2020.06.25
  • インタビュー
lyrical school|めちゃくちゃ逆境に強い“アイデア・グループ”なので
自他共に認める「逆境に強い」グループである。   確かに、改名あり、メンバーチェンジあり、そしてメジャーとインディーを行き来し、決して好ましくない条件のもとでも幾度となくライブを行なってきた。そんな中、minan、hime、hinako、yuu、risanoという現在の体制になってから、早くも3年の歳月が過ぎた。これはlyrical school史上最長のラインナップとのことだが、体制は安定させつつも、様々な“新たな試み”を行なうことで一所に留まらず、常に進化を遂げながら着実にその実力も知名度も上げてきた。   “最強”ともいうべき布陣で快進撃を続けてきたlyrical school(略称:リリスク)だが、そんな彼女たちでさえもこの度のコロナ禍という“逆境”はさすがに応えたことだろう。   だが、やはり「逆境に強い」グループである。そんな中でもリリスクは一矢も二矢も報いてくれた。いや、あの閉塞したムードの中、希望の光を示してくれたかのような絶大なインパクトを残したのだ。   7都道府県で緊急事態宣言が発令された直後の4月10日。突如として『REMOTE FREE LIVE vol.1』という映像が公開された。スマホで撮った縦型動画を5人分横に並べたその映像は、メンバーそれぞれのプライベート空間を覗き込むような緊迫感と、離れているそれらが何らかのマジックによって見事にシンクロするかのような不思議なライブ感を帯びたものだった。   撮影の手順はこうだ。まずはセットリストに沿ってライブインスト音源を作成。メンバーはそれをイヤホンで聴きながら自分のパートを歌唱し、その姿をスマホで動画として“自撮り”。その後5本分の動画とインスト音源をミックスしたとのこと。仕上がりのライブ感を重要視した長回しの撮影。メンバーのミスによる撮り直しの時間が少しでも短く済むよう、40分のライブを2パートに分け、20分×2本の“ツーカット“撮影で行なったという。これは、メンバー自身も告白しているが、極めて困難な作業だったようだ。だが、それを感じさせないような見事なシンクロを見せ、あたかも今この場で“生ライブ”が行なわれているかのような臨場感に溢れていた。この『REMOTE FREE LIVE』は、その後も4月17日に『vol.2』が、4月25日に『Tokyo Drift Freestyle』が、そして5月1日には『vol.2アンコール』が立て続けに公開された。   そして、間髪を入れずにEP『OK!!!!!』をリリース。そこには、valknee、ANTIC、Kick a Showといった気鋭のアーティストたちを迎え、一方、ALI-KICK、大久保潤也、高橋コースケ、泉水マサチェリーといった以前よりリリスクを支えてきた面々とも共同作業を行ないながら、多様な最先端サウンドに挑む“最新型のリリスク”の姿が見える。なにより「OK!」という言葉が今のこの状況に、いかに希望をもたらしてくれることか。   メンバーのminanとrisano、そしてプロデューサーのキムヤスヒロ氏も交え、lyrical schoolの“現在地”についてお話を伺った。                 100回ぐらい撮り直しました(risano)   ーー新体制となって3年が過ぎました。率直にいかがですか?   risano:3年が倍に感じますね。1年1年がめちゃくちゃ充実し過ぎて「そうか、まだ3年か」って。同じ仕事を3年続けるのは、自分の中では結構長いんですよ。これまでいろんなアルバイトをやってきたんですが、どれもあまり長く続くかなくて(笑)。なので、3年も続けてるんだっていう思いと、でも、あっという間だったなって思いがありますね。   ーーminanさんはいかがですか?   minan:逆にどうですか? 中にいると却ってわからないというか…。なるべく時間の経過を気にしないようにしていたいんですよね。なので、逆に周りから見てどうなのかなっていうのが気になるところです。   ーー僕の中では、皆さんが今なお「“新体制”リリスク」という感覚があって、そんな“新しいリリスク”がもう3年も活動しているのか、という驚きがありますね。あと、minanさんに初めて取材させていただいたのが2016年の5月末。シングル「RUN and RUN」が話題になって、映画『リリカルスクール未知との遭遇』が公開された時で、映画館の控室で取材させていただいたんですが…   minan:懐かしい。meiと2人でしたよね、たしか。   ーーそうですそうです。あれからの1年でめちゃくちゃ動きがあったじゃないですか。   minan:そうか…。   キムヤスヒロ(以下:キム):その1年で活動休止までいったからね。   minan:そうか。2016年5月から17年5月ってことか…。   ーー休止どころか、僕が初めてminanさんにお会いしてから1年後には今の“新体制”が始動してるわけですから。その1年と、新体制始動からの3年。新体制が3倍もやってるんだ、って考えると不思議な感じですね。   minan:確かにそうですね。   キム:実際お客さんがtweetしてるのを見て気付いたんですが、今の体制、つまり今のこのメンバーが、リリスクの歴史の中で一番長く続いているんですよね。   minan:言ってましたね。   キム:今年の10月で結成10年になるんですが、10年間でこのメンバーでの活動が一番長いっていう感覚が僕の中にはなくて。   ーーそうですよね。わかります。こういう言い方がいいのかわからないですが、今のメンバーってまだフレッシュな感じがするんですよ。“新しいリリスク”っていう感じがします。   キム:アハハハ   risano;うれしいです。   minan:私が今の体制での活動が一番長いっていう感覚は全然ないです。前の体制でやってたときの方が倍ぐらいに感じますね。   ーーそれはきっと、現体制で毎回毎回新しいことをやり続けているからなのかもしれないですよね。停滞してる感がなくて。まぁ、今はコロナの影響でいろいろと止まっている部分もありますが、そんな中でも新しいことをやられていますし。   risano:うれしいです。   ーーそんな中、やはり話題になったのが例のREMOTE FREE LIVEです。『REMOTE FREE LIVE vol.1』を4月10日、『vol.2』を4月17日に公開されました。   キム:話題になったんですかね(笑)。お客さんには喜んでいただいたかなとは思いますが…。   ーー制作側とはまた捉え方も違ってくるとは思いますが…。それこそ「RUN and RUN」で縦型のスマホ向けMVを作られた時も話題になりましたが、今回のREMOTE FREE LIVEでもさすが映像表現がすごいなって改めて思いました。