この日のライブは、ソノシート無料配布もあり新宿LOFTという会場もあり、総合プロデューサー"キーボー"も口にしていたように、往年の音楽ファンなら「ラフィン・ノーズ」という伝説のバンドを彷彿させる。

そして、この日のイベントコンセプトになぞらえるように開演前には、７０年代の楽曲を中心としてDJタイムが設けられていた。アナログ盤でDJに、会場に集まったファンたちはどこか懐かしむように、あの時間を取り戻すのかのように、音楽に耳を傾ける。

ヒーローアイドルらしくオープニング映像は、往年の怪獣映画をオマージュした作りになっており、これから始まる物語に期待感を募らせる。そして彼女たち５人の幕が上がる。真っ赤な衣装に黄色いマフラーを装着、目元には黒いマスクで登場。サイキックでも使いそうなイデタチだ。ミニアルバム『to IDOLS to US to YOU』の曲順どおりライブがスタート、光の巨人が出てきそうな"ワンダバ"感に高揚する、もうその瞬間にフロアはめろん畑ワールドに突入する。

SICK×IDOLS×SICK と題されるようにめろん畑a go go は、まさにSICKなグループだ。60sロカビリーやサイコビリー、ガレージ、パンクロックなど様々なジャンルをこの日も展開、アイドルの音楽ジャンルとしては決して王道ではない楽曲たちに、ある意味、音楽にSICKなグループかもしれないが、一度聞けば病みつき（SICK）になってしまうのが、めろん畑a go go だろう。そんな楽曲たちに陶酔していると、

琉陀瓶ルンのソロパート「いつかの狼」へ。鍵盤の音に、彼女のボーカルが語るようにメロディに乗る。いつかまた会おう いまじゃなくてかまわないから　とこの状況下で会場に来れない人たちへのメッセージのようだった。

黒いマスクと黄色いマフラーを外し再び５人がステージに揃う。ポップロックなナンバー「FINAL GAME-Idol of the Phantasm-」から再びライブは走りだす。楽曲好きが多く集まるこの現場は、曲のジャンルのせいもあってか独特の雰囲気がある。ただアイドルという特性や、彼女たち５人の人柄もあってか、とても暖かい空気だ。ライブは熱く激しく、でも仲間には優しいそんな空気感だ。音楽を届ける、ライブを届ける彼女たちは、ただ歌って踊るアイドルではないのだ。ステージとフロアの違いはあるが、楽曲を一緒に楽しむ仲間なんだろう。レスを送るとき、お立ち台に立ってフロアを煽るとき、そんな信頼関係を感じる。だから、めろん畑a go go のライブは楽しいのだ。

アンコールでは、この日に発表されたハードコアチョコレートとコラボTシャツ姿で登場。

ライブのラストは「めろん畑a go go」で、ピリオドを打つ。僕らは滅びない、きっと歌が残る　だからめろん畑で待つと、来年３月まで続くツアーで再開できるのを願って、幕は下りた。

写真・取材・文：もりたはぢめ

＜セットリスト＞

01.to IDOLS to US to YOU
02.撃つな琉陀瓶！
03.海賊QUEEN AMAZONES
04.イカすぜIDOL
05.灼けたらマッハ
06.NIGHTMARE BEFORE VAMPIRE
07.Maniac
08.Change The Wolfman
09.HORROR BILLY NIGHTS
10.YAM YAM POO POO
11.SFホラー
12.IDOL CATS
13.いつかの狼
14.FINAL GAME-Idol of the Phantasm-
15.EVERYBODY GOES
16.Still Monster Go Go Mansion
17.めろん
18.荒野のIDOL
19.STILL DEAD or ALIVE
20.Love Me
21.She Said
22.IDOL FROM PLAN9
23.GIVE ME SOMETHING
24.I WAS TEENAGE ALIEN
25.無敵のIDOL
26.TRAIN
27.Surfin'Bird
28.IDOL FROM ANOTHER PLANET 旅たちの唄-めろん畑a go go2-
-アンコール-
En1.The IDOL From OuterSpace
En2.SICK IDOLS
En3.めろん畑a go go