで疾走しながら常に前進する彼女たちの“現在地”を確認し、“その先”を探るべくお話を伺った。 番組では伝わらない部分もライブだと知ってもらえると思います(佐藤) ――フィロソフィーのダンス初の地上波冠番組『フィロのス亭』が始まりました。反響はいかがですか? 奥津:友達とか、友達の友達とか、関係者の関係者とか、近しい人たちだけじゃなくて色んな方々が「見たよ」と言ってくださって、地上波やっぱりすごいなって思ってます。 佐藤:かなり深い時間帯の番組ですけど、リアルタイムで見てくださってる方も多くて、その日の朝とかタイムライン見返すと「#フィロのス亭」でツイートしてくださる方がたくさんいて…。多くの人が関心持ってくれてるなというのは実感しました。 日向:地上波の番組を持ってるアイドルってまだまだ少ないと思うので、そんな中で選んでもらえたのは「すごいありがたいな」って思います。 十束:私、アイドル活動の他にゲームのお仕事をやらせていただいてるんですが、それで私を知った方の中には「あ、アイドルやってるんだ!」って改めて認識した方もいて…。“逆輸入”じゃないですけど、そこから“アイドル”としてのフィロソフィーのダンスの活動に辿り着く人もいたので、興味を持ってもらえる入口が一つ増えたなっていうのが嬉しいです。あとテレ朝さんの番組って、ももクロさん、でんぱ組.incさんと来て私たち…。「そこに食い込める」っていうのがめちゃめちゃ嬉しい奇跡なので、これをきっかけに何かを掴まないと「ちょっと申し訳ないな」って思います。「頑張んなきゃいけないな」っていう気持ちがさらに強くなりました。 ――番組を拝見すると、皆さんすごく自然体ですよね。緊張とか無かったですか? 奥津:初めてのことなのでもちろん「どうしたらいいんだろう?」っていうのはありましたけど、でも番組スタッフさんたちからも「今まで通り自然な感じで」って言っていただいて、企画とかでお酒も用意してくださって…。「この4人の個性が映えるように」っていうのをずっと最初っから考えてくださっていたので、私たちも変に取り繕うことなく自然にできました。スタッフさんのおかげだと思います。 佐藤:スタッフさんが、以前私とおとはすが出演していたネット番組『シノのス』を担当していた方々で、その番組が始まった時はすごく緊張してたんですが、「飾らない、あざとくない、そういうリアクションがいい」「自然なリアクションが二人のいいところだよ」といったことを言ってくださって。それからはもう、オーバーなリアクションとかテレビ的な「面白くしよう」みたいな気持ちとかはなくなって、自然体のリアクションをするようにしてるので、気持ち的にもすごく楽ですし、収録も毎回プレッシャー無く楽しくやってます。 ――ご自身が出せてると思いますか? 佐藤:そうですね。私自身、日頃からワーッて大はしゃぎするようなタイプじゃないので、ありのままなんですが…。無理にリアクションせずにニコニコしてるだけの時もありますし、口出したい時は口出すしっていう…。「ここはメンバーに喋らせておこう」と考えられる時間もあって、そんな風に4人のバランスが取れているので、だからこそ自分も存在できているなと思います。 ――番組の中では「目指してるのは国民的エンターテイナー」とおっしゃっています。目指してるんですか??? 日向:一応そうではありますけど、もともと「嵐さんみたいになりたい」と言ってきたので、それはずっと変わらず自分の中にあります。 ――ハルさんは「嵐」さんとおっしゃいましたが、他の皆さんは? 佐藤:私も嵐さんだったりSMAPさんだったり…。なぜか男性のアイドルさんはテレビに定着しますよね。 日向:寿命が長いよね。 佐藤:そう。でも、女性のアイドルさんはあまりそういう例がないような気がしているので、もしも私たちがそのポジションに入れたら、って。 日向:女性アイドルは「寿命がある」っていう前提で捉えられているので…。でも、嵐さんやSMAPさんの場合、アイドルという認知の仕方はもちろんだけど、それ以前に「SMAPはSMAP」とみんな思ってるし、「嵐は嵐」と思ってるので…。私たちも例えば結婚してもこのグループがあってもいいと思うし、アイドルっていう枠に変に捉われず、“フィロソフィーのダンス”としてこの先もずっと活動したいなとは思ってます。 ――先日NegiccoのNao☆さんが結婚されましたよね。皆さんもああいう形で長く活動したい、と。 日向:とてもいいことだと思いました。 ――お二人はどうですか?やはり嵐さんですか? 奥津:そうですね。嵐さん、SMAPさん、ですかね。うん。 十束:でも、4人とも「誰々になりたい」というよりは、自然体のままで、例えば4人でパッて出ていっても、フィロソフィーのダンスっていう名前が知られていて、歌えて踊れて喋れて、みたいなそういうのを目指しているので…。特定の誰かというわけではないんですが、何十年も活動されていて、誰もが知っている存在はというと、そういう名前が出てきますよね。だからそうなるしかない!という気持ちです。 ――皆さんのこれまで活動って、基本的には「ライブをやるアイドル」でした。そこから「国民的エンターテイナー」を目指すとなると、他にもいろいろやっていかなきゃ、打ち出していかなきゃ、ということになるかと思います。まあ、既に活動の幅も広がっていますが、さらにいろいろなことを引き受けていなかければいけないというか…。そのことについてはいかがですか? 奥津:音楽以外のお仕事も、ってことですか? ――はい。 奥津:全然何でも大丈夫です。元からそういうグループになりたくて、結成当初から言ってたことなので。「活動の幅が狭くていいことはない」「出来る範囲が広ければ広いほど活躍の幅も広がる」と思っているので、音楽以外のお仕事も喜んでやってます。 ――そういった意味では、何か今やりたいことなどありますか? 十束:そうですね…。この『フィロのス亭』で4人を知っていただいて、「この4人を使いたい」って言ってもらえる場を増やしていきたいですね。せっかく愛のある番組を作ってくださってるので、そこで私たちが次に繋がるものを何か残さないと意味がないなって。この4人を見て「この4人を使いたいな」とか「CMソングを歌って欲しい」とか「ちょっと違うバラエティ番組に4人で出てみて欲しいな」みたいな。それによって知ってくれる方がさらに広がると思うので、そういうことはしたいと思っています。 ――例えば、地上波で、さらに長い尺で、いい時間帯で番組をやるとなると、さらにいろんな人から知られるわけですが、最終的にはそういう人たちを「ライブ会場に連れて来たい」っていう考えでしょうか? 十束:そうですね、最終的には。“フィロソフィーのダンス”って4人で音楽活動をしているので、4人を見て「おもしろそうだな」って思ってもらえたら、もちろんライブ会場に足を運んでもらいたいと思います。 ――皆さんはどうですか? 佐藤:その通りです。 日向:その通りです。 奥津:大前提として。 佐藤:番組では伝わらない部分もライブだと知ってもらえると思います。「歌って踊るとこんなカッコいいんだ」とか。番組とのギャップも見てもらえると思うので、ライブにはぜひ足を運んでもらいたいなと思いますね。
