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2025.06.06
奏音コレクト

奏音コレクト「KANONCOLLECT 2nd Anniversary LIVE ~かのんちゃん2才になりました~」レポート! 2年間の愛が弾けた夜

2025年5月31日、代官山SPACE ODDにて奏音コレクトの2周年ワンマンライブが開催された。奏音コレクトとファンが共に歩んできた2年間。そのすべてを確かめ合うような、熱く心を揺さぶる一夜となった。その姿、その空気、その想いを、ここに届けたい。


熱のこもったSEが響き渡り、メンバーの登場を待つ会場は、期待と興奮に満ちていた。
2周年。その特別な節目を迎えるライブが、ついに幕を開けた。
期待に火をつけるように、右柳実琴の伸びやかな歌声から『助けてとすがったあの頃の私は消えた』が始まった。地響きのような大きなコールと力強いメンバーのパフォーマンスで、お互いが真正面からぶつかっていく。ステージの上で強く手を掲げ、まっすぐに放たれるパワーは、まるであらゆる逆境や困難を断ち切っていくようだ。その熱量に、ファンも負けじと応える。声を張り上げ、全身で熱気をぶつけ返す。振り向きざまに放たれる視線には、この2周年に懸ける強い覚悟がにじんでいた。その目は真剣で、まっすぐで、揺るぎない。言葉を交わさずとも、その眼差しが、ファンの心にも火をつけた。1曲目から、会場は最高潮の熱気に包まれていった。

立て続けに始まったのは、『ココロオドル』」強気な空気に包まれていたステージが、一気に明るくポップな世界へと塗り替えられる。弾ける音楽、弾けるメンバーの笑顔。その姿に、ファンの心も自然と弾けていった。「迷わずにjump×2弾き飛べ」のフレーズ通り、体も気持ちもじっとしてはいられない。ファンとメンバーは、にぎやかな船に乗り込んだ仲間のように、未来へ向かって勢いよく進んでいく。メンバーに合わせて手を横に振るファンの姿は、まるで船の甲板で開かれる大きな宴のようだ。落ちサビでは、中村舞彩のまっすぐ突き抜けるような歌声が、船の中で繰り広げられた宴ををひとつにまとめていく。気づけば、笑顔と音楽に包まれながら、心はもう次の景色へと進んでいた。3周年という大航海へ。ファンとメンバーが心を躍らせながら向かう先は、明るい未来だ。

3曲目は『限界領域』。スモークが立ちこめる中、立ちはだかるその姿は、誰にも止められないほどの存在感を放っていた。それでもファンはひるまず、コールもどんどん熱を帯び、野太く響いていく。「踊れ 踊れ」のフレーズに合わせて、全力でペンライトを振るファンたち。四方八方から繰り出される強気なパフォーマンスに真正面から応えるその姿は、まさに魂と魂のぶつかり合い。会場の熱は、すでに限界領域を超えていた。

熱が冷めるヒマなんてない。『絶対無敵のチェッコリッサ』では、メンバーが手で銃を構え、ファンを撃ち抜くような振り付けでスタート!まだまだ、奏音コレクトとファンたちのぶつかり合いは続いていく。アップテンポなメロディに乗って駆け抜けるメンバーらに、ファンたちが全力でついていく。間奏では、メンバーとファンらによるダンスバトルが勃発。熱気はさらにヒートアップ。サビでは一転、キュートなメロディで会場ごと巻き込んでいく。強気とかわいさのギャップに、完全に撃ち抜かれる。覚めない熱が、さらに勢いを増して燃え上っていく、そんな1曲となった。

続いて『満開』を披露。奏音コレクトの代表曲ともいえるこの楽曲に、彼女たちは2周年ワンマンライブの本気をぶつけていく。無駄のない動きの中にしっかりと力強さが宿っている8人の揃ったダンスに、自然と視線が吸い寄せられる。「奏音コレクト」と歌うメンバーの姿は、これまで幾度となく咲いてきた花が、2周年というこの瞬間に、またひとつ大きく開いたようだった。8人それぞれの花弁が重なり合い、一つの花としてステージの上で鮮やかに咲き誇り、ファンたちの心にその輝きを真っすぐに届けていた。

