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2023.08.02
Arrow Heart

"声質の高いスクリームと声質の低いグロウルを掛け合う"など、「いろんなデスボの種類で掛け合う」ところはArrow Heartだからこその魅力だと思います。 Arrow Heart インタビュー

 福島県をホームに、ラウド系アイドルグループとして活動中のArrow Heart。彼女たちの特徴が、メインを成すメンバーである"黒姫ねむ"と"詩華もも"の2人とも綺麗な歌声とデスボイスを巧みに使い分けて表現してゆくところ。いろんなデスボを用いたグループがある中、デスボの掛け合いを見せてゆくArrow Heartは、とても希有な存在だ。そんなArrow Heartの魅力を、ここにお伝えしたい。

 

ファンの方々に「悪魔の声かと思った」と言われるのも、わたしには嬉しい感想の言葉です。


――デスボも魅力にしたラウド系アイドルグループとして活動中のArrow Heartですが、福島県内では…。

黒姫ねむ 福島県内という括りで捉えた場合、デスボ系のアイドルグループはArrow Heartだけです。福島県の県南地域にある矢吹町内に活動の拠点を置いている"しゅんらんPromotion"へ所属しているShuN-R@n GIRLSからの派生ユニットとして、Arrow Heartは誕生しています。
  Arrow Heartは、今年10月で8周年を迎えるグループ。2人とも初期メンバーではなく、わたしは約5年前頃からArrow Heartのメンバーとして活動を始めています。

詩華もも  わたしは加入してまだ4か月程度だから、めちゃめちゃ新人です。

――ここへ至るまでの流れの中、音楽面はずっと一貫した姿勢を貫いてきたのでしょうか?

黒姫ねむ  今もライブのセトリに加えている『刻々クロック』をデビュー曲に、Arrow Heartはスタートしています。軸にある音楽性は変わっていませんが、当初のArrow Heartは、ロックアイドルという姿勢を打ち出していました。でも、活動をしていく中、デスボを取り入れた楽曲も積極的に表現していく中で、今の"デスボも用いたラウド系アイドルグループ"へ進化してきました。曲の中でいろんなデスボを使い分けていくなど、今でもArrow Heartは進化し続けています。

――メンバー内に一人デスボも出来る子…というグループはいますけど。Arrow Heartは、2人とも歌/デスボ両方とも使い分けて表現しています。そこが、他のデスボ系のグループとは異なる絶対的な強みになっていません?

詩華もも  そう捉えてもらえたなら嬉しいです。最初は、ねむさんが一人でデスボを担当していましたけど。もともとわたし自身がArrow Heartのファンとして見ていた人であり、ねむさんのことも「福島にも、こんなに歌が上手くて、デスボも出来るアイドルがいるんだ」と感動し応援してきた一人でした。その憧れもあって、わたしも加入以前から、よくカラオケでデスボ系のアイドルの曲たちをデスボで歌っていた背景はありました。ただし、プロデューサーから「Arrow Heartのメンバーとして活動しない?」と誘われたのが嬉しくて加入したのは良いですが、カラオケでデスボを使うのと、実際にライブという場を通してデスボを表現していくのでは技術面での違いが大きく、プロデューサーにいろんなアドバイスをいただきながら、わたしはデスボを身につけました。

黒姫ねむ  そんなこと言ってるけど゛数日でデスボの使い方を身につけたところはすごいよね。おかげで、Arrow Heartの中で、いろんなデスボを駆使できるようになりました。

――ねむさん自身は、なぜデスボを始めたのかも気になります。

黒姫ねむ  Arrow Heartの中に、『ANOTHER GATE』という楽曲があります。うちのプロデューサーがバンド時代にデスボも担当していたことから、Arrow Heartの楽曲にもデスボを取り入れようということになり、『ANOTHER GATE』の冒頭にデスボを入れてきました。最初は、デスボを流しながら、わたしがデスボを真似るような形で始めましたけど。同期ではなく、わたし自身の声でデスボを出したい欲求が出たことから、プロデューサーにアドバイスをいただきながら、デスボを身につけたのが始まりでした。デスボが出来るようになると、楽曲のいろんなところにデスボを入れたくなるし、デスボの中にもいろんな表情をつけたくなり、それで積極的に磨きをかけたことが、今の私なりのデスボのスタイルの確立へと繋がりました。

