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2023.04.05
Aphrodite

過去にとらわれることなく、今のAphroditeで何をやっていきたいかが大事だと思っています。 Aphrodite インタビュー・1

 新生Aphroditeになって、早一か月強。彼女たちは現在、毎週月曜日、新宿HEISTを舞台に「新生Aphrodite単独定期公演~女神の目覚め~」を行っている。4月より、毎週異なるゲストを1組招聘。そのスタイルのまま1年間走り続ける。さらに、5月より、毎月第4金曜日に浅草VAMPKINでワンマン公演を行う形で進めようと動いている。
  今回、グループを代表し、九十九メア、桜城すず、夜縋らるむ。そして、Aphroditeの安元プロデューサーが参加。Aphroditeが今、どういう意識を持って活動しているのかを伺った。


以前のAphroditeは、「いくらでもかかってきなさい」と構えてゆく強さがありました。今のAphroditeは、私たちから「攻めてゆく」姿勢でいます。


――それぞれ、新生Aphroditeへの加入の経緯から教えてください。

九十九メア  わたしは、4-5年前からAphroditeさんのライブを拝見させていただいていれば、楽曲自体もよく聴いていました。その当時から、他とは異なる音楽性やライブ姿、活動などを側で見ていたから、今、こうやって新生Aphroditeのメンバーになれたことが素直に嬉しいです。

桜城すず   わたしは、以前のAphroditeのことはまったく知りませんでした。加入のきっかけは、プロデューサーに声をかけていただけたこと。それをきっかけに、Aphroditeの情報を集めていく中で、「このグループ、いいなぁ」と思ったことが加入を決めたきっかけでした。ただし、すぐに返事をしたわけではなく、いろいろと思いを巡らせてゆく中、ここからアイドルとして新たな自分の道を作っていくのも良いんじゃないかと思って加入を決意しました。

夜縋らるむ   わたし、もともとクラシックバレエを10年間やっていました。だから、舞台に立つことが昔からすごく好きだったし、アイドルにも興味があったので憧れは持っていました。ただ、10代の時期に体調を崩し、舞台に立ち続けることが叶わなくなり、バレエを辞めれば、こういった活動への憧れはあっても、目指す意欲は失っていました。そこからしばらく遠ざかっていた中、とある縁からプロデューサーに声をかけていただき、これはやるしかないと思ったのが、アイドル活動を始めるきっかけでした。
  アイドルと言えば、キラキラとしたかわいい系の人たちが多いじゃないですか。でも、Aphroditeはそことは異なる世界観を持っていますよね。わたし自身、ゴスの世界観が好きだし、そういう世界に没入したい気持ちがあったことも、「ここでアイドル活動をやるしかない」と思った理由の一つでした。今、Aphroditeのメンバーとして活動が出来て最高だと思っています。

 

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九十九メア 

 

――以前のAphroditeと、新生Aphroditeの違い。それも、ぜひ教えてください。

九十九メア   以前のAphroditeは、「いくらでもかかってきなさい」と構えてゆく強さがありました。今のAphroditeは、私たちから「攻めてゆく」姿勢でいます。そこの違いは、だいぶ大きいと思います。

桜城すず   確かにね。殺られたら殺り返すじゃないけど、「こっち側から積極的に攻めていかないと、逆にやれてしまう」。そういう意識で、メンバーみんなステージに立っています。だから毎回、メンバー一丸となって「やったるぞ!!」という攻めの姿勢で、お客さんたちにけしかけています。

夜縋らるむ   以前の活動のときは踊ることも多かったと思うんですけど。今のAphroditeは、お客さんと一体になって声を張り上げてゆくライブが中心です。そのスタイルは、舞台に立っている私たちも楽しいし、お客さんたちも楽しんでくれている。そのスタイルを今のAphroditeは突き詰めています。

 

――お客さんたちも、毎回のライブごとにバチバチとぶつかりあってきますよね。

夜縋らるむ   アイドル活動が初めてのわたしにとっては、すべてが初めての経験。毎回模索をしながらやっていますけど。でも、いつだってバチバチしたライブをやっていきたいです。

