2020.11.02
  • インタビュー
一色萌|すごい人たちがこのために尽力してくださっているのを感じているので、そういう方たちの期待を裏切らないように頑張ろうって思っています
XOXO EXTREME(キス・アンド・ハグ・エクストリーム。略称:キスエク)の一員である一色萌(ひいろもえ)は、様々な分野において見識が高い。アイドル・シーンについては一家言をもち、現場へも頻繁に足を運ぶなど“オタク”としても知られている。また、大学では美術史を専攻していたとのことで、ラファエル前派から琳派まで幅広く造詣が深い。そして、最近になって特撮ヒーローへの愛好を本格的に“カミングアウト”し、アイドル界の同志たちと共にトークイベントを行なっている。彼女は優れた文章家でもある。自身の連載コラムも持つなど多くの機会でその文才を発揮し、自らの好むものについて健筆を振う。実に好奇心旺盛であり、それらを発信する術も心得ているのだ。   そもそも彼女を“プログレアイドル”という少々特異な立ち位置にいるキスエクへと導いたのも、「ちょっと変わった音楽性のアイドルを探していた」という自身の好奇心である。キスエクはこれまで幾度もメンバーチェンジを繰り返してきたが、このたびようやく新たな体制が整った。そんな中、一色萌は今や最古参メンバーとなり、グループを引っ張る存在となったが、その好奇心はまだまだとどまるところを知らないようだ。   そんな彼女がこのたび満を持してソロデビューを果たすこととなった。その第1弾となるリリースが、これまた好事家の琴線に触れまくるナイスな作品である。ソロとしては“プログレアイドル”ではなく“パブロックアイドル”と銘打たれた彼女が放つ“第一の矢”は、「Hammer & Bikkle」と「TAXI」の2曲。   「Hammer & Bikkle」は、カメラ=万年筆の一員であり、鈴木慶一から川本真琴、姫乃たま、NegiccoのKaedeなどへの楽曲提供やアレンジ、演奏などで幅広く活躍する佐藤優介の作品。ニック・ロウ「Half a Boy and Half a Man」をオマージュしたイントロに導かれる“パブロック”ナンバーだ。サーフロックのニュアンスを帯びたアレンジがもたらすキラキラ感は、一色萌の“昭和アイドル風”の愛らしく伸びやかな歌声と相まって、本ナンバーを“レトロな高品質アイドルソング”へと昇華させている。   「TAXI」は、かのデフ・スクールの名曲のカヴァー。しかも、バックトラックは、なんとデフ・スクール本人たちが演奏した新録ヴァージョンだ。そして、日本語詞と怪しげなナレーションは一色進(シネマ、ジャック達)。海を越えてのこの豪華なコラボレーションが生んだ“奇跡のトラック”の上で、一色萌はよりいっそう妖艶なストーリーテラーとなり、その大人びた歌声で屈折した恋物語を巧妙に綴っている。   それにしても、デフ・スクールとはまさに絶妙な選択だ。怪しげな出立ちで鳴らすキッチュなロックンロールは“バーバンド”的であり、そういう意味では“パブロック”と言えるだろう。一方で“アートロック”あるいは“アートスクールロック”とも称され、そのサウンドやアートワークには独特の美的感覚が宿っている。例えば、彼らの“キャンプ”なアート感覚は、ロキシー・ミュージックにも通じ、その捻れたポップ感覚は10ccにも通じるものがある。それらを間に置けば、彼らとプログレとが繋がる道筋も見えてくる。   そんな彼らの楽曲を歌う一色萌は、“パプロックアイドル”という、キスエクとはひと味違った方向性を提示できるが、同時にキスエクが好きな“プログレッシャー”たちにも受け入れられるサウンドを鳴らしていることにもなるだろう。そういう意味でも、デフ・スクールはこれ以上ないチョイスであり、彼らがバックトラックを新録したことは、一色萌のソロデビューにとって最高のお膳立てと言えるだろう。   そうした好条件でソロデビューを果たす彼女は、極めて高い意識でそれに臨んでいる。自身の置かれた状況を的確に捉え、どう対処し、どう行動すればいいかをしっかりと見極めているのだ。   一色萌にお話を伺った。見識の高い彼女が、ソロデビューにあたって授かった“奇跡の2曲”にどのように対峙したのか。ぜひご一読いただきたい。             「プログレって難しいからちょっと敬遠しちゃうな」って思われることを“アイドル”であるキスエクでそのままやったら意味がないと思います       ーー萌さん、才能豊かですよね。   一色萌(以下:一色):いえいえ。才能豊かというより、私自身はいろんなことに興味を持っているだけで…。なので、いろんなことに触れてはきましたが、でも、その中で何かを突き詰めて習得した技術みたいなものはないんです。楽器が弾けるわけでもないし、絵が描けるわけでもないし、それこそ文章とかもXOXO EXTREME(略称:キスエク)に入るまではほとんど書いたことなかったんですよ。   ーーそうですか。   一色:何にもない状態でキスエクに入って活動してくうちに「こういうことに興味があります」「こういうのが好きです」って言ってたら、それを周りの人が拾い上げてくださって、いろいろさせていただいて、気付いたらいろいろやってるみたいな。   ーーでも萌さん、しっかりした文章書かれますよね。   一色:いやいやいや~。   ーーそうですか? 文章書かれるアイドルの方って結構いらっしゃいますけど、これほどしっかり書かれてる方ってなかなかいないと思います。   一色:確かにコラムとか書かれてるアイドルさん、最近増えてるなとは思います。私が文章書くアイドルさんとして一番最初に触れて、一番尊敬してるのが、姫乃たまさんなんですよ。   ーーなるほど。   一色:姫乃たまさんをアイドルの文章家として一番の目標としているというか、すごいなと思って尊敬してるんですけど、最初から「アイドルでもこのくらい文章を書けないとやっぱりライターとしては駄目なんだな」っていう風に姫乃さん基準で見ていたので、そう思うと気軽にものを書くっていうのが逆に難しくて…。   ーー姫乃さんはちょっと別格というか別枠ですよね。   一色:そうなんですよね。別枠から入ってしまったので。   ーーでも「姫乃さんが基準」となるとご自身の中の基準が高いので、ご自身があれだけの文章を書いてもまだまだと思われてる、と。   一色:全然まだまだです。でも、そうですね。もっと気楽に書けるようにもなりたいなとは思うんですけど。   ーーそういう自分の理想があると、簡単には自分にOKを出さないというか…。   一色:やっぱり私の文章は長いですし、小難しいと思うので、文字を読むのが好きな人はいいですけど、苦手な人とかには読まれないと思うので。でも、アイドルとして興味持ってくれた人が「普段は読まないけど読んでみようかな」って思ってくれる機会になるんだったら、サクッと読めるものも書けるようになりたいなって思うので。   ーーなるほど。僕はここ最近はロングインタビューをやる機会が多いというか、そういう機会を自ら作っているんですが、例えば、1時間取材して論説も含めて1,500字にまとめなきゃいけない、となると、発言の2~3%ぐらいしか使えないんですよね。せっかくいいことを言っていただいているのにもったいなくて。どんどん削っていくと結局は基本的な“情報”しか残らなくて…。