その優れたパフォーマンスといい、さらには、東京など7都府県で緊急事態宣言が出された(4月7日)直後の4月10日にああいうものを出すというタイミングといい、すごくインパクトがあったと感じたんですが、演者側としてはいかがですか?   minan:普段のライブより数倍大変でしたね。でも逆にいろいろわかったというか…。今のスタイルだったらこういうふうにリモートでやってもしっくりくるんだなとか。   ーーrisanoさんはいかがですか?   risano:私もこれまでいろんなイベントに出てきましたが……大雨のフェスとか、1年に1回のTIFとか、いっぱい頑張んなきゃいけないところがある中、自分の中で一番苦労したライブが今回のリモートライブでしたね。ほんとにライブが好きなのに、撮ってる間に何回か諦めました。「ライブやりたくない」って思ったぐらい大変でした。100回ぐらい撮り直しました(笑)。めちゃくちゃ撮りましたよ。   ーー100回も撮ったんですか???   risano:実際何回撮ったんだろう? だって「声が枯れてできません」とか言っちゃいましたから。もう逃げ出したくなったというか…。いつも何でも頑張るっていう性格なんですけど、今回はできる気がしなくて。パフォーマンスはできても、音声のトラブルのためもう1回ってなって、夜中に撮り直して、声もこんなんで、顔も眠くてみたいな…。ほんとそれぐらい大変でした。   ーーそもそもこれをやろうと思ったのはどういう経緯で?   キム:もともと緊急事態宣言が出るあたりから、イベントがどんどん中止になっていきましたが、リリスクもちょうど、4月22日発売のEP『OK!!!!!』の予約会とか、大変楽しみにしてたアーティストさんとの対バンライブとか、そういうのが目白押しの時期だったんですよね。発表されてないものも含めて。そこに向けて新曲を披露すべくメンバーと共にスタジオでかなり準備をしていて、着実にパフォーマンスの完成度を上げてる時期だったんですよ。そういった熱がどんどん上がっていく中、ライブができないはちょっともったいないな、と。このまましばらくライブができない、しかも先が見えない時期だったので、これから何にもできないのはちょっとまずいよね、っていう話が運営で出まして、そこから何かしら考えなきゃいけないな、っていうのがきっかけですかね。   ーーそれがREMOTE FREE LIVEという形になったのは、やはり「家から出られない」「県外に出られない」とか「集まって密の状態を作れない」といった制限の中でのことだと思うんですが、メンバーそれぞれの自宅で撮って、その5本の映像を合わせるっていうアイデアはすぐに出てきたんですか?    キム:そうですね。運営の定例会で「ちょっと考えますわ」って言った次の日には企画書を投げてたと思います。これ以外にもアイデアが何個かあったんですが、そっちの方はあまり現実的じゃなくて、「じゃあこれでいきますか」って。   ーーメンバーの皆さんは実際撮影するのにとても苦労されたとのことですが、それも想定されてたんですか?   キム:う~ん。   minan:想定外じゃなかったですか??? メンバーは正直想定外でした。   キム:個人差はあると思うんですが、正直どれぐらい苦労するのかっていうのはわかんなかったですね。まず、ここまで上手くいくって思ってる人と思ってない人が運営内にもいましたし、他のメンバーのラップの入っていないトラックを聴きながら自分のパートだけラップできるのかとか、どんなテンションでマイクリレーできるのかとか、単に5本の映像を合わせるだけで上手く繋がるのか、っていうところもわからなかったですし、それがどれぐらいの作業になるのか、っていうのは想定できなかったですね。ただ、メンバーは大変だろうなとは思ってました。というのは、いつものライブだと演者の役割を負うだけでいいじゃないですか。でも今回は自分自身でカメラを回すので、ある意味“監督”をするわけですよ。演出もしなきゃいけないですし、OKも自分で出さなきゃいけないので、それはいつもよりかなり難しくなるな、とは想像していました。   ーーで、実際撮ってみて想定を大きく超える大変さでしたか?   minan:そうですね。そもそも家の中で大声で歌うのがまず無理で、場所が車の中しかなくて、車の中で撮ったんです。まずカメラを置く場所も車だと限られていて、カメラと自分の距離を考えた時の場所とか、照明の当たり具合とか、車庫の暗さと外の明るさとか、いろいろ考えつつ、「これがベスト」っていうセッティングを見つけるのにまず時間を要して…。で、撮り始めてみたら、先ほどキムさんが言ったみたいに、メンバーの声がない、全くのインスト音源を聴きながらやると、結構わけわかんなくなっちゃうことが多くて。あんなに何百回もライブでやった曲なのに、急に歌詞があやふやになることもあって…。『vol.1』では1本約20分の映像を2本撮って繋げたんですが、例えば18分でミスしたら、また0分から撮り直さなきゃいけないので、だんだん精神が削られていって…。外は暗くなっていくし、充電もなくなってきて、声も枯れてきて、ゴールも見えなくて…。探り探りの状態で何とか1本目はやり終えたっていう感じですかね。2本目になったらたぶんみんな結構慣れてきて、画面で見た時に、それぞれ自分のスパイスを結構いろんな場所に入れてきてるなっていうのは感じられましたけど。   ーーでも、さすがですね。2本目でちょっと余裕が出てくるんですね。   minan:そうですね。1本目に比べれば。   ーーrisanoさんはどうですか?   risano:私はリモートライブが決まる前から、ずっとライブをやりたかったんですよ。何かできないかなっていうのはずっと思っていて、だったらインスタライブで1人で歌うのとかやろうかなと思ってたんでけど、でも私、他の人のパートを覚えていない曲がいっぱいあるので、どうしようって思ってたら、この企画をいただいて…。どんなことをするのか、どんなものになるのか想像できなかったですね。実際完成したものをみんなと一緒に見て「わあ、すごい」って感動しちゃって、「これはお客さんは絶対喜んでくれるでしょ!」って思いました。1曲ぐらいなら、まあなんとかできたと思うんですが、20分×2本を撮るのはほんと辛かったです(笑)。何回も撮り直したんですけど、おかげで怖いものなしになりました。   ーーじゃあ『vol.3』があったら喜んでやれますか?   risano:喜んでやれます! お客さんはすごい喜んでくださるし…。まぁ、もちろん一番は早く生のライブをやることですけどね。   ーーminanさんはいかがですか? 『vol.3』は。   minan:全然喜んでできないです(笑)。これ結構いろんなところで言ってるので書いてもらって大丈夫ですが(笑)。最初に『vol.1』を公開した時も、まさかこんなにお客さんの反応がいいとは思ってなくて、そこにまず驚いて。ただ、こんなに喜んでくださるんだったら、あれだけ大変でも頑張れるなとは思います。なので、『vol.2』も全然頑張れましたし、「喜んでできないです」とか言ってますが、『vol.3』があったとしても、みんなが楽しんでくれるなら、という気持ちでできますね。       