2019.05.13
  • インタビュー
PassCodeって挑戦し続けるグループじゃないと駄目だと思っているので
PassCodeのメジャー第2弾アルバム『CLARITY』が凄い。 リリース直後から大きな反響を得て、オリコンやBillboard JAPANといったチャートで自己最高位を更新したこともさることながら、その作品としての中身が“強い”のだ。 2017年8月にリリースされたメジャー第1弾『ZENITH』は“振り切った”アルバムだった。「ラウド・ロック」「シャウト」といったPassCodeを象徴する特性を前面に打ち出し、それまでに築き上げてきたPassCodeサウンドの究極形を力強く誇示するものとなった。そして、2018年2月にはインディーズ時代の楽曲を再構築したアルバム『Locus』をリリースし、そこに収録された唯一の新曲「PARALLEL」でキャッチーかつメロディアスな方向性を提示。同年5月にはそうした路線を推し進めたシングル「Ray」を、9月にはメロディアスとラウドが同居する両A面シングル「Tonight/Taking you out」を世に問い、2019年4月には最新アルバム『CLARITY』をリリース。「Ray」路線の親しみやすいナンバーを軸に、『ZENITH』で示したハードコアなPassCodeやさらなる新機軸をも展開し、多種多様な間口の広いサウンドを築き上げている。 SNSで多種多様な価値観が共有される昨今。そこでは万人へと向けた中庸な表現よりもいずれかの方向へと振り切った表現が支持される。そんな中、まさに“振り切った”『ZENITH』の後に、極めてキャッチーなアルバムをリリースしたPassCode。ある意味これはリスクを伴う選択だっただろう。『ZENITH』で提示した強靭なサウンドが軟化し、より広い聴衆へと向けて薄味となるのではないか…。だが、それは杞憂に終わった。 ハードコアなPassCodeが炸裂するもどこか抜けの良いサウンドが印象的な「PROJECTION」。享楽的なダンスサウンドを繰り広げる「DIVE INTO THE LIGHT」。痛快なファンクビートと高速スラッシュサウンドが交錯する「4」。目まぐるしい展開とヘヴィなビートという従来のPassCodeサウンドに陽性の解放感が加わった「THE DAY WITH NOTHING」。切々としたトーンで綴られる叙情的ミディアム・バラード「horoscope」。実に多彩な表現をものにしているが、いずれもそこに生々しい情感が滲んでいる。鋼の甲冑を装備した頑強なロボットのごとき『ZENITH』に対し、それを纏いながら数々の闘いに挑んできたことで強靭な精神を肉体を獲得した生身の人間のような『CLARITY』。生々しいゆえに弱さや優しさも垣間見え、それゆえに一層強くなった印象だ。PassCodeを定義した『ZENITH』に対し、「PassCodeの未来を照らす光」とメンバー自身が描写するこの新作はグループの果てしない可能性をもたらすものとなった。『CLARITY』という一歩を踏み出したことで、今後はあらゆる方向へと進むことが可能。そんな解放感に満ち満ちている。 大上陽奈子、高嶋楓、南菜生、今田夢菜の4人にお話を伺った。Speak emoには初登場となるが、筆者自身は4度目となるインタビュー。今回は少し趣向を変え、メンバー個別にインタビューを行なった。その分、アルバムに対する想いをじっくり聞くことができた。ご一読いただきたい。 軸から外れたんじゃなくて、軸がだんだん太くなってきてるみたいな ――最初に取材させていただいた際、ちょうどメジャーデビューして『ZENITH』が出る頃だったんですが、その時のグループの状態についてお伺いしたら、大上さんは「パズルがぴたっとハマったような」とおっしゃっていました。そのパズルは今もぴったりハマってますか? 大上:そうですね。ハマってると思います。でも、新しい形を模索してる感じもありますかね。 ――まあ、いろんな“壁”を乗り越えてこられたので、時には少し揺らぐこともあるんじゃないでしょうか。ちょっと主張がぶつかったりとか、それこそ喧嘩したりとか、そういうことはないですか? 大上:喧嘩はないですかね。ぶつかったりとかもあんまりないです。 ――以前『Locus』がリリースされる頃に「今後どういうふうな方向性で行きたいですか?」といったことをお聞きしたら、皆さんそれぞれ違ってたんです。大上さんはどういう言われたか覚えてますか? 大上:なんて言ったんやろう…? ――『Locus』の中の新曲「PARALLEL」で新しい方向性が示され、さらに新曲「Ray」を作られている頃でした。 大上:覚えてないです。どう思ってたやろう、その頃…。 ――「PARALLEL」とか、その後リリースされる「Ray」のような「間口の広いものをやっていって、どんどん広めていきたい」といったことをおっしゃっていました。 大上:あぁ、言ってました。「Ray」が発売された後って、自分の周りの人からの評価がすごく高くて。例えば友だちとか、親戚とかお母さんからも好評でした。あと、高校の時の先生からも「『Ray』聴きやすいね」って。あと、(トルツメ)カラオケで歌えるのがやっぱり強いなと思いました。日本語だしメロディも入ってきやすくて。で、「Ray」でいいなって思ってくれた人たちが、その後の「Tonight」とかもちゃんと聴いてくれたりしたので、やっぱりそういった馴染みやすい曲もたまに必要なのかなって感じましたね。 ――「PARALLEL」が『ZENITH』とはまたかなり違った印象で、そこで示された新たな方向性の中で「Ray」がリリースされ、今作に繋がっている感じがしました。そういった方向性って、プロデューサーの平地(孝次)さんと、あるいはメンバー間で話し合ったりしましたか? 大上:「アルバムはこういう感じでいこう」っていうのは、平地さんが考えてくれました。