2020.07.31
  • インタビュー
佐藤乃々子(RYUTist)|私も誰かを守りたいと思って
新潟は古町を拠点とするRYUTistの最新アルバム『ファルセット』が各所で大きな評判を呼んでいる。   気鋭の作家陣を起用した優れた楽曲を歌うことで知られる彼女たちだが、この新作では、蓮沼執太、柴田聡子、Kan Sano、パソコン音楽クラブといったさらに先鋭的なサウンドクリエイターたちを招き入れ、これまでのキャリアの中でも最も音楽的な高みへと到する作品をものにした、と言えるだろう。   だがそれは、「ただ良い曲が並んだ」作品というわけではない。作家陣が彼女たちの歌声やパーソナリティーを“素材”として構築した目眩くサウンドスケープの妙。そして、彼女たち自身が作家陣の紡ぎ出した旋律や和音を“素材”として構築した至福の音楽世界の味わい深さ。作家と演者との歓喜に充ちた調和、あるいは祝福すべきせめぎ合い。いや、それ以上に特筆すべきは、“多様性”“普遍性”“ローカルとグローバル”といったキーワードを帯びる作品の「在り方」「立ち位置」あるいは「佇まい」だ。それこそが、この作品を傑作たらしめているのではないだろうか。   そんなことを、先日公開したRYUTistのグループ・インタビューで解き明かしたつもりだ。まぁ、まだまだ書き足りない、語り足りないが、それはまた追い追い。むしろ今回Speak emoで注目したいのは、本作の“コンセプト”だ。本作には「特定のコンセプトはなく」、むしろ「メンバー自身をテーマにした」作品であるという。それならば、メンバー自身にスポットを当てたインタビューを、ということで、幸いにもメンバー4人に個別取材をする機会をいただいた。   その第1回は、頼れるリーダー、佐藤乃々子。既にRYUTistとしては5回インタビューさせていただいているが、そのたびに彼女の発言の“面白さ”に気づく。だが、それゆえにその人物像が掴めなくなっているのが正直なところ。今回の取材でも、「仕事のことが気になって休日も休めない」と言いつつも「今日が楽しければいい、明日以降のことはわからない」と言い放ち、何事にも真面目過ぎるぐらいに取り組みつつも、家に帰れば「ダラダラ星人」へと豹変。そのハキハキとした受け答えや品のある佇まいから、いかにも“育ちの良いお嬢様”といった感があるが、意外にも“スーパー戦隊シリーズ”が大好きで、父の血を受け継いてパンチやキックも修得(?)しているようで…。そうした幾重にも重なる“矛盾”は彼女の魅力に他ならないが、今回の取材ではそれらの繋がりを見出すことができ、一本の線となったかのような……と思いきや、さらに混沌として一層掴めなくなったような…。   そんな驚くべき充ちた魅力的な佐藤乃々子のインタビュー。ぜひご一読いただきたい。         もう靴を脱いだら一気に力が抜けて、玄関で倒れて寝てます     ーーちょっと乃々子さんがまだ掴みきれないんですよ。   佐藤乃々子(以下:佐藤):前回もそう言ってましたよね。   ーーはい。これまでRYUTistの取材は5回やらせていただいているんですが、乃々子さん奥深いので(笑)。(横山)実郁さんなんかは割とすぐわかっちゃうんですけど(笑)。   佐藤:わかりやすいタイプ(笑)。   ーーこれまでの取材でわかったことは、ステージ上ではしっかりした“お姉さん感”を出してますが、メンバーといる時はかなり甘えるとのこと。   佐藤:あー、そんなこと言ってましたね。自分的にはあまり甘えてる意識はないんですけど。   ーーそうですか(笑)。乃々子さんの第一印象は、本当にきっちりした方で、とてもハキハキ喋って、すごく品行方正で、みたいな。   佐藤:出ましたね、品行方正。   ーーね。例えば外ではそうですけど家に帰ればダラっとしちゃう、っていうパターンは割とあるように思いますが、“外面”とメンバー内での“顔”も違うわけですね。   佐藤:そうですね。メンバーと一緒にいる時は家にいる感覚と同じですね。   ーーということは、メンバーとはものすごく心を許しているというか、もう何でも言ってるという感じですか? 例えば相談なんかしたりしますか?   佐藤:相談。そうですね、ライブのこととかですよね。   ーー個人的な悩みとかは?   佐藤:個人的な悩み。悩みがないからなぁ。   ーーえ?ないんですか???   佐藤:あったとしても、結構すぐ忘れちゃう感じかなぁ。あまり自分自身の悩みを人に言うことはないかもしれないです。悩みというか全体で共有した方がいい問題とかは、すぐメンバーに言ったりするんですけど、自分自身のことは人に言うことないですね。   ーーでも、悩みはあることはあるということですか?   佐藤:よく考えたらありました(笑)。例えば、みくちゃんは全体の雰囲気を明るくして、トークとかでは引っ張ってくれていて。ともちぃ(=宇野友恵)は、ダンスも歌もすごく上手で、パフォーマンス引っ張ってくれていて。むうたん(=五十嵐夢羽)も歌が上手くて愛嬌があるし、みんな良いところが沢山あるんですよ。でも私って考えたら「何かあるかな」って思うことはよくあります。何にもないんじゃないかって。   ーーというか、それも、まぁ言えばグループの悩みじゃないですか。ある意味“公的な悩み”っていうか。もっとなんと言いますか「夜眠れなくて困ってる」とか「夜中についお菓子食べちゃう」とか(笑)。   佐藤:夜中にお菓子食べちゃう(笑)。可愛い悩みですね。   ーー例えば、ご両親と喧嘩して最近口きいてないとか、そういうのはないんですか?   佐藤:ないです、それは。   ーーなるほどね。まだ掴めないなぁ(笑)。   佐藤:まだまだですか(笑)。   ーーで、お家では「ダラダラ星人」なんですよね?   佐藤:そうですね。ダラダラ星人してますね。   ーーそれがちょっと想像できないんですよ。どんな“ダラダラっぷり”なんですか?   佐藤:一度座ると、もう立ち上がらないみたいな(笑)。ずっとソファに寝そべってます(笑)。   ーー例えばそれは、お仕事から帰ってきて、メークも落とさないでそのままソファ、みたいな?   佐藤:落とさないんですよね。良くないんですけど…。ソファに行って取りあえず一回寝よっか、とか思って(笑)。   ーーソファで寝ちゃって(笑)。   佐藤:寝ちゃって、朝を迎えるとか(笑)。   ーーえぇええ! で、そのまま出掛ける(笑)。さすがにそれはないですよね?   佐藤:そのまま出掛けることはないんですけど、コンタクトレンズもカピカピで、朝、目が開けられなくて、みたいな(笑)。   ーーコンタクトつけっぱなしで!? それはちょっと気を付けていただかないと。   佐藤:はい。私って本当に家に着いた瞬間にスイッチが切れるんですよ。玄関入った瞬間に。だから玄関で寝ちゃってることもありますし…。   ーーえ? 玄関で寝ちゃうってどういう体勢でなんですか???   佐藤:もう靴を脱いだら一気に力が抜けて、玄関で倒れて寝てます。   ーー玄関って、フローリングというか板の間のイメージなんですが、寝られる場所があるんですか? それとも板の間に直で???   佐藤:板の間です。板の間。玄関マットはありますけど(笑)。   ーーそこで(笑)。それ、家族の人が見たら「死んでるんじゃないか」と思わないですか?(笑)   佐藤:でも誰にも起こされないんですよね。気付いてるのか気付いてないのか(笑)。   ーーということは、結構よくあることなんですね?   佐藤:ありますね、結構。本当に一気にスイッチが切れちゃうみたいで。   ーー面白いですねぇ。例えば、ステージ上だったり、テレビに出たりした時の乃々子さんのシャキッとしたモードと、グループ内でのちょっと甘えたりするモードがあって、家に帰るとまたさらにもう一段階緩まるというか壊れるというか(笑)。   佐藤:最上級。最上級に緩んでます(笑)。   ーー三段階で変身するわけですね?(笑)   佐藤:アハハ。そうですね(笑)。   ーーなので、家に帰ってからはもう酷いと(笑)。   佐藤:そうですね。本当に安心しきってます。   ーーソファでは朝を迎えることがあるとおっしゃいましたが、まさか玄関で朝を迎えることはないですよね???   佐藤:今のところないですね。夜中に気付きます(笑)。    
2020.07.25
  • インタビュー
浜川一愛|ライブごとに色々と試しながら歌っています
Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第6回は浜川一愛(はまかわちなり)をお迎えした。   浜川一愛は、大注目のメンバーである。   「一愛(ちなり)」という読みも語感も素敵な名前をはじめ、無類の愛すべきイジられキャラ、愛らしいルックス(個人的には、海外の学園ドラマに出てきそうなアジア系美少女をイメージする)、などその魅力はいくつもあるが、やはり特筆すべきはその“歌”である。   アイドル界屈指のパフォーマンス集団であるStar☆Tでは、やはりダンスに注目が集まりがちだが、歌唱に優れたメンバーも数多い。Star☆T随一の歌姫、牧野凪紗を筆頭に、そのスウィートな歌声で牧野と絶妙なコントラストを描く嶋﨑友莉亜(残念ながら9月27日での退団することとなったが…)、豊富な人生経験を巧みに歌声に投影させる和久田朱里、“王道アイドル”な歌声に仄かな哀愁を滲ませる朝空詩珠紅、伸びやかで切れ味鋭い歌声を誇る荒武彩音、14歳ながらダイナミックな歌声を堂々と鳴り響かせる近藤実希…。   そんな中でも、ひときわ異質で、誰よりも聴き手の心に染みるような歌声を発するのが浜川一愛である。まずはソロ曲「はつこい」を聴いていただきたい。まだ16歳の少女が歌う「はつこい」。純粋な恋心を甘酸っぱい声で拙く歌う様を想像するかもしれない。だが、ここでの浜川は、純朴さを維持しながらも、その声色に微細な変化を施すことで、移ろう情動のグラデーションを繊細に描き出し、まだ自身では抱いたことさえないであろう情感をも、色彩の巧みな調合によって鮮やかに再現しているのだ。   もちろん、熟練歌手に比べれば、まだまだ人生経験は少なく、技術的にもいっそうの研鑽を積んでいかなければならないだろう。だが、その天性の歌声と、それを巧みに操る才能を垣間見せる歌いっぷりを聴くにつけ、近い将来Star☆Tを歌で引っ張る存在になることを確信するばかりである。   インタビュー中で彼女は、「はつこい」を歌うにあたって意識した歌手として、Uruや手嶋葵といった名前を挙げている。筆者がさらに想像を膨らませるならば、彼女がシンガーとして成長していく先には、フィービー・ブリジャーズやワイズ・ブラッド、さらにはジュディ・コリンズやキャロル・キングといった名前さえ浮かんでくる。   もちろん、基本的にはダンス&ヴォーカル・グループであるStar☆Tにおいて、激しいダンスミュージックにも見事に対応していることは言うまでもないが、極めて多様な楽曲を誇るStar☆Tにおいては、彼女の繊細かつ情感溢れる歌声が大活躍する場面も少なくないだろう。   そんな浜川一愛にお話を伺った。今回は“イジり”は封印し、“歌”についてじっくりと語っていただいた。         アイドルはほぼほぼお父さんの影響です     ーー一愛(ちなり)さん、まだ16歳ですか。   浜川: 16歳です。今年の11月に17歳になりますね。   ーーお若いですね(笑)。   浜川: ありがとうございます(笑)。   ーーそれにしても「一愛」っていい名前ですね。   浜川: ありがとうございます。初対面の方にはいつも「何て読むの?」って訊かれます。   ーー「ちなり」とはなかなか読めないですよね。ご両親が付けたんですか?   浜川: お父さんが付けてくれました。   ーーどういう意味が込められているんでしょう?   浜川: はっきりと聞いたことはないんですけど、「一途な愛」みたいな感じだというのは、ほんのり聞いたことがあります(笑)。ほんのりと。あまり覚えてないんですけど。   ーーでも「一」に「愛」で「ちなり」と読ませるのは、なかなかの技ですよね。   浜川: そうなんですよね。   ーーご出身は岡崎市なんですか?   浜川: そうです。はい。   ーー岡崎市って豊田市のすぐ南側にある市ですよね?   浜川: そうです。はい。   ーー生まれはそこで、今は豊田市在住と。   浜川: そうなんです。   ーーいつ頃、豊田に来られたんですか?   浜川: 2~3歳ぐらいまで岡崎に住んでいて、それからすぐ豊田市に引っ越して来ました。   ーーじゃあもう豊田出身みたいなもんですよね。   浜川: ほぼほぼそうですね。   ーー幼い頃の記憶で一番古いものって何ですか?   浜川: え~、待って、わかんないです…。なんだろう…。   ーー例えば、嶋崎友莉亜さんなどはミニモニ。をテレビを観て踊ってたとか。   浜川: なるほど。私は小さい頃プリキュアが大好きで、私が1歳か2歳の頃から「プリキュア」のシリーズを観てたんですよ。朝はそれを観て、変身するオモチャとか持ってたりとか。あと「アイカツ!」。アニメやカードゲームがあったんですが、ゲームセンターでめちゃ必死に集めたりとか、小さい頃はそんな感じでした。   ーーそういうアニメなどを観ながら歌ったり踊ったりしてたんですか?   浜川: してました。テレビの前で主題歌とかエンディングテーマをめっちゃ歌ってましたね。テレビの前で。   ーーやはり歌うのはお好きでした?   浜川: そうですね。小さい頃から歌うことが好きで、小学校高学年ぐらいになってダンスにも興味を持ち始めて、っていう感じですね。   ーーアイドルにハマったりしました?   浜川: アイドルはほぼほぼお父さんの影響です。お父さん以前から結構アイドル好きなんです。   ーーいいですね(笑)。   浜川: そうなんですよ。いつもお父さんの影響でハマって、私のほうが沼にハマっちゃうみたいな感じなんですよ(笑)。   ーーそうですか(笑)。   浜川: そうなんです。一番最初はたしかAKB48さん。それからももいろクローバーZさんだったり、最終的に今は乃木坂46さんが好きです。結構色んなアイドルさんを好きになってますね(笑)。   ーーむしろお父様の方に興味があるんですが(笑)、お父様はどんなアイドルがお好きだったんですか? AKB48とかですか?   浜川: そうですね。最初にお父さんがAKB48さんのMV集とかライブのDVDを買って、車とかで流して、みたいな。そうすると必然的に目に入ったり耳に入ったりするじゃないですか。そして「この子可愛いな」とか「この歌好きだな」とか思って、私がどんどん好きになってくっていう…。   ーー最初にAKB48を好きになったのって、どの曲の頃ですか?   浜川: AKBさんはいつだろう? MV集だったので…。   ーーなんか箱モノで出てましたよね。   浜川: そうですね。『AKBがいっぱい』だったかな。そんなタイトルのMV集があって、たしかそれを初めて見て、そこでAKBさんに興味を持ち始めたっていう感じですね。   ーーどんな曲が好きでした?   浜川: 色々好きでしたけど、よく聴いていたのは、「夕陽を見ているか?」とか「チャンスの順番」とか割と初期の頃の曲を沢山リピートしてました。   ーー例えば、お父様と握手会に行ったりしたことはありましたか?   浜川: ありましたね。小さい頃は行けなかったんですけど、家族みんなで初めて行ったのは、ももいろクローバーZさんのライブでした。今では乃木坂46さんの握手会は、お父さんの用事がなければ一緒に行ったりしてますね。   ーー一愛さんは乃木坂46の梅澤美波さん推しですよね?   浜川: はい。梅澤美波ちゃん大好きです。   ーー“上級者”って感じですね(笑)。   浜川: アハハ。まぁ、めっちゃ王道ってわけではないですよね(笑)。   ーーちなみに、お父様の推しメンは?(笑)   浜川: お父さんは王道の白石麻衣ちゃんが一番好きで(笑)。   ーーめちゃめちゃ王道ですね(笑)。   浜川: そうなんですよ。   ーーでも、なんか親子で行かれるっていいですね。楽しそうですね。   浜川: はい。いいですね。   ーーグッズとか沢山買ってもらったりするんですか?   浜川: ほとんど「自分で買え!」みたいな感じなんですけど(笑)。ちょっとわがままを言っていくつか買ってもらってます(笑)。    
2020.07.22
  • インタビュー
ごいちー|「今若い女の子が歌う渋谷系ってめちゃくちゃいいな」って思ったんですよね
