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2020.12.22
kolme

kolme単独公演「Ultra kolme」ライブレポート -何かを届けたい気持ちが私たちの原動力です-

kolmeファンには、馴染みの会場 ヤマハ銀座スタジオ、kolme単独公演はUltra kolmeと題し、有観客では、実に約10ヶ月ぶりのライブとなった本公演。2部制となるこの公演は、なんと1曲もかぶりなしというチャレンジングな内容となっている。1部では、比較的懐かしい楽曲が多く、kolmeとしてターニングポイントとなった曲たちが多めに届けられ、2部では、最新のkolmeをかたどる楽曲を届ける構成となった。2部についてレポートしよう。

 

この日の会場は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、各部ともキャパシティ50%以下の40席限定で着座、そして距離をとったレイアウトとなっており、ステージを中心に放射線状に配置された座席は、さながらジャズバーのような空気さえ感じる。そしてチケット制ライブ配信も同時に行われ、全国からも視聴できる配慮がなされた。

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会場が一気に暗くなり、SEが流れる。眩しいくらいに光るステージに彼女たちは現れた。

夜の部の衣装は2019年末「kolme Live Museum - Do you know kolme? -」にて披露されたのもので登場。オリエンタルな雰囲気も漂うこの衣装は、kolmeのワールドワイドへ羽ばたく意識を感じる。

 

ライブは「Deep breath」のしなやかなイントロからスタートする。1部を終えたからなのか、久しぶりの単独公演とは思えないくらいの柔靭な動きを見せる。いやそれ以上かもしれない。もともと日々の鍛錬の成果もあるが、この日に合わせて仕上げてきたのが如実にわかる。この振り付けは、ただ合わせればいいだけではない、しなやかさ柔軟さが質を決めるダンスなのだ。それを、変わらず難なくこなす彼女たち。むしろ表現としては、ゆったりと見え余裕すら感じる。

 

続いて、「Say good bye」へと、ミディアムテンポが続く。しなやかな動きで魅せる。強い女性を表現するこの曲、歌詞の世界に自分達を寄せるのではなく、今の自分達のそのままの姿をさらすように内からあるものを表現する。まるで、私たちは私たちよ!と言わんばかりに。ここから徐々にギアが上がる「You donʼt know me」だ。ビートが気持ちよく、リズムに合わせて体が動く。小刻みにキメくるドラムに合わせて、会場にパフォーマンスをぶつけてくる。今日のステージはMIMORIが引っ張っているように見え彼女の調子が上がるとともに、RUUNA、KOUMIのパフォーマンスもさらに熱がこもる。

 

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KOUMIは、この日も自由だ。彼女らしく自分らしさを追求しているパフォーマンスに、強くなったボーカルが乗る。彼女の魅力の一つ、ダンスは変わらずのクオリティだがキレがさらに上がっているのを感じる、しなやかさに加えて止めの良さが増している。MIMORIは、力強いダンスパフォーマンスと透きとおるようなボーカルの持ち主、kolmeではバランス型というべきか、彼女の特徴は、芯が通ったダンス、リズムを外さないその動きはいつ見ても気持ちがいい、自分なりのこだわりのパフォーマンスをステージではいつも見せていたが、この日は他の2人の動きをより感じ、ステージを支配しているように見える。RUUNAは、唯一無二のその歌声が魅力。少しかかる声が、一度聞いたらクセになる。耳の奥をくすぐるボーカルは、今日も健在だ。感情豊かなその声は、その日の感情によってしなやかに変化する。毎回同じとないRUUNAの表現こそがライブ感だと感じる。外柔内剛ともいうべきか、穏やかな中に彼女の胸の奥に潜む想いはステージの端々から伝わる。

 

MCを挾み、雰囲気を一転「Bring you happiness」。kolmeの中でも、POPな要素が強い楽曲だ。いつも笑顔に変えるメロディー 君の元へ届けたいよ、と会場からその向こうで配信視聴している方々へ向けて、笑顔を向ける。そして、マイクスタンドが用意され「My everything」ファンにはお馴染みの手振り、両手を使いみんなで一緒に踊りたいという思いで作られた振り付け、座っていても楽しめる。より一体感を感じるようにとスタンドマイクを使う心遣いがにくい、客席をしっかり向いて歌う姿は、今日のライブを楽しみにしているみんなへありがとうを届けているようだ。