でも、南とかは「horoscope」に関して「こういう曲を作って欲しい」って依頼したみたいです。 ――アルバムのレコーディングはどんな感じだったんですか? 大上:レコーディングは、ひとことで言ったら怒涛でした。PassCodeはこれまでも短い期間の中で制作することが多かったんですけど、今回はその中でも一番ぐらいのタイトさでしたね。前日に仮歌が届いたものとか2曲ぐらいありました。 ――そんな感じだったんですね。 大上:正直大変と思いました。その時は。 ――でも、メジャーっぽいですね。スケジュールが決まっていて、それに向けてダァーッと作るみたいな。 大上:あと英語の曲が多いので、「これ1日や2日で覚えれるんかな?」って思ってました。 ――英語の歌詞を覚える時は、意味もしっかり理解されるわけですか? 大上:今回のアルバムでは、訳詞も送ってきてくれて、それを見て理解しました。 ――英語の勉強にもなったわけですね。 大上:そうですね。発音はだんだん洗練されてきてるんじゃないかなって思います。 ――海外にも行かないといけないわけですから。 大上:最近海外のお客さんもたくさん聴いてくれているみたいなので、英語の発音も磨いていかないと、と思いますね。 ――で、アルバムです。変わりましたよね。 大上:やはりそう感じますか。 ――はい。大上さんとしてはどう感じていますか? 大上:私も変わったと思います。個人的にはこっちの方が好みです(笑)。いろんなジャンルが聴きたい人間なので。『ZENITH』に収録されている“ザ・PassCode”みたいな曲が好きな方もいっぱいいると思うんですが、「horoscope」や「WILL」のような曲が入ってくることによっていろんなPassCodeが見せられると思います。平地さんの書く曲って、激しくて重たいサウンドがすごいカッコ良くて、そういう点が評価されがちだと思うんですが、実はミドルテンポの曲とかゆっくりめな曲もすごくいいんですよね。『CLARITY』を聴けばそれが分かるんじゃないかなと思います。 ――平地さんは王道系のアイドルにも曲を書かれたりしていますし、以前のPassCodeにはアイドルっぽい曲やポップな曲もあります。そもそも平地さんって、久石譲さんから多大な影響を受けたともおっしゃっていますし。本当にいろんな曲やサウンドを作られるんですよね。ところで、先ほど「『ZENITH』はザ・PassCode」とおっしゃいましたが、今作『CLARITY』はそこにバリエーションを付けたという感じでしょうか? 大上:『ZENITH』では、PassCodeの“軸”を固めたと思っていて…。で、今回もあんまり変わったことをしたとは思ってないんですよね。まぁ、ちょっと先に進んだかなという感じですかね。軸から外れたんじゃなくて、軸がだんだん太くなってきてるみたいな。決して別の場所に行ってるわけではないと思います。これはこれでPassCodeだなと思いますし。 ――以前もいろんなスタイルの曲をやっていましたが、前作『ZENITH』はある意味ひとつの“塊”みたいな作品となった印象でした。この『CLARITY』はあくまでその延長線上にあるとは思うんですが、バリエーションが増えた感はありますよね。例えば、歌の表現などで意識して変えた部分はありますか? 大上:歌も変わってると思います。とりあえず音程が高いんですよ。仮歌では平地さんが歌ってくれてるんですけど、裏声で出ちゃうんです。出ちゃうから「ここまで行けるわ」ってどんどん歌に盛り込んでくるんですけど、それが高いんですよね。 ――前もおっしゃってましたけど、平地さんの仮歌を越えるべく頑張って歌ってらっしゃるんですよね。仮歌と本番って、キーは違うんですか?それとも同じ??? 大上:同じなんです。 ――男女で同じキーなんですね。 大上:そうなんです。同じキーで出ちゃうんですよ。 ――すごいですね。裏声とかを使ってってことですか? 大上:そうです。裏声なんですけど。でも私たちが歌う時は地声を求めてくるんです。「これ、地声で出るんかな…」って私が言ったら、「いける!PassCodeに無理はない!」みたいに言ってきて(笑)。 ――体育会系ですね。裏声に逃げられないわけですね。 大上:逃げられなくて…。気合で出すんです。 ――なるほど。オートチューンの部分もだいぶ減りましたよね。 大上:メンバーの個性がより分かるようになりましたよね。 ――それに生っぽさが出てる感じがします。 大上:それはすごく思います。楽器に関していえば、いつもライブでもギターを弾いてくれてるYoichi君っていうメンバーがいるんですが、Yoichi君が平地さんと一緒に作曲合宿をしたんですよ。そこでギターのメロディラインとかいろいろと一緒に考えて作っていったみたいで。そういうのもあったから、生っぽさが出てるのかもしれないですね。その場その場で作っていったらしいので。 ――ところで、Twitterで「めちゃくちゃ好きな曲がある」って呟かれていましたが…。 大上:「horoscope」です。仮歌を聴いて涙が出たんです(笑)。初めてのことでした。今までそんなことなかったです。歌を聴いて感動することは結構あるんですが、涙が出るところまで響く曲って今までそんなになくて…。だからこの曲は大切にしたいなって思います。 ――ましてや自分たちの曲で涙するわけですから、特別ですよね。 大上:そうなんです。自分たちの曲でそんな曲に出会えたって言うのがすごいうれしいです。 ――どういうところがお気に入りですか? 大上:自然と涙が出てきます。あと、もともとピアノが入ってるサウンドがすごく好きなので、ピアノが盛り込まれているところも。平地さんもだんだん追加していったみたいで。ピアノとか管楽器系とか。最終的にあんな感じに仕上がりました。 ――他はどうですか?ファンクっぽい曲もありますよね。「4」とか。 大上:「4」も好きです。 ――これなんて言葉の載せ方とかがすごくおもしろいですよね。 大上:「4」は一番いろんな歌い方を試した曲かもしれないですね。「無機質に」とか「感情ない感じで」みたいに歌ってみたりもしました。 ――では、改めてアルバムの聴きどころは? 大上:聴きどころは…。まずは曲順どおりに聴いていただいて、そのあとにシャッフルでめっちゃ聴いて欲しいな、と。いろんなジャンルが入ってるからこそ、シャッフルで聴いたら「あ、次これ来た」っていう落差があると思うので、楽しいんじゃないかなって思います。 ――そのご意見、面白いですね。今はサブスク時代を迎えていて、「アルバムで聴く」っていう概念が希薄になってきていて…。それに対応した作り方をしてるアーティストもいたりしますよね。そういう意味では、『CLARITY』はアルバムとしても聴けるけど、シャッフルで聴くのもまた面白い、と。 大上:でも、最初は曲順どおりに聴いていただきたいですけどね。