ここからは、企画コーナー「可愛いは作れる対決」へ。メンバーたちは2チームに分かれ、シチュエーション対決・ファッションショー・パフォーマンスの3本勝負を行い、 “どちらがより可愛いか”をファンの反応で競い合う。
くすっと笑えるやりとりから、ときめく表情まで、ステージ上は終始あたたかな空気に包まれていた。中でも一際盛り上がりを見せたのが、最後のパフォーマンス対決。
   先攻チームは、中村舞彩、小椿ねねか、白部由依、菖蒲奈緒の4人。選んだ楽曲は『可愛いだけじゃだめですか?』。小椿ねねかの甘い歌声に、中村舞彩のくるくる変わる表情、白部由依の柔らかな動き、菖蒲奈緒のあざとくも自然な魅せ方。それぞれの可愛いが詰まったステージに、ファンからも期待の視線が集まる。甘くとろけるような空気の中、誰もがそのあざとくもしなやかな表情に釘付けになり、目を離すことができなかった
  後攻チームは、右柳実琴、瀬渡陽菜梨、栗永莉有、中村優彩の4人。披露したのは、『行くぜっ!怪盗少女』。メンバーの全力パフォーマンスに、ファンも一緒にダンスし、メンバーコールを響かせる。一緒にダンスするファンの姿も多く、会場全体が一つの大きな塊となって動き出す。圧倒的な勢いと一体感。それもまた、可愛いの形だった。先攻チームのとろける可愛さとは対照的に、後攻チームは一体感と勢いで魅せ巻き込み型の可愛さを全力で届けていた。客席とステージがひとつになったこの空間には、熱と笑顔が満ちていた。
勝者は先攻チーム。勝った4人が1列目に立ち、披露された『snowjewel』。新しい水色の衣装に身を包み、ふわりと立つその姿に、空気が透き通っていく。さっきまでの熱気がすっと引き、会場全体がやわらかく、静かな空気に包まれていった。爽やかなメロディに、甘く澄んだ歌声が重なり、まるで水色の妖精が舞い降りてきたかのような感覚。ファンもステージをじっと見つめ、その行方を追い続ける。落ちサビでは、中村舞彩のとろけるような歌声がそっと降り注ぎ、心を優しく撫でていく。その瞬間、客席から高く掲げられた手が伸び、まるで妖精に触れたくて手を伸ばすように、愛がステージへ届けられていた。

次のブロックは、『人類トモダチ』からスタート。イントロが流れた瞬間、会場の空気が一気に明るく弾ける。サビ前の手拍子では、メンバーとファンが完全にシンクロ。音楽をともに作るような一体感が広がっていく。サビでは、メンバーが左右に動くたび、ファンも自然とついていく。会場全体が大きな波のように揺れ、熱が一方向にまとまっていく感覚。前半でぶつかり合っていたファンとメンバーも、今やみんな“トモダチ”。「ワンツー!イヤホイ!」の声も綺麗に揃い、音も動きも、全てがぴったりと重なった。楽しさでライブ会場をぶち壊すような、最高にピースフルな一曲となった。

続けて始まったのは、『かまちょい』。甘い歌声が広がると同時に、会場の空気もふわっととろけていく。さっきまで“トモダチ”だった関係性が、いつの間にか“愛おしい恋人”へとシフトしていくのがわかる。ステージの上では、メンバーが全力で「大好き!もっとかまって!」を届けてくる。その姿はあざとくて、でも真っ直ぐで、愛おしさ全開だ。そんな気持ちに、ファンも迷うことなく応える。まるで全員で甘いデートをしているような、笑顔に満ちたやりとりが続いていく。「超かわいい!」とコールが飛び交い、ステージとの距離がぐっと縮まっていく。落ちサビでは、大きなクラップが鳴り響き、ファンはメンバーのわがままを全部受け止める“最高の恋人”になっていた。この曲に流れていたのは、ただの可愛さじゃない。「好き!」を全力で届けて、「好き!」を全力で返す、両想いの時間だった。

次に歌ったのは、『はっぴーらいふぱっちわーく』。ふわっとゆるいメロディが流れ始め、まるで異世界に迷い込んだような感覚に包まれる。と思ったのも束の間、メンバーが突如激しく踊り出し、ステージの空気が一変。全身を使って「ハッピー!」を届けるそのパフォーマンスに、ファンたちも自然と笑顔になっていく。それぞれが思い思いの動きで、全力で自分のハッピーを表現していたのも印象的だ。会場をぐるぐると走り回るファンたちの姿は、日常から解き放たれて、全員で非日常を全力で楽しんでいる空気があった。ポップなメロディに乗せて、思わず口ずさみたくなるような歌詞とキュートなダンス。心のもやもやがすーっと軽くなるような、まさに最高のデトックス。最後はみんなで「ぱっちわーくダンス」を揃えて締めくくり、笑顔と多幸感がステージから会場中に広がっていた。

