Speak emo

2018.07.10
フィロソフィーのダンス

最高に生きてる感があって、踊ってる私たちも「人間って最高!」みたいな人間賛歌的なものを感じて

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初めて“グルーヴ”を実感したというか、音がない所での空気みたいなのを感じられて…(十束おとは)

――先ほど「バンドで夢が叶った」とおっしゃったましたが、やはりオケでのライブとは全然違いますか?

日向:違いますね。ひとつひとつの楽器の音がちゃんと聞こえるので、リズムやグルーヴが生まれやすいですし、それによって歌も歌いやすいし、ダンスも踊りやすいし、それが相俟っていいライブになったと思ってます。

――ハルさんは以前バンドをやられてたわけじゃないですか。なんというか“ホーム”に帰ったと言うか、そんな感覚はありましたか?

日向:う~ん…。特にホームに帰ったという感覚はなかったですけど…。レベルがめちゃめちゃ高い方たちなので、オケとの差をものすごく感じましたね。いい意味で。

――他の方はどうですか? もしかしたら、十束さんと佐藤さんのお二人は、いわゆるフルバンドで歌ったのは初めてですか?

十束:初めてです。

佐藤:初めてですね。オケとは音が違うのはもちろんですけど、後ろで見守ってくれている感じがなんか心強くて。ライブ中、オケとはアイコンタクト取れないんですけど(笑)、演奏してくださる方とはしっかり目を合わせて、「いい感じじゃん!」みたいな表情で視線をいただけるので、ライブやってて気持ちが上がりますね。後ろで素晴らしい方たちが支えてくれてるので、私も最強になった気持ちで、思いっ切り強気でいけました。

――スーパーミラクルだったわけですね?

佐藤:はい。スーパーミラクル炸裂しちゃいました(笑)。

――十束さんは?

十束:バンドの音があることによって、最高に生きてる感があって、踊ってる私たちも「人間って最高!」みたいな人間賛歌的なものを感じて、「それがバンドでやる意味なのかな」って思いましたね。私たちは前向きな、ポジティブな力が強いなって、私自身は思ってるんですけど…

――僕も思います。

十束:思いますよね!

――めっちゃ思いました。

十束:イエーイ!

――いや、本当に。

十束:それがバンドの方々の力を借りて、もうさらにめちゃめちゃ「生きるって最高!」みたいな感じのパワーが後ろのほうのお客さんまで届いたような気がして…。それは初めての経験だったので、すごい良かったなって思いました。

――“富士そば”とどっちが生きてる感じがしますか?(笑)(編注:十束おとはは取材の前日「帰りに富士そば駆け込んでサラリーマン戦士達に混じって食べるムーブ、好きすぎる。生きてる感があるね」とツイート)

十束:えぇえ?!どっちも(笑)。どっちも違った意味で。

――同じぐらいですか?(笑)

十束:富士そばもだいぶ強いんで(笑)。

――(笑)奥津さんいかがですか?

奥津:以下同文なんですけど(笑)。でも本当に、メンバー以外の人がステージに立っているということが、より良い形で表せたなって思いました。なんかそこに違和感があったり、“バックバンドと私たち”って乖離があっても寂しいじゃないですか。それがいい感じに相俟って、みんなの気持ちがひとつになって、いいステージができたなと思いましたね。

――先ほどアイコンタクトの話が出ましたが、ステージ上では、やはりバンドとの有機的なコミュニケーションがあると思うんですよね。何か具体的にそういったものはありました? 例えばアイコンタクトをしながら“出方”を変えるとか。いわば、普段の皆さんは、しっかり振り付けがあって、基本的にはメロディー通りに歌うじゃないですか。もちろんそうじゃない部分もありますけど…。なんかそういった即興的な部分とか、コミュニケーションで生まれた部分とか、ってありました?

奥津:あ、これ長くなっちゃうんですけど。一人一人にすごくあって、ドラムの城戸(紘志)さんとはリハーサルの時に「どこで合わせられるかな?」とか「ここいけるね」みたいな話をしてて、本番でもそこビシッて目を合わせたりとか。あと、本当にラストの“かき回し”の所で、リハーサル中に「俺がもっと行くからもっと来い!」って言ってくださって。「でも本番はもっともっと行っていいから、どんなに長くなっても叩くから」って言ってくださって、もう最後、私もあんなに叫んだの初めてって言うぐらい叫んで、ホントに出し切りました。あと面白かったのは、キーボードの福田(裕彦)さんが「ここでアイコンタクト取れるよ」「この曲余裕あるから結構見れると思う」って言ったのに、1回も目が合わなくて(笑)。

――アハハ(笑)。

奥津:まあ、他のところで目が合ったんですけど。「俺もうすごいパッションが出過ぎて、なんかもう本当に楽しくなり過ぎて、なんにも見ないで無我夢中で弾いちゃった」みたいなことを言ってて(笑)。でもその様子も分かるんですよ。すごい乗ってると思って見てました(笑)。目が合わなくても、すごい楽しんでいる感じが伝わってきて、「やってる、やってる」みたいな(笑)。それがすごく楽しかったですね。そして宮野(弦士)さん。アンコールの「ジャスト・メモリーズ」が始まる前、「ひと息ついて幕を開けます」という時に、「やって!頑張って!」みたいな目をしてて…

――言葉はなくて目で物を言ったわけですね。

奥津:そう。こんな感じで遠くから…。「あっ」って思って私も見たら、すごいうなずいてくれたので、「よし」と思って。そのアイコンタクトがあったから「ジャスト・メモリーズ」で落ち着くことができて、気持ちを込めて歌うことができました。他もいっぱいあります。他のメンバーさんともたくさんエピソードが…。

――他もいっぱいあるんですね。ハルさんは「ラブ・バリエーション」でギターと掛け合いをやられましたよね。あれなんて結構入念に打ち合わせしたんですか?それとも、即興的に?

