Speak emo

2020.07.17
天野なつ

天野なつ|自分でやるのは大変なんですけど、それだけ結果がダイレクトに来るのが楽しいなって思います

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色気は本当に課題ですね…

 

――一曲一曲お訊きする時間もなくなってきましたので、こういう訊き方をしようかなと思うんですが、例えば、アルバムの中で“一番お好きな曲”ってどれですか?

 

天野: それは難しい。一番ですか。一番は難しいな~。

 

――難しいですか。それは置いておきましょうか。では“一番思い入れのある曲”といえば?

 

天野: 「Restart」かな。

 

――やはり。

 

天野: 初めて歌った曲というのもありますし…。ただ「Restart」はあまりライブでやらないんですよ。

 

――思い入れが大きいから特別な時に歌うって感じですか?

 

天野: そうですね。歌ってても色んなことを思い出しますから。思い入れってなるとやっぱり「Restart」かな。

 

――歌詞には気持ちがストレートに出ている感がありますが、言葉としては「LinQ」って言ってるわけじゃないですし、あくまで「君」に対しての歌で、もしかしたら「恋愛」などに投影できるかもしれないですけど、ファンの方が聴けば、まぁ泣いてしまいますよね。

 

天野: LinQ時代から応援してくれてるファンの人からは「Restart」人気が高いです。「色々思い出す」って言われます。

 

――では、“一番自分に合ってる曲”ってどれですか?

 

天野: 最近歌ってて意外と歌いやすいなって思ったのが「midnight」。

 

――ちょっと意外ですね。

 

天野: そうなんですよ。自分でも意外です。

 

――これって、割と最近作った曲ですか?

 

天野: そうですね。「恋してbaby!」の後に作って、去年の上京前ぐらいに福岡で披露しました。

 

――「Restart」などは歌詞には本当の自分の気持ちが綴られてて、それが感動的でもあるんですが、「midnight」は作詞家として進化したなっていうのを感じます。自分の気持ちももちろん入ってはいるかもしれませんが、ちゃんと“ストーリー”として綴られていて…。そういう“作家”っぽい感じになってる気がしたんですが、ご自分ではいかがですか?

 

天野: でも、「midnight」を書くのは難しかったです。最初「midnight」のデモを聴いた時に、“夜の街”みたいなイメージが浮かんできて…。クラブとか。「えー、どうしよう」みたいな。それちょっと難しいなって思ったんですよ。やはり自分の経験不足っていうのもありますし、アイドルってその辺の人生経験に関しては浅いと思うんですよね。普通の人よりは。なので、ちょっと難しいって思って、ドラマや映画をいっぱい観て、その時に観たドラマで『凪のお暇』っていうのがあったんですが、登場人物にDJがいて、女の子全員に優しくて、本命を作らないんです。ただ本当に優しいからどんどんハマっていく。色んな女の子がハマって病んでいくみたいな、そういうのがあって、「これかも!」って思ったんですよ。DJだったのもいいな、みたいな。

 

――そういうところからきたわけですね。

 

天野: そうですね。でも、こういう悩みを持つ女の子は絶対多いと思うんですよ。私ももう26歳なので、周りの子の話を聞いてると「おー」みたいになることもあるし、こういう恋愛をしてる人って多いだろうなって思います。

 

――そういう情報源もいっぱいあるわけですね。

 

天野: 私自身は無理なんですけどね。この歌詞に登場する男性は。でも結構多いと思います、そういう人を好きになる女性は。

 

――でも、すごいですね。自分はやっぱりそういうのは無理だっておっしゃいましたが、無理だっていう気持ちがここに表れてるわけではなくて、ちゃんとそうなる女の子の気持ちをしっかりと投影させてるっていうのは。もう立派な作詞家です。

 

天野: でも難しいです、本当に。なので、たくさん恋愛したいと思ってます。「たくさん」っていうのもヤバいんですけど(笑)。ファンの人でも、たぶん私まだアイドル要素が抜けてないっていうか、LinQ要素が抜けてないと思うので、少しずつ…。例えばLINE LIVEとかでも、過去の恋愛話とかを喋っていて、いきなり片思いの曲とかを書いたりとかしてファンの人がショックを受けないように、徐々にそういうのを出していってますね。

 

――もう今、“アイドル”とは銘打ってはないですよね?

 

天野: そうですね。恋愛は自由です。解禁してます(笑)。

 

――アイドル時代からのファンの方には、そういう耐性や免疫を付けておけよ、という意味もあるわけですね。この「midnight」には。

 

天野: 「この詞、本当にがなっちゃんが書いたの?」って思われるかなとも思ったんですよ。「なっちゃん大丈夫?」みたいな。「どんな恋愛してんの」みたいな。ストレートに言うと“遊ばれてる女の子”みたいな感じなので。作曲した(長瀬)五郎さんにも「心配されそうじゃない?」って言われたんですが、「いや、大丈夫です」って言いました。これ、私のことじゃないし(笑)。

 

――なるほど(笑)。では、“最も自分らしくない曲”っていうと、どれだと思いますか?

 

天野: えーっと、分かりました。「true love」!

 

――これ、すごい特徴ありますよね。どんなところが“自分らしくない”ですか?