そう思って、ここ数年は1.5万字から2万字ぐらいのインタビューをたくさんやっているんですが、そういうのを読みたい人が思った以上にいるんだなと感じているんですよ。多数派ではないと思うんですが…。なので、そういう人のために書いて、読まない人はヘッダーやフッター部分で情報だけ見てくれればいいかな、と。   一色:なるほど。情報だけ見たい人も見れるし、ちゃんと読みたい人も読めるってことですね。   ーーそうですね。冒頭だけ読んでもらってもいいと思いますし、写真だけ見て「可愛いな」と思っていただくだけでもいいですし。でも、読みたい人もいらっしゃるので、そういう方にはじっくり読んでいただいて。なので啓蒙していきましょうよ。読みたい人が増えるように、長い文章を書いて(笑)。   一色:啓蒙活動を、ね。   ーーでも、萌さんは文章も書かれますし、アイドルオタクとしても知られてるじゃないですか。今いかがですか? 今も結構現場には行かれてるんですか?   一色:そうですね。やはりこの状況だとなかなか現場自体が少なかったりとか、配信が多かったりするので、配信はちょこちょこ観てますよ。でも、行ける範囲では行きたいなと思っていて、私の昔からの推しメンが新しいグループを始めて—-MANACLEっていうんですけど、MANACLEさんのお披露目には行きたいなって思ってたんですが、ちょっと手違いがあって特典会しか行けなくて、後から配信で見たんですけど…。まぁ、MANACLEさんとは先日ツーマンもやらせていただいたんですけどね。   ーー推しメンって誰ですか?    一色:柿崎李咲さんです。   ーーあぁ、おかきさん。   一色:おかきさんが好きで。   ーーなるほど。そういえば、初めてお会いしたのが3年ぐらい前、柿崎さんの前グループでのワンマンだったと思うんですが。萌さんがそこに来られてて。   一色:そうだ!   ーーでも、そのころから比べるとアイドル界もいろんな意味で変わってきましたよね。   一色:めっちゃ変わりましたね。   ーー萌さんはどう捉えてますか?    一色:本当に変わったと思います。私が一番楽しかったのが2014~15年ぐらいなんですが、その時から今にかけての大きな流れで見ると少しずつ勢いは下がってきてるかなとは思います。でも、すごく盛り上がっていたところから少しずつ下がってきた中でも、面白いものが濃度高い感じでまだ残っていると思っていて、それらに出会えるかどうかっていう気がします。広く見てると「なんか最近つまんないな」「飽きちゃった」みたいになるかもしれないですけど、ちゃんと隅まで突っついていくと面白いものが絶対残っているので、せっかくアイドル好きになったんだったらそれを見つけてもらえたらうれしいなって思います。とはいえ、アイドルオタクを卒業して普通の生活に戻っていくオタクさんたちを止めることもできないとは思いますが…。   ーー2014~15年っていうとBiSとかですか?    一色:そうですね。私はBiSさん、でんぱ組.incさん、アップアップガールズ(仮)さんがすごく好きで、その三つに同時にハマって、特にBiSさんにハマったんですが、2014年にBiSが解散して、それからBELLRING少女ハート、ゆるめるモ!、NECRONOMIDOL、あヴぁんだんど、みたいな感じで見てきました。   ーーいい時期でしたよね。まぁ僕はその少し後ぐらいから“楽曲派アイドル”にハマったので、旧BiSは通ってないんですが。後追いでは聴きましたけど。僕からすると2016~17年ぐらいがすごく良くて、Especia第2章が活動していて、フィロソフィーのダンスが勢いづいてきて、Maison book girlがメジャーデビューして、ヤなことそっとミュートが出てきて、RYUTistが『日本海夕日ライン』『柳都芸妓』といった傑作をリリースし、sora tob sanaka、amiinA、WHY@DOLL、3776などもいて…。   一色:そうでしたよね。   ーーその頃に比べると、面白いものが減ったなという気は正直してるんですけど、でも、萌さんがおっしゃったように、そういう時だからこそむしろ面白いものが出てきそうな予感もしますし、実際出てきているんだと思います。その中でキスエクさんにはガーンといっていただきたいですね。   一色:そう思ってもらえるとうれしいですし、そういう存在になりたいなというか、“プログレアイドル”は他にいないので、その時点で“変わってるアイドル”の括りからは逃れられないし、その枠にいることは明らかなんですよ。で、そこに行くんだったら絶対突き詰めないといけないですし、突き抜けないといけないですし…。そうですね。絶対何かをしないといけないんですよね。そこにいる限りは。普通に可愛い子が可愛い服を着て可愛い曲を歌ってるっていうアイドルは、それだけで100点なんです。それでいいんですよ。曲にこだわりがとか正直なくてもいいんです。でも、私たちはそこじゃない部分を魅力として打ち出していっちゃってるから、それなら、また違うところで"100点のアイドル"に並ばなきゃいけないじゃないですか。みんなが盛り上がりやすい、誰でも体が動いちゃう、誰でも聴いたらすんなりハマって一般受けする、っていう曲をある意味放棄して、ちょっとニッチな曲をやろうとしているので、そんなニッチな曲でもみんなに「いいな」って思ってもらえるような努力をしていかなきゃいけないと思ってます。だから、アイドルっていうフォーマットの中でそうしたニッチな曲がいろんな人に届くよう頑張っていけたらいいな、って思ってますね。   ーー今「また違うところで100点のアイドルに並ばなきゃいけない」とおっしゃいましたが、萌さんにとってのライバルは“王道アイドル”っていうことですか?    一色:そことも勝負をしていけるようにならないと、アイドルとしてやってる意味がないと思っていて。プログレアイドルとして活動させてもらっていて、MAGMAさんの曲「The Last Seven Minutes」を公認カバーさせていただいたりとか、金属恵比須さんに演奏していただいてAKEKDOTENの「Nucleus」をカバーさせていただいたりとか、吉田達也さんとご一緒させていただいたりとか、この間もジョリッツさんとご一緒させていただいたりとか。アイドル以外の音楽も好きなので、自分的には「おーおーおーおー」って思うような展開がキスエクにはいっぱいあって…。普通のアイドルだったら絶対できなかったなって思うような人たちと対バンさせていただいたりとか、ご一緒させていただいたりとかがめちゃめちゃ多いんです。それは他じゃ絶対できなかったから、キスエクに入って良かったなと思いますし、音楽ファンの方たちにすごく受け入れてもらっているのがうれしいと思う反面、いわゆるアイドルオタクの人たちに一歩引かれてることを感じることがたまにあって…。本格的すぎて近寄りがたいみたいなとか、本当にプログレバンドみたいになってるといった感じで。「プログレって難しいからちょっと敬遠しちゃうな」って思われることを“アイドル”であるキスエクでそのままやったら意味がないと思います。   ーーなるほど。   一色:アイドルをやってるからみんなに聴いてもらえるチャンスがせっかくあるのに、結局「難しそうだからいいや」って言われちゃったら、キスエクが存在してる意味が果たしてあるのか?