――曲中で叫んでいると…。

黒姫ねむ  楽しいです。ファンの人たちからは、「デスボでストレス解消してない??」とも言われますけど。でも、そういう効果もあるのかなとは感じます。

詩華もも  そうだね。わたしはデスボを出すことで、「すべてを破壊してゆく」感じもしています。ファンの方々に「悪魔の声かと思った」と言われるのも、わたしには嬉しい感想の言葉です。

黒姫ねむ  今じゃ、"Arrow Heart=デスボを魅力にしているラウド系のグループ"として認知してもらえていれば、デスボを個性として受け止め、支持してくれるのも嬉しいです。


こんなに暴れ狂っているアイドルグループは、福島ではArrow Heartだけ!!


――確かにデスボも魅力になっていますけど。Arrow Heartの一番の魅力であり、強みが、"キャッチーでつかみのある、しかもエモーショナルな歌"。触れた瞬間から胸を嬉しく騒がせる歌が軸にあったうえで、そこへデスボで彩りを与えているからこそ、Arrow Heartの楽曲やライブパフォーマンスに惹かれてゆくんだと感じています。

黒姫ねむ  そこをわかってくれたのなら、嬉しいです。

――ライブ中のパフォーマンス面でも、ヘドバンや折り畳みをすれば、モニターや柵に足を乗せて煽るなど、かなり激しい姿も見せていますよね。

詩華もも  Arrow Heartの楽曲を歌っていると自然に気持ちがアガっていくからね。ただ、わたしに関しては、自分が理想とするレベルまでには達してないから、ライブ中は楽しんでいるけど、まだまだ経験を重ねている段階です。Arrow Heartは、今が最高ではなく、まだ進化し続けている過程。もっとパワーアップしていくから、これからどんだけ表現が激しく、豊かになっていくのかを楽しみにしていてほしいです。

黒姫ねむ  今のArrow Heartは、まだまだ進化の過程だからこそね。

――お2人が感じている、今のArrow Heartの魅力も教えてください。

黒姫ねむ  2人でデスボの掛け合いもするくらいに、今のArrow Heartとしては「デスボ」を個性として打ち出していきたいのが一つ。ライブでは、「ファンのみなさんと一体化して盛り上がっていける」こと。しかも、ライブを行う地域によって、みんな異なる盛り上がり方をして楽しんでいるから、そういう「自由度の高さ」もArrow Heartの魅力になっているなと感じています。

詩華もも  まだファンとしてArrow Heartを観ていたときから感じていたことだけど。福島県内で、こんなにも激しい音や歌をぶつけるアイドルグループ.は見たことがなかったから、「こんなに暴れ狂っているアイドルグループは、福島ではArrow Heartだけ」ということ。そして、全国を舞台に勝負していける魅力としてあるのが、「デスボでの掛け合い」。その掛け合い方も、"声質の高いスクリームと声質の低いグロウルを掛け合う"など、「いろんなデスボの種類で掛け合う」ところはArrow Heartだからこその魅力だと思います。デスボの掛け合いをしてゆくグループは、なかなか観ることがないと思うし、ライブではストレス発散も出来るから、ぜひライブに暴れに来てください。


まだまだ枠を壊せる可能性を今のArrow Heartは秘めている。


――ライブではおらおら系の2人ですが、ステージを降りるとちょっと変わりますよね。

詩華もも  変わりますね。ステージ上のねむさんは、かわいらしさもあるけど、基本は格好良くて最強の人。歌もダンスも上手ければ、さらにデスボも出来る、本当にステージの上では完璧な人……ですけど。一度、ステージを降りたら、印象が180度変わります。いきなり、子供っぽいというか、ガキのようになります(笑)。でも、Arrow Heartのことに関してはすっごく真面目に向き合う人。そこをわたしは尊敬しています。