2019.05.05
  • インタビュー
今回は「演じるRYUTistを聴かせるシングル」だと思います
“新潟が誇る名曲製造機”である。いや、厳密に言えば、彼女たち自身が作曲しているわけではないので“名曲吸引機”とでも言おうか。これまでも錚々たる作家が書き下ろした数々の名曲を“引き寄せ”てきたRYUTistだが、ここにまた新たな3曲が加わった。 シングル「センシティブサイン」の表題曲は、神戸出身の早熟ポップ・ウィザード、シンリズムの作詞作曲。愛らしいポップチューンながら、そこには、ジャケットやアーティスト写真が醸し出す淡い色彩にも似た、抑制を帯びながらも微細に揺れ動く心の機微が描かれている。 「素敵にあこがれて」は、かつてはカメラ=万年筆、現在はOrangeadeの一員として活動し、新潟の婦人倶楽部というグループをプロデュースする他、RYUTistにも「夢見る花小路」を提供しているポップ工芸家、佐藤望の作詞作曲。室内楽風の響きをもたらすフルート、同じくOrangeadeの黒澤鷹輔が掻き鳴らす多彩なフレーズのギター、シンプルなビートを刻みながら時折手数の多いフィルインで煽るドラムス、そしてそれらの編み上げる音像の上で、出口の見えない迷路を彷徨うかのように綴られていくメロディが印象的だ。 様々なスタイルの古き良き“ナイスミュージック”を瑞々しいタッチで現代に復元するポップユニット、microstarの二人が作詞作曲した「バ・バ・バカンス!」は、RYUTistが初めて本格的に挑むラテンナンバー。Wack Wack Rhythm Bandの面々が紡ぎ出すサウンドには、サンバを意識したビート、サルサっぽいティンバレスやハイライフ風ギター、アフロキューバンなブラス、カリブ音楽っぽいニュアンスのトランペットなど、様々な熱帯音楽の意匠がてんこ盛りだ。 もちろん“曲がいい”だけではない。本作では、これまで以上にRYUTistの4人の歌が中心に据えられ、楽曲の色彩を決定づけている、と言えるだろう。シンプルな音像の中、ニュアンス豊かな語り口によって繊細な情感を浮き彫りにする「センシティブサイン」。ソロ/ハーモニーとスイッチを切り替えながら右へ左へと揺蕩うメロディを紡ぎ、複雑に絡み合う音群に一層の彩りを施す「素敵にあこがれて」。多彩な声色を駆使して濃密なバンドサウンドにさらなる厚みを加える「バ・バ・バカンス!」。いずれも高い表現力が要求される楽曲だが、彼女たちの歌いっぷりは期待を遥かに上回るもの。ここへ来て、ヴォーカル・グループとしての進化がより一層顕著なものとなっている印象だ。 そんなRYUTistの4人、佐藤乃々子、宇野友恵、五十嵐夢羽、横山実郁にお話を伺った。筆者としては3度目となるインタビュー。新曲への想いが露わになるのみならず、これまで以上に素顔が垣間見られるのではないだろうか。彼女たちの醸し出す空気感をじっくりとご堪能いただきたい。 リスナーの皆さんも場面場面で違った感情を聴き取っていただけると思います(みくちゃん) ――いやぁ、ちょっとね。どういうことですか、もうホントに!次から次へとめちゃくちゃいい曲ばかり。そろそろイマイチな曲が来るかな?と思ったら、また3曲ともいいじゃないですか。どういうことですかっ?! 一同:(笑)。 のんの(佐藤乃々子):またまたいい曲をいただきました! みくちゃん(横山実郁):最高のシングルが出来ました! ――「いい曲がくる」っていうのは、もう慣れっこになっちゃってるんじゃないですか? 一同:いやいやいや~。 ――(笑)。デモとかたくさん聴いたりするんですか? むうたん(五十嵐夢羽):いえ…。 ともちぃ(宇野友恵):私たちには最初っから「この曲です」って来ます。 ――ボツにしたりとか、そういのはないんですね。 一同:ないです! ――「この曲ちょっとイマイチだな」とか「ここはもうちょっとこうして欲しい」みたいな…そういうのはないんですか? 一同:ないです!ないです! ――ないですか。でも、RYUTistに曲を書くっていうのは今やめっちゃハードル上がってるんじゃないですか? ともちぃ:えー!そんなことないです。 ――だんだん作家さんたちも書けなくなってきたんじゃないですか?「下手なの出せないな」みたいな(笑)。 むうたん:すごいのは作家さんたちです。 みくちゃん:皆さんすごいから。でも、昨年の忘年会さんとかでは、沖井さんが「2曲目作るのプレッシャーがあった」とおっしゃってたみたいです(笑)。 ――で、前シングルの「黄昏のダイアリー」に続いて今回も3曲収録じゃないですか。でも、随分と色合いが違いますよね。まずはざっくりとお訊きしますが、今回のシングルってどんなものになりましたか? ともちぃ:全体的に明るめかなって思いますが、明るい中にもハジケ系の「バ・バ・バカンス!」とか、かわいい系の「素敵にあこがれて」とか、青春系の「センシティブサイン」とか、いろんな色があると思います。 むうたん:私は3曲とも違うなって思いました。しっかり違う色が出てるなって。 のんの:それぞれ違うので、ちょっと演じたりするのも頑張りました。「バ・バ・バカンス!」とか、私たち普段はあまり「イェーイ!」みたいな感じはないんですけど、テンションを思い切り高くして歌わないといけないので、自分のいつものテンション以上を出しながら、“演じて”歌いました。 ――ちょっと無理してみたいな?(笑) のんの:アハハ。でも楽しかったです。ちょっと無理してテンション上げて…。 みくちゃん:乃々子さんも言ってましたが、今回は「演じるRYUTistを聴かせるシングル」だと思います。RYUTistのメンバーそれぞれが、“女優さん”と言ったらまた全然違うんですけど…それは言い過ぎですね(笑)。けど、演じていて…。リスナーの皆さんも場面場面で違った感情を聴き取っていただけると思います。私たちに感情移入出来るようなシングルになってるかなって。 ――なるほど。今回は「女優RYUTist」が堪能できるシングルなわけですね。 ともちぃ:大げさに言えば、です(笑)。 ――前回インタビューさせていただいた時に、特に乃々子さん、実郁さんはMVで「ちょっと演技が過剰」とおっしゃっていましたよね? みくちゃん:はい。“濃い人たち”です。 