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ヤバいくらいに猛り狂っているよ、今宵の彼女たちは…。 maleficium単独公演「perpetuus(ペルぺトゥス)~不滅~」ライブレポート

先日、楽曲の配信リリースも始めたmaleficium。彼女たちが6月13日の金曜日に行った最新単独公演「perpetuus(ペルぺトゥス)~不滅~」の舞台として選んだのが、目黒鹿鳴館。ここへ、当日の衝撃を記したい。
気持ちを激しく掻き立てる荒々しくも荘厳なSEが流れだす。勇ましい気持ちを胸に、メンバーたちが次々とステージへ。一人一人が一礼するたびに、フロア中から起きた熱い拍手。麗しきその姿が、これからどのように変貌していくのかが楽しみだ。
「なぜ悲しいの なぜ傷つけるの 私たち何処へ向かうの教えてよ」と、『Ēlysion』を高らかに歌うCHIHO FUKUDAの声が場内中に響き渡る。「この会場を真っ黒に染めてやるよ」の熱い叫びを合図に、メンバー全員がステージの最前線へ踊り出て観客たちを煽りだす。その姿へ食らいつこうと、大勢の観客たちも前へ前へと押し寄せた。一人一人がソロで歌うたびに、台の上で高らかに声を響かせる。その様を後ろで5人がパフォーマンスをしながら支えれば、サビては、6人か一斉に前へと踊りでて、舞台の最前線で横一列に並んで歌い、煽っていた。雄々しく歌いあげるその声に触れ、魂が奮い立つ。この日のメンバーの声の圧がもの凄いのは、それだけ気迫が漲っていたからだ。彼女たちは最初から全力で、感情をすべて奮い立て、観客たちを挑発し続ける。「もっとこいやー」の煽りを受け、フロア中も活気づくが、この日に関しては、6人の凄まじい気迫と声の圧のほうが確実に勝っていた。ヤバいくらいに猛り狂っているよ、今宵の彼女たちは…。
凄まじい轟音を背に、6人はさらに気持ちを奮い立て、攻めるように声を荒らげる。『lament』でも彼女たちは、今にもフロアへ飛び下りんばかりの気迫漲る姿を示しながら、雄々しきその歌声で観客たちを挑発し続ける。この日のライブ、いつも以上にバトルの様相を呈している。6人の歌声と叫びの刃が、気持ちを突き刺し続ける。終盤、彼女たちが身を寄せ合い、雄々しくヘドバンをする様も、強烈なエナジーを放っていた。
そこへ雄々しくもデスシンフォニックな音楽が響き渡る。メンバーたちの荒ぶる煽り声を合図に、凄まじい音が轟き渡る。『Distopia』の登場だ。6人は一人として後ろへ身を引くことなく、前へ前へと身体を乗り出し、観客たちを挑発してゆく。一人一人が最前へ踊り出て歌うたびに、他のメンバーらが一歩下がって支えてゆく。でも、6人で気持ちを一つにしたとたん、今にもフロアへ襲いかからんばかりの姿で、気持ちを奮い立てたその声をステージの上から次々と降り注いでいった。だから、熱情したその思いをつかみたくて、フロア中から多くの手が彼女たちに伸びていた。
そこからの『ユダの接吻』という流れに、嬉しい興奮を覚えた。縦一列になったメンバーたちがステージの上で狂おしい様で舞い踊る。これまで以上に歪みを上げた攻撃的な演奏の上で、彼女たちは胸で十字を着るような様も見せながら、気高き戦士となり、懐の深い余裕を持った姿で観客たちを飲み込んでゆく。ステージの上で妖美に舞い歌うその姿に熱い視線を向けながら、誰もが気迫漲る歌声の洗礼を、全身に思いきり浴びていた。
止まることなく『悪徳に満ちた夜』へ。高音域の声も巧みに駆使し、魔窟のオペラ歌手に変貌したCHIHO FUKUDAが、ドス黒い声も巧みに混ぜて攻めだした。いや、メンバー全員が気持ちを奮い立て、触れた人たちの感情を激しく揺さぶり、声の刃で切り刻む歌い手となり、強烈な存在感を放っていた。誰が主役で誰が脇役ではない、全員が主役であり、全員が一つになって熱く滾る感情をぶつけてゆく。その姿こそが、進化し続けるmaleficiumの今のリアルだ。