九十九メア   会場の新宿HEISTは、後ろのほうのお客さんの表情も見えるくらいの距離感を持てる場所。だから、ステージに上がると自然にスイッチが入り、めちゃめちゃ気合が高まります。もちろん、前で騒いでるお客さん方とバチバチやりあうのも楽しいですが、後ろで見てくださっている方々の楽しんでいる表情を見るたびに、やっぱし嬉しくなります。

桜城すず   気合の入ったお客さんとバチバチしあうのは楽しいですね。むしろ、もっと来てほしい。わたし自身は、以前のAphroditeさんのことを知らないし、もちろんライブだって生で見たことがないからこそ、過去にとらわれることなく、今のAphroditeで何をやっていきたいかが大事だと思っています。やっている曲は一緒でも、気持ちのうえでは別物のAphroditeだと思っているからこそ、もっともっとお客さんとぶつかりあえるライブをしていきたいし、それをもっと求めていかなきゃいけないなと思いながらやっています。

夜縋らるむ   そのスタイルこそがめちゃめちゃ楽しいんです。お客さんが、私たちに合わせて拳を振ってくれるたびに「楽しい!!」という気持ちに染まれます。もちろん、後ろでじっと見てくださる人たちも楽しんでんいただけているのは伝わるから、新生Aphroditeのライブの場は、無理に強制することのない、それぞれが自由に楽しめる場であってほしいし、そういうライブを心がけています。

 

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桜城すず

 

今は、メリットの強みをすごく感じています。それが、私たちを目的に観に来てくださるからこそ、毎回のAphroditeのライブ姿を真っ直ぐに評価していただけること。

 


――新生Aphroditeは、最初から単独公演というスタイルでスタート。4月からは、毎回、1グループ共演する方はいますけど、基本はそのスタイルで1年間続けると聞いています。Aphroditeの世界観をどう作りあげてゆくのかは、けっこう大変なことでしょうか。

九十九メア   今でこそ、毎回共演してくださる方がいますけど。最初からずーっと単独のスタイルで活動をさせていただけるのは、すごくありがたいことだと思っています。逆に、私たちたちが、来てくれた人たちをどれだけ満足させられるのか。そこが、すごく難しいことだとも感じています。対バンの場合、いろんなグループさんを見れたことでの満足感があると思うんですけど。今は、約40分というAphroditeだけのライブの時間の中、どれだけ全力でぶつかりあい、満足してもらえるのか…。その難しさを感じながら、今は、自分たちも成長や進化を重ね続けています。

桜城すず   ライブ本数を重ねるたびに楽曲のレパートリーも増やしていますが、まだまだライブで自信を持って伝えられる曲数にも限りがあるから、今は、1ステージの中で同じ曲を繰り返すこともありますけど。毎回来てくださる方や、定期的に足を運んでくれる方がいるからこそ、「以前とは違う自分たちをどう見せてゆくか」が、自分たちの中でも毎回の課題になっています。今は、そことの戦いもある中で、やり続けています。

夜縋らるむ   わたしの場合、Aphroditeが初めてのアイドル経験だから、何が普通や、どれが基準なのかもわからないですけど。自分たちの公演を毎週やれることのありがたさは、すごく感じています。その中から見えてくるメリットやデメリットもいろいろありますけど。今は、メリットの強みをすごく感じています。それが、私たちを目的に観に来てくださるからこそ、他と比較するのではなく、今の、毎回のAphroditeのライブ姿を真っ直ぐに評価していただけること。その変わり、その評価が低ければ、次回のライブの動員にもそれがダイレクトに繁栄もしてゆく。そこをどう乗りこえてゆくかが大変だなとも感じています。

 

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夜縋らるむ

 

――毎回、単独公演をやると聴いたとき、どんな風に思いました?

