Speak emo

2020.07.31
RYUTist

佐藤乃々子(RYUTist)|私も誰かを守りたいと思って

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新潟は古町を拠点とするRYUTistの最新アルバム『ファルセット』が各所で大きな評判を呼んでいる。

 

気鋭の作家陣を起用した優れた楽曲を歌うことで知られる彼女たちだが、この新作では、蓮沼執太、柴田聡子、Kan Sano、パソコン音楽クラブといったさらに先鋭的なサウンドクリエイターたちを招き入れ、これまでのキャリアの中でも最も音楽的な高みへと到する作品をものにした、と言えるだろう。

 

だがそれは、「ただ良い曲が並んだ」作品というわけではない。作家陣が彼女たちの歌声やパーソナリティーを“素材”として構築した目眩くサウンドスケープの妙。そして、彼女たち自身が作家陣の紡ぎ出した旋律や和音を“素材”として構築した至福の音楽世界の味わい深さ。作家と演者との歓喜に充ちた調和、あるいは祝福すべきせめぎ合い。いや、それ以上に特筆すべきは、“多様性”“普遍性”“ローカルとグローバル”といったキーワードを帯びる作品の「在り方」「立ち位置」あるいは「佇まい」だ。それこそが、この作品を傑作たらしめているのではないだろうか。

 

そんなことを、先日公開したRYUTistのグループ・インタビューで解き明かしたつもりだ。まぁ、まだまだ書き足りない、語り足りないが、それはまた追い追い。むしろ今回Speak emoで注目したいのは、本作の“コンセプト”だ。本作には「特定のコンセプトはなく」、むしろ「メンバー自身をテーマにした」作品であるという。それならば、メンバー自身にスポットを当てたインタビューを、ということで、幸いにもメンバー4人に個別取材をする機会をいただいた。

 

その第1回は、頼れるリーダー、佐藤乃々子。既にRYUTistとしては5回インタビューさせていただいているが、そのたびに彼女の発言の“面白さ”に気づく。だが、それゆえにその人物像が掴めなくなっているのが正直なところ。今回の取材でも、「仕事のことが気になって休日も休めない」と言いつつも「今日が楽しければいい、明日以降のことはわからない」と言い放ち、何事にも真面目過ぎるぐらいに取り組みつつも、家に帰れば「ダラダラ星人」へと豹変。そのハキハキとした受け答えや品のある佇まいから、いかにも“育ちの良いお嬢様”といった感があるが、意外にも“スーパー戦隊シリーズ”が大好きで、父の血を受け継いてパンチやキックも修得(?)しているようで…。そうした幾重にも重なる“矛盾”は彼女の魅力に他ならないが、今回の取材ではそれらの繋がりを見出すことができ、一本の線となったかのような……と思いきや、さらに混沌として一層掴めなくなったような…。

 

そんな驚くべき充ちた魅力的な佐藤乃々子のインタビュー。ぜひご一読いただきたい。

 

 

 

 

もう靴を脱いだら一気に力が抜けて、玄関で倒れて寝てます

 

 

ーーちょっと乃々子さんがまだ掴みきれないんですよ。

 

佐藤乃々子(以下:佐藤):前回もそう言ってましたよね。

 

ーーはい。これまでRYUTistの取材は5回やらせていただいているんですが、乃々子さん奥深いので(笑)。(横山)実郁さんなんかは割とすぐわかっちゃうんですけど(笑)。

 

佐藤:わかりやすいタイプ(笑)。

 

ーーこれまでの取材でわかったことは、ステージ上ではしっかりした“お姉さん感”を出してますが、メンバーといる時はかなり甘えるとのこと。

 

佐藤:あー、そんなこと言ってましたね。自分的にはあまり甘えてる意識はないんですけど。

 

ーーそうですか(笑)。乃々子さんの第一印象は、本当にきっちりした方で、とてもハキハキ喋って、すごく品行方正で、みたいな。

 

佐藤:出ましたね、品行方正。

 

ーーね。例えば外ではそうですけど家に帰ればダラっとしちゃう、っていうパターンは割とあるように思いますが、“外面”とメンバー内での“顔”も違うわけですね。

 

佐藤:そうですね。メンバーと一緒にいる時は家にいる感覚と同じですね。

 

ーーということは、メンバーとはものすごく心を許しているというか、もう何でも言ってるという感じですか? 例えば相談なんかしたりしますか?

 

佐藤:相談。そうですね、ライブのこととかですよね。

 

ーー個人的な悩みとかは?