のんの:“味付けが濃い”っていう(笑)。 ――今回も濃いめですか? のんの:濃いめです。 みくちゃん:濃いどころじゃないと思います。 ――あぁ、やはり。 みくちゃん:全員がもう120パーセントぐらいの濃さで(笑)。 ――全員がですか? みくちゃん:はい。 ともちぃ:だいぶ神経使いました(笑)。 ――では、今回「演技の濃さ」が生きたわけですね。 みくちゃん:生きたと思いますね(笑)。 ――で、まずジャケットとアーティスト写真ですが、すごくいいトーンですよね。あれは越後線の…? むうたん:越後線の内野西が丘駅です。 ――そこはどんなところなんですか?ちょっと馴染みがないもので…。 一同:私たちも馴染みがないです(笑)。 ――あぁ。新潟市内ですか? むうたん:新潟市内です。 ともちぃ:ちょっと外れたところにあって。 みくちゃん:中心部からは3~40分ぐらいのところです。 むうたん:無人駅だよね? のんの:でも人いたよね? ともちぃ:駅員さんはいたけど。 みくちゃん:一人だけだった。 むうたん:切符を買って箱に入れるタイプの無人改札だった。 ともちぃ:切符は戻すっていうか、箱にポンッて感じの。 みくちゃん:東京にないから、きっと(笑)。 ――まぁ、うちの田舎にはありますけどね。では、まぁ言っちゃえば田舎って感じですか? 一同:そうですね。 ともちぃ:駅は出来たばっかりな気がします。 のんの:そうなんだね。知らなかった。 むうたん:きれいな駅ですよ。 ――アーティスト写真には街並みが写ってるじゃないですか。皆さんのバックに。あれもそこなんですか? むうたん:あれは日和山五合目っていうところです。 みくちゃん:古町です。 むうたん:十何番町ぐらいまでいったところにあるんですよ。坂があって。たしかもうあの景色は見れなくなっちゃうんですよね…。 ともちぃ:かな?なんか大きなビルが建つらしくて、5月ぐらいにはもうあの景色は見られなくなっちゃうんですよ。そうなる前にっていうことであの場所で撮影しました。 むうたん:屋上というかテラスみたいなところで。 みくちゃん:3枚目のアルバム『柳都芸妓』を開くとジャケットの内側に古地図が印刷されているんですが、あの古地図を提供してくださった野内さんっていう方が日和山五合目でカフェをやられていて…。で、そのカフェの屋上です。野内さんから「ここいいよ」って教えていただいて、そこで4人で写真を撮りました。 ――そういう意味では、新しいものと古いものが移ろって行くみたいな、そういうシーンなんですね。なんかとても雰囲気があります。で、そのアー写なんですが、皆さん本当に自然な感じで写っていますよね。あれは私服ですか? ともちぃ:じゃないです。 ――じゃないんですね。 ともちぃ:私服っぽい衣裳です。 みくちゃん:私だけ制服で。 ――ですよね。 みくちゃん:私が制服なのは、今年から女子高生は私だけなんですよ。女子高生は私だけです! 一同:(笑)。 むうたん:わざわざJKを気取らなくていいから、ホントにもう! 一同:(笑)。 みくちゃん:ごめんね、私しかいなくなっちゃって(笑)。年齢層にあった服を着てるので…。そうそう、それが一番言いたかったんです(笑)。 ――「私服っぽい衣裳」っておっしゃいましたが、それはそれぞれのファッションを反映したものですか? のんの:いつもあんな感じの服着てるよね、みんな。 ともちぃ:4人で衣裳を見に行ったんですが、「この子にはこういうのが合うよね」みたいなのを選んでいったら結局普段とあんまり変わらない感じになりました。 ――皆さん結構淡い色を着てるんですね。 ともちぃ:「春っぽく」っていうテーマがあったからかなぁ? みくちゃん:春っぽいものです。 むうたん:春物だったよね。 のんの:店員さんにも「春感があるもの」って言って…。 ――なるほど。つまりは、“自然体”を演じてるわけですね?だって本当の私服じゃなくて“私服っぽい”わけじゃないですか。 一同:あぁ。 ともちい:多分、演じて…。 むうたん:女優、ここでも女優! ――見事に私服っぽく見せています。演じてます! 一同:はい!
2019.02.27
  • インタビュー
私たちの中には「いい作品を作ろう」しかないんですよ
驚くべき作品である。2019年が始まったばかりだが、「年間ベスト候補である」と明言することに躊躇はない。 複雑な構成によって聴き手を緩やかに翻弄しながらジワジワと熱量を高めていく「The liar」。スウィングジャズの猥雑なムードを纏いつつ、ビートのギアを巧みに入れ替えながら独特のグルーヴを紡いでいく「Tie me down」。フラメンコを思わせるリズムに乗せて、淡々とした佇まいの中で青い炎がメラメラと燃えるかのようなムードを醸し出す「Why not me」。これらはアルバムに先行して配信リリースされたものだが、こうしてアルバムの中に並ぶとまた違った表情を見せ、何度観ても感動する映画のごとく改めてその衝撃を聴き手にもたらしていることだろう。もちろんアルバムで初めて披露された新曲も秀逸なものばかりだ。レトロファンクをガーリーな感覚で再構築した「Today’s」、シャッフルという彼女たちにとっては異質なグルーヴに乗せて家族愛を歌う「My everything」など、その硬軟織り交ぜた筆致に唸らされるばかり。そして当然ながら既存曲も、今や彼女たちの代表曲の一つとなった「Hello No Buddy」をはじめ、強力な新曲群の中でもその存在感を大いに発揮している。 kolmeとしては初のアルバムとなる『Hello kolme』。奇を衒った新しさで表面だけを飾り立てるのではなく、地に足のついた、堂に入った表現をものにした印象。“それなのに新しい”というある種の奇跡が生じている。こうした作品を生み出したことは、クリエイティヴィティという観点では近年のガールズグループ界隈で起きた最も衝撃的な事件といっても過言ではないだろう。 「callme」から「kolme」への改名。そしてその後、強烈なインパクトの新曲を矢継ぎ早に世に問い、あたかも「改名の違和感を感じさせる隙を与えない」かのごとく聴き手を自分たちのペースに引きずり込んできたkolme。そうした波状攻撃の“とどめの一撃”となる『Hello kolme』は、彼女たちのこれまでの音楽的経験が凝縮された、そして、成長を遂げ自信に満ちた現在の姿が投影された、さらには、未来に広がる大きな可能性をも示唆する快作となった。 KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人に、アルバム『Hello kolme』についてたっぷりとお話を伺った。 