ちょっとでも動くとカメラが揺れちゃって、何回もスタンドが倒れちゃって撮り直しっていうこともあって…(minan)   ーーそんな『REMOTE FREE LIVE』ですが、自粛期間に入り、緊急事態宣言も出された直後の、すごい閉塞感というか抑圧感を感じていた時期に、あのライブを拝見してめちゃくちゃ引き込まれました。それぞれが離れたところで撮っていて、しかも「せーの」で合わせたわけではないのに、やはり何度も撮り直してテイクを重ねたからなのでしょうか、縦のリズムがばっちり合っていて、そんじょそこらの配信ライブとはモノが違うなと思いました。   risano:うれしいですね。   minan:ありがとうございます。それはテイクを重ねたというより、たぶん今までやってきたライブの本数かなと思いますね。   risano:3年目だからこそできたものだなって思います。   ーーなるほど。他の人のパートは完成して初めて観たんですか?   minan:そうです。公開するちょっと前ぐらいだったかな、で完成形を見たんですが、びっくりしましたね。こんな完成度の高いものができるとは正直思ってなかったので、たぶんお客さんと同じくらいの驚きだったと思います。まず私が『vol.1』を見た時に驚いたのは、曲間に入れるちょっとした煽りとか、MCのタイミングとかが誰も被ってないな、っていうことで。何となく「ここはこの子が言うかな」みたいなのがメンバーそれぞれの頭の中にあって、「ここは自分かな」っていうのもそれぞれあって、そこを埋めていくみたいな感じになっていたんですよ。そうした感覚が今までやってきたライブで自然に身に付いて、それがリモートライブの撮影で出せたと思うんですが、そういう部分がほんとにいくつもあって…。MCにしろ、曲中の微々たる部分ですけど「Yeah」っていう一言とか、一緒に撮ったわけじゃないのにまるで隣で一緒に撮影してるみたいな感じが出せたのは、自分で言うのも変ですけど「すごいじゃん!」「みんなすごいじゃん!」って思いましたね。   ーーマイクリレーの部分もそうですし、合いの手しかり、MCしかり。イントロなんかでrisanoさんが煽りとかよくやられてましたけど、あの辺なんかほんとに「もしかしてここで生ライブやってる?」ぐらいの感覚を抱きました。。   minan:全く打ち合わせもせず、それぞれが個々に撮ってる状態でしたね。   risano:リリスクの自由なスタイル、ステージ上で何も決めずやってる感が今めちゃくちゃいいものになっていると感じてたんですが、それがここにも出てますね。通常は私がここでいってるけど、ちょっとやめておこうと思ったところとかも、なんでかわかんないんですけど、たまたま違う子が喋ってたりとか、ここいってみようっていうところで他の子のガヤが被ってきて、それが上手く合わさっていたりとか。それにすごい感動して…。普通被ったら、何言ってるかわからないみたいな状態になりますけど、被ってもめちゃくちゃ合ってるんですよ。   ーーぶつかってるわけじゃなくて、調和してる感じになった、と。   risano:そうですね。タイミングもほんとばっちりで。himeが言って、私が聞こえないぐらいのことを英語で後ろで言ってる、みたいな感じのところもあるんですが、そのタイミングとか特に毎回決まってないのに、すごいタイミングでhimeが言って私が言う、みたいな。これ、打ち合わせでもやったっけ?ぐらいのミラクルでしたね。   ーーほんとにそんな風に見えましたよ。ばっちり呼吸が合っていました。まるで、トラックに入っていない他のメンバーの声がどこかで聴こえていたかのような。そうしたものが感覚的に染み込んでいたんでしょうか。   minan:それこそさっきも言いましたが、ほんとにライブを重ねてきたことの成果、場数の成果かなと思いますね。体に染み込んでるんでしょうね。   risano:lyrical schoolって、ステージ上で5人が繋がってるというか、以心伝心というか、ステージでそれが生まれるのをすごく感じることがあって。まさかリモートライブでもそうなるんだなって驚きました。   キム:やはりインストアとか尋常じゃない数をやってるので。例えばもしかしたらアーティストさんがスタジオで練習する数よりもライブをやってると思うんですよね。だから、minanが言うように、risanoが「以心伝心」ってちょっとオカルトめいた感じで言ったのもそうですけど、メンバーにはそれだけ染み付いてるものがあるんでしょうね。”背骨”で覚えてるというか、そういう感覚が。何より今回のリモートライブは、映像的な面白さは際立って評価されるようなものではなくて、そういうメンバーが培ってきた武器みたいなものがきちんと表現できているからこれだけ評価していただいているんだと僕は思っていますし、それを望んで作った部分もありますね。   ーーさらに言えば、縦のリズムがピタッと合って、お互いのパフォーマンスを上手く繋ぐ“技”を見せることができたいう部分ももちろんですが、5人並んだ映像がある意味バラバラじゃないですか。いる場所もそうですし、座って歌ってる人もいれば、フレームアウトを繰り返す人もいれば、動き回る人もいれば、っていう感じで。ある意味、それぞれが“セルフプロデュース”をして個々に映像に収めているわけですよ。特定の“監督”のような存在が一人いて、何かのコンセプトのもとに撮影をして、それらを素材として集めた、というのではなく。なので、個々人が物理的に繋がれない中でも、以心伝心というかそういったもので繋がることができる、ということを可視化した映像のような気がして、それがすごかったなって思いました。   risano:うれしい。   ーーそういうものは他の配信では見られなかったように思います。   risano:バラバラという意味では、私自身も映像を観て、いろんな子に目が行くというか、1回の再生だけじゃ足りないっていうか。私がこれこれこういうことをしていた時、他のメンバーは何してたのかなっていう風に観ると面白かったですね。それこそhimeが頭を打ちつけちゃったりとか、他のメンバーが真剣に歌ってるのにTシャツを自慢してるとか。   ーー鼻かんでたりとかしてましたよね。   risano:そう、鼻かんでたりとか。yuuもフレームアウトしたり、何か手に持ってたりとか。面白かったですね、いろいろ個性が出ていて。   ーーそんな中で、minanさんは車の中だったじゃないですか。あれがすごく良かったんですよ。車内なので動けなかったからだと思うんですが、そこにむしろ貫禄が感じられて。   minan:そういうのは全然出したくなかったんですが…(笑)。そんな感じに見えちゃってましたか。車の中という限られたスペースだったので、しょうがなかったんですよ。ちょっとでも動くとカメラが揺れちゃって、何回もスタンドが倒れちゃって撮り直しっていうこともあって…。