次のブロックは、『愛言葉』からスタート。ステージからの甘い告白のような歌い出しに胸が高鳴る。客席からはしっかりと愛を伝え返すコールが響く。この曲は、ファンとメンバーが言葉で愛を交わす、大切な時間だった。ステージ上では、キュートな振り付けに笑顔を添えて、全力で“好き”を伝えてくるメンバーたち。その仕草ひとつひとつが本気で届けようとしていて、自然と胸が熱くなる。落ちサビでは、メンバーがゆっくりと前へ歩き出す。その姿には、これまで少しずつ歩み寄ってきたお互いの軌跡が重なって見えた。「一緒に歩んだ2周年に花が咲く」そんなアドリブの歌詞も飛び出し、感情がやさしく広がっていく。「みんな大好きだよ〜!」という呼びかけに、「俺も〜!」と返すファンたち。2周年ワンマンライブで、もう一度しっかり愛を確認し合う時間だった。

『愛言葉』で甘く両想いを確かめ合ったあとのステージは、またもや空気が一変。真っ赤なライトに包まれながら、メンバーたちは、わがままで気まぐれなお姫様に変身。『乙女チックドリーマー』で、今度はファンを振り回しにかかる。「可愛いって言ってよ!もっと言ってよ!」そんな無邪気なワガママを、あざと可愛い表情や仕草で次々に繰り出してゆく。最後には、お姫様たちが“素直に好きと伝える”デレモードに突入。わがままもデレも全部ひっくるめて愛おしい、そんなツンデレ姫ステージとなった。

ツンデレなお姫様に振り回されたあと、「らぶちゅ。」で再び甘々モードへ。「しゅがしゅがシャワー」で、ステージからは甘い粉がふりまかれていく。シャワーに包まれたファンたちは、まるで奏音コレクトに、甘く味付けされたかのよう。もう抗うこともできず、ただとろけていくしかない。会場から、多くの「愛してる〜!」という声が響き、甘く熱い空気がどんどん膨れ上がる。愛と熱気が渦巻くその空間はまさに、奏音コレクトの魔法そのものだった。

本編最後に届けたのは、『えごいずむ?』。作詞を手がけたのは、奏音コレクトのメンバー自身。夢のようなファンタジーな歌詞に乗せて、会場は非現実の世界へと誘われていく。青いライトに照らされながら、光をまとった少女たちが、会場中の視線をステージの上に優しく引き寄せていた。自由にステージを使って想いを届ける姿には、それぞれの個性が滲む一方で、誰もが等しく本当の愛をまっすぐに伝えていた。どれだけ幻想的な空間にいても、その想いだけはまぎれもない現実だった。現実と夢のはざまで、真っ直ぐな想いだけが確かに残る、本編ラストにふさわしい、幻想的で誠実な一曲だった。


アンコールは一色社長の掛け声から始めたいというファンの要望に応え、一色社長の「2周年を記念してアンコールをお願いします!」の声をきっかけに、会場から一斉にアンコールの拍手と声が湧き上がる。
その大きな絆と熱気を超える勢いで、アンコールは『This is Me』からスタートした。それぞれメンバーカラーの衣装に身を包み、ステージに再登場。中村舞彩の芯の通った、透き通るような歌声が会場を一気に引き込む。その姿は、かっこよく、たくましく、そして圧倒的だった。腕を力強く振りかざし、全力でぶつかるパフォーマンスに、奏音コレクトの2周年を経た自信と歩んできた道のり、そしてこれからへの期待がにじむ。右柳実琴の鋭く力強い煽りに、会場からも応える声が重なり、熱がさらに加速していく。これはまさに、奏音コレクトの真骨頂。これが私たちだ。そんな全力の姿に、誰もが息をのんでいた。

