西園寺未彩（かんたんふ）：早めに活動休止して、苦しむ人を増やさない方がいいなって思いました

 

 

ずっと同じチームでやっていきたいんです

 

――今後ももちろん西園寺さんがプロデューサーを務められるわけですよね？

 

西園寺：かんたんふには「ふーちゃん」っていうイメージキャラクターがいるんですけど、そのキャラクターがプロデューサーになります。

 

――え？ あ、そうなんですね…。でも、西園寺さんはプロデューサーではないにしても、これまでセルフプロデュースをやられてきて、いろいろアイディアも出されてきたわけじゃないですか。それこそReLIeFの“吹き戻し”、いわゆる“ピロピロ笛”に楽曲がダウンロードできるQRコードを付けて発売したり…。

 

西園寺：はい。「PPQS（Piro Piro QR Sound）」です。

 

――そういったとてもユニークなアイデアを出されたり、ステージ上でパフォーマンス中に“物販”をやられたり…。今も何か“仕掛け”のようなものをお考えですか？

 

西園寺：私はどちらかというと正統派が好きなので、あまり気を衒ったことはしないでおこうとは思ってます。もちろん、いいアイディアであればやっていきたいですけど。

 

――それこそStereo Tokyo時代には、泡パーティーとか、バスに乗ってライブをやったり、いろんなことをやられていました。今回はそういったことからも解放されて、正統派で行くと？

 

西園寺：はい。だって、もともと私、どちらかというと正統派アイドルの感覚を持ち合わせてると思うので、安心安全なタイプなんですよ。逆に、気を衒ったこととか炎上とか、そういうのは難しいです。

 

――そもそもの話に遡りますが、アイドルが好きでアイドルになったっていう感じだったんですか？

 

西園寺：私は、（ぬいぐるみを見せながら）これ。ラブリンって言うんですけど、これになりたくてアイドルになりました。

 

――ちょっと待ってくださいね。それは何ですか？

 

西園寺：たまごっちに出てくるアイドルです。

 

――えっと。それになりたかったと。

 

西園寺：だから毎日「（キャラクターみたいに）顔が大きくなれ」って思ってました（笑）。ホントにこんな風になれるかもしれないって夢を見てたんです。その時は結構本気でこれになれると思ってました。

 

――あ、でも、今までのアイドルとしてのキャラというか立ち位置は、ちょっと「ラブリン」みたいなイメージがあるかもしれません。

 

西園寺：ホントですか！？ この話をすると「ラブリンに成れてるよ」って言ってくれる人が結構いてすごく嬉しいです。

 

――僕もそう思います。

 

西園寺：でも、だんだん大人になってくると顔はちっちゃいほうがいいなって思いますけど（笑）。

 

――例えば、アイドルになる方って、アイドルを全く知らないでなる方も時々いらっしゃいますが、大抵は誰かに憧れてなるじゃないですか。モーニング娘。さんとか。

 

西園寺：アイドルで言うと、私はハロプロがすごく好きでした。今もですけど。

 

――西園寺さんの中ではハロプロが正統派アイドルのイメージですか？

 

西園寺：はい。

 

――ということは、今後目指してるのもイメージ的にはああいった感じですか？

 

西園寺：それはまたちょっと違います。新しいものを作りたいので、何かに寄せることはしないですね。私自身が好きなのは、初期の4人のスマイレージさんとか、乃木坂46さんとか。ももクロさんとかもそうですし、ストーリーを見せられちゃうとどんなアイドルでも大抵好きになっちゃうと思います。アニメのアイドルも好きですね。でも一番好きなのは、4人の時代のスマイレージです。あれ以上にドストライクのアイドルグループはいないって今でも思ってます。

 

――一番最初のメンバーですよね。かんたんふは、スマイレージとは人数も違いますし、サウンドも全然違うと思うんですが、イメージとしては、奇を衒ったことをやるのではなく王道路線でやっていくというわけですね？

 

西園寺：はい。

 

――西園寺さん自身、今はどんな音楽を聴いてるんですか？

 

西園寺：普段はオルゴールとか、あとクラシックしか聴かないです。

 

――クラシックですか。

 

西園寺：お腹が痛くなったり、頭が痛くなった時に聴くと痛みが消えたりするんですよ。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第8番とか。

 

――僕もクラシック大好きなんですよ。どちらかと言えばピアノ曲よりもオケとか弦楽四重奏とかが好きですが。

 

西園寺：安らぎを求めてるんですかね？（笑）歯医者さんとか病院とかでかかってる音楽わかります？ ああいう音楽ばっかり聴いてます。

 

――病院の待合室とかだと、古典派の弦楽四重奏とかバイオリン・ソナタとか、あとバロック音楽とか、そうしたものがかかってるイメージですが、そういったものを聴かれるわけですね。普段はEDMは聴かず…？

 

西園寺：Stereo Tokyo時代は、EDMを研究して聴き漁ってました。今も完全に聴かないというわけではありません。でも今は癒し系がいいなって。そう思った時に、今回の楽曲プロデューサーさんの作った曲が全部好きだったので、その方に「こういう感じで」ってお願いしてみたら、それ以上のものが返ってきて…。なので、「合うな」って思う人とずっと一緒に同じものを作っていきたい気持ちが強いです。ReLIeFの時はいろんな人を探して自分でアポ取って、依頼して、値段交渉して、本当に大変だったので、ずっと同じチームでやっていきたいんです。今回そういう感じになれてすごく嬉しいです。