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2022.03.25
BLACKNAZARENE

4周年公演「奇祭Ⅲ〜BLACKNAZARENE Anniversary Oneman LIVE〜」公演レポート 

 BLACKNAZARENEが誕生したのが、2018年3月。それから毎年3月に周年公演「奇祭」を行ってきた。いや、行おうとしてきたと言ったほうが正解だろう。2019年3月、新宿BLAZEを舞台に「奇祭」を開催し、チケットをSold Out。続く2020年3月には、恵比寿LIQUIDROOMを舞台に「奇祭Ⅱ」を実施。チケットはSold Outしていたにも関わらず、今も世間を振り回し続けているコロナ禍によりライブは中止に。メンバーの卒業などもあり、同年6月にBLACKNAZARENEは「The beginning」を手に新体制として踏み出すが、またも暗礁に乗り上げることに。それもあって、2021年3月には、周年公演の開催もあきらめざるを得なかった。
  一時期は活動休止の窮地にまで追い込まれそうになっていたBLACKNAZARENEだったが、2021年5月に現在のメンバとなり、改めて活動の意志を、ライブ姿を見せることで力強く示してきた。
 2022年3月17日(木)、BLACKNAZARENEはSpotify O-EASTを舞台に4周年公演「奇祭Ⅲ〜BLACKNAZARENE Anniversary Oneman LIVE〜」を行った。チケットはSold Outを記録。前日には最新シングル「lord of the fate」を発売するなど、ようやくBLACKNAZARENEは確かな自信と未来へ向かう強い意志を持って、この日を迎えていた。MCでは、本番直前まで緊張していたことをメンバーらが語っていた。それだけ彼女たち自身も、この日を心配なく迎えられることに安堵と嬉しさを覚えていたからだろう。


  轟音SEに乗せ、舞台の前を覆った巨大な白い幕の内側に次々と映し出されるメンバーらのシルエット姿。ライブは、期待と興奮を起こす形を持って幕を開けた。

  真紅の新衣装に身を包んだ6人が最初に歌ったのが、2021年12月に新体制第一弾作として発売した「URGE」のC/Wに収録した「PARADOX」だった。この日のライブは、新体制になって以降に発表した楽曲を中心に構成。2曲目に「Stray straight」を歌っていたように、間に間にBLACKNAZARENEの歩みを彩った曲たちを挟みながら進行していった。
  最初のブロックでは「PARADOX」「Stray straight」「BAD END」と、ライブ空間に熱狂を生み出す激しい楽曲たちを並べていた。メンバーらも、奮い立つ感情を楽曲に乗せ凛々しくぶつける姿をどの曲でも提示。どんな逆境に身を置こうとも自分たちは強い意志を持って突き進む姿勢を、6人は気迫漲る様を通して知らしめてきた。

  次のブロックでは、発売したばかりの最新シングル「lord of the fate」に収録した3曲を歌唱。先に、C/Wに収録した「Twilight zone」を通し、心の奥底に渦巻く痛く切ない想いを、悲哀を抱いた表情で歌いかけてきた。体感的かつ感情を露にする姿も魅力だが、歌声を通して心の揺れを伝える様にも、気持ちはしっかり揺さぶられていた。
  続く「lord of the fate」「faith」では、ラウド/エモーショナルな音楽性を魅力に、もがき、葛藤してゆく中でも確かな意志を胸に突き進む姿を、6人は感情を剥き出した様を通して伝えてきた。逆境の中からでも夢を求める姿や、ネガティブな自分を認めたうえで輝きをつかもうとあがく様こそ、むしろBLACKNAZARENEらしいのかも知れない。

  映像を挟み、ライブは後半戦へ。披露したのが、メンバーの卒業などいろんな局面を乗り越え、ここから新たに走りだそうと希望を胸に歌った「The beginning」。この時期も、希望を胸に、この曲を合図に走り出そうしたが、様々な困難により、さらに窮地へ陥ることになったのも皮肉だった。むしろ、今のメンバーが揃い、新体制として歌うことで、「The beginning」に込めた想いが本当に意味を持って心に届きだしたようにも感じる。
  続く「アクアマリン」で、歌心を持った面を提示。ここでも、改めて良質かつ心打つメロディアスな楽曲も魅力にしている姿を見せた。揺れ動く気持ちに合わせ歌う姿にも、心はずっと惹かれていた。
  終盤では、「未完成」「Official Fake」「BLACK SUPERNOVA」と、BLACKNAZARENEのライブに熱狂を描き続けてきた攻撃的な楽曲を3連打。感情を剥き出した彼女たちの気迫に刺激を受け、フロア中の人たちが高く拳や、手にした白いペンライトを掲げ、力強く突き上げていた。

  アンコールでは、今のBLACKNAZARENEはここから始まったと伝えるようにと、新体制初ライブの1曲目に歌った「Hearts」を歌唱。さらに、新体制第一弾作に収録。今のBLACKNAZARENEの姿勢を強く打ち出した「URGE」「Throne」を熱唱し、自分たちの存在意義や、突き進む姿勢をまざまざと示していった。


  この日のライブの模様は、初夏にLIVE DVDとして発売になる。さらに、10月30日にEX THEATER ROPPONGIでの新たなワンマン公演も発表になった。勢い良く駆け続けるBLACKNAZARENE。その姿を、引き続き追いかけたい。


LIVE

TEXT:長澤智典


セットリスト
「PARADOX」
「Stray straight」
「BAD END」
「Twilight zone」
「lord of the fate」
「faith」
映像
「The beginning」
「アクアマリン」
「未完成」
「Official Fake」
「BLACK SUPERNOVA」
-ENCORE-
「Hearts」
「URGE」
「Throne」


SNS
https://blacknazarene.tokyo/
https://twitter.com/blacknzrn
https://www.youtube.com/channel/UCxcGXBlNSxi2JNU4m8dzNDw
 

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