 

佐藤:個人的な悩み。悩みがないからなぁ。

 

ーーえ?ないんですか???

 

佐藤:あったとしても、結構すぐ忘れちゃう感じかなぁ。あまり自分自身の悩みを人に言うことはないかもしれないです。悩みというか全体で共有した方がいい問題とかは、すぐメンバーに言ったりするんですけど、自分自身のことは人に言うことないですね。

 

ーーでも、悩みはあることはあるということですか?

 

佐藤:よく考えたらありました(笑)。例えば、みくちゃんは全体の雰囲気を明るくして、トークとかでは引っ張ってくれていて。ともちぃ(=宇野友恵)は、ダンスも歌もすごく上手で、パフォーマンス引っ張ってくれていて。むうたん(=五十嵐夢羽)も歌が上手くて愛嬌があるし、みんな良いところが沢山あるんですよ。でも私って考えたら「何かあるかな」って思うことはよくあります。何にもないんじゃないかって。

 

ーーというか、それも、まぁ言えばグループの悩みじゃないですか。ある意味“公的な悩み”っていうか。もっとなんと言いますか「夜眠れなくて困ってる」とか「夜中についお菓子食べちゃう」とか(笑)。

 

佐藤:夜中にお菓子食べちゃう(笑)。可愛い悩みですね。

 

ーー例えば、ご両親と喧嘩して最近口きいてないとか、そういうのはないんですか?

 

佐藤:ないです、それは。

 

ーーなるほどね。まだ掴めないなぁ(笑)。

 

佐藤:まだまだですか(笑)。

 

ーーで、お家では「ダラダラ星人」なんですよね?

 

佐藤:そうですね。ダラダラ星人してますね。

 

ーーそれがちょっと想像できないんですよ。どんな“ダラダラっぷり”なんですか?

 

佐藤:一度座ると、もう立ち上がらないみたいな(笑)。ずっとソファに寝そべってます(笑)。

 

ーー例えばそれは、お仕事から帰ってきて、メークも落とさないでそのままソファ、みたいな?

 

佐藤:落とさないんですよね。良くないんですけど…。ソファに行って取りあえず一回寝よっか、とか思って(笑)。

 

ーーソファで寝ちゃって(笑)。

 

佐藤:寝ちゃって、朝を迎えるとか(笑)。

 

ーーえぇええ! で、そのまま出掛ける(笑)。さすがにそれはないですよね?

 

佐藤:そのまま出掛けることはないんですけど、コンタクトレンズもカピカピで、朝、目が開けられなくて、みたいな(笑)。

 

ーーコンタクトつけっぱなしで!? それはちょっと気を付けていただかないと。

 

佐藤:はい。私って本当に家に着いた瞬間にスイッチが切れるんですよ。玄関入った瞬間に。だから玄関で寝ちゃってることもありますし…。

 

ーーえ? 玄関で寝ちゃうってどういう体勢でなんですか???

 

佐藤:もう靴を脱いだら一気に力が抜けて、玄関で倒れて寝てます。

 

ーー玄関って、フローリングというか板の間のイメージなんですが、寝られる場所があるんですか? それとも板の間に直で???

 

佐藤:板の間です。板の間。玄関マットはありますけど(笑)。

 

ーーそこで(笑)。それ、家族の人が見たら「死んでるんじゃないか」と思わないですか?(笑)

 

佐藤:でも誰にも起こされないんですよね。気付いてるのか気付いてないのか(笑)。

 

ーーということは、結構よくあることなんですね?

 

佐藤:ありますね、結構。本当に一気にスイッチが切れちゃうみたいで。

 

ーー面白いですねぇ。例えば、ステージ上だったり、テレビに出たりした時の乃々子さんのシャキッとしたモードと、グループ内でのちょっと甘えたりするモードがあって、家に帰るとまたさらにもう一段階緩まるというか壊れるというか(笑)。

 

佐藤:最上級。最上級に緩んでます(笑)。

 

ーー三段階で変身するわけですね?(笑)

 

佐藤:アハハ。そうですね(笑)。

 

ーーなので、家に帰ってからはもう酷いと(笑)。

 

佐藤:そうですね。本当に安心しきってます。

 

ーーソファでは朝を迎えることがあるとおっしゃいましたが、まさか玄関で朝を迎えることはないですよね???