ちょっと動くと座席っていうか、車体が結構揺れるので、その振動でカメラも揺れちゃうし、下手したら倒れちゃうし、みたいな感じの状態だったので、動けませんでした。   ーーそれがプラスに作用していたと思います。   minan:ならば良かったです。   ーー例えばMCの時の喋り方も、声が張れない分なんというか妖艶さが漂っていて、良かったです。   minan:ありがとうございます。たしかにライブハウスでは自然と声を張っちゃいますし、あれは状況が生んだものっていう感じではありましたね。あのリモートライブでしかなし得ないっていうか、観れないみたいな。   ーー少し確認させていただきたいんですが、これはそれぞれのスマホで撮られたわけですよね? 音声と映像を一緒に撮ってるっていうことですよね?   キム:はい。   ーーそれをミックスする際に、音量の調節とか、そういう部分での苦労はありましたか?   キム:どうですかね。歌ってるときは絶対にバストショットっていうルールは決めてたんですよ。単純にマイクと口との距離の話で、別に座ってでも立ってでも寝転がっていてもいいから、自分の歌ってる時だけはバストショットにしてくれっていう縛りを作ったんですよね。メンバーもわからないことが多々ある中、どうやってそれを少ないシンプルなルールの中でディレクションするか、といった工夫はしていたので、ミックスのタイミングではそれほど苦労しなかったですかね。   ーー自分の声が入るパートではバストショットっていう距離感で音量を固定してもらう、と。   キム:そうですね。あと、それぞれのロケーションがバラバラじゃないですか。部屋とかも。その部屋のリバーブみたいなのは敢えて残したいなと思ったんですよね。それはどちらかというとドラマとか映画での音響の考え方みたいな。“その空間”で鳴ってる音を大事にするというか。なので、そのまま音を使うのがいいかなって。もちろんスピード感重視でそうしたっていう部分もありましたけど。   ーーなるほど。アンビエンスっていう点でもそれぞれ違ったわけですね。   キム:そうですね。そういう意味では、例えばminanからは「車の中で撮ります」と事前に相談を受けてたりとか、部屋の中で撮る子もいれば、実家にいたりとか、1人暮らしの家だったりとか、響き方がそれぞれ変わるだろうなっていうのはイメージしてたんですが、そこはある程度曲と混ぜた時に成立するだろうと思って、やってみたら上手くハマりました。一度リバーブとかノイズとかも全部消してく方向でミックスしてみたんですが、やはり画と合わない感じがしてすぐやめました。   ーーじゃあ、より一層それぞれの部屋からのプライベート感が出ていたわけですね。絵面やアンビエンスには多様性がありながら、パフォーマンスという点では見事に調和する、と。その落差のようなものを強調する工夫がされていたわけですね。   キム:そうですね。そんな感じですね。    
2020.06.21
  • インタビュー
まちだガールズ・クワイア|ハモった時のこの気持ち良さは絶対誰しもが抱いたことのある感覚だと思うので、町ガの音楽は皆さんに寄り添えるものだと思います
筆者がまちだガールズ・クワイア(略称:町ガ)の存在を知ったのは、2017年初頭のこと。グループ結成が2015年7月なので、既に1年半ほどの活動期間を経た頃だ。町田にほど近い横浜市の外れに住む筆者は、すぐさま町田Nutty’sに彼女たちのライブを観に行った。当時はモータウンやオールディーズやポルカなど雑多な曲調を清澄なハーモニーで綴る“地元のポップ系合唱隊”といった風情だったが、その美しい歌声と親しみやすい雰囲気に惹かれ、そして何より、Spiral LifeやScudelia Electroなどで活躍した石田ショーキチの手掛ける楽曲にただならぬ“引っ掛かり”を感じ、大いに興味を抱いた。まだ地元町田がその活動の中心だったが、「こんな近くに“楽曲派アイドル”がいたんだ」と感嘆したものだ。   それから約3年の時を経て、ようやく彼女たちにインタビューさせていただく機会を得た。その間彼女たちは、より多彩な曲を歌い、様々な経験を積み、数多の野望を抱き、それらを実現することによって、大きく成長を遂げていた。   “地元の合唱隊”は、都心のライブハウスへも活動範囲を広げ、都内の楽曲派アイドルたちと堂々を渡り合うまでとなった。その一方で、地元の「まほろ座MACHIDA」を拠点に定期ライブを行ないつつ、昨年4月には地元最大のホール、町田市民ホールで『町ガ VS 市民ホール』と称したワンマンライブを行ない、大成功を収めている。さらには同年11月、都心でのホール・ワンマン『町ガ 銀河進出への道~Ep.1 渋谷編~』を渋谷マウントレーニアホールにて敢行。ここでは「宇宙」をコンセプトに打ち出すという変貌ぶりで、こちらも大盛況を博した。   そのレパートリーも、ビートリーなビートポップからラップをフィーチャーしたダンスナンバー、EDMやエレクトロ、そして音頭(エレクトロビートにラップを配したものだが)、さらには合唱曲から昭和歌謡や童謡のカバーまで、どこまでも広がりを見せていった。昨今では「宇宙」をイメージする作品も増えていき、まるで町田から宇宙へと一気にワープしたかのよう。しかしながら“地元合唱隊”の親近感も失わず…。   そしてこの4月には、Scudelia Electroが1999年にリリースし、石田ショーキチが今なお愛奏する「Moon base」のカバーをシングルとしてリリース。スピーディーでグランジーな原曲を、スペイシーな音色を散りばめたコズミック・ダンス・ロックへと昇華させている。そしてそのカップリングには、なんとあのクイーンの永遠の名曲「Bohemian Rhapsody」。昨年4月の町田市民ホールで初披露された(しかも、全て生歌・生演奏で)この超有名曲のカバーが、改めてスタジオ録音されたわけだ。驚くべきことに彼女たちは、本家クイーンのようにオーバーダビングによって声を重ねることなく、7声のみによってあのオペラパートまでもを忠実に再現している。   こうして書き連ねていくと、彼女たちが実に多様な音楽ジャンルに挑んでいるのを実感する。いや、そのコンセプトの打ち出し方や、多岐に亘る活動内容、さらにはメンバーの個性なども考え合わせると、むしろ“混沌としている”と言ってもいいかもしれない。一見地元に愛される合唱隊かと思えば、突然宇宙を目指すコズミックシンガーズへと変身。また、特定のジャンルにはとうてい一括りにはできないその作品群においては、ひたすら美しいコーラスによって聴く者の耳を浄化させたかと思えば、時に荒削りなビートと精密なハーモニーが並走しながらユニークな音像を描く。また、そうした“混沌とした”音楽は、プロデューサーの石田ショーキチをその首謀者としつつ、佐々木良(キンモクセイ)、伊藤俊吾(キンモクセイ)、田村明浩(スピッツ)、サンコンJr.(ウルフルズ)、Dub Master Xといった面々も手を貸している。