FEATURE
太田家 ライブレポート! 現実なんかすべて蹴飛ばし、全身全霊でぶつかる自分を本気で認められる、そんな自分を太田家が取り戻してくれる。だから、止まぬ熱狂の声を張り上げ続けていた。

デビュー日に当たる4月19日に、太田家がデビュー7周年を記念し、横浜ReNYβで「太田家七福神まつり」を行った。ここへ至るまでに太田家は、福を呼び込む六つのアクションを起こしてきた。そのうえで迎えたのが、この日だった。
場内に飛び交う「おおた」コールと鳴子の音。熱い声援へ導かれるように、4人がステージに姿を現した。おもむろに楽器を手にするメンバーたち。そして…。
太田彩華がマイクを右手で強く握りしめ、みずからの声を場内中へ響かせるように、アカペラで「気づきたくはなかったんだ」と歌い出す。誰もが、エモーショナルなその声に心惹かれながら、彼女をじっと見つめていた。「本当の気持ちを」と歌い終え、太田たけちゃんがカウントを叫びながら鳴らすのに合わせて、演奏は熱を放つように一気に駆けだした。飛び出したのが『星明かりのメロディ』だ。メンバーらが雄々しき声で「Oh!Oh!Oh!Oh!」と歌うその声と熱情した思いを重ねるように、場内中の人たちも共にシンガロングする。その瞬間から、この場に、気持ちを一つにした景色が生まれていた。太田彩華と掛け合うように、観客たちも歌う。そう、みんなが太田家のメンバーになって一緒に祭り上がる。これこそが、太田家のライブだ。一人ひとりが沸き立つ思いを4人の気持ちと重ねあわせ、心を一つに結び合おうと熱いシュプレヒコールを上げる。これを感じたくて、たくさんの人たちが太田家のライブの元に集まっては、いつだって一緒に祭り上がっていく。
先に生まれた勢いをさらにエモく彩るようにぶつけたのが、『君と世界制服』。太田彩華の歌声の絵筆と、軽快に駆ける演奏が、甘酸っぱい青春の景色を目の前に描き出す。太田彩華の歌声を追いかけるように耳にしながら、心をエモい気持ちで染め上げ、心地よく疾走する演奏に身を任せていると、自然と身体中が沸き立つ青春の香りに包まれだす。その感覚が、無性に気持ちを掻き立てていた。
この日から、メンバーらは新衣装姿。相変わらずテンションの高いMCだ。むしろ、その勢いを持って、熱狂というドラマをトークでも描き続けるところが太田家らしい。
今まで以上に激しい演奏が唸りだす。音の風を全身に浴びながら、太田彩華が「風を受けて」と『限界HIRO』を超絶エモーショナルな声で歌いだした。ヤバい、この時点で理性のストッパーが壊れ、燃え立つ感情が全身を駆けめぐり、冷静という言葉が彼方にふっ飛んだ。だから、太田彩華やメンバーらの煽りに合わせて一緒にシンガロングすれば、野太い声と張り上げ、高く拳を突き上げ、己の限界を超える勢いで高く跳ね続けていた。「Oh!Oh!」と叫ぶたびに気持ちが跳ね上がる。終盤には、誰もが高く拳を突き上げてシンガロングする景色が生まれていた。奮い立つ気持ちのボリュームを、限界まで上げて騒ごうじゃないか!