って思うんですよね。“プログレアイドル”っていうんだったら、プログレで受け入れてもらえるように活動していくのは、そのジャンルのファンの人たちへの敬意として当たり前なんですけど、アイドルとしてもちゃんと結果を出さないと意味がないなと思っていて。そう思ってるから、私は「TIFに出たい」とか「@JAMに出たい」ってずっと言ってるんですよ。普通にアイドルファンなので、昔から見ていたTIFや@JAM、他にもアイドル横丁とかアイドル甲子園とか、そういう大きなアイドルフェス出たいってずっと言ってきたんです。私個人的には、キスエクとしてはそこに行かないといけないような気がずっとしていて、そこを諦めちゃったらいけないなと思うんです。   ーーよくわかりました。プログレファン相手にするんだったら、常にバンドをつけて“プログレバンドのボーカル”として、そういうファンに向けてやっていけばいいわけですけど、やはりアイドルグループという打ち出し方をして、アイドルらしい衣装を着て歌って踊るということは、そちらのお客さんも狙わないと、ということですよね。その結果、ある種の橋渡しというか、架け橋みたいなものにもなればっていうことですよね。   一色:そうですね。「キスエクを聴いてプログレに興味が出て原曲を聴いてみたよ」とか、「プログレは昔聴いてたけど、また掘り起こして聴くようになったと」っていう人が結構いるんですよ。アイドル好きでプログレ聴くようになった方もいますし、プログレ好きでアイドル聴くようになったっていう方もいます。そういう橋渡しになりたいなっていうのはずっと思ってました。    
2020.10.29
  • インタビュー
岡田歩佳(Star☆T)|神対応っていうか、ほぼ笑ってます(笑)
    Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第12回は岡田歩佳(おかだあゆか)をお迎えした。   純情可憐なアイドルをこう称するのは相応しくないかもしれないが、昨今では称賛の言葉として用いられることが多いので、敢えて言おう。岡田歩佳は"人たらし"である。「誰からも好かれる」「多くの人に可愛がられる」「人の懐に上手く入り込む」「人の心を掴む」。こうしたポジティヴな意味での“人たらし”の筆頭に挙げられるのは、かの豊臣秀吉だ。直近ではあの菅義偉首相も“人たらし”と言われている。まぁ、生き馬の目を抜く“まつりごと”の世界で奮闘してきた人たちとアイドルを比べるのは筋違いかもしれないが(いや、あながち筋違いではないかもしれないが…)、「多くの人に可愛がられる」「人の懐に上手く入り込む」という点では、岡田歩佳にその“称号”を冠しても決して間違いではあるまい。   そして、“人たらし”という言葉には、“野望”や“策略”などが潜んでいることも少なからずあろうが、個人的には、どこか無自覚に無意識に「人を惹きつけてしまう」といったニュアンスがあるのを感じる。「自然と人が周囲に集まってくる」「知らずのうちに人を魅了している」といった感覚だ。岡田歩佳も、その屈託のない笑顔で人の懐に入るが、本人は無意識で、そこには決して計算や思惑は感じられない。それゆえに、我々の懐は無防備となり、いつの間にか侵入され、気がつけば占拠されてしまっているのだ。   幼い頃からダンスを習い、その縁で12歳の時に主役として芝居の世界にも足を踏み入れた彼女。そして、ダンスや芝居を通してメイクにも興味を抱き、現在は専門的な修練を積もうとしている。ある意味「演じる」「化ける」ことを幼い頃から体感し、そうした感性を育んできたのだ。あるいは生来的にあったそういう感覚が芝居やメイクへと向かわせたとも言えるかもしれない。   インタビュー中にも語られているが、彼女は「対応や話し方が状況に応じて無意識に変わってる」と言われるそうだ。そもそも人の性格など、いくつもの要素が重層的に折り重なってできており、ひとことで言い表せることなどできない。そうしたいくつもの“引き出し”の中から、状況に応じてそれに相応しい“キャラ”を引っ張り出し、それを装備することによって、様々な人と適切に対峙し、その結果多くの人を魅了するのが、“人たらし”たる彼女だ。ある意味それは「演技」や「メイク」にも通じることなのかもしれない。それが無意識に自然にできるのだ。やはり“生まれながらの女優”なのかもしれない。そして、そうした“演技力”は、Star☆Tでの歌やダンスに、さらにはファンとのコミュニケーションなどに生かされているという。   逸材揃いのStar☆T次世代メンバー。その中でも人を魅了する力にひときわ長けた岡田歩佳に、お話を伺った。「鉄棒」「甘いもの」「大学(?)」「メイク」。そして「お芝居」についてはたっぷりと語っていただいた。この記事が出る頃には、アリスインプロジェクトの新たな舞台『クォーツ・ゲート~裏庭には秘密が眠っている~』に出演していることだろう。そんな彼女の魅力溢れるインタビューをぜひご一読いただきたい。               地獄回りは今でもできると思います       ーー今、高校3年生ですよね?   岡田歩佳(以下:岡田):はい、そうです。   ーー取材のネタ探しのためにSNSとか配信とかチェックしてるんですが、大学の進路なんかもいろいろと考えられてるみたいで。   岡田:そうですね。ほぼ決定しつつ、あとは受験の準備をしているって感じです。今日は午前中に大学のオープンキャンパスに行ってきました。いろいろ動いてますね。   ーー志望校もほぼ絞り込んで。   岡田:そうですね。   ーー受験の準備は着々と進んでいるわけですね。で、まずはプロフィールからいろいろ突っ込ませていただきたいと思うんですが、公式のプロフィールを見ると「ちょっぴりおバカな甘えんぼ」というキャッチフレーズがあります。今も使ってるんですか?    岡田:一応使ってます。正直言うと、ちょっと恥ずかしい気持ちはあります(笑)。でも、本当のことではあるので…。   ーーStar☆Tには“おバカ売り”をしてるメンバーが結構いるじゃないですか。でも、皆さん“切れ者”ですよね。歩佳さんも只者ではないなという感じがします。   岡田:いえいえ、本当におバカです。   ーーで、甘えん坊なんですか?    岡田:ウチ、お姉ちゃんとお兄ちゃんがいて、末っ子なんです。それで結構甘えちゃって。学校とかでもそうです。身長が低いので結構みんなに甘やかされた感じで、それで甘えるのが大好きになっちゃいました。   ーー言葉を変えれば、人の懐に入るのが上手いというか(笑)。   岡田:ある意味、そんな感じですかね(笑)。でも、本当に学校とかでも大好きな子にずっとハグしてたりしてます。   ーー男の子にも?    岡田:いや、女の子に。男の子にはさすがにお話しする程度です。   ーー趣味は「踊る」とあります。「踊る」のはお仕事じゃないんですか?   岡田:もともと習い事でダンスをやってて。モダンダンスっていうんですけど。それを趣味というか、たまに家でも踊ったりするので。   ーーあぁ、Star☆Tのダンスとはまた別のジャンルのダンスを。   岡田:そうです。ジャンルが違って。   ーーそれをある意味“趣味”という形でやってると。   岡田:はい。   ーーあと「皆を笑かす」ともありますが。   