清純なコーラス・グループが紡ぎ出す心地好い歌声の裏に、ロックやパンクやエレクトロの先鋭性が見え隠れする。それも町ガの魅力の大きな一つであろう。   そんな町ガの7人、えりか、もえか、ひより、あいね、さきこ、のぞみ、ほのかにお話を伺った。この多彩な7つの個性も町ガの“混沌とした”魅力を担う重要な要素であることが、その発言からもおわかりいただけるだろう。素敵な言葉が目白押しで、まとめるのにひと苦労だったこのインタビュー。その分読み応えもたっぷり。ぜひご一読いただきたい。         メンバー7人で、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの三部合唱で、オリジナル楽曲や童謡などをアレンジしてハモって歌っています(ほのか)   ーーまずは、まちだガールズ・クワイア(以下:町ガ)の魅力や特徴を教えていただきたいのですが、皆さんお一人ずつ。7つぐらいありますよね???   もえか: あります!あります!     ーーどなたからでも。順番とかあるんですか?   もえか: 年齢下の子からいったほうがいいかな?     ほのか: そうですね。後だと緊張しちゃうので(笑)。はい、ほのかです。まちだガールズ・クワイアは、メンバー7人で、ソプラノ、メゾソプラノ、アルトの三部合唱で、オリジナル楽曲や童謡などをアレンジしてハモって歌っています。あとは、メンバーみんな仲良しで、私が一番末っ子の17歳で、一番上が27歳?28歳?です。     ーーあ、年齢は言っちゃって大丈夫ですか???(笑)。はい。続きまして、のぞみさん   のぞみ: はい、のぞみです。さっきほのかが言ったことと似てるんですが、メンバーの年齢幅がとても広くて、でもほんとに仲が良くて、メンバーには何でも話せます。     ーー年長の方にもタメ口で?   のぞみ: タメ口ではないです。ほんと尊敬してます。     ーー怖くはないわけですよね???   のぞみ: はい。     ーー続きまして。   さきこ: はい、さきこです。カバー曲で童謡などを歌ってるのもあって、高齢者施設や福祉施設や保育園といった所にも行ってライブさせていただくことがあります。     ーーボランティアでということですよね。社会貢献をされているという側面もあるわけですね。いわゆる“アイドル”ではなかなかないですよね。   さきこ: あまりないと思います。     ーーはい。で、お次は…。   あいね: はい。あいねです。まちだガールズ・クワイアは歌に重きを置いているグループなんですが、ライブではダンスも欠かせない要素です。ダンスはほとんどメンバーが自分たちで考えています。     ーーダンスも、ね。では、続いて参りましょう。   ひより: はい。ひよりです。私たち東京都町田市を拠点に活動しているんですが、ありがたいことに日本中全国にファンの方がいてくださって…。知ってくださるきっかけに“ラジオ”っていうものがあって、それも私たちの魅力を発信する強いツールだと思っています。ラジオNIKKEIの『ミュージックライフサンデー』っていう番組のオープニングに私たちの2ndシングル「恋するポルカドットポルカ」を起用していただいたりとか、あとFMおだわらでは毎週火曜日に『まちだガールズクワイアの!MGC(まじか)るたいむず』っていう番組をやらせていただいていて、それも結成当初から5年続けています。ラジオっていう情報ツールを通じていろんな方に音楽を発信できているっていうのは、町ガの強みの一つかなって思います。     ーーでは、続きまして…   もえか: はい。もえかです。私たちは地元町田の皆さんに応援していただいているんですが、地元のサッカーチーム、FC町田ゼルビアの応援もさせていただいています。2020年の公式“ゼルビーランドPRマネージャー”に就任しまして、ホームゲームではキックオフ前のステージの総合司会をさせていただいたり、開幕戦ではライブもさせていただいたり、ツイッターでは「ちあちあゼルビア」っていうアカウントでFC町田ゼルビアの情報を発信したり、など応援に力を入れています。     ーーでは、最後。えりかさん。   えりか: はい。えりかです。まちだガールズ・クワイアの魅力というか特徴なんですが、グループのメンバーがいろんな係、役割を割り振られていて…。例えばお会計係がいたりとか、ライブのブッキング担当がいたりとか。もしも事務所から離れることになったとしても自分たちで生きていけるように、っていう育てられ方をしているグループです。     -ーもうどうしようもなくなったら「自分たちでやってくれ」みたいなことですか?   えりか: ってなっても大丈夫なように(笑)。     ーー密かに独立しようとか考えているわけじゃないですよね?   えりか: ないです、考えてないです(笑)。     ーーでも、歌って踊るだけではなく、いろんなスキルが身に付くように、ということですよね。   えりか: はい。     ーー皆さん町田が地元ですか? そうじゃない人もいらっしゃいますか?   もえか: 町ガのメンバーはみな、町田出身か町田在住、町田在勤、町田在学で、みんな町田にゆかりがありますね。     ーーで、皆さんはそもそも、町田を拠点にしていたアイドルグループ“ミラクルマーチ”と“リトルパレード”が合体したグループなんですよね?   あいね: はい、そうです。     ーーもえかさんとほのかさんが元ミラクルマーチ。えりかさん、あいねさん、さきこさんが元リトルパレード。ひよりさんとのぞみさんは町ガとなってからの加入と。で、ミラクルマーチやリトルパレードの動画をいくつか拝見したんですが、今やっている活動とはかなり違いますよね? まぁ、その頃の曲のいくつかは町ガとして今も歌われていますが。   もえか: 元々はミラクルマーチの楽曲プロデュースをしていたのが、今の事務所の社長であり、プロデューサーの石田ショーキチで、その頃から石田ショーキチの曲をずっと歌っていたので、楽曲という点では繋がりがあるといえばあるんですが、パフォーマンスの面で言うと、その頃のミラクルマーチやリトルパレードは、当時のアイドルシーンに沿った、いかにも“地元アイドル”といったパフォーマンスをやっていて、町ガとなってからは、三部編成のハーモニーを重視して、歌に重きを置いて、歌の基礎をしっかりやって、ちゃんと歌を届けよう、っていうのが芯にあるので、そういう意味ではだいぶ変わりました。     ーー映像をちょっと拝見しただけなので全貌を知っているわけではないんですが、ミラクルマーチやリトルパレードは、確かに打ち出し方はまさに“アイドル”っていう感じでしたが、でも結構ハモったりしてましたよね?   もえか: う~ん、どうだろう? その当時は練習方法も全然違っていて、今は本当にきちんと譜面を読んでハーモニーをしっかり勉強して歌っているんですが、当時はただ歌を“ぶつける”みたいな感じだったので…。ミラクルマーチやリトルパレードは、石田ショーキチがプロデュースしていたのである程度ハーモニーが付いていたんですが、そこはあまり期待されずに歌ってたので…。今はほんとにすごくトレーニングからしっかり見ていただいていますね。     ーーなるほど。石田さんも当時は“アイドル”を手掛けているみたいな感じだったのが、今ではそこから一歩も二歩も踏み出した、音楽的に成熟した、進化したものをやろうとしている、みたいな感じですかね?   もえか: そもそも、ミラクルマーチの頃は石田ショーキチはただ曲を作っていただけで、プロデュース自体はそれほど関わってなかったんですよ。     ーーあぁ、なるほど。   もえか: っていうのもありますね。今は本当に歌をしっかりやらせていただいています。      