 

そして、冬にぴったりな2曲を持ってきましたと「Hello No Buddy」へ。今のkolmeを、新たな段階へ上げた曲だ。RUUNAをメインボーカルとしたこの曲は、洗練されたサウンドと切ない歌詞が特徴のミディアムラブ・バラードで、複雑な女の子の心境を表現する。それは、まだ見ぬこれから出会うファンへ向けているようだ。「Why not me」へ続く、この2曲は、2年前にグループ名をcallmeからkolmeへ改めた前後の曲。彼女たちの今まで歩んできた道程を大切に、これからもまだもっともっと「kolme」と呼ぶ声が増えるようにと、そんな風に聞こえた。

 

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続くは、「Wonderland」KOUMIの振り付け講座もあり、体をほぐすように一緒に踊ろうと始まる。現実逃避をテーマにしたこの曲は、ブレイクタイムというべきか、ポップなメロディにただ体をあずける。物語性の高い振り付けは、見ても楽しさを煽る、手繋ぎなど見所の多い振り付けに、釘付けになる。「The liar」と、セットリストに緩急をつけてくる。ダンサブルな展開に、kolmeらしい鍵盤のアレンジ、そしてRUUNAのジャジーな歌い方に痺れる。その声に会場中がクラップで応える。ライブはこうやって、ステージと客席の掛け合いがあって完成するのだと、強く感じる瞬間だ、ここにいる全てがkolmeに集中していると伺えるこの空間が気持ちいい。「Gotta look」クラップを誘い一体感がます。EDMなテイストのこの曲で、ライブもテンポアップする。『聞こえてくる胸の中 私のための居場所はここだけ』、と、自分たちの居場所(ステージ)をたしかめる。間も無く6周年を迎える彼女たちは、これからも、もっともっと自分たちを広めていくために前を向いて進んでいく、そんな決意を感じ、MIMORIの歌声も感情的になるのを耳にする。この曲に限らずだが、kolmeのステージは、常に"最高"を求めてくる、だから見るたびにダンスがアレンジがアップデートされていく、だから毎回目が離せないのだ。「Repeat」優しい笑顔で歌を届ける、幸せを振りまくようなその姿につられて笑顔になる。何度も困難を乗り越えて、ここにたどり着いた、苦労を知っているものだけが振りまけるような表情に、涙がこみ上げてくる。

 

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代表してRUUNAから、最後のメッセージを伝えられた。

「この出来事があって、私たちにとっても忘れられない一年になりました。マイナスなこともあったけど、その分、気づけなかったことや、3人で話し合う時間も増えたり、プラスな時間も増えました。

今までも、音楽の力は、すごいと思ってたけど、それ以上にすごいと思える期間でもあり、みんなに何かを届けたいって気持ちが私たちの原動力なんだなと改めて感じる期間でした。今日、画面越しでもこうやって同じ時間を過ごせることに感謝です。ありがとうございました。」

 

今みんなに伝えたいことを最大限、曲に込めたものをお届けします、と「See you feat. fox capture plan」。繰り返される鍵盤のメロディが、巡る想いを感じる。内側に向くような想いを感じるように、スっと踊り始める、ずっと空を見つめ何も見ないまま、手を足を動かす。『失くした合言葉 思い出すよ』 と鍵盤が弾ける音とともに前を見つめる。『心繋ぐ Have a good time』 と歌うとき、一斉にファンへ目を向ける。みんながいるから、私たちはいるんだよ、上を向くよと。ゆびきりのてぶりをするとき、彼女たちは、ずっとずっと遠くを見つめていた。そして広げた手は未来に向かい大空を羽ばたく姿のように見えた。

「また明日」で会おうよ と手を振る姿に、涙が止まらなかった。

 

取材・文:もりたはぢめ

 

<セットリスト>

01.Deep breath
02.Say good bye
03.You donʼt know me
04.Bring you happiness
05.My everything
06.Hello No Buddy
07.Why not me
08.Wonderland
09.The liar
10.Gotta look
11.Repeat
12.See you feat. fox capture plan

 

<インフォメーション>

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