妥協が一切ない作品が出来上がったと思います(MIMORI) ――昨年9月末に「callme」から「kolme」に改名されましたが、改名されてからの活動がめちゃくちゃアグレッシヴじゃないですか。なにやら「有無を言わさず改名を受け入れさせよう」みたいな(笑)。 RUUNA:そうですね(笑)。“改名すると売れる”説があるじゃないですか。それを狙いました(笑)。改名直後の配信からアルバムまで計画的にやらせていただいてるんですが、改名で盛り上がっているうちに何か作品を出したいなと思っていたので。 ――で、そのアルバムですが、想像を超えるものが出てきました。でもアルバムは2年半ぶりなんですよね。もうそんなに経ったのかと…。 MIMORI:そうなんです。昨年7月にプレイリストアルバム『Please callme! -20152018-』を出させていただいたんですが、オリジナルアルバムは2年半ぶりです。自分たちでもそんなに空いていたんだと驚きました。 ――まず率直にいかがですか? KOUMI:今回は自分自身でも成長したのかなと思っていて。歌詞が結構スラスラかけたのは大きかったですね。この2年半の間にいろんな経験をしてきたので、それをアルバムに十分に注ぎ込められたかなと思っています。自分で作詞した曲もそうですし、2人が書いた詞の中に英語のパートがあるので、それを手伝ったりしたんですけど、書いていくうちに自分の英語力が、少しだけなんですけど、向上したのかなと思います。 ――“すごく”ですよね! KOUMI:いえいえ、まだまだです。 ――MIMORIさんはいかがですか? MIMORI:そうですね。2年半ぶりのアルバムで改名後初というのもあって、すごく気合入れて作りました。その結果、妥協が一切ない作品が出来上がったと思います。「今までだったらこういうふうにやってたけど、今ならこうだよね」とかいろいろ言い合って、時に意見の食い違いもありましたが、共通する部分もたくさんあって、曲順やその他のことも満場一致で決まったりしたんですよね。一人一人が自信をもって「これを聴いてください」と言える作品になったと思います。今まではリリースした後、「どうなのかなぁ?」っていう感じで聴いてくださる方の反応を気にしていたんですが、今は「何て言ってくれるのかな?」「これを出したことでみんながどんな反応をしてくれるのかな?」って感じで、楽しみでしょうがなかったです。そのくらい自信がありました。 ――RUUNAさんは? RUUNA:今回は、4年前にグループを始めた時からやりたかった音楽がやっと形になったなと感じていて…。ずっとこういうカッコいい音楽をやりたいと思っていたんですが、それを目指して作っていたのに「何か違う」と感じることもあり、何かちょっともどかしい気持ちが今まではあったんです。自分たちにそこまでの実力がなかったということだと思いますが…。今作はいい意味で自然体の自分たちが作品に反映されていて…。振り返ってみると、10代の頃ですかね、カッコつけたいというか、尖っていた部分があって、「可愛い」というものを遠ざけていた時期もあったんですが、「可愛い」というのを一度自分たちの中に飲み込んでみて、自分たちなりの表現できたんじゃないかなと思います。 ――「これまでの経験が注ぎ込めた」「様々なことが満場一致で決まった」「やりたかったことが形になった」といった言葉が出ましたが、具体的にはどういったものになったと思いますか? RUUNA:やはりMIMORIが好きなサウンドが随所に反映されているんですが、歌詞に関しては今までの作品の中で一番“リアル感”があると思います。歌詞を書くということは自分を曝け出さないといけない部分があって、そういうのも恥ずかしい気持ちがなくなって、今自分が伝えたいことや書きたいことがぶつけられたんじゃないかと思います。 ――もしかしたら、以前は背伸びをしていたというか…。 RUUNA:そうですね。 ――自分の中に全くないものを想像で書く。それももちろん悪いことではないと思いますが…。 RUUNA:なんですが…。「Hello No Buddy」という作品でありのままの自分を歌詞に込めたんですが、それによって皆さんに共感していただいたので、やはり自分を出さないといけなと。それを踏まえて今回は本当に全部出しました。 ――ある意味それが一番強いということかもしれないですよね。 KOUMI:以前は「ポジティヴに頑張ろう!イェイ!」みたいな曲を結構作ってたんですが、もちろんそれを否定するわけではないんですけど、人生は悲しかったり辛かったり、楽しいことももちろんありますが、悲しさや辛さを曝け出すことでもっと人間らしくなるのかなと思って…。今回は「イェイイェイ!」というものより、もっと平常心で自分の人生を詞に書いたりしたので、そこが成長したところなのかなと思います。 ――MIMORIさんはいかがですか? MIMORI:シンプルに「できることが増えたな」というふうに感じています。今回はそれぞれ経験を積んできた分、1作目のアルバムよりも身になってきたことがたくさんあって…。そのおかげでできることの幅が広がって、「こういうのもやってみたい」と思ったら再現できるようになりましたね。あと今回は、自分たちの好きな音楽に全力で向き合うことができたというか…。今までは「こういう流行りだからそれに乗って」という側面もあったんですが、今回のアルバムは自分たちが大好きな音楽を詰め込んだと思えるので、等身大の自分たちにこれまでで一番近づけたアルバムなのかなと思いますね。 ――やはり1stアルバムや2ndアルバムを作った頃と比べると、今は音楽的な知識や蓄積が違いますか? MIMORI:そうですね。勉強してきた部分もあり、遊びでいろいろやってきた部分もあって、そういうのも身になってきましたし、それぞれの人生で歩んできた道が違うので、その分三者三様に表現できることが増えて…。それぞれ性格が違うので人生経験もいろいろあるんですよ(笑)。お互い刺激もし合えますし、それによっていろんなものが表現できたかなと。一人一人役割分担があって、みんなそれに向かって個々で勉強したりもしているので、今回はそれが表現に繋がっているのかなと思います。 ――確かに、kolmeサウンドと言えるものが確立されたのは感じるんですが、その中にもいろんなベクトルやニュアンスや筆致を見出すことができますよね。僕も少なからずお話をさせていただいて、何となく皆さんの性格を掴んできた部分が——まだまだ知らないこともありますが—-そうした三人の“色”が出ている感はあります。 KOUMI:みもちゃんが出してきてくれたメロにも、2人で「もうちょっとこうした方がいいんじゃない?」といった意見を出して、それぞれの音楽観を反映させているんですよ。3人のエッセンスが加わって初めてkKolmeのサウンドが出来上がるんだと思います。