 

佐藤:今のところないですね。夜中に気付きます(笑)。

 

 

取材・文
石川真男

RYUTist ライブ情報

『柳♡箱リモート2マンLIVE~ごきげんよう!ありがとね。~』
 
■配信日時
8月2日(日)
OPEN/12:50
START/13:00
 

■出演
ハコイリ♡ムスメ
RYUTist
 

■ライヴ配信視聴チケット
3,100円(税込)
ZAIKOにて7/14(火)20:00発売開始
↓詳細はイベントページをご覧ください
https://ryutist.zaiko.io/e/yanagibako
 

電子チケットは8月5日(水)13:00までご購入頂けます。
配信終了後、チケット購入者は8月5日(水)15:30までアーカイヴでご覧いただけます。

RYUTist 商品情報

■RYUTist 4th Full Album『ファルセット』

ジャケット

 
発売日:2020 年 7 月 14 日(火) 
品番:PGDC-0012 
価格:¥3,000(税抜価格) +税 

《収録内容》 
01. GIRLS(作編曲:蓮沼執太)
02. ALIVE(作詞:蓮沼執太/作編曲:蓮沼執太)
03. きっと、はじまりの季節 (作詞・作曲:弓木英梨乃/編曲:sugarbeans )
04. ナイスポーズ (作詞:柴田聡子/作編曲:柴田聡子)
05. 好きだよ・・・ (作詞:NOBE/作編曲:KOJI oba)
06. センシティブサイン (作詞:シンリズム/作編曲:シンリズム )
07. 絶対に絶対に絶対に GO! (作詞:藤村鼓乃美 ・ 北川勝利/作編曲:北川勝利)
08. 青空シグナル (作詞:清浦夏実/作編曲:沖井礼二 )
09. 時間だよ (作詞:Kan Sano/作編曲:Kan Sano)
10. 無重力ファンタジア (作詞:清浦夏実/作編曲:ikkubaru)
11. 春にゆびきり (作詞:パソコン音楽クラブ/作編曲:パソコン音楽クラブ)
12. 黄昏のダイアリー  (作詞:清浦夏実/作編曲:北川勝利・沖井礼二 )

 

 

 

佐藤 乃々子(さとう ののこ)

佐藤ののこ

誕生日:11月24日
イメージカラー:イエロー
新潟の好きなところ:食べ物がすごく美味しいところ
新潟の好きな食べ物:のっぺ

PROFILE

PROFILE
RYUTist

2011 年 5 月に行った「アイドルユニットオーディション」で選ばれたメンバーによって結成。

2016 年 4 月 24 日に横山実郁を加えて再始動。新潟市を表す「柳都( りゅうと)」という言葉に、「アーティスト」 を加え、「新潟のアーティスト」という意味を込めて「RYUTist」と名付けました。 メンバーはリーダーの佐藤乃々子、宇野友恵、五十嵐夢羽、横山実郁の 4 人組で、全員が新潟生まれ新潟育ち です。

新潟市古町7番町「LIVEHOUSE 新潟SHOW!CASE!!」を中心にライブ活動を行い、その他全国各地の各種 イベントにも出演しています。

2018 年には新宿 ReNY、2019 年には渋谷クラブクアトロにて自己最大規模のワンマンライブを成功。 幅広い世代のミュージシャンから提供を受ける楽曲の質の高さはアイドルファンのみならずかつての渋谷系、 ギターポップの系譜を好む音楽好きにも支持され、Spotify 公式プレイリスト「Best of 2018 Women’s Voice」 に「無重力ファンタジア」が選ばれるなど着実にその知名度を上げています。

佐藤 乃々子(さとう ののこ)

誕生日:11月24日
イメージカラー:イエロー
新潟の好きなところ:食べ物がすごく美味しいところ
新潟の好きな食べ物:のっぺ

宇野 友恵(うの ともえ)

誕生日:4月1日
イメージカラー:ピンク
新潟の好きなところ:山、海、川があって、四季がはっきりしてるところ!
新潟の好きな食べ物:新潟タレカツ丼

五十嵐 夢羽(いからし むう)

誕生日:1月5日
イメージカラー:グリーン
新潟の好きなところ:かわいいゆるキャラさんがたくさんいるところ
新潟の好きな食べ物:佐渡天然ブリカツ丼、新潟タレカツ丼、鯛茶漬け

横山 実郁(よこやま みく)

誕生日:11月24日
イメージカラー:ブルー
新潟の好きなところ:景色がきれい!、おいしいものがたくさん、長岡花火
新潟の好きな食べ物:お魚、お米、ラーメン、イタリアン、ぽっぽ焼き

公式サイト: https://ryutist.jp/