ごいちーの初ミニアルバム『Shining Wonderland』が素晴らしい。   まずは先行シングル「上の空モード」に”ひと耳惚れ"してしまった。シンガーソングライターのSAWAが作詞作曲したこの曲。イントロからスウェーディッシュ・ポップを想起させる“渋谷系サウンド”が鳴り響き、ごいちーのどこかアンニュイなヴォーカルが入ってくると、独特の空気感が生まれる。それは決して、かつての渋谷系を懐古的にトレースしたものではなく、当時の渋谷系が提示していた価値観をこの時代に生きる女の子の言葉と視点を通して瑞々しく翻案しているかのような印象だ。   当時の渋谷系には、イケイケの時代の享楽性が満ち満ちていたが、同時にそこには虚無感のようなものも漂っていた。一方ごいちーは、不安と虚無感に覆い尽くされたこの時代に、等身大の感性を投影しながらリアルとファンタジーが交錯する"wonderland"を描くことで、微かな希望を見出そうとしている印象だ。いずれも独自の価値観を提示し、瑞々しいインパクトを与えるものだが、閉塞感に苛まれるこの時代には、曖昧糢糊とした空気の中に見える光の方が、たとえ今はまだ小さくとも、その分より鮮やかな輝きを放つのかもしれない。   SAWAの作詞作曲編曲のナンバーが4曲。作詞つのだゆみこ、作編曲クマロボによるものが2曲。笹川真生の作詞作曲編曲によるものが1曲。“渋谷系モータウン”ともいうべき溌剌としたナンバーから、電波ソング成分も見え隠れするEDM、キラキラとした音色が散りばめられたエレクトロに、音響系の響きをたたえたバンドサウンド、そして哀愁が仄かに漂うシティポップまで。いずれも一つのイメージを類型的に再現するのではなく、明と暗、陰と陽、光と影、あるいは多様な色彩を絶妙に織り混ぜ、重層的で豊潤なイメージを描き出している。特筆すべきは、こうした多様な楽曲に応じて、ごいちーが彩り豊かな声によって歌い分けていることだ。   またその詞も、ごいちーが等身大の女の子を演じている”ものや、比喩や抽象的な表現の中に自身の本音を忍ばせたものもあり、様々な発色を見せるサウンドにさらなる彩りを加えている。   新潟を拠点とする5人組アイドルグループcana÷bissのDJとして活躍しつつ、“DJごいちー”としてDJ活動も行なうごいちー。昨年12月のシングル「上の空モード/あなたにあげる」でソロシンガーとしての活動も開始し、このたびミニアルバム『Shining Wonderland』をリリースした。   そんなごいちーにお話を伺った。さり気なくも奥深く、曖昧ながらも多様な色彩が見え隠れし、掴めそうで掴めないその人物像は、まさにこのミニアルバムに描き出されているような空気感をたたえている。そんな彼女の示唆に富む言葉をご堪能いただきたい。             まさか6年もやってソロデビューまでするなんて、当時はほんとに思ってなかったと思います     ーーprincipal!(プリンシパルエクスクラメーション、略称「プリエク」)の初期メンバーだったんですよね?   ごいちー:そうです。フフフ。   ーープリエクのメンバーとしてデビューしたのが2014年2月21日ですよね。   ごいちー:そんな前になるんですね。   ーーキャリア長いですね。   ごいちー:意外と長く活動してます。   ーーで、昨今の便利なネット時代、デビューライブの映像を発見してしまい…。   ごいちー:見ないでください。フフフフ。   ーーそれはアップされていていいものなのかかわからないんですが(笑)、王道アイドルという感じのグループでした。   ごいちー:そうですね。   ーーその時、どんな気持ちでステージに上がっていたんですか?   ごいちー:当時はAKB48さんが頂点にいて、ももクロさんも絶好調で、でんぱ組.incさんがブレイクした頃だったと思うんですが、私たちも、担当カラーがあって、ちょっと歌うみたいな感じの長めの自己紹介が一人ずつあったりして、完全にそうしたアイドルを意識してやっていました。曲も電波ソングっぽいのもありましたし、高音でてキラキラしてて早口でみたいな感じの、今のcana÷bissとは全く違うイメージでやってました。当時はみんな初めてだったので、何もわからず、ただやってるだけでしたね。何が正解かもわからなくて。   ーーごいちーさんの自己紹介も「お歌の時間ですよー」って。   ごいちー:ちょっと、それほんとに黒歴史なので。ハハハハハ。やだー。   ーーファンの方にはもう知られてることだと思うんですが、「ごいちー」という名前の由来は?   ごいちー:もう普通にバレてるのでいいんですが、本名が五井千賀子っていうんですよ。なので、学生時代からずっと「ごいちー」って呼ばれてて、そのままです。活動を始める際、みんなニックネームっぽい名前でやることになったので、そのままでいきました。   ーー「いちご」の業界用語ではないんですね。   ごいちー:そうなんですけど、初期の自己紹介の時は、覚えやすいかなと思って「いちごのごいちー」とか言ってましたね。いちごに対して特別な感情は全然ないんですけども(笑)。   ーーその当時は、現在のようにDJごいちーになって、今やソロで歌ってる、ということは夢にも描いてなかったですか?   ごいちー:そうですね。元々アイドルが好きで、アイドルを応援しに行った時に女の子のオタクみんなで写真を撮ったのがきっかけで今のプロデューサーに声を掛けていただいたので、自分でやるとは思ってなかったんですよ。声を掛けていただいたのがアイドルを初めてやる事務所で、私もどんな所なのか何もわからなくて「嫌だったらやめればいいかな」ぐらいの気持ちで始めたので、まさか6年もやってソロデビューまでするなんて、当時はほんとに思ってなかったと思います。   ーーちなみに、その応援しに行ってたアイドルって誰だったんですか?   ごいちー:私立恵比寿中学さんが新潟に野外のフリーライブで来ていて、それを観に行ってました。   ーーそこで撮った写真がきっかけで今の事務所musictrace inc.に入った、と。   ごいちー:はい。そうです。   ーー今回はそこからの歴史について詳しくはお伺いいたしませんが、ネットで調べたりすると、割と端折って書かれてる部分も見られます。ごいちーさんは一旦卒業されたんですよね?   ごいちー:そうですね。プリエクを2年ぐらいやって一度卒業してます。   ーーそれが2016年3月と書かれてますが、それは正しいですか?   ごいちー:はい。   ーーで、「プリエクが2017年3月にcana÷bissに改名し、ありさ、ありす、桐亜、DJごいちーの4人で始動」といった形で書かれているものが見られますが、正確を期すならば、ごいちーさんはプリエクが改名する約1年前に一旦卒業されているんですよね?   ごいちー:そうです。かなり端折ってあって…。私は一旦プリエクを抜けて、その間に新メンバーが入ったり抜けたり色々あって、その後まずは「canabiss!」に改名して、そのスタートメンバーとしてはプリエクの初期メンバーが2人残って、そこで「どうしよう」ってなって、musictrace inc.の別のグループにいた桐亜っていうメンバーが加わって、最初は3人で始めたんですよ。私はいなくて。で、「canabiss!」として初ライブを行った一週間後ぐらいに私がDJとして戻って来て、その時に現在の「cana÷biss」に表記が変わったんですよね。当初は3人だったんですが、ライブをMCなしで曲をどんどん繋いでいくっていうスタイルでやることになり、じゃあ「DJを募集しよう」っていうことになって、そこに私が復帰したという感じです。その時は一応musictrace inc.でソロとして所属しながら、東京で会社にも就職していたので…。「たまにソロでDJの活動ができたらいいな」ぐらいのゆるい感じで活動していたんですよ。なので「事務所にDJがいるので入れちゃおう」みたいな。   ーー最初は「イレギュラーメンバー」として「加入未満」という形で復帰されたんですよね?   ごいちー:そうですね。   ーー2016年3月に一旦卒業した際には、普通の会社に就職されたんですか?   ごいちー:musictrace inc.に名前は残したまま、私だけ東京に出てきて、普通に就職しました。    
2020.07.17
  • インタビュー
天野なつ|自分でやるのは大変なんですけど、それだけ結果がダイレクトに来るのが楽しいなって思います
