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2025.06.05
ハルニシオン

色鮮やかな熱狂の花を、会場いっぱいに咲き誇れ!!!!!! ハルニシオンSpring Tour 2025 「gradation」レポート

  3月よりスタートした、ハルニシオン初の全国ツアー"Spring Tour 2025 「gradation」"も、5月31日に下北沢シャングリラで行った公演を持ってファイナルを迎えた。この日のチケットは、前売の時点でSold Outを記録。今、確実にハルニシオンへ期待の視線が注がれている。さっそく、当日の模様をここに記したい。


 これから始まる物語へ期待を馳せる華やかな音楽(SE)が流れだすのに合わせて、フロア中から生まれた熱いクラップ。その音へ導かれるように、メンバーらが次々とステージへ。高まる期待。昂る感情。早くも、気持ちは爆発寸前だ。

 ライブの幕開けを飾ったのが、ツアーのタイトルにも記した『gradation』。胸の内に抱えたもどかしい気持ちを解き放ち、身体中に眩しい光を降り注ぐように、6人が力強い声を響かせる。迷いや戸惑い、悩みや葛藤など、彼女たち自身が"弱い自分"であることをわかっている。でもそれ以上に、夢に向かって輝きたいし、この仲間たちとなら輝けると信じている。その自信がそれぞれの胸の内で燃え盛っているからだろう、一人一人が、みずからの気持ちを鼓舞するように歌っていた。その気迫を全身で受け止めた満員の観客たちも、手やペンライトを高く振り上げ、ときに声を張り上げて、共に気持ちを昂らせてゆく。6人が大きく腕を振り回しながら「走れ走れ」と歌うたび、フロアでも同じ動きが生まれる。彼女たちは歌っていた、「咲き誇れ 僕らが僕らのままで やがて光になれ」と。6人は『gradation』を通して、着実に、確実に増え続けている同じ気持ちを持った仲間たちに向け、共に輝こうと呼びかけていた。まさに今、ハルニシオンは彩り鮮やかに。しかも、急激に変化を続けている。
  そのうえで、『夜明けを合図にして』へと続く流れにドラマを感じていた。『gradation』のMVに描いた卒業という物語。『夜明けを合図にして』に綴った、夢を抱きながらも進むことが出来ずにもどかしさを覚えている、卒業後の自分の姿。歌の中では、主人公の気持ちが次第に前を向いてゆく。その気持ちとシンクロするように、ステージ上のメンバーたちも振りの一つ一つに力を込めれば、セリフのパートでも、みずからを鼓舞しながら一歩踏み出そうとする姿を強い声にして伝えていた。落ちサビで、メンバーらへ向けて観客たちが全力でエールを送る姿は、一緒に気持ちを鼓舞してゆくようにも見えていた。ときに見せる6人のハーモニーも美しい。歌詞の最後で歌った「僕等は進む」の言葉にも、嬉しい仲間意識を覚える。
  彼女たちは、早鐘のように脈打つ鼓動の音とシンクロするように。さらに輝きを増して駆けだそうと、晴れた声で当日配信になった『アノソラへ』を歌っていた。この曲でもメンバーたちは、歌詞へ綴った思いの一つ一つを力に変えながら、フロアのその先に広がる真っ青な景色に向かって声を上げていた。6人が思いを一つに力強く歌う声に気持ちが揺さぶられる。だから、フロアのあちこちから熱情した気持ちをぶつけるようにMIXが上がっていた。ときに、2人1組に分かれて歌い踊る場面も登場。「届くまで!届くまで!」と、遠くを見つめて響かせる、その歌声をギュッと抱きしめたい!