アンコール2曲目は、再び『乙女チックドリーマー』が届けられた。ツンデレお姫様・奏音コレクトが、2周年の集大成としてファンにもう一度襲いかかる。1回目とは違い、メンバーが作るハートにも自然と熱がこもっていた。それに対して、ファンたちも当たり前のように応えていく。このやりとりが成立するのは、これまで一緒に過ごしてきた時間と、築かれた信頼があるからこそ。メンバーの笑顔も、どこか緩んでいて、小悪魔キャラの隙間から素の好きがこぼれ落ちる。これぞ、あざとさの奥にある本音の笑顔。ファンたちはそれをちゃんと受け止め、また全力で返す。わがままもツンもすべて受け入れてくれるファンらに対して、「ありがとう」「好きだよ」が滲み出る、愛と感謝のこもったパフォーマンスとなった。

アンコールのラストの曲の前に、メンバーひとりひとりから熱いメッセージが届けられた。
栗永莉有は「これからも奏音コレクトについてきてほしい」と力強く呼びかけ、白部由依は「不安な気持ちをファンのみんなが取り除いてくれた」と、まっすぐに感謝の思いを伝える。瀬渡陽菜梨は「3年目も頑張っていくので、一緒に歩んでくれると嬉しい」と前を向いた。小椿ねねかは、「私の価値を作ってくれてるのはみんな。みんなのこと本当に大好き」と想いを込めれば、右柳実琴は「オリジナルじゃない煽りをしていたが、2年続けて、今は自分の煽りができるようになった。みんなが認めてくれて、私たちも初めてライブが“出来上がってる”と感じた」と語った。中村舞彩は「かのこれに入れてもらって、受け入れてもらって本当にありがとうございました。これからもよろしく」と感謝をにじませ、中村優彩は「アイドルが向いていない部類だけど、温かい人たちに囲まれてとっても嬉しい」と涙ながらに語れば、これからも私らしく頑張っていくので見守ってほしい」と決意を述べていた。そして菖蒲奈緒は「アイドルが楽しすぎて、みんなのおかげで2周年を迎えられた。みんなのことが大好き。3周年も一緒に迎えたい」と笑顔で締めくくった。
ぶつかり合った熱が重なって、気づけば誰もが同じ温度で、同じ未来を見ていた。この先、3周年を迎えるその日が、今から楽しみでしかない。そして…。

アンコールラストに届けれたのは、新曲『僕らのストーリー』。奏音コレクトにとって初めてのバラードであり、2年間の歩みを見つめて作られた、特別な一曲だ。「キミを1人にはしない」「かけがえない ぼくらのストーリー」そう歌うメンバーの表情は、優しくてまっすぐ。透き通るようなハーモニーが会場を包み込み、ファンの胸にもそっと寄り添ってくる。ステージに横一列に並んだメンバーが、静かに、でも力強く届ける想い。喜びも不安も、悩んだ日々も、すべてをこの一曲に込めるように。真摯にアイドルと向き合ってきた時間が、そこにあった。前を見つめるメンバーと、それを見つめ返すファンEU。互いが支え合う存在であることを、改めて確かめ合うようなラストだった。静かに、そして確かに、3周年に向けて物語の幕が上がった。


ラストの挨拶も終わろうとしていたその瞬間、突然、爆音で『絶対無敵のチェッコリッサ』のイントロが鳴り響いた。メンバーもファンも驚いた様子を見せながらも、すぐに笑顔が弾け、パフォーマンスがスタート。自然に沸き上がるコール、ステージと客席が一気に熱を帯びていく。全力のヘドバン、これまでにないほど鋭く力強い煽り、笑顔がこぼれるダンスタイム。最後の一曲に、奏音コレクトの“全部”が詰め込まれていた。何度も熱を交わし合ってきたからこそ、今、迷いなく繋がっている。

それがこの日のラストにふさわしい光景だった。爆発的な盛り上がりと、たしかな絆の中で。2周年ワンマンライブは、最高の形で幕を閉じた。


LIVE

PHOTO:大西基
TEXT:太田真子


セットリスト
SE
助けてとすがったあの頃の私は消えた
ココロオドル
限界領域
絶対無敵のチェッコリッサ
満開
可愛いだけじゃだめですか?
行くぜっ!怪盗少女
Snowjewel
人類トモダチ
かまちょい
はっぴーらいふぱっちわーく
愛言葉
乙女チックドリーマー
らぶちゅ
えごいずむ?

アンコール
This is Me
乙女チックドリーマー
僕らのストーリー
絶対無敵のチェッコリッサ
 

SNS
https://kanoncollect.com/movie-sns/

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