続く『鋼』でも、メンバーも観客たちも、全身全霊で奮い立てた声を上げ、力強く拳を突き上げ、「全身全霊」と叫びながら高く高く跳ね続けていた。曲が熱と勢いを増して爆走するのに合わせて、大勢の人たちがサークルを描くように場内中を駆け回り出す。参加型なんて言葉では物足りない。みんなで祭りを作り上げる。そう、それこそが太田家のライブの本筋だ。
続いて演奏をした『咖喱』は、カレーマニアな太田彩華だからこそ生まれたカレー愛に満ちた曲。じつは太田彩華、カレー好きのミュージシャンと料理人たちか集まる「東京咖喱喰部」のメンバー。大好きな食べ物への愛を歌にするだけでなく、この日は、関内はマリナード地下街にあるカレー店「パナス」のシェフを呼び入れ、七周年に合わせて七つのカレーのお弁当を客席で振る舞う遊び心も見せていた。スパイシーな刺激満載のスカパンクナンバーに乗せ、レッドホットな音楽の刺激を全身で味わいながら、ヒリヒリとするその興奮をお腹いっぱい味わい尽くしたい。
MCでは、横浜ReNYβが拠を構える関内駅周辺を盛り上げようと、今回、「マリナード地下街」とタッグを組んでいろいろ仕掛けたことを、メンバーが語っていた。
太田彩華がスラップするベースの演奏を合図に、フロア中にスリリングな演奏が流れだした。太田家がぶつけた『鶴雷』でも、観客たちが声を張り上げ、跳ねた演奏に合わせてバウンドするように高く高く飛び跳ねていた。熱いビートを真っ直ぐにぶつけるのも太田家なら、跳ねた演奏も組み込み、ファンキー&パンキーに身体も心も跳ねさせるのも太田家のスタイル。その懐深さを見せてくれたのが嬉しい。
ここで太田エリカ様のギターが火を噴いた。次に演奏をしたのが、太田エリカ様みずから作曲をしたインストナンバーの『to the FUTURE』。一つひとつのフレーズを奏でるたびに心が解き放たれ、大空を駆け回る気持ちになれる。ギターの旋律という翼を軽やかに羽ばたかせて、この空間を自由に飛び回る太田エリカ様の演奏に合わせて、観客たちもときに声を上げ、身体を揺らし、飛び跳ねながら、無限に広がる天空の世界で一緒に熱くじゃれあっていた。
心地よい解放感を身に覚えていた中、太田たけちゃんが超絶荒々しいドラムの演奏を全身全霊で叩き出した。太田エリカ様に続き、今度は太田たけちゃんが見せ場を作りだす。気づいたらそこには、太田たけちゃんと観客たちによる「Oh!」「Yeah!」の熱いやり取り生まれていた。情熱爆裂祭り野郎の太田たけちゃんらしいドラムソロだ。すでに熱情している観客たちの気持ちをさらに燃えたぎらせた太田たけちゃんは、ライブという物語を、次の熱狂を描くページを開く合図に繋げていった。
太田たけちゃんの猛々しいドラムビートを合図に、新曲の『疾風-ハリケーン』が飛び出した。太田たけちゃんが「Oh!Yeah!」と叫ぶ声に合わせて、同じように場内から熱い声が張り上がる。今まで以上に速度を増した演奏を通して、太田家はこの空間に音のハリケーンをぶち噛まし、観客たちが「Oh!Yeah!」と叫びながら、これまで以上に高く飛び跳ねる景色を作りあげていった。みんな完全に祭り上がっている。でも、祭りとはこうでなきゃ。現実というリアルを全て疾風に乗せて吹き飛ばし、心と身体が熱くなるままにはしゃぎ、暴れまくる。それこそが太田家のライブらしい、自分を青春時代に戻してゆく楽しさだ。
爆上がったうえで、あえてスリリングな空気を描くように『赤赤』をぶつけ、太田家は、観客たちに心地よい緊張感と刺激を与えていた。巧みに曲調の駆け引きを示しながら。でも、サビでは太田彩華と一緒にシンガロングしていたように、火照った気持ちを覚ますことなく刺激をぶち込み続けるところも、さすがだ。