短いMCを挟み、ここからふたたび彼女たちは、この場を漆黒の楽園に染め上げるよう『EDEN』を絶唱。次々と歌声を繋ぐたびに、一人一人が前へ踊り出て観客たちを挑発。気持ちに余裕を持った姿と歌声で、場内にいる人たちを、自分たちの築きあげた楽園の中へぐいぐい引きずり込む。一人一人が歌っている背景で、他のメンバーたちが気高き様で振りを魅せながら、歌っているメンバーを主役としてしっかり押し上げていた。ときに一人が、ときに全員が主役になり、観客たちを熱狂へと導いてゆく。
続く、重厚かつミドルメロウな『セラフィムの夜』に乗せ、CHIHO FUKUDAの歌声をリードに、彼女たちは甘美な宴の様を描きだす。CHIHO FUKUDAの歌のバトンを夜縋らるむが受け取り、さらに黒く色づける。ステージの上には、冥々天冥を除いた5人の姿があった。曲によって巧みに編成を変えているところも、今も進化の過程にあるmaleficiumらしい姿。物語の語り部となった彼女たちが描きだす、気持ちを雄々しく掻き立て、感情を破壊する物語にしばし心が引き寄せられ、どっぷりと酔いしれていた。夜縋らるむは、最前にいる観客たちへ、今にも噛みつかんばかりの姿と気迫漲る声で歌っていた。気高き姿なのに、なんて野獣的だ。
『creator』でも、一人一人が物語の世界へ気持ちを溶け込ませ、胸の内かち沸き立つ思いを奮い立て、雄々しく歌いあげていた。5人の感情的な歌声が一つに重なり襲いかかるたび、理性の留め金が次々と外れてゆく。アルカード・アリスに至っては、最前で身をかがめた観客の背中に片足を乗せ、雄々しき女王とした姿で観客たちを挑発していた。気づいたら,アルカード・アリスに踏んでもらいたい人たちが、次々と彼女の前にひれ伏していた。
ふたたび6人体制へ。彼女たちは『Beast of Blood』を通して観客たちを「Oi!Oi!」と煽りだす。その様へ呼応するように、フロア中から野太い声が響き渡れば、多くの拳が突き上がる。メンバーと観客たちが拳と拳を、荒ぶる声と声を、高ぶる感情と感情をぶつけあう。その様が魂を奮い立てる。途中、暗鬱な世界へ堕ちてゆく様も見せながら、6人は観客たちの沸き立つ血を沸騰させてゆく。「Oi!Oi!」と声と拳をぶつけあう様がたまらなく刺激的で、興奮が止まらない。
そこへ繰り出したのが、maleficiumの攻撃的な姿勢を具現化。エモさも抱いた、感情を高揚と興奮、恍惚へと導いてゆく『Ragnarok』だ。勇ましい声で歌い、煽る、彼女たちにけしかけられ、フロア中から野太い声と拳が次々と上がりだす。ステージの最前へ躍り出た6人が煽り続けるのは、もちろん。前へ出た夜縋らるむの煽りにあわせて激しくヘドバンをする観客たちも登場。気高き姿で煽りながらも、観客たちにちょっかいを出すアルカード・アリスの姿も、彼女らしい。フロア中が熱狂するその様を見て、紫雪れのんがニヤリと笑みを浮かべ、さらに観客たちを煽っていた。
荘厳シンフッニックな音色が高らかに鳴り響く。飛びだしたのが、maleficiumの最新ナンバーの『DUALIS』だ。紫雪れのんの歌声を合図に次々とメンバーらが歌を繋いでゆく。エモい衝動と衝撃、さらに高揚を与えるサビ歌へ触れるたび、昂る熱を解き放たずにいれない。これぞ、maleficiumが示したゴシック&ハードでエモ&シンフォニックな世界。一人一人が気高さ様で高らかに歌声を響かせる。アルカード・アリスと紫雪れのんが寄り添い歌う姿も、嬉しいインパクトだ。巧みに緩急をつけ、ドラマチックな展開を次々と描きながらも、彼女たちは曲が進むたびに上がり続けるエモい衝撃で、観客たちの理性をぶち壊していった。
本編最後にmaleficiumが突きつけたのが、『nocturne』だ。この曲では冥々天冥を覗く5人で、耽美かつハードエッジな楽曲に乗せ、とろけそうに甘美な物語を目の前へ華麗に映し出していった。5人とも、ミュージカル劇の一場面を描きだすような様を見せながら、歌で心を揺らし、心酔する美しきドラマを目の前に描きだしていた。激しい様を描き続けながら、最後に甘美にとろけさす。無邪気でわがままな女王様のような、その展開もmaleficiumらしい。