岡田:自分としてはそこまで面白いことを言ってるつもりはないんですけど、結構まわりが私の言ったことに対して笑ってくれるんです。なので、笑かすの楽しいな、みたいな(笑)。   ーーじゃあ、「今笑かしてください」って言ったら笑かしてくれるわけではないんですね?   岡田:そういう感じじゃないんです。ギャグとかネタとかじゃなくて、素が面白いらしくて。   ーーすべらない話をいくつか持ってるわけではなく?(笑)   岡田:そういうわけじゃなくて、会話してる途中で急に笑われるんです。   ーー天然なわけですね?   岡田:天然ではないと思います。本当にただ単に言葉選びが変なんだと思います。言葉がおかしいのかな。ファンの人とかにもよく笑われるんです。   ーーちょっとわかってきたような気がします。僕が拝見した配信とかでも、確かにユニークな表現をされてたなという印象があります。そういうことですよね。表現がユニーク、ちょっと人と違う言葉の使い方をするといった感じですよね?   岡田:たぶんそうです。   ーーそれはある意味、表現力が豊かであるということですよね?   岡田:そういうことにしておいてください(笑)。   ーーで、特技としては「体が柔らかい、鉄棒、モダンダンス」とあります。「鉄棒」っていうのは、体操でもやられてたんですか?    岡田:いえ、小学校の頃に鉄棒にハマってたんです。   ーーあぁ、ハマってた、と。   岡田:ハマってたんです。放課後毎日鉄棒して、技を極めてました。   ーー普通、鉄棒をやるっていうと器械体操とか、そういったものをイメージするんですが…。   岡田:本当に学校での遊びって感じです。   ーーどんな技をやってたんですか?    岡田:逆上がりの連続とか、地獄回りの連続とか。   ーー地獄回りってどんなのでしたっけ?    岡田:鉄棒の上に座って膝で回るんですけど、後ろに回ると地獄回り、その反対が天国回りっていうんです。それを連続してやってました。他にもいろんな技をやってましたね。   ーー特技に書くぐらいですから、今もできるわけですか?    岡田:地獄回りは今でもできると思います。   ーー地獄回りは今でもできる、と。すごいですね。あと好きな食べ物には「タピオカ、梅、抹茶、甘いものが好き!」とあります。取材にあたっていろいろ調べたんですが、ブログの最初の投稿で「マカロンとかケーキとかふわふわしたものが好き」って書かれてました。それは今もですか?   岡田:マカロンとか初めて食べた時にすごく美味しいと思って、ハマってたんです。あと綿菓子とか好きだったんですけど…。最近甘いものがダメになっちゃって。食べ過ぎたのかわかんないんですけど、ホント甘いものがクドく感じちゃって…。タピオカとかも、今まではLサイズとか飲めてたのに、今はSでいいやってなっちゃいました。   ーーいよいよタピオカブームも終焉を迎えている感じですね。   岡田:どうなんですかね。私はダメになってきちゃいました。   ーーじゃあ、この「タピオカ」とか「甘いものが好き!」は事実と違うわけですね?   岡田:異なってきます。   ーー今は何がお好きなんですか?    岡田:今はパリパリ系? おせんべいとか。でも、そもそもおばあちゃんが好きそうなお菓子が好きなんです。まぁでも、最近お菓子自体あまり食べてないですね。特に甘いものは…。   ーー僕が拝見した配信では「イカが大好き」っておっしゃってましたが。   岡田:そうです。イカめっちゃ好きです。   ーーあとチータラとかナッツとか。   岡田:お酒のおつまみめっちゃ好きです。   ーー「好きな食べ物」の欄は大きく変えないといけないですね。   岡田:全然変わってきますね。   ーー「イカ、ナッツ、チータラ」とか。   岡田:お酒のおつまみが大好きってことになります(笑)。      
2020.10.26
  • インタビュー
近藤実希(Star☆T)| 歌もダンスも大好きなので、それが合体したようなこの活動は楽しさが2倍ですね
    Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第11回は近藤実希(こんどうみき)をお迎えした。   ふぅ。疲れた。笑い過ぎて。大半の「(笑)」や「アハハ」はキリがないので割愛している。それでもこれだけ残っているが…。   それにしても、この面白エピソードの数々。まだ14年間しか生きていないのに、どれだけネタがあるのか。まぁ、その始まりは“0歳以前”からなのだが…。   逸材揃いのStar☆T次世代メンバーの中でもひときわ異彩を放つ、いわば“飛び道具”だ。ゆえに、時にどこに飛んでいくか予測不能なこともあるが、投げれば必ず打ち返してくれる安心感、あるいは信頼感のようなものがある。   それでいて、真面目で努力家の側面もある。幼い頃はまさに自由奔放だったようだが、人生の転機を迎え(その一つがStar☆Tへの入団だ)、情熱を傾ける対象を見つけ、人知れず努力を重ねるまでとなったのだ。とりわけ大好きな歌とダンスに関しては…。   4歳から始めたダンスにはダイナミックな躍動があり、その切れ味鋭い歌声にはパンチがある。間違いなく次世代Star☆T を担う存在になるだろう。そして何より「何かやってくれそう」なキャラクターは、Star☆T の看板の一つとなり得る可能性を秘めている。   まだ14歳。恐るべき14歳。近藤実希にお話を伺った。鑑真。お腹の中。問題児。厳しさ。ノート。やさぐれた歌唱。Star☆Tが誇る“アンファン・テリブル"近藤実希の生き様をご一読いただきたい。               鑑真からはいろいろ学びました       ーー取材させていただくの、めっちゃ楽しみにしてたんですよ。   近藤実希(以下:近藤):そうなんですか?(笑)   ーー面白い方ですよね。   近藤:そんな面白くないですよ、私(笑)。   ーー今回は爆笑記事にしたいなと思ってるので。   近藤:ぜひお願いします。   ーーいえいえ、お願いするのはこちらの方です。   近藤:わかりました。   ーー今、中学3年生ですよね?   近藤:はい。中学3年生です。   ーー高校受験ですか?   近藤:高校受験の年です。はい。   ーー「高校受験の年です」っていう今の言い方だと、何か「“年”ではあるけど自分は関係ない」みたいなニュアンスですけど(笑)。   近藤:違います違います(笑)。受験します。大丈夫です。受験します。   ーーなるほど(笑)。進路のことを考えたりとか大変なんじゃないですか?   近藤:もうしてますね。自分の中では行きたい高校も決まっているので。   ーーじゃあ、もう余裕って感じですか?   近藤:いや、勉強のほうが(笑)。   ーーなんかStar☆Tのメンバーって「勉強できない」ことを売りにしている人結構いるじゃないですか。「売りにしてる」っていうのも変ですが…(笑)。   近藤:売りにしてるんですかね?   ーーええ。自ら言う方が結構いるじゃないですか。ちょっと“保険かけてる”みたいな。「頭が悪い」って言ってて本当は頭いいみたいな、そんなタイプでしょ?   近藤:そんなことないですよ。   ーーないですか?   近藤:しっかり頭悪いです(笑)。   ーーでも、いろいろ配信とか拝見してると、頭の回転が速いなというのはすごく感じます。   