  MCでは、「情熱を届けたいです」や「みんなが一番の笑顔になるライブにしていきたい」など、この場に立つ喜びを噛みしめながらも、期待に胸を踊らせる言葉をメンバーらが述べていた。

 「この思いが届きますように」の言葉を合図に歌ったのが、新曲の『微かなルクス』。少しセンチメンタルな曲調に乗せ、彼女たちは胸の内に秘めた思いを零すように歌っていた。そこへ綴っていたのは切ない気持ち?!でも、それを跳ね返し、6人は輝こうともしていた。暗闇の心に光が差すようにと言えば良いだろうか。これまで以上に、メンバーらの心に秘めた思いが露になった印象も覚える。この曲では、いつも以上に一人一人の歌声にスポットライトを当てていたのも嬉しい。曲が進むにつれて、少しずつ声にも力が漲りだす。いや、切なさが募っていた??歌詞に込めた思いをもっともっと知りたくなる楽曲だ。
 ここから一気にテンションを上げようと、青春模様を満載した『白春』が飛び出した。胸に爽やかな風を覚える楽曲だ。この場へ、夢あふれる眩しい青春の景色を描くように、彼女たちは晴れた声で歌っていた。一人一人が胸に輝きを抱きながら、その輝きを膨らませるように笑顔で歌っていた。それぞれが歌うたびに起きた、熱いメンバーコール。彼女たち自身が、フロアから吹く熱い追い風を全身で感じながら、気持ちに輝きと力をどんどん加えてゆく。だからフロア中の人たちも、一緒に胸をときめかせていた。
  そこへ届けたのが、『Jumpin'』だもの。場内中から熱いMIXが飛び交うのも当然だ。6人は声を一つに、満員の観客たちを煽るように力強く歌っていた。その姿へ向けて次々と上がるメンバーコール。「みんなでジャンプ」の声を合図に、サビでは、メンバーと観客たちが一斉に飛び跳ねる。6人と一緒に元気いっぱいジャンプするたびに、新しい時代が動き出す??彼女たちが気持ちを熱くして飛び跳ねるたび、フロアのあちこちでカラフルなペンライトの輝きが大きく揺れ動く。気持ちが騒ぐなら、誰に遠慮することなく高く飛び跳ねればいい。それがハルニシオンのライブ。それこそが、彼女たちと共に描く青春の景色なのだから。
 さらに観客たちの感情へ熱情したエナジーを注ぐように、彼女たちは「夢を賭けてここにいる」と『音速少女』を歌いだした。一緒に音速で駆け抜け、眩しい景色を見つけたい。気持ちが熱く滾るたびに、ここで青春を謳歌していることを。いや、生きている実感を強く覚える。終盤には、メンバーと観客たちが「Oh!Oh!Oh!」とシンガロングしあう場面も登場。沸き立つ思いのまま、今は6人と一緒に声を上げ続けていたい。
  最後は、やはりこの歌だ。6人は熱情したこの空間に、色鮮やかな熱狂の花を咲かせるように『ハルニシオン』を歌っていた。この日、共に描き続けてきた眩しいライブの景色。フロア中に満開に咲き誇る熱狂の花々を見ながら、彼女たちは「この場所で輝かなきゃ」と歌っていた。その声に向け、フロアからも「それは ハルニシオン」などの歌声が飛び交う。6つの花びらを支えるたくさんの思いという養分があって、初めてハルニシオンという花が綺麗に、色鮮やかに咲き誇る。この場にいる誰もが、それを感じていたはずだ。ハルニシオンという花が、今宵ひと際輝いていたのは、ここにいるみんながハルニシオンという花を成す養分でいたからだということを。

 最後にメンバーは、こう述べてくれた。
「今日こうして、この瞬間を、みなさんと一緒に迎えることが出来て本当に幸せです。ステージに立っている瞬間が、わたしの世界のすべてで、ここにいるみなさんの存在が、わたしがここに立つ意味であり、理由です。そのすべてを賭けて届ける思いを、みなさんが全力で受け取ってくれて、全力で応えてくれる、その瞬間が本当に大好きで、愛おしくて、目で、耳で、肌で、温度で感じれる、この空気が本当に大好きです。これからも、この気持ちを忘れずに,大切に思い続けていきたいです。ここにいる6人と、みなさんと一緒に手を取り合って、歩みを止めずに、突き進んでいけたらなと思います」
  「私たちハルニシオンはデビューから3ヶ月でツアーを回らせていただけて、各地のみなさんにハルニシオンの音楽を届けることが出来て、本当に嬉しかったです。このツアーで感じた期待を、大きく超える未来にします。これからの私たちを楽しみにしていてください」