九州を拠点に活動するLinQの2代目リーダーを努め、2018年に同グループを卒業すると、ほどなくソロ活動を始めた天野なつ。約2年のソロ活動を経て、6月17日遂にフルアルバム『Across The Great Divide』をリリースした。   博多のParks Recordsを主宰する松尾宗能をプロデューサーに、作曲には松尾をはじめ、長瀬五郎(インスタントシトロン)、関美彦、小川タカシ(カンバス)らが名を連ね、作詞は天野本人やスセンジーナらが手掛ける。バックには、かの沖山優司がベースで、“博多のラトルズ”とゴーグルズ・のセシル・ゴーグルがギターで、ELEKIBASSやカンバス、アナなどで活躍する植木晴彦、福岡を拠点とするバンド“COLTECO”の太田洋平がキーボードで、同じく福岡を拠点とするノントロッポのチャン・スカイウォーカーがドラムスで、元LinQの深瀬智聖と一ノ瀬みくによるCHiSEMiKUがコーラスで参加。さらにはミックス及びマスタリングをマイクロスターの佐藤清喜が手掛けている。福岡と東京を結ぶ“グッドミュージック・コネクション”がその本領を発揮し、極上のナイスサウンドを構築しているのだ。   そこに聴こえるのは、平たく言えば“ヴィンテージ・サウンド”と呼ばれるもの。モータウンやニュー・ソウル、ソフト・ロックにシティ・ポップ、そしてサイケデリックやラテン・ロック。さらに細部に耳を傾ければ、マーヴィン・ゲイ風グルーヴやビートルズ風ギターソロ、ザ・バーズ風12弦ギターサウンドやウエストコーストロック風アルペジオなど、音楽好きを唸らせる音の意匠が随所に聴こえてくるだろう。   こうしたサウンドが、「大人の趣味に付き合わされる純粋無垢な女の子」という構図によって作られる“ガールポップ”に引用されることは珍しくない。むしろ、歌謡曲の時代から、こうした試みは幾度と繰り返され、安易にコピペのできる昨今では粗製濫造の様相を呈していると言えるかもしれない。   だが、ここまで巧みに鮮やかに作り上げてくれれば文句はないだろう。このヴィンテージ・サウンドが凡百の“ガールポップ”と一線を画しているのは、そこに、R&Bに憧れた60年代のモッズや、モータウンなどのソウルを熱心に掘っていたノーザン・ソウルのDJたち、あるいは、誰も知らない名盤を我先に掘り当てようとしたレア・グルーヴや渋谷系の体現者たちが有していたような、いにしえのサウンドへの敬意と愛が宿っているからではないだろうか。   だが、本アルバムを現代ガールポップの傑作らたしめている真の原動力は、他ならぬ天野なつの歌声である。伸びやかで強度もあり、その一方で愛らしさや仄かな儚さや切なさもたたえた、実に心地好い歌声。“大人の期待”に存分に応えるのみならず、そうした“大人の思惑”を凌駕し、制作陣の予想を軽く越えているであろう眩いばかりの輝きをこのサウンドに与えているのだ。   天野なつがこうした歌声を獲得したのは、インタビュー本文でも述べられているとおり、様々な困難を乗り越えてきたからだ。入院。休業。卒業。上京。こうした“大きな山”は、彼女に表現の幅や深みをもたらしたのみならず、「Restart」や「うたかたの日々」などの歌詞を生み、さらに言えばこのアルバムを最良の形で結実させたのだ。彼女の発する言葉や声に説得力が宿っているのも、そうした“Great Divide”を越えてきたからに違いない。そんな彼女の歌声は、まだまだ難局に直面している世の中に一筋の希望の光をもたらすことだろう。   天野なつに、これまで乗り越えてきた“Great Divide”について、そしてアルバム『Across The Great Divide』について話を伺った。     LinQで芸能活動を終えるつもりだったんですよ   ――2018年の6月にLinQを卒業されて、結構すぐにソロ活動に移行されたんですよね?   天野なつ(以下:天野):そうですね。まぁ正式なデビューは9月末なので、3ヶ月ぐらい空いていますが…。   ――そこに至るまでには色々あったんですよね? ここでは深くは掘り下げませんが、2016年末に「解体・再開発プロジェクト」って、なんか駅前みたいなことが発表されて、グループが再編されたりしたんですよね?   天野: アハハ(笑)。それがあって、私も膝を怪我をして…。   ――しばらく入院されてたんですよね。   天野: はい、そうなんです。   ――大変でしたね。   天野: いろいろありましたね~、あの年は…。   ――そういうことがあって、でも、こうやって素晴らしいソロアルバムを出すまでになったわけじゃないですか。今率直にいかがですか?   天野: う~ん、でも、本当にソロ活動をしようと決めたのは、割と卒業する直前で、それまで私はLinQで芸能活動を終えるつもりだったんですよ。卒業後も、例えば女優がしたいとか、シンガーなりたいとか、そういうのは本当になくて。リーダーとしてLinQをやってきてきて、それで終わろうって思ってたんですけど、ひょんなことからバイト先で出会ったんですよね…。   ――え? 松尾宗能さんに?   天野: はい、そうなんです。その休業中に。   ――あぁ、入院などもあって、LinQ卒業までおよそ一年間休業されてたんですよね。   天野: はい。で、私も仕事がなかったので、バイトしなきゃって思って、六本松蔦屋書店でバイトを始めたんですよ。「何でそんなバレるとこでしたの?」ってみんなから言われたんですけど(笑)。   ――絶対気づかれる場所じゃないですか。   天野: 私、もともと映画が好きで、六本松蔦屋をうろうろするのが大好きだったんですよ。で、働いてみようかなって思って働き出して、そしたら松尾さんに出会って、声掛けられて。最初、ソロはちょっと自信ないなって思ってたんですよね。一人で喋るのがあんまり好きじゃなかったので。   ――めっちゃしっかり喋られてる印象がありますが…。   天野: 実は、ステージでのMCとかあまり好きじゃなくて。喋るのが楽しいなって思えるようになったのは、ソロになってからですね。それまでは、リーダーだったのもあるし、下手なこと言えないなと思って結構プレッシャーだったんですよ。ステージに立つことは好きだったんですけど。で、ソロできるかなってずっと思ってたんですが、IQプロジェクトっていう、うちの事務所のメンバーたちがLinQ卒業後も色んな活動をやっているのを見て、私もまだ芸能の仕事を辞めたくないなっていう気持ちが芽生えてきて、で、やってみようっていう…。どうなるか分かんないけどやってみようっていう気持ちで始めました。   ――松尾さんと出会った時って、松尾さんが声掛けてきたんですか? 「LinQの方ですか?」みたいな感じで…。   天野: 蔦屋のバイトで、最初オリエンテーションみたいなのがあったんですよ。一人ずつ意気込みみたいなのを言うやつで、そこに松尾さんもいたんですが、私が意気込みを言った時に気づいたらしくて。「あれ? 天野なつじゃない?」みたいに。   ――松尾さんもそこで働いてたんですか???   天野: そうです。松尾さんは“コンシェルジュ”をやってます。“音楽コンシェルジュ”。   ――その肩書は見たことがありますが、外部のアドバイザー的な人なのかなと思っていました…。   天野: レジとか一緒にしたこともありますよ。   ――そうなんですね。   天野: ブック担当とか、文房具担当とか、レンタル担当とかいろいろあるんですけど、私、松尾さんと一緒だったんです。   ――ガッツリ働かれてるんですね。   天野: 週5ぐらいでフルタイムで働いてます。   ――それって書いていいんですか?(笑)   天野: 全然。松尾さんは蔦屋にバリバリいるので。結構、松尾さんのファンというか、そういう人とかもよく来られるんです。   ――松尾さん、いろいろ暗躍してますね、色んなところで(笑)。僕は正式にご挨拶したことはないんですけど…。   天野: 確かラジオとかもやられてますし。   ――松尾さんとバイト先で出会ったのは……その時ってもう卒業を決めるかどうかって頃ですか?   天野: だいぶ固まってきたぐらいですかね。2017年の暮れぐらいです。   ――明けて1月に卒業を発表した、みたいな感じでしたっけ。   天野: そうですね。   ――その頃からもう準備は始めていたってお聞きしたんですが、LinQ卒業とソロ始動を決意をしてから楽曲を作ったりとかしたんですか?   天野: 1枚目のシングルに収録されていた3曲「Open My Eyes」「Secret703」「Restart」は、卒業前にレコーディングしました。    
2020.07.15
  • インタビュー
RYUTist|今メンバーができる最大限が最高に詰まったアルバムだなって思います