夜縋らるむ  メンバーみんな、スーッと受け止めていました。

 

――なぜ、Aphroditeだけの公演を毎週行う形を取ったのか、そこを教えてください。

安元プロデューサー  単独公演にこだわった最大の理由が、主催イベント以外の場に出る場合、自分たちの持っているポテンシャルなどの評価とまったく関係ないところで、「このユニットはこうだから」と求めてもいない評価や基準を勝手に決めつけられてしまうこと。最初の数年間は、「でも、それが対バンイベントだから仕方ない」と飲み込んでいましたけど。コロナ禍の時期に突入して以降、そういう評価を受けることに、僕自身がすごくアレルギー反応を起こすようになりました。だから、新生Aphroditeを始めると決めたときから、「グループの土台がしっかりと固まるまでは、余所のイベントには一切出ない」と決めていました。そうすることで、本当にAphroditeが好きな人たちや、Aphroditeに興味関心を持った人たちだけがライブに来れば、そのときごとにAphroditeのライブを見てくださる人たちが実直に力を評価し、また来たいか、もういいやと思うのかの判断をしてくださる。比較されるとしても、それは、このシリーズの中で行った彼女たち自身のライブにおいてのこと。他と比較されないというのは、グループの成長にとってもすごく大事なことなんです。他者との比較は、成長の妨害にしかならない。だからこそ、このスタイルを取ったわけです。
   そのスタイルで1年間やっていくと決めたのも、つねに以前の自分たち自身と戦いながら高めあってゆくことが大事だし、Aphroditeを好きなお客さんたちと一緒に高めあい、戦いながら成長してゆく。その結果として、Aphrodite自体もそうだし、お客さんたちを巻き込んだフロアの状態がどう成長していくのか、僕自身、それを見てみたくて始めました。

 

――比較はされないけど、出会いの機会も減りますよね。

安元プロデューサー   そこは、SNSを通して対応していきます。以前のAphroditeの活動時からわかっていたことですけど。来てくれた人たちの集計を分析すると、対バンで気になって観に来たお客さんたちよりも、SNS上にアップしていたライブ映像や情報などを通して興味を示し、それで観に来れば、そこで好きになってファンになった人たちの数のほうが圧倒的に多いんですよ。
   それでも、コロナ禍前はライブでお客さんを取るという形を軸においてやっていましたけど。コロナ禍以降は、SNSを通してファンになってくれた人たちが中心なら、そっちにシフトしようと。というのも、毎週何本もと数多くのライブ本数をやっていると、日々のことに追われて、SNSの更新も含め、そちらで仕掛けようにもじっくり取り組む余裕がなくなるんですね。その反省点もあったことから、新生Aphroditeを始めると決めたときから、ライブも週に1本、月に4-5本の定期公演だけにと決め、そのぶん、1本1本のライブの宣伝に一週間しっかりと時間を費やしていこうと決めて、今もやり続けています。

 

――その成果は、形になって出てきています?

安元プロデューサー  新生Aphroditeのスタートを切ったライブのときは、会場がパンパンになるほどの人が来てくれました。そこからは、週によって動員のばらつきはありますけど。でも、毎回何人かでも新規のお客さんたちが確実に来てくれている。もちろん、情報源はSNSなわけです。しかも大きな特徴が、新規の人たちが「誰推しで来たのか」を調べると、メンバー推しではなく、グループ推しなんですよ。つまり、まずはAphroditeの存在を気になって足を運んでくれている。そのうえで、メンバー推しにもなっていくわけです。もちろん、以前からAphroditeの存在を知っていたり、久しぶりに来てくださる方々もいるから、すべてがSNSというわけではないですが、少なくともAphroditeのライブに足を運ぶ誘発剤にSNSがなっているのは間違いないです。

 

――メンバーのみなさん、もっとライブをやりたい欲求はないのでしょうか。

九十九メア   ライブ活動自体が好きだから、もちろんライブをやりたい気持ちはありますけど。でも、なぜAphroditeは週1回というペースでライブ活動を行うのかの意味をわかっているから、今のやり方に…

 

(2回目に続く)

 

4

 


TEXT:長澤智典


★インフォメーション★

新生Aphrodite単独定期公演
~女神の目覚め~
毎週月曜日
新宿HEIST


SNS

https://twitter.com/aphrodite_idol
 

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