FEATURE

2022.10.26
Sing Sing Rabbit

いろんな方々との出会いや、発想を活かしながら、Sing Sing Rabbitとしていろんなストーリーを描いていきたいなと思います。


 香港をベースに活動中。今や、中国/台湾/韓国などアジア各国で人気を獲得。アーティスト/クリエイターとして、アジア各国を舞台に活動中のSing Sing Rabbit。 このたび、『恋花』SING SING RABBIT feat. endy jaugwokyinをデジタルリリース。日本での活動を前提に作りあげたこの楽曲の見魅力を伝えようと、リリース時期に合わせて来日。彼女をつかまえてインタビューを行った。 

――Sing Sing Rabbitさんといえば、トレドマークがうさぎのフード。なぜ、それを身につけるようになったのか教えてください。

Sing Sing Rabbit これは、本当に偶然の出来事から生まれたことでした。わたしは,2011年から音楽創作活動を始めました。当時は、マレーシアの歌手张智成 Z-Chen ジャンジィチェンの「May I Love You」に男性の歌の部分を10個入れて、「一歌十唱」という新しい作品にした二次創作のアイディアで、自分で歌い楽曲を作り続けていました。その楽曲をたくさんの人たちに聞いてもらおうと始めたのが、YouTubeでの動画配信でした。
  ただし、わたしは"自分の作った音楽"にしっかり耳を傾けて聞いてもらいたかった。YouTubeは映像チャンネルですから、そこで自分のビジュアルを出してしまうと、歌声だけではなく、自分のビジュアルも含めたうえでの音楽という捉え方になってしまう。そこに懸念を覚えたことが、最初のきっかけでした。

――そこから、どうしてウサギの フードへと??

Sing Sing Rabbit  音楽に集中してもらうなら、人の姿を映すのではなくキャラクターを投影したほうが、むしろ映像を気にすることなく自分の音楽に集中してもらえる。そう考えて、知り合いのデザイナーの方にお願いをして、今のうさぎのフードを作ってもらい、Sing Sing Rabbitと名乗り、それをかぶって歌う映像を撮っては、次々とYouTube上へアップし続けました。
  これは、わたしの嬉しい誤算になりますけど。うさぎのフードをかぶって歌ったことで、楽曲の評判はもちろん。そのキャラクター自体が注目を集め、香港はもちろん。とくに台湾で話題を集め、「この子は一体誰なんだ」と謎が謎を呼び、一気にバズりました。そこからです、うさぎのフードをかぶったSing Sing Rabbitというキャラクターが脚光を浴びるどころか、そのスタイルが人気を博し、その格好で活動を行うのがスタンダードなスタイルになったのは。

――Sing Sing Rabbitさんといえば、おしゃれなマスク姿が多いじゃないですか。 あれは…。

Sing Sing Rabbit Instagram
https://www.instagram.com/singsingrabbit/
                                                   
Sing Sing Rabbit 自分で手作りしています。わたし自身、ファッションはとても興味関心のあること。以前は、、香港のメディアからファッションコラムのライターとして招かれ、ファッションについて書くことになったのです。その時、私は自分が書いたファッションの服を着るモデルにもなりました。今も、ファッションの仕事には携わっています。
  マスクも、いろんな服のスタイルに合わせ、その服のデザインに似合うマスクをと、いろんな布や素材を集めては一つ一つ手作りしています。服に合わせたマスクをデザインしていくのも、わたしは大好きです。最近では、外枠だけをいろんなパターンで作り、中のマスクを着脱できるようにして、マスク自体のデザインを着替えるように楽しんでもいます。

――そのマスクを欲しがる人も多いんじゃないですか。

Sing Sing Rabbit  よく「どこで売っているの??」と聞かれます。でも、ぜんぶ手作りだから売っていないんですよね。ただ、そういう要望が増えてきたから、外枠だけ付け外しできる形で販売しようかと、今、ファッションブランドの方々と打ち合わせをしながら具現化できそうか模索もしています。