新潟は古町を拠点に活動するRYUTistがこれまでに残してきた3枚のアルバム『RYUTist HOME LIVE』『日本海夕日ライン』『柳都芸妓』は、いずれ劣らぬ名盤である。   本拠地・古町で行われる“HOME LIVE”の再現をコンセプトとした『RYUTist HOME LIVE』。新潟の海岸線を走る“日本海夕日ライン”の日の出から日没までを描いた『日本海夕日ライン』。花街として栄えたいにしえの古町へとタイムスリップするかのような感覚で今に伝わる伝統や情緒を再発見し、そこに宿る普遍的な情感を瑞々しいサウンドで描き出した『柳都芸妓』。3枚とも確固たるコンセプトのもとに制作され、しかも、それらはいずれも新潟にまつわるものだった。   そして、約3年ぶりとなる4枚目のフルアルバム『ファルセット』。収録曲は「青空シグナル」(沖井礼二作曲)、「無重力ファンタジア」(ikkubaru作曲)、「黄昏のダイアリー」(北川勝利・沖井礼二作曲)、「センシティブサイン」(シンリズム作曲)、「きっと、はじまりの季節」(弓木英梨乃作曲)といった2018年以降にリリースされたシングル曲に加え、蓮沼執太、柴田聡子、北川勝利、Kan Sano、パソコン音楽クラブといった先鋭的な作家陣の作品が並ぶ。加えて、これまで多くのRYUTist作品を手掛けてきたNOBE/KOJI obaのコンビによる楽曲も。ジャケットには、珍しく大写しになった笑顔の4人。各楽曲の詞や曲調、そしてタイトルやジャケット写真などを考え合わせてみても、とくに明確なコンセプトは浮かび上がってこない。近年のシングル「黄昏のダイアリー」「センシティブサイン」「きっと、はじまりの季節」は、特定のジャンルへとオマージュするようなものではなく、どこか「RYUTist流王道ポップを作り上げよう」としているかのような気概が感じられるものだった。そういう意味では、今作ではコンセプトを廃し、より普遍的な、ある意味匿名的なアルバムを目指したのだろうか…。   話を聞いてみると、『ファルセット』のコンセプトは「自分たち自身」であるとのことだ。これまでは「新潟を全国へとアピールすべく、新潟らしさを打ち出した」作品を世に問うてきたRYUTist。だが今作では「私たち自身」にスポットが当てられているとのこと。そういう意味では、4人の感性や思考や情動が多様な音楽を通して描き出された作品と言えるかもしれない。もちろんそこには“新潟”という要素も含まれている。そう考えれば、日常風景をバックに4人が大写しになったジャケットも、本作の“コンセプト”に見事に合致している。もちろんバックに写る“日常風景”は、古町のそれである。   現代は多様性の時代である。人種や文化的背景、地域や信条といった属性によってカテゴライズされる以前に、個というものが尊重されるべき時代である。だがその一方で、そうした個が多様性を帯びるには、各々の有する属性が重要な要素となるだろう。それらが各々の割合で配合されることにより、個が形成されるのだ。彼女たち4人を「新潟の女性」という属性だけで語ることはもはやできないが、各々にはそれぞれに“新潟”という要素が配合されているのもまた事実である。   蓮沼執太が作曲した本作を象徴する楽曲「ALIVE」は、アコースティックギターに導かれる牧歌的なイントロ、スティーヴ・ライヒを連想するようなクラッピングやマレット楽器が配された現代音楽的要素、マスロック的なギターが施されたポエトリーリーディング・パートなど、まさに多様性が共存している。そこで歌われるのは、抑制されたヴォーカルが綴る日常の営みや自然の風景。それらは決して“新潟”ではなく、どこでもないどこか。だが、聴く者それぞれの心にはそれぞれの心象風景が描き出されるだろう。「バラバラのリズムが動き出すのさ」という一節が示すのは、多様な日常風景であると同時に、個々の中に生じる多様な反応のことも示しているのかもしれない。   そういう意味でも、本作は極めて同時代的な作品であり、同時に普遍的な作品とも言えるだろう。もちろんコンセプトを設けたこれまでのアルバムも素晴らしいが、本作には大きく進化したRYUTistの姿を見出すことができる。そして、相変わらずの豪華作家陣が名を連ねるが、この4つの個はそれらに決して負けていない——そんなことを感じさせる強力な作品である。新たな名盤の誕生だ。   RYUTistの4人、佐藤乃々子、宇野友恵、五十嵐夢羽、横山実郁に、アルバム『ファルセット』についてたっぷりと伺った。         ちょっと背伸びしつつステップアップしている作品かなって思います(五十嵐)     ーー7月14日に約3年振りとなるフルアルバム『ファルセット』がリリースされます。まずはひと言で、どんなアルバムとなったのでしょうか?   五十嵐夢羽(以下:五十嵐):『ファルセット』は、RYUTistが段階を一段上るっていうか、ちょっと背伸びしつつステップアップしている作品かなって思います。   ーーなるほど。「ファルセット」って裏声で一段高い声を出すわけですからね。友さんはいかがですか?   宇野友恵(以下:宇野):今の私たち4人の持ってるものを全部吐き出したアルバムだと思います。   ーー全て吐き出したわけですね。   宇野: 出しました!   ーーでは実郁さん。   横山実郁(以下:横山):はい。等身大の私たちと、2020年、前に進むぞっていう決意を表したアルバムだと思います。   ーーでは、続きまして乃々子さん。   佐藤乃々子(以下:佐藤):はい。今回のアルバムはまた豪華作家陣さんに作っていただいて、楽曲の難しさもさらにレベルアップしていると思うので、むうたんも言ってましたが、少し背伸びをして挑戦したアルバムになったと思います。   ーージャケットに関してお訊きしたいのですが、昨年10月リリースのシングル「きっと、はじまりの季節」で、とうとう皆さんがジャケットに写らなくなりました。   一同:笑   宇野: そうでしたね。   ーーそのジャケットがツイッターでめっちゃバズりましたよね。   横山:バズりましたね。   ーー皆さんが出なくなってバズったわけです(笑)。   一同:(笑)。   横山:すごい悪い言い方しますね(笑)。   ーーツッコミがすごいですね。なんか怖いですね(笑)。   宇野: 石川さんも“RYUTist邪魔派”ですか?   ーーいえいえ、そんなことないですよ。僕はただ“世間で起こった現象”について言っただけなので(笑)。   一同:(笑)。   ーーそれが今回ガラッと変わったじゃないですか。   一同:はい。   ーー皆さんとしてはいかがですか?   横山:びっくり。   宇野: こんなに「ドーン!」ってメンバーの顔が写っているのが…。   佐藤:今までは「嵐は日曜日」ぐらいじゃない?   五十嵐:懐かしい~。   佐藤:「ドーン」っていう感じはね。6カ月連続でシングルをリリースした時の一枚です。   宇野: 本当に初期の頃。2013年ぐらい。   ーーシングル2枚リリースした後に連続で出したやつですよね?   佐藤:はい。そうです。   横山:それ以来じゃないかっていうぐらい今回は前面に出てますよね。   ーーやはり皆さんはアイドルなので、自分たちが前に出た方がいいですよね?   宇野: いやー、そんなことはないですね。   横山:やっぱりジャケットに私たちがいない方が手に取りやすいと思うんですよ。   ーーということは、今のアルバムジャケットに不満であると。   横山:いやいやいや(笑)。不満ではないですよ。うれしいんですけど、やっぱりいい曲を聴いていただきたいから、お洒落な、綺麗なジャケットの方がいいのかな、って思ったんですけど…。でも、今回のアルバムは「私たち自身」をコンセプトにしていただいたみたいで、それであのジャケットになったので、うれしいなと思いました。   五十嵐:ファンの方はね、うれしいって思ってくださってるかもしれないよね。   ーーやはり皆さんのことをフィーチャーしたアルバムであるから、皆さんのお姿が出てくるわけですよね。   一同:はい。   ーー撮影されたのは古町で、2014年のシングル「Wind Chime!~街のトンネル~」のジャケットと同じロケーションですよね?   一同:そうですね。   ーーその時と比べると皆さん洗練されて綺麗になりましたよね~。   一同:(笑)   佐藤:大人っぽい顔つきにはなりましたよね。   ーー実郁さんなんか顔が全然違いますもんね。   横山:別人ですからね。   ーーすごく冷静にツッコまれた(笑)。ここでひと笑い起る予定だったんですが…。   横山:(笑)。(佐藤乃々子を指差して)理解できてない人もいるみたいで(笑)。   ーーきっと取材とレッスンでお疲れなんですね。   佐藤:全然大丈夫です(笑)。   ーーで、洗練されて大人になったという感じがありますが、「Wind Chime!~街のトンネル~」では皆さん仁王立ち……仁王立ちではないですね。