2020.06.12
  • インタビュー
嶋﨑友莉亜|多く人を集めることよりも、観てくれるに方々対していかに元気や勇気や笑顔を届けるか、っていうのがStar☆Tの大前提なので
Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第3回は嶋﨑友莉亜(しまさきゆりあ)をお迎えした。   和久田朱里リーダーのもと、牧野凪紗と共にStar☆Tを引っ張る“エース”の一人である。そのスペックの高さは様々な形でStar☆Tに大きく貢献していると言えるだろう。卓越した推進力でこの大所帯を引っ張る和久田、グループ随一の歌姫としてアーティスティックな感性を迸らせる牧野に対し、嶋﨑は高いパフォーマンス力を誇りつつも、全体を見渡せるバランス感覚を宿し、それがStar☆Tという“組織”を強固なものにしている印象だ。   それだけではない。その甘く柔らかな歌声は、本人は「嫌い」と謙遜するが、シャープに高らかに歌い上げる牧野との絶妙なコントラストを描き出している。そして、「一番の武器」と自他共に認めるダンススキルを大いに発揮しながら、もう一人の“ダンスリーダー”misolaと共に多く曲で振り付けを手掛け、もちろんステージ上でも、“リトルモンスター”の異名をとるように、そのダイナミックなダンスでオーディエンスを魅了する。   そして、普段の穏やかな佇まいとは対照的に、グループへの熱い想いが時に後輩への熱血指導となって表れることもあるという。また「言葉が好き」という一面もあり、初めて書いたという「Only Shining Star」の歌詞も見事な出来映えだ。   もちろんアイドルとしての輝きも一級品だ。ここへ来て大人の魅力も増し、一段と大きな華を咲かせようとしている感がある。   逸材揃いのStar☆Tだが、中でも最も多才で、最もバランス感覚に優れ、最も多くの点でグループに貢献しているのではないだろうか。   そんな彼女が大いに語ってくれた。彼女自身の魅力も存分に伝わってくるが、Star☆Tというグループのパフォーマンス力の高さや結束力の強さの秘密が垣間見られるような「目から鱗」の発言が次々と飛び出す、じつに実りあるインタビューとなった。じっくりとお読みいただきたい。           テレビでミニモニ。が出ているのを見て、それに合わせて踊ってたみたいで…   ーー嶋﨑さんは豊田生まれの豊田育ちですか?   嶋﨑:そうですね。パパは九州の人だったんですけど仕事の関係で豊田に来て、ママは元々豊田が地元で。で、豊田で結婚してずっとここに住んでる、という感じです。   ーーもうずっとそこにいらっしゃるってわけですね。ぼくもこうして取材させていただくようになっていろいろ調べてみると、豊田市ってすごく広いですよね。   嶋﨑:そう。だから市内でも全然知らない地名とかあったりするんですよ。   ーー愛知県のド真ん中を北の方からドンと占めている、って感じですよね。そんな中で嶋﨑さんのいらっしゃるのは、ずばり都会ですか?田舎ですか?   嶋﨑:えっ?どうなんだろう(笑)。でもド田舎ではないですね。車なしでコンビニやスーパーへは行けない、とかじゃないです。ちょうど真ん中くらいですかね。   ーー車がないとコンビニへ行けないようなところに住んでるメンバーもいらっしゃるんですか???   嶋﨑:そうですね(笑)。周りはもう田んぼばっかり、みたいな人もいたりして(笑)。   ーー(笑)。でも、本当に自然の綺麗な地域もあれば、古風な街並みもあれば、ビルが立ち並ぶ都会もあり、って感じで。   嶋﨑:市内で移動にすごく時間が掛かったりする場所もあるんです。私たちもお祭りとかのイベントでしか行かないような所とか。メンバーも豊田市内のあちこちに住んでるので、みんな豊田市在住ですけど結構遠いメンバーとかもいたり…。   ーー街でバッタリみたいなことはあまりないですか?   嶋﨑:いや、それが結構あるんですよ(笑)。豊田市駅っていうのがあるんですけど、そこが結構大きな駅で。その近辺で遊ぶ子がいたり、通学で通る子がいたり。元メンバーにもよく会ったりしますし…。この前なんて、1日に3人くらいのメンバーにバッタリ会ったりして(笑)。ファンの方にはあまり会わないんですけどね…。   ーーあっ、でも、ブログか何かで書かれてましたけど、街で女子高生の方に「Star☆Tの可愛い子だ」って声を掛けられたことがあるんじゃないですか?   嶋﨑:あ、ありましたね。ライブの前後に“市駅”のカフェとかにメンバーと一緒にいたりすると、「あっ、あの子Star☆Tの子だ」「アイドルの子だ」みたいに言われることが結構あって。でも何かちょっと、女子高生の子たちって恥ずかしがるのか、直接声を掛けて来ないんですよね。「あっ、あの子あれだよ」みたいな(笑)。“JKの騒ぎ方”というか(笑)。   ーー嶋﨑さんの今の“JKの騒ぎ方”という発言が、“もうJKじゃなくなって大人になった嶋﨑さん”って感じでいいですね(笑)。   嶋﨑:アハハ(笑)。女子高生のキャピキャピした感じです。私は学生時代あまり騒ぐほうじゃなかったので。もうだから「わぁ、若いな」って思いました。卒業して2年しか経ってないんですけどね(笑)。   ーーいやぁ、でもあれですよ。僕は普段こんなことはあまり言わないんですけど、嶋﨑さん綺麗になりましたよね。特に最近は一段と。   嶋﨑:本当ですか??? ありがとうございます。   ーーオーディションの時の映像が残ってるじゃないですか。その時は“素朴な可愛らしさ”って感じでした。自分の容姿も意識してなくて、自己顕示欲とは無縁で、というか…。   嶋﨑:昔は自分の容姿に全然興味がなくて。鏡も見ないし、体重計も全然乗らなくて。写真撮られることも嫌いで、本当に自分に興味がなかったんですよ。こういう活動を始める前はメイクもしたことなくて。やはりいろんな人に自分を見てもらうっていうことで成長したというか。それまでは見られることが本当になくて、小学生の頃なんてプクプクしていましたね。   ーーなるほど。では、幼い頃の記憶ってどんなものがありますか?   嶋﨑:いやぁ、全然憶えてないんですけど…。当時すごい“ミニモニ。”が流行ってて…。   ーー幼い頃にミニモニ。から影響を受けているアイドルさん多いですよね。   