FEATURE

2024.03.12

exist†trace

「Mashup LIVE -異彩SHOWDOWN-Vol.14 streaming by GALPO LIVE SHOW」exist†trace編

exist†traceは最初から最後まで絶叫と突き上がる拳の景色を作りあげ、この空間を沸かせていった。

　Mellowsの2人のギタリスト、GINAとSally。それぞれが異なるギターメーカーのオフィシャルアーティストとなり、特注のギターを制作。２人揃って同じ日にライブでお披露目をすることから、その様を目にしようとライブ会場に足を運んだ。その日が、2月26日(月)に渋谷REXで行われたイベント「Mashup LIVE -異彩SHOWDOWN-Vol.14 streaming by GALPO LIVE SHOW」になる。
この日は、exist†trace/囁揺的音楽集団AsMRも出演。ここへは、exist†traceのライブの模様をお届けしたい。

exist†trace

　ド頭から衝撃が降り注ぐ。Vo.ジョウの歌声が、演奏陣が、スケール大きな音の唸りを描きながら、観客たちを飲み込みだす。サビでは、大勢の人たちが大きく手を掲げ、心地よく飛び跳ね続ける。exist†traceは『Daybreak～13月の色彩～』を通し、早くもこの空間に理性を消し去り、現実をひっぺがす、熱情した宴の様を作りあげていた。場内中の人たちが夢中になって飛び跳ねる、その景色が気持ちを嬉しく騒がせる。

　exist†traceは観客たちの騒ぎたい感情へ、さらに興奮というエナジーを注ぐように『DREAM RIDER』をぶつけてきた。ジョウの歌へ導かれ、メンバーらの煽る声に刺激を受け、場内中の人たちが全力で腕を振り上げ、荒ぶる音を引き連れ爆裂/爆走する演奏へ飛び乗り、一緒に熱狂の世界を駆けめぐっていた。もっともっと、熱気と興奮のエンジンを唸らせ、まだ見ぬ極上の世界へ連れだしてくれ。メンバーらの激しく攻める演奏や歌声に触れ、気持ちがずっと奮い立っていた。この高ぶりを抑えられない。理性なんか、とっくに捨ててしまっていた!!

　Drs.Mallyの荒ぶるドラムフィルとGt&Vo.mikoのギターリフから始まったのは、『REMEMBER ME』だ。フロアでは、拳を突き上げる人たちも大勢誕生。その様を見ながらも、雄々しき姿で煽るように歌うジョウ。激しくも高貴な姿だ。その出で立ちに、攻撃の手を緩めることのない演奏に、気持ちが奮い立つ。互いに熱狂を求めあうように見えながらも、5人は明らかに観客たちへ挑みかかっていた。だから大勢の人たちが力の限り拳を突き上げ、牙を剥いていた。

　腹の奥底へズンッと響く重厚な音の数々だ。exist†traceはミドルヘヴィな『Requiem』を歌い奏で、観客たちを大きな唸りの中へと飲み込み、一人一人の身体を激しく揺さぶっていた。胸を痛く刺激する歌声が、心の奥へ奥へと浸食してゆく。Ba.猶人の妖艶なフレーズと、歪みを上げた轟音とを絡み合わせ、exist†traceは観客たちの意識を、その演奏や楽曲で酩酊させる。ジョウの歌声へ心惹かれながらも，身体は痛心地よい刺激にずっと興奮と恍惚を覚えていた。

　『BLAST』の演奏が始まると同時に、フロア中の人たちが、その身を野獣のように染めあげ、轟音の礫を投げ続けるメンバーたちへ全力で挑みかかっていた。ジョウと観客たちとの荒ぶる声のやりとり。重くノイズなリフビートを刻み、凄まじい勢いで爆走する演奏に飛び乗り、大勢の人たちがヘドバンに興じ、荒ぶる声をジョウと交わしあう。間奏で飛びだしたGt.乙魅のギターソロも胸を熱く騒がせる。熱狂というアクセルをベタ踏みしながら、共に絶叫の頂きまでアガっていきたい!!!!!

　最後にexist†traceは『VOICE』を演奏。熱を持って駆けだした演奏は、しっかりと前を、未来を見据えて走っていた。だからその演奏や歌声へ身を預け、一緒にその先へ向かって駆け続けていたい。サビでは、ジョウの歌と一緒に歌う人たちや、高く拳を突き上げる人たちが大勢登場。誰もが小刻みに，でも激しく身体を揺さぶり、舞台の上から降り注がれる衝撃や興奮という音の雨を嬉しそうに浴びていた。exist†trace、最初から最後まで、この場へ絶叫と突き上がる拳の景色を作りあげ、この空間を沸かせていった。一緒に歌を交わしあった最後の景色も、嬉しく胸を躍らせてくれた。

LIVE

TEXT:長澤智典