MCでは、太田彩華が「大全肯定ポーズ」について語っていた。気になる方は調べてほしい(笑)。ここでは、ここから8年目がスタートすることへの意気込みをメンバーが語っていた。太田たけちゃんが語った「新曲が増えてきたから、音源化を求める」思いは、ぜひとも実現してもらいたい。
次のブロックでは、太田家もエンディング曲を演奏しているゲーム『SAMURAI MAIDEN -サムライメイデン-』の曲たちを届けようと、先に、太田彩華が作詞を手がけた、雅な香りも漂うオープニング主題歌の『DIVINE TUNING』を、太田家流のカバースタイルで演奏してくれた。曲が進むごとにエモさを増す展開に触れて気持ちが高まれば、巧みに転調もしながら高揚へと連れ出すドラマを描き出す。この曲でも、スリリングさとエモーショナルさ二つの面を巧みに折り重ね、桃源郷へと連れ出す魅惑的な刺激を観客たちに与えていった。
太田ひさおくんの奏でるピアノの音色が、雅で古の香りを場内中に匂わせる。美しい音色に心を寄り添え、しばしうっとりと酔いしれ、微睡みを覚える、このひとときが心地いい。儚くも美しいピアノの音色へ導かれるように、太田家は『言ノ葉ニ咲ク』を奏で出した。桜の花が舞い踊るこの季節にとても似合う、美しくも儚いバラードだ。一つひとつの言葉を詠むように、太田彩華が歌う。儚さを抱いた彼女の歌声に優しく、ときに艶やかな音色を持って寄り添う楽器陣。色とりどりの景色を瞼の裏に映しつつ、浅き夢みしひとときを身に感じながら、今はこの歌にずっと浸っていたい。
続く『無糖』でも、先に生まれた思いへ浸りながらも、次第にエモーショナルさを増していく、そんな哀切な思いを綴ったこの歌の世界にどっぷりと思いを浸らせては、チクチクと胸を刺す痛みに、今だけは抱かれていたかった。
ライブも最後のブロックへ。ここで太田彩華は、バンド活動という人生のツアーを続けていく喜びを、支えてくれるスタッフやファンたちへ感謝の思いにして伝えていた。そのうえで奏でたのが、やはりこの曲だった。
太田彩華のベース演奏へ寄り添うように、メンバーたちが音を重ねだす。一人ひとりが音と思いを重ねて演奏が生まれれば、その演奏を受け止めてくれる仲間たちによって、その楽曲が命を帯びる。『ツアーは続く』に触れるたび、シンプルながらも、その歌に込めた言葉にならないくらい温かい真心に気持ちが揺さぶられ、心を潤してしまう。歌心、歌の持つ力。それを、この歌が改めて教えてくれた。
「みんなの明日が、もっともっともーっと輝きますように」の言葉を合図に、太田家は眩い音の輝きを一つにして場内へ降り注ぐように『光れ』をぶつけてきた。それまで歌にじっくりと浸っていた観客たちが、ふたたび気持ちを熱く奮い立て、身体を揺らし、拳を振り上げ、声を荒らげ、魂を射抜くその光を強く求めるように騒いでいた。身体中からとめどなく熱く沸き上がる思いを、メンバーと観客たちがシンガロングし、一つの大きな熱狂にしていく。腰をどっしりと据えてギターを掻き鳴らす太田エリカ様の姿も格好いい。
最後に太田家は、これまで以上に絶叫と拳が突き上がる景色に染め上げるように『夏影方程式』をエモーショナルさ全開で届けてきた。ここにほしいのは何か?それは、共に魂を熱く奮い立てて騒ぐ熱狂と興奮だ。気持ちが本気で奮い立つ。だから、太田彩華が歌い叫ぶ姿に向けて、高らかに声を上げて歌わずにいられなかった。自分らしい姿で、終りを知らない青春の景色の中、ずっと少年や少女で居続けたかった。
アンコールで太田家が届けたのが、なんと、ウルトラセブンのテーマ『セブン』。しかもこの曲では、太田エリカ様がドラムを、太田たけちゃんがベースを、太田彩華がキーボードを、太田ひさおくんがヴォーカルとギターを演奏するパートチェンジ・スタイルで届けてきた。7周年のお祝いを、こんなにも遊び心を持った姿で伝えてくるとは。洒落たそのセンスもさすがだが、雄々しい声で高らかに歌いあげる、この場限りは少年に戻った太田ひさおくんの姿も、とても印象的だった。