2018.12.13
  • インタビュー
「Girls Don’t Cry」も「TURN ME ON」も、私たち自身のことを歌った歌だと思っています
インタビュー中にも、サウンドやパフォーマンスの迫力のことを称して「圧」という表現が使用されているが、このインタビュー自体の「圧」もすごかった。とりわけ鹿沼亜美の言葉の「圧」(笑)。ひとつの概念や意思を、時にあれこれと表現を変えながら、時に同じ言葉で畳み掛けながら、とにかく想いを共有しようとする彼女。しばしば言葉より想いが前のめりになることもあるが、その「圧」によって少なくとも気持ちは伝わってくる。そんな鹿沼を煽ったり、なだめたり、正したり、時には突き放したりしながら、トークの流れをドライブしていくのが傳彩夏だ。彼女自身も、理路整然と言葉を並べながら、その心地好い声に乗せて思考のキャッチボールに興じる。そして、そんな動的なコミュニケーションの場に緩衝材のような柔らかさをもたらすのが田辺奈菜美。どちらかと言えば自身の「圧」は低めだが、彼女の包み込むような空気感があるからこそ、活発なイメージの交換や共有の場が出来上がり、あの「圧」が生まれるのだ。 ライブでの彼女たちも、各々の個性を打ち出しつつ、三つの色彩の調和およびコントラストを局面局面で巧みに切り替えながら、多彩な発色をステージ上にもたらしている。長い四肢をしなやかに駆動させながら、伸びやかな歌声を響かせる田辺。シャープかつダイナミックなダンスを武器としつつ、昨今では歌の表現力もぐんぐん上げてきている傳。躍動的なダンスと快活な歌声でステージ上にエネルギーの渦を巻き起こす鹿沼。そして、この三人の歌やダンスが美しく調和する時の、なんとも豊潤な色彩感ときたら! 2015年9月にデビューし、これまで約3年の時を過ごしてきたONEPIXCEL。途中4人から3人へと減員するものの、各メンバーがぐんぐん進化を遂げ、さらには3人の絆をぐっと深めていくことで、今や鉄壁のトライアングルを形成しつつある。 楽曲のクオリティにはデビュー当初から定評のあったONEPIXCEL。ロック色の強かった初期から、徐々に洗練されたエレクトロダンスチューンへと変貌を遂げ、12月5日にリリースされたばかりの最新シングル「Girls Don’t Cry」では更なる進化を見せている。表題曲「Girls Don’t Cry」、そしてカップリング「TURN ME ON」のいずれもがトロピカル・ハウスの要素を取り入れることで、それまでのスクエアなハウスビートから、よりしなやかな躍動グルーヴへとシフト。その開放的な音空間に歌声を満たすことで、抑制されながらもそれを跳ね返して膨らむかのような音世界を構築し、心地好い弾力性を帯びた「圧」を生み出すことに成功している。 また同シングルには、Utaeによる「Sparkle」のリミックス、そしてpavilion xoolによる「We Go Now」のリミックスも収録されている。いずれも原曲を大胆に解体再構築したこの2つのトラックは、ONEPIXCELの“アーティスト性”をさらに印象付ける、高品質な作品と言えるだろう。 そして、そんな急激な進化を遂げるONEPIXCELが、約1年ぶりにワンマンライブを行う。12月15日渋谷WWXで行われるワンマン「ONEPIXCEL 3rd Anniversary Live 2018」は、既にソールドアウト。来年3月には東名阪ツアーも決定しており、ますます勢いに乗っている。12月15日のプラチナチケットをお持ちの方々は、この美しきトライアングルが紡ぎ出す心地好いグルーヴの「圧」に酔いしれることだろう。 渋谷WWWXでのワンマンを目前に控えた鹿沼亜美、傳彩夏、田辺奈菜美の3人にお話を伺った。 自分でも頑張ったなって、3年前の自分を褒めてあげたいですね(鹿沼) ――昨今のグループにはキャッチフレーズとかコンセプトとかあるじゃないですか。資料を拝見すると「3人組ガールズグループ」って書かれてあるんですが……何かないんですか? 鹿沼亜美(以下:鹿沼):グループのコンセプトですか…? ――はい。 鹿沼:最初は「FREE&EASY」ってコンセプト的なものがあったんですけど、最近は特につけてなくて。何だろう…。ONEPIXCELにはいろんな楽曲があって、EDMな感じだったり、かっこいい楽曲だったり、ポップな曲だったり、アゲアゲな曲だったり、っていう幅広い楽曲を歌って踊るグループ、って感じです。 傳彩夏(以下:傳):「FREE&EASY」っていう最初のコンセプトも、私たちが最初から“自由”だったので、後から付いたんです。発言もそうだし、ライブのMCもそうだし、そういうのをすごい自然体で自由にやらせてもらっていたので、そんな私たちを見て、そのコンセプトが付いたんですよ。 ――じゃあ最初はなくて、みなさんの自由気ままな姿を見て、そういうコンセプトになった、と。 傳:はい。ワチャワチャ感を見て。 ――それで「FREE&EASY」になって。でも、それももう敢えて言わなくてもいい、って感じですか? 傳:一回見ればすぐわかるので、もう言わなくてもいいかな、と(笑)。 鹿沼:うん。伝わる。 ――そういう意味ではすごい自由にやっているわけですね。 鹿沼:はい。やらせていただいてます。 ――事務所に不満はない、と(笑)。 一同:ないです! ――で、グループ名のONEPIXCELなんですが、途中から全部大文字になりましたよね? 田辺奈菜美(以下:田辺):変わりました。 鹿沼:メジャーデビューを機に全部大文字になりました。 ――グループ名にはどういう意味があるんですか? 田辺:ピクセルっていうのが画像の最小単位ですよね。で、一人一人をピクセルと考えて、私たちとファンの皆さん、そしてスタッフさんも一人ずつピクセルと考えて。たくさんピクセルが集まると鮮明な絵ができるじゃないですか。そういう意味が込められてます。 鹿沼:深いです。 傳:「大きな会場でみんなと鮮明な絵を見よう」っていう意味があります。 鹿沼:何だっけ。Cが付いたんだっけ。 田辺:Cが付いた。 鹿沼:Cは後付けです。 ――その「Cを入れた」っていうのは、どういう意味合いで? 鹿沼:「cell」っていうのは「細胞」って意味もあるので。 