近藤:本当ですか?   ーー頭いいですよ。   近藤:本当ですか? 頭いいですか?   ーーただ、人によってそれが“学校の成績”として表われるタイプと表われないタイプがあると思うので。実希さんの成績は知らないですけど、もしかしたら表われないタイプなのかもしれないですが…。でも、社会に出れば頭の回転が速ければ成功しますよ。大丈夫です。   近藤:ありがとうございます。じゃあ、それを胸に今回のインタビュー頑張っていきますね。   ーー一応勉強も頑張ってください(笑)。   近藤:はい(笑)。ちゃんと頑張ります!   ーーでは、得意科目って何ですか?   近藤:最近は社会をめちゃめちゃ得意科目にしようとしてますね。   ーー“しようとしてる”わけですね。   近藤:今めっちゃ社会が好きになっちゃって。   ーー社会といっても、地理、歴史、公民とかあるじゃないですか。   近藤:歴史がめちゃめちゃ好きですね。   ーー日本史ですか? 世界史ですか?   近藤:日本史です。   ーーそういう意味では、愛知県って歴史の宝庫じゃないですか。   近藤:ですね。愛知県。そうですね。   ーーやっぱり織田信長とか徳川家康とか?   近藤:いや、私は鑑真なんですよ。   ーーそうだ。何かに書いてましたよね。はい。でも渋いところきましたね。   近藤:鑑真が大好きなんです、私。   ーーそれはなぜですか?   近藤:呼ばれてもいないのにわざわざ仏教の戒律を伝えるために日本まで来る、という精神がまずすごい! 何回も失敗したのに「行くんだ」みたいな精神が本当に好きで。   ーー呼ばれてもいないのに(笑)(編注:実際には、唐に渡った日本の僧、栄叡や普照らの要請によって来日した)。   近藤:それに惚れました。鑑真のその気持ちに。   ーー何回も来ようとして、でも、嵐に遭ったりして失敗するんですよね?   近藤:はい、そうです。5回失敗して、途中で視力を失っちゃうんです。でも、盲目になっても、仏教を伝えるために頑張って、6回目でようやく日本に来たんです。   ーーなるほど。   近藤:すごいですよね。鑑真からはいろいろ学びました。諦めない精神とか。頑張ればいつかは成功するというのを学びました。   ーーじゃあ、TIF予選で落ちたぐらいどうってことなかったと。鑑真から比べるとまだまだ甘いなって感じですかね(編注:最終的には敗者復活戦を勝ち抜き、TIF2020に出場を果たしました!)。   近藤:そうです。甘い。鑑真に比べちゃうと。   ーーStar☆Tの活動にも生きてるわけですね(笑)。   近藤:はい(笑)。   ーー尊敬する人っていうと「鑑真」って言ってるわけですか?   近藤:はい。そうです。   ーー鑑真グッズとか持ってるんですか?   近藤:鑑真グッズは持ってない(笑)。欲しいんですけどね。鑑真のぬいぐるみみたいな(笑)。   ーー見つけたらプレゼントします(笑)。   近藤:ありがとうございます(笑)。   ーーここまででもう面白いわ。本当に(笑)。   近藤:(笑)。    
2020.10.22
  • インタビュー
加納エミリ | 曲が出来るかなり前から「朝になれ この恋を忘れるまで」っていうフレーズだけがずっと頭にあって…
  今年の4月11日、加納エミリは突然“活動休止宣言”をツイッター上で発表した。これには大いに驚かされた。   というのも、2018年末あたりから頭角を現し、2019年は一年を通してグングン知名度を上げ、“ネクスト・ブレイク・アーティスト”として衆目を集めるまでとなり、2020年はいよいよ飛躍の年になると期待されていた矢先のことだったからだ。   そして、その理由としては「体調不良」と記され、「すぐに復活するかもしれないし、時間がかかってしまうかもしれない」とも述べられていた。大いに心配した。もしかしたら、もう復帰することもなく、このまま音楽活動を辞めてしまうのでは?と危惧したりもした。   まぁ、無理もなかろう。作詞作曲編曲はもとより、プログラミングからプロデュース、さらには振り付けやマネージメントやブッキング、そして納得がいかなければミックスまで自らの手で行なう、掛け値なしの“完全セルフプロデュース”であり、しかも自ら「完璧主義者」と称するゆえに、知名度が上がって周囲が騒がしくなっていけば、単なる“パフォーマー”の何倍もの負担がかかってくるのだ。また、このコロナ禍による様々な制限も彼女の心身に大きな影を落としたことだろう。その傷が深くなければいいのだが…。そんな懸念は日増しに大きくなっていった。   だが、それは杞憂に終わってくれた。“活動休止宣言”から約4ヶ月後。思ったよりも早い“復活宣言”を出してくれたのだ。しかも、素晴らしい新曲「朝になれ」を引っ提げて。   「朝になれ」は、様々な意味で示唆的である。   まずそのサウンドは、“NEO・エレポップ・ガール”としてシーンに颯爽と現れた彼女のイメージとは大きく異なり、ギターをメインに据えたものとなっている。もっとも、彼女の音楽の多様性は昨年11月にリリースされた1stアルバム『GREENPOP』にも示されており、また“ギターバンド然としたサウンド”は昨年12月の“GREENPOP”レコ発ワンマンライブでも大きく打ち出されてはいたが…。ともかくも、この一曲によって加納エミリの新たな一面が明確に示されたのみならず、ここからあらゆる方向へと進むことができる可能性を示唆するものとなった。   そしてこの曲は、彼女のメロディメイカーとしての才能を示すものでもある。一度聴いたらスッと入り込んでくる旋律。その譜割や抑揚などに、レトロなものを愛でる彼女の本質的な感性が垣間見られ、それゆえに表現者としての“軸の強さ”も示されていて、より説得力を帯びている。   「朝になれ」は“祈りの歌”である。東京での悶々とした生活のことが歌われており、その虚無感の中から滲み出てくる祈りは、極めて個人的なものであるにも拘らず、いや、極めて個人的であるがゆえに、根源的で普遍的な響きを獲得している。   そしてそこには、それを受け入れることによって生じる、微かな“強さ”や“希望”のようなものも感じられる。ゆえに、この曲を聴くたびにじわじわと心に染み、次第に心揺さぶられるのだ。   そんな新曲をリリースした加納エミリにお話を伺った。この取材後に行われた復活ライブでも、ブランクを感じさせない見事な歌いっぷりを披露してくれた彼女だが、このインタビューでも、画面越しに元気な姿を見せてくれた。そして、北海道での休息期間について、新曲「朝になれ」について、そして「アイドル」や自らの立ち位置についてなど、たっぷりと語っていただいた。ぜひご一読いただき、彼女の元気な姿を感じ取っていただきたい。               今の目標は家族とお世話になっている方々へ恩返しすることしかなくて       ーーまずは、やはり活動休止のことを少しお訊きしておかないとと思うのですが、4月11日にTwitterで発表された時は、本当に突然だったので驚きましたし心配しました。   加納エミリ(以下:加納):はい。ご連絡もいただいちゃって。   ーーいえいえ。活動もすごく順調で"ブレイク前夜"といった状況だったので、本当にびっくりしました。