すっと立ってるじゃないですか。   宇野: 確かに。『ファルセット』ではメンバーがすごい笑顔です。笑ってるというのは今まであまりなかったですね。大人しい系が多かったように思います。   佐藤:そうだね。今回は全力で笑ってるもんね。   宇野: 全力で笑ってるんです。あれ、走ってる途中だもんね。   五十嵐:うん。   ーーあれはどんな感じで撮ったんですか? 本当に笑顔で走ってる感じですもんね。   五十嵐:走りながら撮っていただきました。シャッター、パシャパシャって。   ーーあそこは車とか危なくないんですか?   横山:もちろん青信号の時に撮りました。   五十嵐:青信号になる度に渡って、そして赤になれば戻って、また青で「はい、渡って」みたいな。   宇野: それの繰り返しです。5回ぐらい。   ーーロケーション的にちょっとわからないんですが、横断歩道を渡ってる感じなんですか?   横山:そうですね。横断歩道です。   ーーなんか車道を駆けているように見えるんですが…。   横山:古町の柾谷小路っていう大きな通りなんですけど、信号がこう、なんて言うか…。   宇野: 斜め横断みたいになってて。   横山:渋谷のスクランブル交差点みたいな感じです。   ーーなるほどなるほど。   横山:そうなんですよ。横断歩道を横切る感じの写真に見えるんですけど、安全です。   宇野: 歩道の中でやってるんです。   ーーなるほど。そこはもう交通規則を守って。   横山:もちろんですよ!   五十嵐:そりゃそうです!   ーー(笑)。で、駆け出してるわけですよね。   横山:駆け出してます。   ーーどういう意味ですか? それは。   横山:意味ですか??? この日は写真家の南阿沙美さんが新潟まで来て下さって、この場所だけじゃなくて色んな場所で撮ってくださったんですが、メンバーの自然体で元気な感じを撮ってくださいました。   宇野: 素の表情です。   ーー素の表情なんですね。動いたりしてる時のほうが顔を作らないから、素の表情が出るということですね。   横山:メンバーが本当に楽しんでる表情を写真に収めていただきました。   ーーなるほど。実郁さんなんて最近顔作ってますもんね。ツイッターに上げる自撮りとかね。   一同:(笑)。   横山:可愛いって言ってくださいよ~!頑張ってるのに~!   ーー(笑)。   宇野: 絶対自分で可愛いと思ってる。   横山:違う違う。そういうことじゃないから。可愛いと思って欲しいだけだから。   宇野: 可愛いよっ!   五十嵐:可愛い!   ーーそう。だから、可愛いように作ってるわけですよね。   宇野: (笑)そうですそうです。   横山:すごい嫌みっぽい言い方しますよね(笑)。本当に!   ーーそうですか??? いやいや全然そんなことないです(笑)。   五十嵐:石川さん、もっと素敵な感じだったのに~(笑)。   横山:ねぇ。   ーーえっ?   宇野: 好きな子にちょっかい出すっていうじゃないですか。   ーーえ(笑)。何を?(笑)   横山:ほらほら(笑)。   ーー今、仕事中なんですから(笑)。今そんなわちゃわちゃ雑談してる場合じゃなくて、仕事してるんですよ!(笑)   一同:(笑)   ーーまぁでも、作らなくても可愛い、ということですよね。   宇野: あ。   横山:(笑)。   ーーいいですか? これで(笑)。   横山:はいはい。可愛いく撮ってもらいました。はい。可愛く撮っていただきました。   ーー(笑)。でもジャケットを見ると、皆さん駆け出しています。まるで古町から逃げだそうとしているかのような(笑)。   佐藤:そう思いました?   ーーというか、飛び出そうとしてる感じですかね?   横山:はい。   宇野: 確かに。   佐藤:そんな感じもしますね。こうして見てみると。   ーー古町から全国へ、世界へと。   五十嵐:駆け出そうとしている!   佐藤:その第一歩にも見えなくもない。   横山:さっき私は「これからの決意も入ったアルバムです」って言ったんですが、これから前に進むためには、新潟はもちろんですけど、新潟の外に出ていかなきゃいけない時もあると思うんです。なので、石川さんの言うように、新潟を飛び出して色んなところに行くよ、っていうメッセージにもなりますよね。全国でRYUTistを待ってくださってる方がいれば、その方のところに行きたいという気持ちがあるので、そういう解釈もありだと思います。   ーーなるほど。   横山:以上!(笑)   ーーありがとうございます(笑)。ちょっとようやく取材っぽい雰囲気になってきましたね(笑)。これでいきたいと思います。で、衣装をたくさん着られたとのことですが…。   横山:はい。   五十嵐:何種類もありました。   宇野: 山盛り! 二日間かけて選んでいただいたんですよ。メンバーのバランスとかを考えながら。   横山:メンバーに合う合わないとかも考えて。「きっと、はじまりの季節」のMVの衣装や、今のアーティスト写真のピンクの衣装を用意してくださった水戸悠夏子さんにお願いして。   横山:すごい量を持ってきてくださって。しかも最後のほうは水戸さんの私服も持ってきてもらったんだよね。   佐藤:そうだね(笑)。   横山:何がベストかというのを吟味して。   佐藤:全然違う系統の服とかもあったもんね。みんなね。最終的にこれになったけど。実郁ちゃんのこの赤のお洋服……あんまり赤着ることないよね?   横山:着ない着ない。   佐藤:これ、新鮮ですごいいいなって思いました。   横山:ありがとう!   佐藤:う~ん、ど~いたしまして~。   宇野: なんか、赤が『ファルセット』の色みたいな感じです。   佐藤:上の部分にある赤だね。何色って言えばいいんだろうね。   横山:ねー。   佐藤:絶妙なカラー。   五十嵐:赤ピンクみたいな。   ーーでも、本当に実郁さんの服に呼応してますよね。同じ系統の赤っていう。   横山:そうですね。   ーー全然違う服っていうのは、例えばアルバムの中に写ってたりするんですか? それとも大量の服の中から選んで、これだけを着たんですか?   五十嵐:この衣装で全部撮ってます。   ーー贅沢ですね。   横山:本当に。こんなにお洋服着れて幸せでした。   宇野: 同時に自分たちのセンスのなさに気づいて。   横山:いや、本当にそうだよね。これとこれ合わせるんだ!って。   佐藤:「えー!」みたいな(笑)。   ーー自分では考えつかないような組み合わせをされたりして。じゃあ、皆さんセンスが磨かれたわけですね。   横山:磨かれてないです…。センスないのを肌で感じました。    
2020.07.09
  • インタビュー
瑠果|ダンスの振りでも空手で使うキレが使えますし、空手で使っていた腰の動きとかも使えます
Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第5回は瑠果(るか)をお迎えした。   見た目は少し派手だが、柔らかな雰囲気を纏った心優しい人。大人びた雰囲気ながら、まだ18歳を迎えようとしているティーンエイジャー。決して前へ前へと出て行くタイプではないが、空手で全国大会優勝するほどのアグレッシブさも持ち合わせている。そして、空手一筋と思いきや、吹奏楽部に属してフルートを巧みに奏でる。さらに言えば、ソロ曲「Dream it Wish it Do it ~夢見ろ・望め・実行せよ~」では、彼女にとってまさに“初レコーディング”であったにも拘らず、タイトなスケジュールの中、手際良く歌詞を書き上げ、ヴォーカル録音時にもフレージングのほとんどを自ら決めていくなどして“共同プロデューサー”に名を連ねている。そんな音楽的感性も兼ね備えているのだ。   こうした“落差”が彼女の魅力なのかもしれない。対照的な要素が描き出すコントラストの中で右に左に翻弄されながら、いつしかグイと締め上げられ、その虜になっている。まるで優れた武道家に対峙、いや、軽くねじ伏せられているかのような…。   だが、“一本筋が通っている”とも言えるだろう。空手で鍛え上げた体幹を駆使し、四肢を自在に操りながら繰り出すダンスは、まるで“アスリート”の動きのようだ。小数点以下の単位で競い合うアスリートたちは、想像を絶するような鍛錬を積むことによって、最も合理的かつ効率的な動きを修得する。その一切の無駄を削ぎ落としたムーブには独特の美しさが宿るのだ。そして瑠果のダンスには、そうした端正な美しさや鋭さ、そしてしなやかさが感じられる。