黒姫ねむ わたし、アイドル未経験のももが加入すると決まったとき、「わたしがしっかりしなきゃ」と思っていましたけど。彼女は、いつでもハイテンション。しかもArrow Heartが初めてのアイドル経験とは思えないくらい、最初からステージ馴れしている感じがあって、初めて一緒にライブをやったときも、「一緒に何十年もやってきた」ような一体感を最初から作れていたんですね。2人とも、何十年も生きてないですけど(笑)。そう感じてしまうくらい、表現がすっごく上手。しかも、みんなにも愛されているキャラクター。一緒にいてすごく楽しいんだけど。けっこう頭の螺子が外れている子なんですよ。そうは言っても、練習のたびにすごく進化しているし、Arrow Heartのライブを良くするためにいろんなことを考えてくれる子だから、わたしもすごく助かっています。何より,すごく相性がいいから、一緒にいると、いろんな面でめっちゃアガります。

――そんなArrow Heartの今後についても教えてください。

黒姫ねむ  Arrow Heartは福島を舞台に活動をしていますけど。積極的に、いろんな地域へ足を運んでライブをやっています。それらのイベントを通して、たくさんのアイドルさんたちと触れ合っていく中で感じているのが、「私たち、まだまだ枠に小さく収まっているな」ということ。「ぶっ飛んでるね」など嬉しい言葉もいただきますけど、私たち自身は、まだまだ枠を壊せる可能性を今のArrow Heartは秘めているなと感じています。本当なら、もっと遠慮なくやってしまえばいいのかも知れませんが、「こんなことやっていいのかな?」と、2人とも何処か真面目になってしまう面があるのも事実です。だからこそ、照れも含めた、そういう枠を自分たちで壊しながら、もっと「おっ!!」となるようなライブパフォーマンスを見せていけるように進化したい。わたしは、そう思いながら活動をしています。

詩華もも  わたし、「加入してもう4か月なの?」と思うときと、「加入してまだ4か月なんだ」と思うときの両方があります。いずれにせよ、ここまでめちゃめちゃ濃い時間を過ごしてきたのは間違いないです。活動を始めた頃は、何を、どうして良いのかもわからない状態でしたけど。Arrow Heartの楽曲の魅力や深みにはまるほどに、今は、そのうえで自分のやりたい表現をどう加えていこうかという意識になり出しています。今は、まだまだ表現できる技術を磨いている時期。でも、自分が思うように表現できるようになるほど活動がすごく楽しくなっているから、わたしも、これからのArrow Heartの伸びしろが楽しみです。

――今後のArrow Heartの予定についても教えてください。

黒姫ねむ  10月に、Arrow Heartが8周年。同じ事務所に所属している音之雫が3周年を迎えることから、一緒に「周年祭」を福島で開催します。頭がおかしいくらいにブチ上げる、枠を取り払い、さらに進化した姿を周年公演では見せたいと思っているので、今から楽しみにしていてください。

詩華もも  Arrow Heartがデスボを魅力にしたラウド系アイドルユニットなら、音之雫はゴシック系デジロックユニット、なかなか個性的な組み合わせだから、聴いてびっくりすることも含めて、楽しんでもらえたらなと思っています。

――最後に、メッセージをお願いしても良いですか。

黒姫ねむ  Arrow Heartは、毎回のライブごとに「違ってて面白いね」という姿を見せていきたいし、ファンのみなさんを飽きさせないだけではなく、心に残るパフォーマンスを届けていきます。私たちはまだまだ進化し続けるからこそ、みなさんにもArrow Heartの未来を楽しみに見ていてほしいなと思います。

詩華もも  ほんと、その通りだよね。これからArrow Heartはガツガツ走っていくから、みなさんついてきてください!!


TEXT:長澤智典


アー写


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