言える範囲で構わないんですが、やはり体調が悪かったということですか?   加納:身体的なこともそうですし、内面的にもちょっと調子を崩してしまったというか…。   ーーなるほど。で、4月11日にそういう発表があって、すぐに北海道は札幌のご実家に戻られたんですか?   加納:はい。もうすぐに帰りましたね。   ーーで、復帰されたのが8月の…。   加納:お盆明けの8月17日です。   ーーその間はずっとご実家に?   加納:そうですね。所用があって少し東京に戻っていた時期もあったんですが、ほとんど北海道で過ごしてました。   ーーあぁ、Twitterで少し呟かれていましたよね。それは音楽関係のお仕事で?   加納:いえ。新居探しでどうしても東京に戻らざるを得なくなって…。少しの間でしたけど…。お家が決まって、手続きとかその他のことが終わってから北海道に戻って、そこからまた1カ月半ぐらい実家で過ごしていました。   ーー一時期東京に戻りつつも、基本的には札幌で、と。その活動休止期間には、曲作りなど精力的にされていたんですか? それとも音楽を断っていた時期もあったんですか?   加納:最初の1カ月ぐらいはもうまったく何もできなかったんですが、それを過ぎたらもう曲を作ってましたね。   ーーなるほど。でも逆に言えば、最初の1カ月は音楽には触れなかった、と。もちろん聴いたりはされてたとは思うんですが…。   加納:そうですね。でも、なんか本当に時間がある時にしか聴かなかったです。あまり聴かなかったですね。   ーーそうですか。その時期は何をされてたんですか?   加納:えっ、何してたんだろう…? あまり憶えてないんですよね。まぁ、実家なのでお母さんの作った美味しいご飯を食べて(笑)。あとはゲームしたりとか、ひたすら寝てたりとか、“廃人の生活”をしてました。   ーー北海道って一時期コロナで大変でしたもんね。2月末から3月中旬まで緊急事態宣言が発令されて…。   加納:そうですね。一番最初にコロナが広がったみたいなところもあるので。でも、私が帰った時はもう酷くはなかったですね。まぁ、そこそこ多かったんですけど、東京の方が全然多かったと思います。   ーー加納さんが札幌に戻られたのは、ちょうど東京が緊急事態宣言を出した直後ぐらいでしたよね。   加納:そうですね。   ーー活動休止はコロナの影響もありましたか?   加納:かなり大きかったと思いますね。   ーー体調が悪くなったっていうのも、コロナの影響でライブができないとか、外出できない、人と接触ができない、といったことが要因でもある、と。   加納:そうですね。大きいです。   ーー単刀直入に言っちゃいますけど、数年前に「メジャーレーベルでの“飼い殺し”の時期があった」と最初のインタビューでおっしゃったじゃないですか。   加納:そうですね。   ーーそんな時にも体調不良みたいなものはあったんですか?   加納:いや、あの時は落ち込んだのは落ち込んだんですけど、今回みたいな感じではなかったですね。こういう体調不良は初めてでしたね。   ーー初めての経験だったわけですね。   加納:人間なので、どうしても落ち込む時ってあるじゃないですか。でも自分は全然まだ平気だと思ってたんですよ。で、去年のスケジュールがすごく忙しかったんですね。全然売れてもないのに「なんでこんな忙しいんだろう」って(笑)。   ーーいやいや、売れてきてたじゃないですか。   加納:う~ん。なんだろう。フリーランスなので自分のことは自分でやんなきゃいけないという忙しさもあって。去年アルバムをリリースした時にプロモーションとかイベントとかがすごく重なって、肉体的にも精神的にも毎日結構キツかったんですね。多分その蓄積が、今年のコロナで「グハッ」て(笑)なっちゃって。それでようやく自分の状態に気づいたというか…。   ーーそういう意味でも、北海道に帰られたということは、環境の変化という点で、やはりエミリさんにとってはいい影響を及ぼしたわけですか?   加納:そうですね。過ごしやすいですし、一番落ち着く場所ですね。   ーー東京の水は合わないですか?   加納:いやいや、まぁ慣れました。でも、私も19歳の時に上京したのでもう5~6年になると思うんですが、最初の2年ぐらいは「東京楽しいな」みたいな感じだったんですけど、だんだん東京の窮屈さを感じてきて…。そういう中で北海道に帰ると、北海道って土地が広いじゃないですか。車とか人も東京みたいに多くないですし。あとは気候も涼しくて過ごしやすいとかで、すごくリラックスできてリフレッシュできましたね。自分の人生の目標もこのコロナで変わりましたし、北海道に帰ったおかげで、「本当に大切にするものは何なんだろう」みたいなところとかも前と変わったので、結果的に良かったかなと思ってます。   ーーよろしければ、その辺のところを聞かせていただければと思うんですが。「本当に大切にするもの」って何でしょうか?   加納:はい。今までは"自分の結果"しか見てなかったんですよね。数年後にどこどこまで行って、さらにその何年後かにこういうことがしたいっていう、自分の仕事に関する目標しか考えてなかったんですが、実家に帰って、家族ととても仲がいいので、その家族と時間を過ごしてると、仕事も大切だけど一番大切にすべきものって自分のことを支えてくれる人とか守ってくれる人だな、ということに恥ずかしながら初めて気付きまして…。なので、今の目標は家族とお世話になっている方々へ恩返しすることしかなくて。で、家族に恩返しするにはやはり多少お金もかかることなので、おのずと仕事もついてくるというか、稼げるようになるまで仕事が上手くいくようにしなきゃ、って思うようになったというか…。そういう変化がありました。   ーーなんか、その若さでそういうことに気付くってうらやましいですね。僕なんかこの歳になってやっとそういうふうに思えるようになったって感じですよ。でも、ちょっと揚げ足を取るような言い方になっちゃうかもしれないですが、家族に恩を返すためにお金を稼がなきゃいけない、と。それは別に音楽に限った仕事でなくてもいいということですか?   加納:いえ。やはり自分のやりたいことで叶えたいですね。今回のコロナ禍で分かったことですが、「音楽ってすごくもろいものだな」って。人間が生きてく上で必ずしも必要なものじゃないじゃないですか。「プラスα」というか…。こういう切迫した時期に音楽などのエンターテインメントは必ず削られちゃう部分なのかな、と思っちゃって。なので「音楽ってなんでやってるんだろう」って思うんですが、結局自分が今楽しいと思えることが音楽以外にないので、自分が楽しいなって思えている間は音楽を続けていきたいなと思ってます。逆に、なんかもう音楽楽しくないなと思ったら辞めると思います。   ーーなるほどね。これは辞めない人の意見ですね(笑)。   加納:いやいや、わかんないです(笑)。   ーー僕も大学を卒業して就職する際に、音楽業界か、銀行とかそういう企業に入るか迷ったんですけど、人生が二度あれば一回ずつやればいいけど、一度だから好きな方をやろうと。で、音楽に関連する仕事に就くことで音楽が嫌いになったらその時点で辞めよう、って思ってこの業界に入りました。   加納:そうですね。私もそういう感じです。   ーーでも、結局なんだかんだしがみついてますから(笑)。