嶋﨑:はい。私、ミニモニ。がすごく好きだったみたいで、テレビでミニモニ。が出ているのを見て、それに合わせて踊ってたみたいで…。それを見て親が「ダンスを習わせよう」と思ったみたいなんですよ。それがたしか4歳の頃。   ーーその頃はどんなお子さんだったんですか?   嶋﨑:う~ん…。でも、たぶん騒がしかったと思います(笑)。よくケガする子だったみたいです。すぐ転んだりとか。今でも憶えてるのは、小学校に高い鉄棒があって、それに「ぶら下がりたい」って言ったみたいで。で、パパに手伝ってもらってそれに掴まって、ブランコみたいに揺れてたら、顎からガーンと落ちて顎を擦り剥いちゃう、みたいな。   ーーでも擦り剥いちゃうだけで大丈夫だったんですね。骨折でもしたら大変ですもんね。   嶋﨑:骨折はせずに(笑)。兄がいるんですけど、お兄ちゃんともすごく仲良くて、もうずっと遊んでるみたいな。小さい頃はリビングで布団を広げて家族4人で寝てたりとか。   ーーリビングで4人で?   嶋﨑:はい。小学生からは自分の部屋ができたんですけど、それまでは4人で寝てました。ご飯も、朝も夜も絶対みんなで食べるみたいな家族のルールがあって。今はちょっと忙しくなって出来なくなっちゃったんですけど…。あとママが、私とお兄ちゃんの小さい頃のアルバムを作っていて、それを時々見たりして、「あんた小さい頃こんな感じだったよ」みたいなことを言ったり。もう本当に愛されて、甘やかされて育ってきた感じですね(笑)。   ーーそういう風に育ったから、今の嶋﨑さんのその愛らしいキャラが出来上がったんですよね。   嶋﨑:いやいやいや(笑)。   ーーでも今の若い人たちって、割と家族と仲良いですよね。僕とは随分世代が違いますけど、僕らの頃って思春期になると「親と一緒にいるのなんて嫌だ」って時期が必ず来てました。反抗期というか…。そういうものはなかったですか?   嶋﨑:いや、反抗期はありましたよ。高校の頃とか。   ーーやっぱりありましたか。   嶋﨑:ママにすごい反抗しちゃう、みたいな。パパとはそうでもないんですけど。ママはやはり距離が近いからケンカしやすいというか、言い合いが多いんですよ。今でもたまにあるんですけど(笑)。でも、お兄ちゃんとはケンカしたことなくて…。そう。ママとは結構ケンカしました。反抗期はしっかりありましたね(笑)。   ーーでも、幼い頃は家族4人仲良くて…。   嶋﨑:そうです。でも今も仲良いです。食事も時間が合えば一緒にしますよ。私、今でもパパとお風呂に入るとか全然大丈夫です(笑)。   ーーえぇえええ!お風呂入るんですか? マジですか???   嶋﨑:マジですけど(笑)。まぁ、今は時間がずれちゃうので全然入ってないですけど。パパと2人で旅行へ行ったり買い物行ったりとか全然出来ますよ。   ーー「お父さんとお風呂入ってる」なんて書いたらちょっと衝撃が走ると思うんですが…。   嶋﨑:今はないですよ(笑)。ないですけど、中学生とか高校生の時は全然。   ーー高校生って、ちょっと前じゃないですか。   嶋﨑:全然抵抗なかったです、本当に。私、名古屋で舞台に出させていただいたことがあるんですが…   ーーはい。知ってます。   嶋﨑:その時は、お兄ちゃんが名古屋で一人暮らししているので、舞台に出演してる期間はお兄ちゃんの家に居候とかして、お兄ちゃんと2人で一緒に寝てたりとか(笑)。もう抵抗は全くないですね。   ーーお兄さんの所へ泊まりに行って、寝るところがなければ一緒に寝るっていうのはまあアリですけど、お風呂は…。まぁ、あまりそこは掘り下げないですけど(笑)。でも、ツイッターにもお父様との2ショットを上げてられましたよね。また優しそうでカッコいいお父様で…。でも若い女性は、どちらかといえば父親と「口きかない」という方が多いような気がしますが…。朝空さんはお父様と長いことケンカしているらしいですよね(笑)。   嶋﨑:そうです。あそこの家はよくケンカしてますね(笑)。   ーー半年くらい口きいてない、みたいなことをおっしゃってましたよね(笑)。   嶋﨑:ですよね。私は全然話してます。   ーーそうですか。それはうらやましいですね。   嶋﨑:はい。でも、ママとケンカするのも数時間ぐらいで、ちょっと言い合いをして終わるみたいな感じですよ。   ーーじゃあ、食べ物のこととか他愛ないことで、みたいな?   嶋﨑:いえ(笑)。なんかママは私のSNSをチェックしてて、パパもなんですけど。写真の撮り方がどうだとか、文章がどうだこうだとか。そういうことを言われて、それで言い合いになっちゃうみたいな(笑)。   ーーあぁ、嶋﨑さんの活動のことを心配されてるわけですね。   嶋﨑:そう。だからパパも、ママが作ったご飯とかをツイッターに上げると「なんで俺のは載せてくれないんだ」みたいな(笑)。   ーーアハハ(笑)。アドバイスとかではなくて、もう不平不満ですね(笑)。「自分のはやってくれないのか」と。   嶋﨑:可愛いでしょ? 拗ねてるんです(笑)。   ーーでも、いいですねえ。本当にいいご家庭です。   嶋﨑:そう。すごく応援してくれてます。    
2020.05.28
  • インタビュー
朝空詩珠紅|こんな顔して、私すっごい負けず嫌いなんですよ
Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第2回は朝空詩珠紅(あさそらしずく)をお迎えした。 この春、高校を卒業したばかりの彼女だが、Star☆T4期生としてオーディションに合格したのは中学1年の時であるゆえに、グループでの活動歴は既に6年目。総リーダーの和久田朱里、3期生の牧野凪紗、4期生の嶋﨑友莉亜、荻野陽向子、misolaといった主要メンバーに割って入り、その存在感を大いに示している。例えば、東海選抜アイドルユニット「7☆3(シチサン)」の17歳以下ユニット「7☆3ギュッと。」にStar☆T代表として参加したり、2018年のアルバム『メロウ』のオープニング曲であり、ライブでの重要なレパートリーにもなっている「恋するマーメイド」でセンターを務めたり…。今やStar☆Tを支える大きな柱の一つとなっていると言っても過言ではないだろう。   だが、筆者が彼女と話すのはこの日が初めて。笑顔が魅力的な彼女だが、その“アルカイックスマイル”とでも称したい抑制された微笑みからは、その心情を読み取ることは容易ではなさそうだ。決して感情を大っぴらに曝け出すタイプではなく、賑やかなこのグループの中では口数も決して多い方ではない。   さて、どのように攻略していくべきか…。手掛かりは、和久田朱里・牧野凪紗・嶋﨑友莉亜にインタビューした際にいただいた「天使」「たまに毒を吐く」といったキーワードと、YouTubeで見つけた「くそがきく~ぴょん」という映像ぐらい…。なかなか手強そうだが…。   実際に話してみると、思った以上に饒舌で、1.5時間を超えるインタビューでは全然足りないぐらいだった。