空手家からアイドルへの転身。一見全くの別世界のように感じられるが、幼い頃から鍛え上げてきたものは、舞台が変われどもその威力を存分に発揮する。とりわけ、アスリートのごとく切れ味鋭いパフォーマンスを繰り広げるStar☆Tにおいて、それはより一層強力な武器となるだろう。   逸材揃いのStar☆Tの中にあって、グイグイと前に出るキャラではない彼女は、まだその才能や魅力を存分に発揮しているとは言えない。だが、それらが開花するのも時間の問題だ。近い将来、必ずやStar☆Tを引っ張る存在となり、多くの人を魅了することだろう。いや、既にその片鱗は見せ始めていると言えるかもしれない。   そんな瑠果にお話を伺った。終始穏やかな笑顔を浮かべながら話していたゆえに、いつになく「(笑)」表記が多くなったように思うが、そうした表記や行間からも彼女の底知れない魅力を感じ取ることができるのではないだろうか。じっくりとご一読いただきたい。           膝の中に入ってくるので、すごい気を遣って寝られないみたいな(笑)   ーーまずは公式プロフィールから色々とツッコませていただきたいと思います。生年月日が7月11日で蟹座のA型。僕も7月3日生まれで蟹座のA型です。   瑠果:そうなんですね!   ーー相性バッチリですね(笑)。いや、同じだと相性がいいのかどうかわからないですけど(笑)。でも、蟹座のA型ってどんな性格でしたっけ?   瑠果:どうなんでしょう。全然わからないんですど…。   ーー割と慎重な性格ですかね。   瑠果:かも知れないです。   ーーちょっと空気を読む、みたいな部分もあって。   瑠果:そうですね。空気読みながら、周りを見ながら、「今はやめておいた方がいいかな」みたいになります。   ーーそういう感じですよね。結構気を遣いますよね。   瑠果:はい。   ーーで、キャッチフレーズが「あなたのハートを撃ち抜いちゃうぞ ばきゅーん」となっていますが、これはちょっと前のやつですよね?   瑠果:古いやつですね。   ーーちょっとやっつけで作った感じですが(笑)。   瑠果:そうですね(笑)。最初、何にしようか迷ってて、でも思いつかなくて…。で、それになったんです。   ーーなるほど(笑)。   瑠果:今は“回し蹴り”をして、みんなが「よっ!空手初段」って言ってくれて、って感じなんです。なので、私、喋ってないんですよね(笑)。   ーーあぁ。自分の名前は言うんですよね?   瑠果:そうですね。名前だけ。   ーーStar☆Tの中でもひときわ目立つ自己紹介ですよね。ちょっとそれ生で見てみたいです。   瑠果:今ですか???   ーーいえいえ! 今ここでやってとは言いません(笑)。ぜひ生のステージで拝見したいな、と。で、空手で全国大会優勝したんですよね。   瑠果:はい、そうです。   ーーそれはいつ頃のことですか?   瑠果:幼稚園の時と小6の時の2回ですね。   ーー2回も全国制覇していると。ちょっとその部分は、後ほど詳しくお訊きします。で、趣味がお菓子作り、特技が格闘技。すごいギャップですね。   瑠果:でも、お菓子作りはStar☆Tに入ってからハマったので、割と最近です。   ーー抹茶とか和菓子が好きとおっしゃってましたよね。配信でも不満を漏らしていましたが、最近クレープ食べてなくてクレープ食べたいんですよね?(笑)   瑠果:そうですそうです(笑)。   ーーで、ここをツッコミたいんですけど、チャームポイントが「唇の海苔?」と。これは何ですか?   瑠果:唇のど真ん中にほくろがあるんですけど、よくみんなに「海苔ついてるよ」って言われるので(笑)。   ーー今このリモートの画面では全然わからないんですが、目立ちますか? 写真でもそんな目立つようには見えませんが…。   瑠果:自撮りしてて、たまに「あれ? 黒いのあるな」みたいなことはあります(笑)。   ーーでも、チャームポイントなので口紅で隠したりとかはしないわけですね。   瑠果:最初は嫌で隠してたんですけど、でもチャームポイントにしちゃえば隠さなくてもいいか、みたいな(笑)。最近は隠してないですね。   ーーなるほど(笑)。で、“将来の夢”の欄には「お菓子の家に住むこと」。「武道館でライブやる」とか「ナゴヤドームでやる」とかではなくて(笑)。   瑠果:ちょっとふざけてますよね(笑)。   ーーさらには“ひとことメッセージ”が「応援よろしくお願いします」。シンプルですね(笑)。   瑠果:はい(笑)。   ーー他の人はもっといろいろ書いているんですけど(笑)。   瑠果:書いた時に何考えてたのかちょっと憶えてないです(笑)。   ーーアハハ(笑)。そして、猫をたくさん飼ってらっしゃるんですよね?   瑠果:そうですね。   ーーいつかの「清Pラジオ」で、自宅からの映像に猫が映り込んだ時があったじゃないですか。ちょうど瑠果さんの後ろに隠れて尻尾だけが見えていた感じになって、瑠果さんに尻尾が生えてるように見えてました(笑)。   瑠果:そういうこともありましたね(笑)。   ーーいい感じでした(笑)。   瑠果:ありがとうございます(笑)。   ーー何匹いるんですか?   瑠果:今は5匹です。   ーー5匹も! 可愛いでしょ?   瑠果:可愛いです(笑)。   ーーでも、5匹となるとちょっと大変だったりするんじゃないですか?   瑠果:確かにそうですね。喧嘩が起こったりするので。   ーーあぁ。   瑠果:夜中とかバタバタしてて寝られない時もあります。   ーー瑠果さんの布団に潜り込んできたりすることとかあるんじゃないですか?   瑠果:ありますね。膝の中に入ってくるので、すごい気を遣って寝られないみたいな(笑)。   ーーあまり安眠できないですね。   瑠果:近くにいると「あれ、まだいるの?」とか思って…(笑)。   ーー5匹いっぺんに来ちゃう時もありますか?   瑠果:ありますあります。   ーー大変ですね。猫っていうと、ちょっと素直じゃないところがあるでしょ?   瑠果:ありますね(笑)。   ーー中には全然来てくれない子がいたりとか。   瑠果:いますね(笑)。   ーー懐いてくれる度合いが違うわけですね。   瑠果:そうなんです。全然近寄ってきてくれない子とかいますね。   ーーどんな世話をしてるんですか?   瑠果:そうですね~。餌とかトイレとか、ちょっと外に出してあげないとストレスが溜まっちゃうので、5分ぐらいですけど外に軽く出してあげたりとか。ちょっと抱っこして、外を歩いたりして。   ーーいいですね。この間“出演”した猫は、なんていう名前なんですか?   瑠果:ココっていう猫です。   ーーあぁ。英語とか得意ですか?   瑠果:いえ、全く得意じゃないです(笑)。   ーー瑠果さんのルックスやファッションとか、猫に「ココ」って付けるセンスとか、“外国かぶれ”っていうとちょっと言葉が悪いですが(笑)、そういうのお好きですか?   瑠果:あぁ確かに、海外は好きです。    
2020.07.02
  • インタビュー
萩野陽向子|お互いの魂が引き合うような人たちと繋がっていきたいです
Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第4回は萩野陽向子(はぎのひなこ)をお迎えした。   2020年6月20日、Star☆Tが約2ヶ月ぶりとなる“観客を前にしたライブ”を豊田スタジアム西イベント広場にて行なった際、萩野陽向子は“休団”を発表した。   来春に大学受験を控える彼女が下した“休団”という決断は、“自粛明けの久しぶりのライブでの突然の発表”となってしまった点を除けば、さほど驚くべきことではないだろう。実際Star☆Tのメンバーにもこれまで受験などで休団した例はいくつもあり、他のグループでも“受験による一時活動休止”は珍しくない。   とはいえ、戦力的には痛いだろう。今や強力なラインナップを整え、再び最盛期を迎えようとしている絶好調のStar☆Tは、このコロナ禍においても、様々な工夫を凝らしながらその勢いを維持しているが、自粛期間も明けていよいよ活動再開というこの時期に、極めて重要なメンバーを欠くことになるのだ。   周囲を太陽のように照らすそのひまわりのような明るい笑顔。歌においてもダンスにおいてもその高い表現力でステージ上でも大きな存在感を示す。また、映像表現に力を入れているStar☆Tにおいて、演技力にも定評のある彼女の存在は欠かせない。   歌にしろ演技にしろ、彼女の表現はただ明るいだけではない。