アンコールは、ふたたびこの場を熱狂の坩堝にしようと、エモメロな衝撃を持った『月は無慈悲な夜の女王』を熱唱。CHIHO FUKUDA、夜縋らるむ、そしてアルカード・アリスとマイクを繋ぎながら、気高くも雄々しい歌声を美しく高らかに響かせ、この場に感情を熱くエモく揺さぶる衝撃を与えてゆく。美しく気高き様を見せながらも、さらに感情のボルテージを上げながら、彼女たちは観客たちを煽っていた。この曲では、アルカード・アリスや紫雪れのんの歌う様もしっかりと堪能。夜縋らるむの煽る声も、いつも以上に唸っていた。
さぁ、ここからさらに感情のギアを上げていこうか。maleficiumの始まりを示した『Stigmata~聖痕~』の登場だ。6人と観客たちが、感情を奮い立て、声と拳をぶつけあう。この曲でも4人の歌い手たちが次々とリレーしながら、奮い立つ思いを、歌声の弾丸にして撃ち続けていた。「Oi!Oi!」とフロア中から高く突き上がる拳と叫び声。一人一人の歌声に惹きつけられながらも、6人が思いを一つに歌い上げる声に、さらに魂が奮い立つ。6人とフロア中の人たちが「Oh!Oh!Oh!」と高く拳を振り上げ、雄々しき野生の声を上げていた。興奮したその声と叫びを、この空間にしっかりと刻みつけろ。熱情したこの一体感こそがmaleficiumのライブだ。
最後にこの衝動を華やかに昇華しようと、maleficiumは『私を天国へ連れてって』を届けてくれた。愛らしいと言えば良いだろうか、彼女たちの中にあるチャーミングで乙女な面も覗かせながら。でも、観客たちをしっかり興奮へと導き、6人は雄々しき歌声の翼をはためかせ、熱情した彼方へと観客たちを連れていった。最後に甘い衝撃を与え、消えない傷を彼女たちはしっかりと残してゆく。終盤には、観客たちとほぼ0距離で接しながら、訪れた人たちの心へしっかりと聖痕を残していった。6人の歌声が麗美に響き渡る。その声がとても美しく気高く響いていた。
maleficiumは、年内にもう1本単独公演を行うことを告げていた。詳細が出るのを心待ちにしよう。
photo by@seki_Photo13
TEXT:長澤智典
セットリスト
SE
『Ēlysion』
『lament』
『Distopia』
『ユダの接吻』
『悪徳に満ちた夜』
MC
『EDEN』
『セラフィムの夜』
『creator』
『Beast of Blood』
『Ragnarok』
『DUALIS』
『nocturne』
-ENCORE-
『月は無慈悲な夜の女王』
『Stigmata』
『私を天国へ連れてって』
<インフォメーション>
「maleficium定期公演stigmata
~聖痕~ゆら生誕祭&卒業」
2025年6月27日(金)
浅草VAMPKIN
18:30/19:00
¥2,500/¥3,000+1D
出演
maleficium/東京サイコパス/僕と契約してライブ信者になってよ。/リリックホリック歌劇団/東京mist/
予約特典
2Shot写メor15秒動画
+
★ゆら予約
ゆらからの手紙
★他メンバー
推しからの手紙
ゆら
19:25〜
maleficium
20:45〜
予約
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SNS
Maleficium
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夜縋らるむ
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CHIHO FUKUDA
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ゆら໒꒱· ゜
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紫雪れのん
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アルカード・アリス様
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冥々天冥
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