彼女自身も「あっという間に感じました」と言うぐらい話が尽きず、“Star☆T愛”から“豊田愛”、そして“衣装愛”から“乃木坂愛”に至るまで、様々な感情を吐露してくれた。   煌びやかに舞い踊る姿からは窺い知ることのできない、“冷静で客観的な視点”や“内に秘めた熱い想い”。それらが、彼女に重層的な魅力を纏わせているのだ。   そんな朝空詩珠紅からこぼれ落ちる言葉と想いを、しかと受け止めていただきたい。             ちょっと前までは「くそがき」でした     ーーステージに立つ朝空さんは幾度か拝見したことがあるんですが、こうやってお話しするのは初めてです。まだどういう方なのか今ひとつ掴めないんですが…。   朝空詩珠紅(以下:朝空):そうですよね。   ーーまずはその辺りのところから探ってみたいと思います。「Woman」のリリース時に和久田朱里さん、牧野凪紗さん、嶋﨑友莉亜さんにインタビューした際、他のメンバーを簡単に紹介していただいたんですが、朝空さんについてお訊きすると、「天使」という言葉が出てきたんですよ。   朝空:えぇ、そうなんですかねぇ…。   ーーどうですか、それを聞いて。   朝空:みんな絶対そんなこと思ってないですよ。   ーーすぐに「天使」って答えが返ってきましたよ。まあでも、そのあと「腹黒天使」「たまに毒を吐く」という補足がありましたが…(笑)。   朝空:それ、絶対なぁちゃん(=牧野凪紗)じゃないですか。   ーーそうですね。和久田さんが「天使」と言ったら、 牧野さんが「腹黒天使」、嶋﨑さんが「たまに毒を吐く」と(笑)。実際のところどうなんですか?   朝空:自分としてはそんなつもりはないです、全然。いつの間にかそうやって呼ばれるようになっちゃっただけで(笑)。   ーーじゃあ、毒は吐いてないわけですね。   朝空:全然吐いてないです。   ーーでも、無意識のうちに吐いていて、それを“毒”と捉える人もいる、ってこともあるんじゃないですか?   朝空:そんなことないです、ホントに。   ーーということは、本当は“天使のような優しい方”で。   朝空:いやいや、それもちょっと違うと思うんですけど…。   ーーあと、今回取材するにあたって色々と朝空さんのことを調べたんですが、「くそがきく~ぴょん」という映像を発見してしまいまして…。   朝空:ああ…。   ーー「くそがき」なんですか?   朝空:ちょっと前までは「くそがき」でした。   ーー今はそこから成長した、と。   朝空:ちょっと成長しましたね。   ーーそういうキャラを作っていたとかではなく?   朝空:キャラを作ってたわけではないんですけど…。ちょっと毒を吐いてたのが「くそがき」みたいな感じになっちゃって。   ーーあの動画を撮っていた時って、まだ中学・高校の頃でしたよね?   朝空:はい、そうです。   ーーその頃は結構生意気だったとか?   朝空:生意気ではなかったですよ(笑)。   ーー色々と印象的な答えがありましたが、あれは“言わされてた”んですよね???   朝空:自分で考えたのもあります。   ーーそうですか。   朝空:はい。   ーー「好きな男性に求めるものは?」っていう問いへの答えがすごく良かったんですけど。   朝空:あれは多分言わされました。   ーーなるほど。   朝空:あ、待って。「ほどよい束縛」ですよね?   ーーはい。   朝空:あー、あれは自分で言いました(笑)。   ーーそうですか(笑)。   朝空:あれは自分でした。   ーー素晴らしい答えですね。   朝空:ホントですか???   ーーすごく大人っぽい答えです。「ほどよい束縛」がいいと思ってたんですか?   朝空:そうですね、多分(笑)。恥ずかしい…。   清水プロデューサー:でも、「くそがき」なんですよ。あの動画で言ってることは、くーぴょん(=朝空詩珠紅)が実際に言った発言を拾ってきて、あそこで言ってもらったっていう感じですので。   ーー用意されたセリフではありつつも、それは決して“嘘”ではなく。   清水プロデューサー:はい。そうですね。   ーー実際に本人が言った言葉だと。   清水プロデューサー:くーぴょんは普段メンバーといる時もワァーッと喋る方ではなくて、どちらかというと静かにしている方なんですが、ボソッと言うひと言がちょっと毒があるというか…。そういうキャラクターですね。   ーーなるほど。   清水プロデューサー:なので、和久田朱里がみんなを纏めようとしてガァーッと言ってる時に、「くーぴょん、ちょっとリーダーうるさいよね」って振ると、「確かにうるさい」ってちゃんと答えてくれるんですよ。そういうところに「くそがき」感があるかなと。   ーーあぁ、清水さんもそういう部分を上手く利用して(笑)。   清水プロデューサー:そうですね(笑)。   ーーでも「毒を吐く」ということは、ある意味「本質を捉えている」とも言えるんじゃないでしょうか。他人の「指摘されたくない真実」をズバッと言い当てていると。そういう風に「本質を見抜く」力がおありなんじゃないですか???   朝空:そうなんですかね…。うーん、どうなんでしょう(笑)。   ーーあと、もうひとつ印象的だったのが、和久田さんのことを「キス魔のキャバ嬢」って言っていました(笑)。あれは言わされたんですよね???   朝空:あれは…。あれも自分です…。これは今でも思ってますね(笑)。   ーー中高校生から出てくる回答ではないと思うんですが(笑)。   朝空:でも、あかりん(=和久田朱里)はお酒を飲むとめちゃめちゃキス魔になるんですよ。   ーーあぁ、真実に基づくものなんですね。   朝空:そうなんですよ。そのイメージが強くて、今でもそう思ってます。   ーー先日、和久田さんご本人も取材でおっしゃってましたけど、ちょっとケバい時期もあったようですから。でも、これまで「天使」「腹黒天使」「毒を吐く」「くそがき」っていうワードが出てきましたが、ご自身ではどんな性格だと思いますか?   朝空:でも、思ったことはそんなに言えないタイプで…。   ーーそうですか。   朝空:言いたいんですけどなかなか言えないのが自分の短所でもあるかな、って思ってます。   ーー大人しいほうですか?   朝空:そうですね。クラスでも目立たないタイプの人間ですね。   ーーそういえば、ご自身のことを「陰キャだ」とおっしゃっていたのをどこかで聞いたことがあります。   朝空:そうなんですよ。ホントに。   ーーあまりよくない言い方なのかもしれないですけど、よく“スクールカースト”とか言うじゃないですか。   朝空:はいはい。私はクラスの中心の女の子たちを周りで見ているタイプです。   ーーへぇ~、そんなに恵まれたヴィジュアルをされているのに。   朝空:えーっ!そんなことない。いやいや。   ーー中学高校とか、めっちゃモテたでしょ。   朝空:いや、ホントにそんなことないですよ(笑)。   ーーそうですか。   朝空:ホントに全然目立たないタイプでした。