――Sing Sing Rabbitさんはアッパーでノリよいロックな楽曲から、切ないバラードまで、本当に幅広い音楽性を形にしていますよね。

Sing Sing Rabbit  わたしは、本当にいろんなジャンルの音楽が好きです。ギターポップや激しいロックな表情も聞けば、K-POPだって聞いているし、J-POPも小さい頃から親しんできました。中でもMISIAさんや宇多田ヒカルさん、中島美嘉さんは小さい頃から好きでよく聞いていました。今回リリースした『恋花』がロックの要素も取り入れた、ポップなバラードになったのも、いろんな音楽性の影響を受けてきたからこそ、バラードというスタイルの中へわたしなりの個性を求めた結果だと思います。

KOIBANA 恋花 (Art & Music) - SING SING RABBIT feat. endy jaugwokyin | FULL VERSION
https://www.youtube.com/watch?v=AbvwzZXwtiU

――Sing Sing Rabbitさん自身、いろんな音楽性をミックスアップしてゆくことを楽しんでいますよね。

Sing Sing Rabbit  楽しんでいますけど。そもそも、人の気持ちというのは、一つの音楽スタイルだけで表現しきるのは難しいことだとわたしは感じています。人の感情には、ハッピーなとき、ロマンチックなとき、怒っているときなど、いろいろとあります。いろんな感情を音楽で表現したいとなったら、そこへ、自然といろんな音楽の要素が交わりだします。だから、わたしが表現する音楽には、いろんな要素が1曲の中へ入り交じっていくんだと思います。

――しかも、音楽性に合わせ、ファッションや映像もと、いろんな要素をすべて取り込んだうえで、その楽曲の世界観を作りあげている。そこにも、Sing Sing Rabbitさんらしいこだわりを覚えます。

Sing Sing Rabbit やっぱし、その曲ごとに伝えたいものを、いろんな形を持って伝えていくのが大事だし。それがわたしの表現してゆくうえでのスタイルだと思います。

――今回、台湾香港の人気アーティストのendy jaugwokyinと、『恋花』を日本語でデュエットしました。その経緯も教えてください。

Sing Sing Rabbit  わたしが、前回日本に来たのが2019年11月になります。そのときに、日本でわたしの楽曲をリリリースしようという話になりました。そのとき日本向けにと提案したのが、『恋花』でした。日本のスタッフの方々も、「これは日本人の心にも刺さる歌」ということで支持してくだされば、「日本語て歌おう」ということからprephonicさんに日本語の作詞を以来し、今の『恋花』が生まれました。ただし、当時はデュエットではなく、わたし一人で歌う予定でした。しかも、日本語でしっかり伝えたいからということで、日本語の発音の練習も重ねようと、レコーディングは改めて行う形にして、あのときは香港に帰国しました。
  帰国後、ネット上で連絡を取り合いながら、具体的にレコーディングの日程なども含め、ふたたび日本へ行く段取りも決めていたところ、世界中がコロナになってしまいました。結果、リリース時期も、コロナの状況次第ということで延期になってしまいました。

――世界中が同じ状況へ陥っていたから、仕方ないといえば仕方のないことですよね。

Sing Sing Rabbit  確かに、何時、リリースのための制作を再開できるのかはまっかたく見えていませんでしたけど。でも、ネット環境があればコミュニケーションは取り続けていられたし、準備活動だってしていけるじゃないですか。だから、何時再開しても良いようにと準備活動は続けていました。
  そうやって曲を温めていく中、ふっとわたしの意識の中、「この歌はデュエットのほうが似合うのではないか。しかも男性とのデュエットのほうが歌に深みが増す」と思い、それを提案。そのうえで、日本語でデュエットするなら誰が相応しいかなと探していた中で浮かんだのがendy jaugwokyinさんでした。

――endy jaugwokyinさんとは…。

Sing Sing Rabbit  以前からの知り合いでした。ただし彼は、わたしがSing Sing Rabbitとして活動をしていることをまったく知らなかったから、ここへ至るまでのストーリーを事細かに説明し、そのうえで改めてオファーをしました。そうしたら、「じゃあ一緒に歌おうよ」と言ってくれたことから、今回の形が実現しました。
  もちろん、そこにはendy jaugwokyinのスケジュール面で調整が効いたことや、わたしも台湾へ仕事で行くタイミングもあってのオファーでもあったように、これもいろんな運命が導いてくれたことだなと思っています。出来上がった楽曲を聞いたときも、男女のデュエットにしたことで、歌詞に込めた切ない思いを、男女の感情として表現したことで、より深みが出ましたからね。

