寺嶋由芙｜外の世界にどんどん行けるようにしたいです

小さなお子さんやご高齢の方を連れてきても大丈夫なような、座って観られるホールツアーがやりたくて

 

 

――現在はツアーの真最中ですよね？ 『寺嶋由芙のクチコミ☆3.8以上余裕超えツアー』『寺嶋由芙のお近づき２マン～友達何人できるかな～』の２本を並行してやられています。これまたすごい企画ですよね。そもそもどういう発想で出てきたんですか？

 

寺嶋：最近ゆるキャラ仕事が多いので「そういえば最近あんまり人間に会ってないな」と思って、「ちょっと人間とも仕事をしよう」って思い立ちまして（笑）。それで『お近づき２マン』と称した２マンライブ――コラボとかも含めてツーマンをやるっていう企画を考えまして…。既に恋汐りんごちゃん、空野青空ちゃんとの２マンは終えているんですが、2人とも事務所が一緒なんですよ。しおりんとは事務所が経営統合をしたので最近一緒になり、おあにゃんも移籍してきたばかりなので、もともと知り合いでしたけど、新たに近くでやっていける環境になった2人なので“、お近づき”ということで。2月はベッド・インさんとの２マンでちょっといい女っぷりを学び、3月はクリトリック・リスさんとの２マン。スギムさん（クリトリック・リス）は、もはやゆるキャラみたいですけど（笑）。

 

――結局ゆるキャラと仕事する、みたいな（笑）。

 

寺嶋：（笑）。でも、スギムさんとは実はもう対バン経験もあるし、仲良くしていただいているので。

 

――ガチンコの２マンはないですよね？

 

寺嶋：２マンはないです。スギムさんの企画に呼んでもらったりとか…。ご一緒するのは久しぶりです。

 

――ベッドインさんには学ぶことがたくさんあるように思いますが、スギムさんに学ぶことあるんですか？？？

 

寺嶋：（笑）。愛され方じゃないですか？ 同姓からの支持がすごくあるじゃないですか。それが羨ましくて。私も最近女の子のファンが増えてきて嬉しいんですが、やっぱり同姓に支持されてる人って強いと思うので。スギムさんの同姓受けを学んで、私も女の子にもっと愛されるようになりたいです。

 

――クリトリック・リスさん。ライブを観るとなんかすごく刺さりますよね。

 

寺嶋：なんか刺さるんです。油断してるとちょっと泣きそうになる時とかあります。

 

――いや、ホント泣けてきちゃいますし、そんな中で頑張ろうと思ったり。心揺さぶられますよね。

 

寺嶋：そうです。ホントに。情熱と衝動でやってらっしゃる感じがすごくて。自分にはないので。勉強させていただこうと思ってます。

 

――で、もう一つの『クチコミ☆3.8以上余裕超えツアー』は？

 

寺嶋：はい。こっちはワンマンツアーです。

 

――これもタイトルがまた…。

 

寺嶋：はい。「＃ゆーふらいとII」の歌詞から取りました。

 

――歌詞が先にあったんですね。

 

寺嶋：はい。

 

――これもまたちょっと、普段馴染みのない会場でやられますよね。

 

寺嶋：そう。演芸場とかクラブとか。

 

――そういう意図があったんですか？

 

寺嶋：小さなお子さんやご高齢の方を連れてきても大丈夫なような、座って観られるホールツアーがやりたくて。私を応援してくれているヲタクのみんなは多分30代とかが多いんですけど、その人たちが家族を連れて来られるとか、クチコミで「僕の推してる由芙ちゃんすごくいいから、アイドル初めてのあなたもぜひ来てごらん、椅子もあるし安心だよ」みたいな感じ友達を連れて来てもらえるようなツアーにしたいなと思って…。そしたら、（所属レコード会社の）テイチクさんが「せっかくやるんだったらどの会場にもコンセプトを設けて、ちょっと変わった会場でやるから行かなきゃ、みたいな感じになるといいね」って探してくださって。“変な”会場ばかりになりました（笑）。

 

――雷5656会館ときわホールとか、アイドルが出演するのは珍しいんじゃないですか？

 

寺嶋：そうですよね。うれしいです。

 

――ホントにここはお年寄りもお子さんも来られそうです。名古屋の大須演芸場もそんな感じでしょうね。

 

寺嶋：はい。ほんとに演芸場です。寄席とかをやるような。

 

――神戸のクラブ月世界。僕は関西人で神戸にもよく行っていたんですが、高校生時代だったので名前しか知らないんですが…。

 

寺嶋：ムーディーな場所です。ここだけ“大人ゆっふぃー”になるかもしれないです。

 

――そういうコンセプトをお聞きして改めて感じたんですが、まあ、昔からそうだったと思うんですけど、寺嶋さんは常に“外向き”にいろいろ考えられていますよね。

 

寺嶋：もちろんです。それはずっと考えています。

 

――なるほど。

 

寺嶋：今いるヲタクのことはもちろん大事だし大好きだし、その人たちが満足してもらうことは大前提ですけど、そこだけでやっていると結局誰も幸せにならないな、っていうのを思っていて…。一番応援してくれている人たちへの恩返しになるのは、小さな箱で近い距離でベタベタしていることよりも、きっと、大きいところに出て行って多くの人に支持されている姿を見せることだと思っているので、そこはずっと考えているところですね。

 

――あと、先日松浦亜弥さんについて論じた「実力派ソロアイドル待望論」という記事が出た時、多くのファンの方が、そして寺嶋さんご自身も「寺嶋由芙がいるじゃないか！」と呟かれていました。

 

寺嶋：「ソロアイドル待望論」って…。「ここにいるんですけど」って思いました。

 

――やはりそういう意識は強いですか？ “外向きに仕事をする”ことと繋がる部分もあるように思います。

 

寺嶋：気づいてもらえるようにならなきゃいけないと思って…。「いや、寺嶋いますよ」ってウチのヲタクもすごい言ってくれましたけど、やはりそこで自然と名前が上がるようにならなきゃいけないと思いましたし、あややのカリスマ性に学んでいきたいっていう気持ちはすごくあります。

 

――ある意味大きなチャンスが来ているのかもしれません。

 

寺嶋：ソロを求めている人がいるのであれば、そこにちゃんと刺さる活動をしていきたいって思います。グループアイドルももちろん楽しいし、まだまだ主流ですけど、それにちょっと飽きちゃった人とか、あまりハマらなくなった人たちも出てきていると思うんですよ。その人たちに安心してソロに来てもらえるような、それこそホールコンサートとかでゆるっと見てもらって、「アイドルっていいね」って帰ってもらう。そういう場が提供できたらなっていうのはありますね。

 

――例えば、グループアイドルと違うソロアイドルの良さというか、ソロアイドルでしか出せないものって何でしょうか？

 

寺嶋：ソロアイドルを自分がやってて良いなと思うのは、ヲタクを独り占めできることですね。自分がソロでやってる子を客席から見てて思うのも、ヲタクたちの気持ちが全てステージのその子に向かうじゃないですか。あの感じはソロならではかなって思います。あと、メンバーチェンジがないので、積み重ねてきたものを分かりやすく提示することができるんじゃないかと思います。