で、この活動休止期間で「考え方が変わった」とおっしゃいましたが、音楽観といったものも変わりました?   加納:うーん。やりたいことは変わらないですけどね。やっぱりどっちかというと“トガッてる”側にいたいっていうのはあります。“カウンター”側の方にいたい、みたいな。   ーーなるほど。レーベルという意味での「メジャーかインディーか」っていうのではなくて、サウンド的な意味というかマインド的な意味でのインディーでいたい、と。ファンクラブ「EMIRI CLUB」のブログでもそんなようなことを書かれていました。   加納:(笑)。あ、そうです。え? 入ってるんですか?   ーー入ってますよ。   加納:えーっ! すいません(笑)。   ーー開設されてすぐに入りました。読んでますよ。   加納:えー、恥ずかしい。   ーーそんな風に「インディーであり続けたい」「トガッていたい」ということですが、例えば具体的な方策として、今回ある意味“再チャレンジ”という側面もあるじゃないですか。となると、“同じ徹を踏まない”ための対策というか、プランというか、そういったものが必要だと思うんですが…。前回のインタビューのときに加納さん自身の中に“パフォーマー”と“コンポーザー”と“プロデューサー”の3人がいて、まぁ“振り付け師”とか“マネージャー”などもあるのかもしれないですが、負担がすごく大きいじゃないですか。でも、今のところは同じ形で行く感じですか? 例えばもっとスタッフを増やすとか、どこかの事務所に入るとか。   加納:そうですね。今はライブなどできない状況なので具体的には動いてないですが、来年あたりでコロナが落ち着けば、その時にマネジャーさんをつけたりとか、あとは共同で音楽制作をしてくれる方たちとチームを作りたいなというのはずっと思っています。   ーーこれまではある意味全部やってたわけですもんね。そういう意味では、マインドはインディーのままで、フリーランスでやりながらも、もう少し組織のようなものを作っていこうというような感じですか。   加納:はい。   ーー例えば、それによって加納さんの音楽って変わりますかね。   加納:いや、自分的にはブラッシュアップの意味を込めてそういうチームを作りたいと思っているので…。やっぱり自分の能力だけだと、それでいいものができるという自信はあるんですが、やはり他の方のノウハウやセンスや才能をお借りして作った方が絶対にもっといいものになるんじゃないか、とずっと思っていて…。なので「自分一人でやってます」ってことに正直そんなにこだわりもないので、みんなで音楽をやっちゃおうというか…。やはり自分の仕事を全うするためには、マネジャーさんとかスタッフさんは必要だなって思いますね。  
2020.10.18
  • インタビュー
伊勢実恩(Star☆T)|皆さんにえくぼができるような笑顔を届ける神様になりたいです!
Speak emoにてスタートした、愛知県豊田市のご当地アイドル、Star☆T(スタート)のメンバー全員インタビュー。第10回は伊勢実恩(いせみおん)をお迎えした。   誤解を恐れずに言えば、彼女の魅力は画像や動画だけでは伝わり切らないかもしれない。   柔らかな笑顔にえくぼ。心地好い声。人の良さそうなオーラ。落ち着いた雰囲気。しっかりとした言動に当意即妙な受け答え。そして、礼儀正しさ。かといって、変に距離を感じることはなく、時に親しげに懐に入ってくることもある。といっても、決して馴れ馴れしいわけではなく、その距離の取り方が絶妙なのだ。ZOOMの画面越しの取材ながら、筆者もメロメロになりそうだった…いや、なってしまった。   そんな彼女は"音楽"が大好きだ。ピアノは10年近く習い、小中学校で計6年間吹奏楽部でパーカッションを担当し、高校では音楽を学んでいるという。いわゆるアイドルが言う「音楽が好き」とは少々ニュアンスの異なる、本格的な「好き」であり、音大レベルとまでは言わないが、アカデミックに音楽を修得しているようなのだ。“パーカッション”といえば、#歌うすたーとver.の「2021」では、冒頭から自前の電子ドラムでステディなリズムを刻む彼女の勇姿が印象的である。   そして彼女は、team luaのサブリーダーを務めており、いわゆる“7名の選抜メンバー”ではない“Bチーム”でも、リーダー的役割を担う浜川一愛をサポートしているらしい。ちなみに、吹奏楽部では副部長も務めたそうで…。決して自分が前へ前へ出るようなタイプではなく、状況を大局的に捉えながら必要なところをサポートするタイプのようだ。まさに、堅実なリズムによって音楽全体を支えるドラマーならでは、である。   さらに彼女は、和久田朱里総リーダー曰く「めちゃくちゃ努力家」とのこと。突然ポジションの変更を言い渡されながらも一晩で覚えたエピソードが語られているが、ダンス経験者ではなく、「あまり得意ではない」という彼女がそれだけの対応力を発揮しているのは、やはり彼女が努力家である証左だ。ちなみに、インタビュー内でも述べられているが、「負けず嫌い」で「心配性」とのこと。そうした性格が“努力”の原動力となっているのも、彼女の優れたところであろう。   そんな、Star☆Tが誇る“負けず嫌いで心配性のリズムマシーン”伊勢実恩にたっぷりと語っていただいた。音楽のこと、パーカッションのこと、Star☆T内での役割やメンバーとの関係性、そして将来のこと、などなど…。彼女の奥深い魅力が伝わるものとなっていれば幸いである。いや、ここに書き記しただけではまだまだ充分ではなく、実物の彼女に会って話してみないとその全貌は見えてこないかもしれない…。まずはインタビューをご一読いただき、ぜひ彼女に会いに行っていただきたい。             小学校から中学校まで吹奏楽部に入ってて、ずっとパーカッションをやってました     ――まだ17歳なんですね。   伊勢実恩(以下:伊勢):はい。17歳です。   ――大人っぽく見られますよね?   伊勢:そうですね。ファンの方からも「大人っぽいね」って言っていただくことが多いかもしれないです。   ――お顔立ちとか佇まいとか発言とか、大人っぽいです。   伊勢:本当ですか?   ――そう言われていかがですか?   伊勢:どうだろう…。年齢的には、大人っぽいって言われても幼いって言われても、どっちもうれしいというか。でも、幼いって言われることは少ないですね。   ――「幼い」って言われることもあるんですか???   伊勢:ちらほらはあります。でも「大人っぽい」って言われる方が断然多いですね。   ――受け答えもすごくしっかりしていて、すごく聴きやすいというか、心地好い声をされていますよね?   伊勢:そうですか?   ――はい。で、「頭良さそうって言われるのが嫌だ」っていう発言をどこかで聞いたことがあるんですが…。   伊勢:よくご存じで(笑)。ちょっと恥ずかしいですね。   ――頭“良さそう”じゃなくて、“良い”でしょ?   伊勢:それが良くないんですよね(笑)。   ――そうなんですか?   伊勢:そうなんです、そんな良くないんですけど。   ――謙遜されてるとは思うんですが。   伊勢:いやいやいや。   ――こうやってすごくしっかり喋られるし、とても聡明なイメージです。   伊勢:本当ですか?   ――まあ、謙遜されてそうおっしゃっているるとは思うんですが…。得意な科目は何ですか?   伊勢:科目。やっぱり音楽が好きです。今行ってる高校も、保育コースに入ったんですが、そこにソルフェージュっていう音楽の基礎を学ぶ授業があるんですよ。その授業で音楽のことを学ぶのが大好きですね。   ――昔から音楽がお好きだったんですか?   伊勢:音楽はずっと好きですね。とにかく歌うことが好きで、合唱とかも好きです。   ――楽器をやられたりとかは?   伊勢:楽器は、小学校から中学校まで吹奏楽部に入ってて、ずっとパーカッションをやってました。   ――#歌うすたーとの「2021」でドラムを叩かれていましたよね。あれはすごい印象深くて。実恩さんのイントロから始まるわけですから。カッコいいですね。   伊勢:えぇ、本当ですか? ありがとうございます。   ――あれは練習用のドラムですか?   伊勢:電子ドラムですね。   ――あぁ、電子ドラムなんですね。   伊勢:そうですね。ゴムのやつ。   ――なるほど。家で練習用に使えますし、音源に繋げばライブでも使えるわけですね。   伊勢:そうですね。   ――吹奏楽の時は、それを使ってたんですか?   伊勢:いや、これは家での練習用です。学校の物は持ち帰ることができなかったので、自分でお家で練習したいなと思って親に買ってもらいました。   ――吹奏楽の時は生のドラムだったんですか?   伊勢:そうですね。生のドラムでした。   ―ー普通のドラムキットを叩いていたんですね。すごいですね。でも吹奏楽部に入るっていうと、普通は管楽器をやりたいからだと思うんですが、ドラムス/パーカッション担当になったのはなぜなんですか?   伊勢:最初は私も管楽器がやりたかったんです。吹奏楽を始めたのは小学校4年生の頃からで、入る時はトランペットに憧れていたんですが、なかなかうまく吹けなくて、他の楽器も試してみたんですが「吹けない」ってなっちゃって…。で、これはもうパーカッションしかないと思ったんです。音楽というか楽器はやりたかったので、それでパーカッションをやることになって、やっていくうちに楽しくなっていって…。パーカッションっていろんな種類があって、曲によって変わるから、いろんな打楽器に触れられて、それがまた楽しくて。なので中学校からもパーカッションやりたいと思って、計6年間やりました。   ――そうだったんですか。   伊勢:そう。吹けなかったんですよ。   ――吹奏楽、楽しかったですか?   伊勢:めっちゃ楽しかったです。毎日音楽に触れることができたので、それはすごく楽しかったですね。   ――吹奏楽部って、僕の学生時代とかっていうと正直ちょっとマイナーなイメージだったんですが、2004年の映画『スウィングガールズ』がヒットした影響などで吹奏楽ブームが起こって、今やメジャーな部活になってますよね。どうですか? “青春”でしたか?   伊勢:そうですね。もうずっと部活やってましたね。部活一筋でした。   ――何か大会に出て優勝したりとか?   伊勢:私が1年生の時、1年生は運搬とかやってて出てはいないんですけど、2、3年生が東海地区大会に行って、銀賞を獲りました。私たちが2、3年の時は全然ダメでしたけど…。   ーー銀賞を獲るぐらいですから、かなりの強豪校だったわけですね。   伊勢:強豪なのかなぁ。どうなんだろう…。   ――練習は厳しかったですか?   伊勢:厳しい時もありました。人数も多かったので、団結するために結構厳しく指導されました。先生も厳しかったですね。   ――team luaのサブリーダーである伊勢さんは、吹奏楽部でも部長とかやられてたんですか?   伊勢:3年生の時にパートリーダーと副部長をやってました。   ――そこでもサブリーダーだったんですね。   伊勢:部長を支えるという立場で(笑)。   ――ところで、一番最初に音楽に触れたのっていつどんな形でですか?   伊勢:最初に音楽に触れたのはピアノです。小学校1年生からピアノをやってたんですよ。   ――それまで、例えば保育園や幼稚園の時は、アイドルを見て歌って踊ってたとか、何か音楽に興味を示していたとかありましたか?   伊勢:発表会で踊ったりしていたので、やっぱり歌って踊るのが好きだったと思います。なので、一番最初の音楽っていうのは発表会でやったダンスですかね。楽器ではないですけど。   ――じゃあ、本格的に音楽を意識したのっていうのは、小学校から習ったピアノから、と。   伊勢:そうですね。ピアノを始めたのが本格的な音楽との出会いだと思います。   ――それは自分で「やりたい」っておっしゃったんですか?   伊勢:最初は、おじいちゃんに「ピアノとかどう?」って言われて。私のおじいちゃんは音楽が好きで、ギターとか弾いていたので、「実恩、どう?ピアノやってみない?」って何年間か言われ続けてたんですよ。私は「いいよ、やらない」って言ってやらなかったんですけど、ある時突然「あ、やってみたい」ってなって始めました。   ――それが小学校1年生の頃、と。   伊勢:そうですね。   ――お祖父様はプロの音楽家だったんですか?   伊勢:そうではないですけど、音楽好きですね。   ――で、ピアノを始められて、楽しかったですか?   伊勢:楽しかったですね。年1回発表会があって。大きなホールとかで。それに向けて練習するのがすごく楽しかったなっていう思い出があります。   ――ピアノはどれぐらいまで続けていたんですか?   伊勢:Star☆T入る前までやってました。   ――入られたのが2017年ですよね。   伊勢:そうです。中3ですね。   ――じゃあ結構長いですね。10年近く?   伊勢:そうですね。   ――かなり本格的にやられてたわけですね。   伊勢:そうですね。習い事は9年~10年続けていたものが多いかもしれないです。   ――というと、他にも何か?   伊勢:英会話とか塾とか水泳とかやってました。   ――Star☆Tのメンバーって習い事する人多いですね。   伊勢:本当ですか。結構います?   ――いますいます。皆さん3つや4つやっていて、しかも結構長いことやられてる方も多くて。瑠果さんが空手と書道とか。misolaさんを始め、ダンスをやられてたメンバーはいっぱいいますし、和久田さんはすごい沢山やってたようで。でも、実恩さんもすごいですね。水泳も長く続けてたんですか?   伊勢:そうですね。水泳は幼稚園の年中からですかね。   ――Star☆Tに入るまで?   伊勢:水泳は小学校の最後ぐらいまで。   ――なるほど。じゃあその中でもピアノが一番続いたわけですね。   伊勢:そうですね。ピアノと英語ですね。   ――おぉ、英会話も続いてたんですね。   伊勢:はい。年中組から中3まで。   ――じゃあ、英語はもうばっちり喋れるわけですね。   伊勢:いや、もう全然(笑)。全然身に付いてない…。   ――結構長いじゃないですか。それこそ10年近くになります。   伊勢:そうですね。10年になりますね。   ――せっかく10年続けたんですから、何かに生かしましょうよ。   伊勢:身に付いてないんですよ、本当に。   ――Star☆Tもコロナが終息したら積極的に海外進出を目指すといいと思いますが、その際に役に立ちますよ。   伊勢:頑張ります(笑)。