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2024.03.29

maleficium

アルカード・アリスがライブデビュー。５人の歌声の強烈な圧に心が奮えた。maleficium主催公演「maleficium定期公演stigmata～聖痕～vol.9」ライブレポート。

　3月28日(木)に浅草VAMPKINで行った、maleficium主催公演「maleficium定期公演stigmata～聖痕～vol.9」。ゲストに、東京サイコパス/Qndy/YORUYU./MASK OF GODDESS/雅from OMNI666/ZIGA/禅XENOVA刃 /SeedS/PISTILが参加。同公演で、新メンバーのアルカード・アリスがライブデビュー。当日の模様を、ここにお伝えしたい。

　聖なる調べが会場中へ響きだす。躍動する音楽に合わせ、フロア中から起きた熱いクラップ。その音へ導かれるように、メンバーらが舞台へ姿を現した。

　新生maleficiumのライブは、この空間を聖なる‥いや、激熱な空間へ塗り上げるように『EDEN』から物語の幕を開けた。轟音を浴びた観客たちが拳を高く突き上げ、沸き立つ想いをぶつけだす。魔界から降臨した5人の女神たちは、轟音が渦巻く会場の中で雄々しい声を高らかに響かせ、この場を狂気と狂気が交錯する荒々しくも妖しい空間へ塗り上げる。怒声にも似た彼女たちの挑発するような歌声の圧は、本当に凄まじい!!!!!

「なぜ悲しいのなぜ傷つけるの」とCHIHO FUKUDAが高らかに歌う声を受け、轟音を撒き散らしながら『Ēlysion』が炸裂。5人の荒々しくも感情的な煽りを受け、場内中の人たちが、高ぶる気持ちを拳に託していた。この日のメンバーらの歌声の圧が、とにかく凄まじい。その気迫に負けてなるかと、観客たちも声を荒らげ、拳を力強く突き上げ続けていた。

5人体制になったことで、今のmaleficiumは間違いなく大きな進化を遂げている。とにかく、歌声の圧がもの凄い。その迫力に飲み込まれまいと、見ている側も、気迫や突き上げる拳という剣を持って彼女たちへ戦いを挑みたくなる。その気迫が、場内に熱情した空気を作りあげていた。鋭利な刃のようなメンバーらの声が、次々と身体を貫き続ける。この日のライブは、まさに戦いだ。気迫と気迫をぶつあう、聖なる戦いの場だ。

　曲を重ねるごとに、ライブ自体の迫力が増してゆく。「いくぞ!!」の荒ぶる声を合図に、メンバーたちが雄々しい声を荒らげだす。『lament』でも、沸き立つ感情を一つにした5人の歌声に心も身体も熱く支配される。圧の強い5人の歌声と突き上げる拳へ向けて、場内中からも数多くの拳が突き上がる。互いに剥きだした感情を叩きつけなければ、ここにはいれない。だから、ますます声を荒らげ、気持ちを奮い立ててゆく。

　荘厳かつシンフォニックな音色が会場中を支配する。。『Distopia』が場内中を駆け巡るのにあわせ，５人が歌声の刃を突きつけながら襲いかかる。「Oi!」「Oi!」と叫ぶその荒くれた声が、時に、おどろおどろしさを持った声が、観客たちを闇の奥へ奥へと引きずり込む。彼女たちへひれ伏すように、身体を大きく折り畳む観客たち。その姿を目にした彼女たちは舞台の最前まで歩み寄り、雄々しきその歌声で、観客たちの理性を掻き乱していった、その様は、まるで儀式だ。この世界を破壊しつくための聖なる儀式そのものだ。

　「全員かかってこい!!」と荒ぶる気持ちをぶつけるメンバーたち。5人は雄々しい声で祈りを捧げるように『月は無慈悲な夜の女王』を歌唱。彼女たちが突き上げる拳に向け、フロア中からもたくさんの拳が突き上がる。一人一人が強烈な個性を放ちながらも、今のmaleficiumは一丸となって感情を荒らげ、煽ることで、観客たちの心を支配してゆく。ならば、猛り狂う気持ちのまま彼女たちへひれ伏してしまえばいい。

最後にmaleficiumは、『Stigmata』をぶつけてきた。5人が、観客たちが、腹の底から声を荒らげ、互いをきつく求めあう。この曲では、一人一人の歌声の魅力を感じることも出来たが、でも今のmaleficiumは、5人が気持ちを一つに、全員が一丸になって魂を込めた歌声をぶつける姿にこそ魅力がある。雄々しく、荒々しく攻めながらも、じつは楽しさを覚えていたからだろうか。眩しいライトの輝きに照らされたメンバーたちは、何気に笑顔を浮かべていた。メンバーと観客たちが、共に「Oh! Oh! Oh!」と叫びながら気持ちを一つに混ぜ合わせていた。5人の与えた聖なる衝撃に、消したくない痕を、この場にいる人たちが身体や心へしっかりと刻んでいった。

新体制のmaleficium、かなり強烈だ。これからライブへ触れる方々、とことんまで暴れ尽くせ!!!!!