傳:最初にスタッフさんが打ちミスをしたらしいんですよ。 ――打ちミスだったんですか!? 傳:最初ONEPIXCELって「C」が入っちゃってて、「間違えた」と思って抜いたらしいんですけど、それでも「Cがあった方が字体のバランス良いじゃん!」ってなって、「C」が入りました。 ――そうなんですね。で、ファンの人も含めて、そういう細胞というか画素の四角が集まって、一体どんな絵ができるんですか? 鹿沼:まだみんなが見たことないような、素晴らしい、会場が満杯になってる絵じゃないですかね。 傳:一人一人のちゃんと顔も見えて。 ――おぉ、素晴らしいですね。では、プロフィール的なところも少しお聞きいたします。傳さんはオーディションで入られたんですよね? 傳:はい。私たちの事務所のオーディションを「女優」として受けたんですけど、面接でお話してる時に、「ガールズユニットを作りたいんだけど、そっちの道はどう?」っていうお話をもらって「やります」って言って、こうなりました! ――田辺さんはハロプロエッグにいらっしゃったんですよね? 田辺:はい。 ――じゃあ経験値は高かったわけですね。 田辺:そうですかね…。 ――ONEPIXCELに入る時はもう自信満々で。 田辺:多少…? いや、そうでもなかったです。 ――多少? そうでもなかった??? 田辺:多少? 鹿沼:はっきりしてくれ! はっきりしてくれ! 田辺:自信はなかったです、あんまり。 ――(笑)。傳さんもあれですよね。AAAのジュニア版というか…。 傳:「チビッコAAA」としてやってました。 ――じゃあ経験者ですね。 傳:ダンスだけやってました。なので歌は初めてだったんですが…。 ――結構大きな舞台も踏まれたんじゃないですか? 傳:一番大きかったのは渋谷のC.C.Lemonホールですかね。もう無くなっちゃいましたけど。 ――なるほど。鹿沼さんは何か芸能活動はやられてたんですか? 鹿沼:何も…。 ――全くなかったんですか? 鹿沼:地元でダンススクールがやって、ダンスやったり、チアダンスやったり、ってだけでした。 ――そういう意味では、鹿沼さんにとっては、初めての芸能活動がONEPIXCELだと。 鹿沼:はい。 ――経験者2人の中に入ったわけですよね? 鹿沼:そうですよ! ――どうだったんですか? 鹿沼:オーディションに行ったんですよ。最初4人グループだったんですが、私以外の3人は既にメンバーだったんですよね。で、私が後からオーディションを受けて…。そこで私以外のメンバーを見た時に「あ、終わったな」って思いました。「受かんないな」って。もうビジュアル面から違っていて。当時はヤバかったですね。今はちょっとマシになりましたが(笑)。いや、もうホントに、当時と比べれば0から100になるぐらいのレベルで変わったと思います、自分でも。もう、ホントにヤバくて。でも行く前は「自分は受かる」って夢見てたから、自信はあったんですよ、自分に。自信満々で行くじゃないですか。で、3人を見るじゃないですか。「あ~終わった」って思いました。 鹿沼:当時は視野が狭すぎたと。だからもうそこからオーディションに受かって、そこは嬉しいじゃないですか。でも受かってからの、何だろう、苦労することがすごい多かったです。 ――そうですか。 鹿沼:みんなは当たり前にできてるのに、私にはできないことが沢山あったし。ダンスはやってたけど、全然レベルの低いものであって、足りないとこがたくさんありすぎて、もう毎日泣いてました、最初は。この2人はすごい振り覚えが早いんですよ。私の倍ぐらい、もう神レベルに。 ――なるほど。でも、あれじゃないですか。「あ、終わったな」「ビジュアル面から違っていて」とかって仰ってましたけど、普通「いやそんなことないよ」って他のメンバーから“フォロー”が入るところだと思うんですが…(笑)。 傳:いや。ホントに違ってたんで(笑)。 ――え? そんなに? 傳:ほんとは「いや、そんなことないよ」「亜美も可愛いかったよ」って言うはずなんですけど、ホントにもう田舎の子が出てきたんだなっていう(笑)。 田辺:最初はね。 ――そんな目で見てたわけですか。 傳:最初は服装とかもね。でも今はもう可愛いすぎる。ホントに可愛いんですけど、でも昔は「あれ?」「ん?」みたいな。しかも背がちっちゃいので、「あれ?亜美は?」みたいな感じで探すぐらいに(笑)。 鹿沼:埋もれてたよね。 傳:うん。いなかったですね。 鹿沼:いなかった(笑)。 ――いや、でも今こうして見ると、そんな“過去”は全然分からないですけど…。 傳:努力家なんですよ、すごい。 ――じゃ、その当時の写真を今度Twitterにあげてください! 鹿沼:いや、無理。ホントに 傳:探せばありますよ。いっぱい出てきますよ(笑)。 ――ありますか? 鹿沼:もうホントに「誰?」レベルよね。芋ですよ、芋。自分でも頑張ったなって、3年前の自分を褒めてあげたいですね。 傳:ホント可愛くなったよね。 ――その“伝説”はファンの方も知ってらっしゃるんですか? 鹿沼:“伝説”って(笑)。全然知ってます。もう。 ――知ってるんですね! 鹿沼:もうポンって出たから、みんな3人とも。 傳:昔の写真は別に削除されたわけじゃないので普通にありますよ。 ――ちょっと待ってください。それは、オーディションに受かってからデビュー前までに「グッと洗練されて可愛くなった」のではなく、デビューしてから「可愛くなった」んですか? 鹿沼:私たちの場合は、デビュー前に準備をして、というのではなくて、まず人前に出て、そこで下積みをして成長していく、みたいな感じだったんですよ。 ――あぁ、とりあえず「出しちゃおう」って感じで。 田辺:結構早かったね。夏にレッスンを始めて、10月にはステージ上がって。 ――それは2015年の夏ですよね? 傳:はい。下積み時代っていうか、練習のみの期間がほとんどない状態で人前に出たので。もうルックスも、ダンスや歌のクオリティとかもものすごく低くて。 田辺:めっちゃ低かった。 傳:そこからワンマンライブとか対バンとかちょっとずつ出ていって、ダメなところをファンの人にも見せつつも、「だんだん良くなっていこう」みたいな感じだったので。 鹿沼:当初はもうそのまんま出てたんですよ(笑)。 傳:写真探してください(笑)。 ――掘ったら出てきますか? 鹿沼:出てきます。今見てる人物と違うと思うんで。「あれ?」みたいな(笑)。 ――記事のヘッダーにそれ使っていいですか?(笑) 鹿沼:それはホント勘弁してください! 傳:それは私たちも困ります!