日向:リハーサルで何回かやって、ある程度パターンとか音域とかの相談はして、それに合わせて弾いてくださったんですけど、最後はもうお互いが競い合うかのようになって、「負けないようにフェイクを入れて来い」って感じで…。リハでは上手くできなかったんですけど、本番になってみると、なんか死んでも声が出てしまうと言うか(笑)。とりあえず声を出したら高揚感がすごくて、一番良い感じで歌えました。
 

――本番に強いタイプですよね。

日向:(笑)ですね。

――でも、楽しかったでしょう?

日向:めちゃめちゃ楽しかったですし、ああいうふうに見せ場を作ってもらえたことも、自分のやる気につながりましたし、ああいう掛け合いがあったことでギターの方と話すきっかけにもなりましたし、一つ一つがうれしかったです。

――音楽の楽しさっていうのはそういったところにあるのかな、なんて思います。

一同:はい。

――僕、ジャズが大好きなんですよ。即興演奏が大好きで。最近アイドルさんの取材とか多くて、決して否定しているわけではなく、むしろそれが面白いとさえ思っているんですが、まあ言えば、サウンドは打ち込みが多くて、固定された振り付けをして、いろいろと決められている部分も多くて…。相手の出方を見て。じゃあこちらはこう出る、みたいな音楽ではないと思うんですよね。最近ちょっとまたそういう音楽を欲していて、結構ジャズを聴いているんですが、音以外の所に、例えは演奏者と演奏者の間などに“空気”があるんだな、というのを以前にも増して感じていたところなんです。で、皆さんのライブでも、それをすごい感じたんですよね。皆さんはそういうのを感じられました?

十束:そうですね。頭では分かっていたものを、自分の体を使って表現するのは初めてでした。確かにその、音のない所に空気があるっていうのは、頭ではなんとなく分かるじゃないですか。だけどそれを自分の身体で歌って踊って表現する、みたいなのはオケではあまり理解ができなかったんですけど、バンドと一緒にやることによって、「あ、こういうことだったんだ」って思えました。初めて“グルーヴ”を実感したというか、音がない所での空気みたいなのを感じられて…。音楽偏差値7ぐらい上がりました!(笑)

――アハハ(笑)。

十束:ちょっと頭良くなった気分になりました。ちょっと理解した!

取材・文
石川真男

フィロソフィーのダンス 商品情報

アイドル・フィロソフィー
アイドル・フィロソフィー / ダンス・ファウンダー(日向ハルver.)(7インチシングルレコード)
発売日:2018年06月27日

¥1,700(税込)

夏のクオリア

夏のクオリア / 告白はサマー(十束おとはバージョン)(7インチシングルレコード)
発売日:2018年07月25日

¥1,700(税込)

イッツ・マイ・ターン&ライブ・ライフ

「イッツ・マイ・ターン」&「ライブ・ライフ」
発売日:2018年08月31日

《通常盤》【CD only】¥1,100(税込)
《初回限定盤A》【CD+DVD】¥1,700(税込)
《初回限定盤B》【CD+DVD】¥1,700(税込)

PROFILE

PROFILE
フィロソフィーのダンス
2015年、コンテンポラリーなファンク、R&B、哲学的な背景を持つ歌詞をアイドルに歌わせるというコンセプトの元、氣志團、ナンバーガール、ベースボールベアー、相対性理論などを手がけた加茂啓太郎がオーディションとスカウトでメンバーを集め結成。 2016年には早くも東京アイドル・フェスティバル、@JAMという2大アイドル・フェスティバルに出演。 同年11月20日には原宿アストロ・ホールで初のワンマン・ライブを行う。 同月23日にファースト・アルバム「Funky but Chic」をリリースする。 ライムスター宇多丸、マーティー・フリードマン、平成ノブシコブシの徳井健太などから絶賛された。 2017年3月渋谷WWW、同年7月新宿BLAZEでのワンマン・ライブをソールドアウトさせる。 同年11月セカンド・アルバム「The Founder」をリリース。 オリコンウィークリー・チャートで35位となる。 また収録曲「ダンス・ファウンダー」はSpotifyのバイラル・チャートでアイドルとしては初めて1位となる。 2018年2月シングル「ダンス・ファウンダー(リ・ボーカル&シングル・ミックス)」をリリース 、オリコン・ウィークリー・アルバム・チャート33位となる。 同月callmeとの2マン・ツアー「レッツ・スティック・トゥギャザー」を東名阪で開催した。 6月16日に恵比寿リキッド・ルームで初のバンドセットでのワンマン・ライブを開催する。 この日のライブを一流ミュージシャンにサポートしてもらいDVD化するために行ったクラウド・ファンディングは目標金額の300万を一晩でクリアーし、最終的には1,000万超を達成。また、6月30日名古屋、7月1日大阪でのワンマン・ライブを含む東名阪ツアー全3公演をソールドアウトさせ、大成功に収めている。
十束おとは(Totsuka Otoha)

誕生日8月9日
獅子座
血液型A型
出身地 神奈川県
Twitter:@ttk_philosophy

日向ハル(Hinata Haru)

誕生日7月11日 
蟹座 
血液型O型 
出身地 神奈川県
Twitter:@philosophy092

佐藤まりあ(Sato Maria)

誕生日9月13日 
乙女座 
血液型B型  
出身地 埼玉県
Twitter:@_satomaria