――Sing Sing Rabbitさんの活動の中心軸にあるのは、やはり音楽活動でしょうか。

Sing Sing Rabbit  いろんなクリエイティブな活動をしていく中、音楽が一番自分のストーリーを形にしてゆくうえで最適な手段であり、大切なスタイルだと思っています。
  小さい頃のわたしは、友達から譲り受けたピアノを前にして自己流で弾いていました。今でこそいろんな音楽の知識を得ていますけど。あの当時は、楽譜だって読めなかったし、本当に自分の感覚だけを頼りにピアノを弾きながら歌ったり、それこそ創作活動だってしていました。それが、今のSing Sing Rabbitの活動の原点にもなれば、自分を表現してゆくうえでの最初の奇跡にもなりました。
  そしてもう一つの奇跡が、Sing Sing Rabbitになったこと。ウサギのフードという強烈なアイコンを示したことで大きな注目を集めれば、そこで音楽のみならず映像も含めたクリエイティブな面で認められたからこそ、いろんな企業とのコラボレートの話も次々と舞い込めば、それを具現化し続けてきました。
  最近も、香港はもちろん、世界を舞台に配給している映画会社のゴールデンハーべヘスト社とタッグを組み、わたしのアイデアのもと、Sing Sing Rabbitをアニメキャラクターした映像を用いて、映画上映前に流れる(録画は犯罪ですなどの)警告映像も作りました。香港は、コロナの影響で、なかなかエンターテイメントの再開が難しい環境でしたけど、少しずつですが再開できる環境が戻り、その映像もようやく使ってもらえるようになったから、個人的にはとても喜んでいます。
  自分の夢が、どこまで現実化していくのかはわかりません。でも、やりたいアイデアはどんどん生まれてくれば、それに共感した方々が実現に動いてもくれます。それもすべては、音楽というきっかけがあったからなのは確か。だからこそ、音楽活動はこれからも大切な軸にしていきたいことです。

――Sing Sing Rabbitさんは、本当にいろんな頭の中のストーリーを形にし続けている方。同時に、自分の活動の歩みというストーリーも、どんどんドラマチックに彩っている。これから、どんな新たなストーリーを描いてゆくのかも、ほんと楽しみです。

Sing Sing Rabbit  ストーリーというのは本当に不思議なもの。自分で描いていた物語へ、いろんな人が加わることや、突飛な発想次第で、思ってもみないほうに物語が広がっていく。こうやって日本で活動できているのも、そのストーリーの中での出会いがあってのことですからね。 これからも、いろんな方々との出会いや、発想を活かしながら、Sing Sing Rabbitとしていろんなストーリーを描いていきたいなと思います。

――最後に、改めて『恋花』について聞かせてください。

Sing Sing Rabbit  わたしと、デュエット相手のendy jaugwokyinの声質は、男女だから以前に、それぞれ個性が強かったから、どんな風に交わるのかという心配もありました。でも、出来上がったのを聞いていただけたらわかるように、互いに刺激もしあえば、綺麗にハーモニーも描いています。本当に良いコラボレートになりました。その成果をぜひ聞いてください。それと、『恋花』は切ない歌詞ですけど、切ない中にも希望を持っている楽曲ですから、この歌を聞いて、みなさんもポジティブな気持ちになってくれたら嬉しいです。まずは、一度触れてみてください。よろしくお願いします。


TEXT:長澤智典

 

<インフォメーション>

Sing Sing Rabbit Information

 

「恋花」Sing Sing Rabbit feat. endy jaugwokyin
2022年10月20日(木)配信開始
https://big-up.style/2ZavlaNHVz

WEB:https://www.singsingrabbit.com/
Twitter:https://twitter.com/SingSingRabbit
Discord:https://discord.gg/singsingrabbit

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