ライブも、クライマックスへ。撮影解禁曲として届けた『シュプレヒコールが眠らない』では、大勢の観客たちがスマホの画面をステージに向けながら、「Oi!Oi!」と声を張り上げていた。さすがに撮影に気を取られている面もあったせいか、いつもよりも声が小さいのはごお愛嬌。それでも、シンガロングのパートでは、しっかりと声を上げるところが太田家のファンらしい。SNS上でエゴサすると、そのときの模様がアップになっているので、ぜひ観てほしい。
撮影で気を取られ、燃え尽き兼ねていた理由も加わったのか、最後にぶつけた『愛とアストロノミア』では、いつも以上に暴走爆裂した景色が、そこには広がっていた。どんなライブでも、この曲が流れたとたん、その場が爆上がり、眩しい熱狂の光が降り注ぐ青春時代の景色に巻き戻る。この日も、そう。いや、いつも以上に張り上げた「Oi!OiOi!」と「Oh!Oh!Oh!」の声が飛び交う、クソ熱くて、むさ苦しくて、汗くさい、部活動に全てを注ぎ込み、本気で青春をぶつけていた、あの頃の自分に戻ったような姿で騒ぎ祭っていた。でも、それがほしいんだ。現実なんかすべて蹴飛ばし、全身全霊でぶつかる自分を本気で認められる、そんな自分に、この曲を通して太田家が取り戻してくれる。だから、止まぬ熱狂の声を張り上げ続けていた。
最高の七周年ライブだった。そして、最高に熱い思いを胸に、8年目に、みんなで最強の一歩を踏み出せた日だった。


PHOTO: junpei yamada
TEXT: 長澤智典
セットリスト
『星明かりのメロディ』
『君と世界制服』
MC
『限界HERO』
『鋼』
『咖喱』
MC
『鶴雷』
『to the FUTURE』
ドラムソロ&MC
『疾風-ハリケーン』
『赤赤』
MC
『DIVINE TUNING』(カバー)
ピアノソロ
『言ノ葉ニ咲ク』
『無糖』
MC
『ツアーは続く』
『光れ』
『夏影方程式』
-ENCORE-
『ウルトラセブンのうた』(カバー)
MC
『シュプレヒコールが眠らない』
『愛とアストロノミア』
<インフォメーション>
【LIVE情報】

「YOKOHAMA ReNY beta presents majority blues vol.17」
6月2日(火) 開場17:45 / 開演18:15
[会場] 横浜ReNY beta
[出演] 太田家 / 平葵 / 長久玲奈 / 輪廻 / KuchiEL
[チケット] 前売り¥3,500 (ドリンク代別途)
https://eplus.jp/sf/detail/4519830001-P0030001

「RizM presents 獅子音Vol,34」
6月12日(金) 開場 18:00 / 開演 18:30
[会場] 青山RizM
[出演] 太田家/初音/ケミカル=リアクション/DooDooDooMiuMiuMiu
[チケット] 前売り¥3,500 / 当日¥4,000 (D代別途)
https://tiget.net/events/485219

「Mashup LIVE -異彩-Vol.42」
6月26日(金) 開場18:00/開演18:30
[会場] 渋谷REX
[出演] 月照ラス/太田家/Mellows/囁揺的音楽集団AsMR
[チケット] 前売 ¥4,000 / 当日¥5,000 (+D代)
https://r.funity.jp/mashuplive_vol42
公式HP:https://otaya-band.jp
公式YouTube:https://www.youtube.com/@otaya_band
公式X:https://x.com/otaya_band
公式FC「太田家家族会」:https://otaya-band.jp/community.php