 アンコールは、これから始まる夏という物語を彩るうえで大切になる、新曲の『仮初花火』からスタートした。熱狂を呼び起こす楽曲ではなく、胸に秘めた思いを零すように。でも、一つ一つの言葉へ前向く思いを込めて歌う楽曲であるところがハルニシオンらしい。けっして華やかな歌ではない。でも、一人一人が秘めた思いを情熱的に歌う姿や、もどかしい気持ちをすべて解き放つように凛々しく歌いあげるその声に、気持ちが揺さぶられる。この夏、彼女たちが『仮初花火』を通して、どんなひと夏の景色を仲間たちと一緒に想い出の絵日記に描き綴るのかが楽しみだ。
  そのうえで6人は、ここから再び新しい物語を共に綴ろうと『FlowerBird』を歌っていた。この日、この場に咲かせた情熱的な花を、また、いろんな場所で咲かせたい。この曲に触れるたび、光に向かって伸びる花の種を、何度でも心に芽吹かせられる。彼女たちは歌っていた、「またここに戻ってくるよ」と。だからこの曲を、また出会おうねという約束の指切りのようにも感じていた。

  「Spring Tour 2025 「gradation」は、デビューと同時に発表したツアー。最初こそ、誰が待ってるのか。そもそも自分たちがどんなグループになればいいのかすらも描ききれないまま始まったこのツアーでしたけど。みなさんと過ごすひと公演ひと公演、その全部の時間が私たちを彩って、この先の道標にしてくれました。本当にありがとうございます。これから私たちは、ただ君に咲く、あなたのためだけに咲くグループ.になりたいなと思っています。花は季節を過ぎたら枯れてしまうんですけど。どれだけ私たちは小さい花でも、あなたの心の中では"枯れない花"でいさせてください。かならず、あなたのことを幸せにすると約束するので、この先も私たちと一緒に歩みを止めずに、未来を描いてくれたら嬉しいです。この先のハルニシオンもよろしくお願いします」

 今宵の物語の最後を色鮮やかに彩るように、ハルニシオンは再び『gradation』を歌っていた。一人一人の歌声が力強いのは、もちろん。そこには揺るがない自信が描き加えられていた。もちろん、フロアにも彩り豊かな輝きと共に熱狂の花が咲き乱れていた。6人が腕を大きく回しながら歌うたびに、場内中にも同じ景色が広がりだす。「咲き誇れ 誇れ 僕らが僕らのままで やがて光になれ」と歌う彼女たちのその言葉が、僕らにとっても心を照らす眩しい輝きになる。この光をもっともっと大きく広げたい。その光のもとで、たくさんの希望に揺れる花を咲かせたい。さぁ、次は9月21日・Spotify O-WESTでのワンマン公演だ。また、色鮮やかな熱狂の花を、会場いっぱいに咲かせようじゃないか!!!!!!

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PHOTO: さいちょー
TEXT:長澤智典


■セットリスト
『gradation』
『夜明けを合図にして』
『アノソラへ』
『微かなルクス』
『白春』
『Jumpin'』
『音速少女』
『ハルニシオン』
-ENCORE-
『仮初花火』
『FlowerBird』
『gradation』


■インフォメーション
・FC「ハルニシオン園芸部」設立
︎・miimにてミニアルバム配信リリース決定
︎・6.7.8月無銭LIVE開催決定
︎・9月21日(日)1st ONEMAN LIVE
「ただ、君に咲く」at Spotify O-WEST

■SNS
https://lit.link/harunision

■ハルニシオン「gradation」Official MusicVideo
https://www.youtube.com/watch?v=WLzX5eGR_7s
 

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