 

天野: 「true love」は、まず歌詞が大人です。曲調もそうなんですけど、誰かのカバーとしてもこういう曲調は歌ったことないです。カラオケでもいろんな人の曲を歌ったりするんですが、こういうジャンルの曲は歌ったことないですね。

 

――本当に未知の世界だったわけですね。

 

天野: そうですね。だから、最初は解釈が難しかったです。

 

――ちなみに、すっかり音楽通になった天野さんから見て、これはどういう音楽ですか?

 

天野: なってません。全然なってません(笑)。

 

――どういう曲ですか?これ。

 

天野: スナックでかかってる曲!

 

――おぉ、そうですよ。まさにそうです。ラテンですよね。ラテン歌謡というか、ちょっとロックっぽいギターも入ってるので、ラテンロックとも言えるかもしれないですが。ラテンっていうと基本的には猥雑なものですから、「スナックでかかる」っていうのはまさに正解です。こういう曲調は歌ったことがないとのことですが、思いっきり色気を出して歌わないといけないって感じですか?

 

天野: 色気は本当に課題ですね…。

 

――そんなことないんじゃないですか?

 

天野: いやいやいや。このレコーデイングでは「色気を出して」って言われたのが一番難しかったです。

 

――天野さんなりには、どういうふうに出したんですか?

 

天野: 吐息。でも歌で色気出すっていうと、私からするとまずは吐息かなって感じですね。

 

――まだウブな人の意見ですね(笑)。

 

天野: 確かに(笑)。なんかカッコいいこと言いたい!

 

――何でしょうね。まぁでも、それは本当に経験から滲み出てくるものだと思うので、ご自分なりに経験をされればいいんじゃないかと思います。今、東京では自粛期間も明け、徐々に動き出してきましたが、まだまだ予断を許さない状況で…。そういう経験を得るのもなかなか難しいですよね。

 

天野: そうですね。上京したら何かあると思っても自粛期間に入ったので…。外に出ないとやはり何もないです。

 

――そんな中で「true love」を歌うのは難しかったということですね?

 

天野: 難しかった。しかも、「true love」と「カレーライス」と「Positive life」。全部同じ日に録ったんですよ。

 

――また随分と違う曲を一緒に。

 

天野: 3曲全部、雰囲気が全然違うので難しかったです。一回一回休憩入れて、切り替えながらやりました。

 

 

取材・文
石川真男

天野なつ イベント情報

〈リリースイベント〉
7/18(土)18:00 @HMVエソラ池袋 リリースイベント(特典会のみ)
7/26(日)①13:00 ②17:00   リリースイベント
7/30(木)19:00     リリースイベント
7/31(金)18:30     リリースイベント

8/16まで随時リリースイベント開催予定

〈ライブ情報〉
公演名:「 AMANO NATSU BIRTHDAY LIVE 」from TOKYO
東京会場:下北沢CLUB251
出 演: 天野なつ
8月20日(木) OPEN19:00 START19:30  
チケット:3000円+1D     
https://tiget.net/events/97303  

公演名:「 AMANO NATSU BIRTHDAY LIVE 」from FUKUOKA
福岡会場:   The Voodoo Lounge  
出 演:  天野なつ ゲスト:CHiSEMiKU
8月29日(土) OPEN14:30   START15:00
チケット:3000円+1D     
https://tiget.net/events/97309  

天野なつ 商品情報

 

「Across The Great Divide」 

 

天野なつ

通常盤 
IQP-302 ¥3,000(税込) 
 

 

 

天野なつ

「Across The Great Divide」 
初回限定スペシャルパッケージ 
IQP-303 ¥4,500(税込) 天野なつ監修 限定フォトブック24P付き 
 

【収録曲】 
1.midnight     
作詞:天野なつ 作・編曲:長瀬五郎

2.恋してbaby!    
作詞:スセンジーナ 作・編曲:松尾宗能 コーラス:CHiSEMiKU 

3.カレーライス  
作詞:天野なつ 作曲:関美彦 編曲:関美彦・松尾宗能 

4.うたかたの日々 
作詞:天野なつ・松尾宗能 作曲:関美彦 編曲:Spencer 

5.Positive life   
作詞:小川タカシ 作・編曲:小川タカシ 

6.気まぐれなcall      
作詞:スセンジーナ 作曲:松尾宗能 編曲:Spencer

7.Secret703                
作詞:スセンジーナ 作・編曲:松尾宗能 

8.true love                  
作詞:スセンジーナ 作曲:松尾宗能 編曲:Spencer コーラス:CHiSEMiKU

9.Open My Eyes          
作詞:天野なつ 作・編曲:松尾宗能

10.Restart                   
作詞:天野なつ 作・編曲:松尾宗能 

PROFILE

PROFILE
天野なつ

2018年6月に九州発アイドルグループ「LinQ」(2代目リーダー)卒業後、
ソロシンガーとしても活躍しつつ、舞台女優としても活動!新たな境地を切り開く!
楽曲は60'sモッド・R&B~70'sソウルの熱さと、ビンテージロックの香り漂うロマンチックな
ガールポップをイナたいバンドサウンドに乗せてお送りします。

その他関連サイト: ファンクラブ