太陽が強い光で何かを照らすことによってできる陰のごとく、そこにも深い陰影が生じており、それゆえに奥深さが感じられるのだ。例えば、『Star☆TSOLO10』に収録された彼女のソロ曲「笑って。」を聴いていただきたい。「歌うことで笑顔を届けよう」という真摯な気持ちが綴られたこの曲。ただ能天気に「笑顔」を促すのではなく、悲しみや苦しみを経た後に辿り着く笑顔の尊さを、仄かな哀愁を漂わせながら、味わい深い歌声で描き出しているのだ。また最近では、自粛期間真っ只中に公開された「#歌うすたーと」の第2弾「いちばん優しいひと」で、牧野凪紗、嶋﨑友莉亜、和久田朱里と共に繊細かつ清澄なアカペラ・ハーモニーを聴かせている。ほんの一例を挙げるだけでも、やはり重要なメンバーであることは明らかだ。   そんな彼女にお話を伺った。当初は終盤にご登場いただこうと考えていたのだが、休団発表の時期が決まったところで、急遽取材に臨むこととなった。そして、休団について、幼い頃のことについて、Star☆Tでの活動について、Star☆Tの各メンバーについて、さらには自身の内面についてもたっぷりとお話しいただいた。   受験を終えた後に戻ってくることを約束してくれた彼女。“Star☆T随一の秀才”が、大学受験を通していかなる“人生の決断”を下すのか。その期間に何を学び、その経験をいかに今後に活かすのか。まずは、受験勉強に心血を注ぐ彼女を見守ろうではないか。   彼女がしばしステージから離れる間、彼女が発したこの言葉からその“魂”を感じ取り、折に触れて思い出していただければ幸いである。         「できた!」「やった!」みたいに自分を褒めて続けさせてるっていう感じですね   ーーこのたびStar☆Tを休団をされることになりました。まずはその経緯をご説明いただけますか?   萩野陽向子(以下:萩野):来春に大学を受験するので、やはり勉強に集中したくて。Star☆Tをやってるとどちらも中途半端になってしまうと思ったので、休団という選択をしました。   ーーこれまでも休団された方は結構いたかと思いますが、受験で休団されてた方もいましたよね?   萩野: いたと思います。多分、ぇみちぃ(安藤笑)とか、他にも何人かいたと思います。   ーー現在はコロナの影響でファンの方と直接会うことがしばらくないですが、陽向子さんがそろそろ受験で休団するかも、って思ってる方はいそうですか?   萩野: いると思います。でも、久しぶりのライブ(編注:6月20日に豊田スタジアム西イベント広場で行われた)が私の“休団前最後のライブ”になるっていうことが言えないので、ファンの方には申し訳ないなと思います。   ーーでも、「そろそろ来るだろうな」って思ってる人もいる、と。   萩野: いると思います。私も結構、仄かしているわけじゃないですけど、最近「勉強めっちゃやってる」みたいな感じのツイートを結構してますから。   ーー勉強でお忙しそうな感じがしますもんね。   萩野: うるさいですよね(笑)。皆さん優しく反応してくれるのでほんとに嬉しいです。元気になります。でも、喋りたくて、伝えたくて(笑)。   ーー当初20日は雨になるかもしれないって予報でしたよね?   萩野: 私“晴れ女”なので大丈夫です。   ーー確かに、ここへ来て「曇り」か「晴れ」の予報に変わってきました。   萩野: やっぱりそうですよね。私の力です(笑)。   ーーすごいですね。じゃあもう受験も大丈夫ですね。   萩野: そうです。   ーー受験当日、少なくとも空は晴れます(笑)。   萩野: アハハ(笑)。   ーー成績も“晴れ”ますよね?   萩野: はい。晴れます!   ーーでは、20日にライブで休団発表して、その後はライブ活動などはやらなくなるとは思うんですが、SNSとかは?   萩野: ツイッターとかやりたい気持ちもあるんですが、でも勉強に集中したいので。やはりそこはやめておきたいなと。見るのは見るかもしれませんが、発信したりはあまりしないと思います。   ーー「受験終わるまでは一切しません」と宣言するわけではないんですね。   萩野: 「99パーセントやらない」ぐらいにしておいていただければ(笑)。   ーーたまに浮上するかもしれないけど、基本的には勉強に集中する、と。   萩野: そうです。   ーーで、どうですか? 発表する直前の今のお気持ちは?   萩野: なんだろう。でも全然実感が湧かないんですよ。とりあえず今は6月20日のライブのためにダンスの練習をしていて。まだ踊れてない新曲もあるので、今めっちゃ練習してます(笑)。   ーーパフォーマンス自体久しぶりですよね。先日の無観客配信ライブも出ていらっしゃらなかったですよね。   萩野: その日は模試があって。   ーーじゃあ、2カ月以上ぶりみたいな感じですかね。でも、個人配信で踊られてましたよね?   萩野: そうです。めっちゃ楽しかったです。まぁ、あれはゆるゆるなので、ステージではしっかりやらないといけないんですが…。配信は自分のやりたいように楽しんでできたので、ああいう時間っていいなと思いました。   ーー歌って踊るのが根っからお好きなわけですね。   萩野: そうですね。ほんとに好きだなと思います。   ーーそれがしばらくできなくなるというのは寂しいですね。   萩野: 多分、家でひとりで歌って踊ってます(笑)。   ーーなるほど。まぁ、それも当面はなるべく控えていただいて(笑)。今やはり勉強大変ですか?   萩野: 大変です。でも毎日コツコツやっていて、まだそれほど自分を追い込んではいなくて…。「大変だな」って思わないようにやってるって感じです。「できた!」「やった!」みたいに自分を褒めて続けさせてるっていう感じですね。   ーーすごいですね。勉強って「いかに自分を騙すか」というか「脳をそういう状態に持っていくか」っていうのが大事ですから。そういう意味では、今からあまりガチガチにやり過ぎたら途中で息切れしちゃうかもしれないので、今は楽しみながら知識を徐々に蓄積していって、次の段階で赤本とかをやりながら実践に入るっていうのは、とても有効な方法だと思います。というか、先日清Pラジオの“模試”があったじゃないですか。   萩野: みんなで問題を解いたやつですね。   ーー陽向子さん、めっちゃ頭いいですよね。   萩野: いやいや、そんな。あれは中2レベルの問題だったから余裕ですよ。   ーーいや、頭のいい人の解き方でしたよ。   萩野: でも、中学校の成績は良かったです。今は難しいです。高校は。   ーーでも、先ほどおっしゃった「追い込み方」というか、アプローチの仕方がすごい戦略的で。実際、どのように受験勉強を進めていますか?   萩野: いつだろう。とりあえず6月までに基礎をやって、7月ぐらいからはいわゆる“赤本”といった入試問題をいっぱいやっていきたいなと思っていて。英語と国語に力を入れたいんですよ。そこを固めるべく、沢山問題をやりたいですね。   ーーいつごろから受験を意識して勉強し始めたんですか?   萩野: 5月ぐらいからです。4月はあまりやる気が起きなくて。自粛期間に課題をちょっとやって、学校が始まることになって「やろう!」って奮起して、最近は結構頑張ってるんですよ。模試の結果も良くて「ちゃんと結果が出るんだな」って思ったので、ここからさらに頑張っていきたいです。今、友だちと一緒に勉強しようと思っていて…。そのほうがいいって先輩から教えてもらったので、友だちを誘って学校に残って勉強しようかな、と。勉強の習慣づけみたいなことをしようと思っています。   ーー戦術的ですね。ちょっとまだ決まってない部分もあるかもしれませんが、どんな方面の大学に進もうと考えてるんですか?   萩野: 「何になりたいんだろう」みたいなことはずっと考えているんですが…。自分は小さな子供が大好きで、保育士の資格を取りたいなと思っているんですよ。なので、教育系とかで学びたいなとは思ってます。   ーー教育学部系ですかね。どうですか? 英語とか最近よく褒められているとツイートされていましたが…。   萩野: そうなんですよ。毎日コツコツやっていて、授業で答えられるようになると、先生も「おお!」みたいになって(笑)。一番前の席に座ってるんですよ。よく見てもらえるので、それはラッキーって感じなんですが。「できてるね」みたいに。   ーー“最前”にいるわけですね(笑)。   萩野: そうですね(笑)。   ーー優等生席ですよね。   萩野: そうです。でも良かったです。友だちとかと離れていてめっちゃ静かなんですけど、勉強するにはいい席です。