鮮烈なデビューも記憶に新しいelsyが１周年を迎えた「1st Anniversary Live」が開催された。決して平坦な道ではなかった彼女たち、この１年を経てまた新たな扉を開くステージとなった。

現体制ラスト 愛森ちえ、新井椎夏、橋本せいな の3人でのライブから「elsyがナンバーワン」の声でスタート！「惚れた病に薬なし」いきなり"上がる"曲だ。自由に見えて均整のとれたパフォーマンスは、3人の過ごした時間の濃さを表しているよう。この日もアイコンタクトを取りながら、ステージを縦横無尽に駆け回る。客席との目線の近いこの会場では、ライブ感が強くお互いの熱気を感じやすい。ファンの熱さを感じ取ってか、1曲目が終わる頃には紅潮した表情へとなる。続く「No.1」は、王道なアイドルソング、キラキラしたエフェクトがよりelsyらしい。奇をてらうことなく、素直に表現する振り付けも、歌とダンスのバランスよく構成されておりどちらに集中できる。

早くも涙ぐんでいた 橋本せいな は、眩しい笑顔を常に振りまく、それでいてカワイイだけではなく、表現力豊かな歌唱に、彼女自身の芯の通った気持ちを感じた。新井椎夏は、華だ。彼女がステージの真ん中に立てば、パっと明るくなるほどの存在感と表情の緩急のつけ方に、目を奪われる。リーダー愛森ちえは、自身のビジュアルの良さを鼻にかけない謙虚さと誰よりもelsyとメンバーへの愛情を感じる。ステージ上でもステージ外でも、きっと彼女がいるからelsyは成り立っているのではないかと思うくらい気配り目配りのパフォーマンスを見せる。

「トドケトドケ」からエモいナンバーが続く。アイドルポップから「君に目に映るのは」のように叙情的な曲そして「僕たちの物語」のハードロック調まで歌いこなしelsy色にしていく、どんなものでも歌いこなすこのグループは、とてもクリアな存在。透明なんだろう。柔軟に、そして颯爽とこなしてしまう、これがアイドルなんだろう。

この１年を振り返り、現体制最後のコメントをする。

「今日は楽しみでもあり、不安でもあったので、こんなにたくさんの方たちがお祝いに来てくれると思ってなくて、本当に嬉しいです。ありがとうございます。ステージからファンのみなさん、ひとりひとり、みんな楽しそうに笑顔でライブを見てくれて、安心しました。
私は１年前はまだelsyのメンバーではなかったんですけど、初期メンバーの2人がいてくれたおかげで、今日ここに立てています。いつも仲良しでここまで３人でやってきたので、ちょっと寂しい気持ちと楽しみな気持ちもあります。この１年を振り返って３年くらいの思い出が詰まっているぐらい濃い1年でした。elsyは、みんな可愛くて、楽曲も良くて、何もかもが素敵なグループです。だからelsyに加入しました。色々ありましたが無事１周年ライブをできて幸せな気持ちでいっぱいです。こうしてみんなの前でライブができることが当たり前じゃないと思うようになり、普段支えてくれて、わがままを聞いてくれるスタッフさんに感謝しています。これから新体制になり、elsyの新しい歴史が始まります。
私はelsyにかけていて、私のアイドル人生最後のグループです。だから売れなければいけません。一人も欠けていくことなく、この先、elsyが武道館やさいたまスーパーアリーナに立つ時に、今ここにファンのみなさんも一緒に涙を流してもらいたい。それぐらいのものになると今日のライブで確信したし約束します。今日のまでのみなさんの応援に、必ず恩返ししますので、これからもelsyに力を貸してください。」（橋本）

「ステージに立ってこんなにも人が集まっていると思わなかったのでとても嬉しいです。ありがとうございます。elsyに入って１年がたちました。ここまで頑張ってこれたのは、メンバーそしてファンのみなさん、スタッフのみなさんのおかげです、ありがとうございます。
この１年間は、本当に色々なことがありました。こうして１周年ライブを迎えられることが本当に幸せなことだなと思います。今日は１年一緒にやってきたメンバーに感謝の気持ちを伝えたいです。
せいなちゃん、elsyに入ってくれて本当にありがとうございます。せいなちゃんがいなかったら、今のelsyはなかったです。ダンスも歌も上手くて、全てが完璧なせいなちゃん、これからもよろしくお願いします。
ちえちゃん、自分は全然できていないというけど、リーダーらしくelsyを引っ張ってくれて、こんなにもelsyを大好きなちえちゃんについてこれて、本当に嬉しいです。こんなに仲良くなれると思ってなかったし、こんなに大好きな人とメンバーおんなじelsyになれてとても幸せです。二人ともありがとう。これからelsyはもっともっと上のステージを目指していきます。もっと個性を活かしていきます。そしてこれからも応援よろしくお願いします！」（新井）

「elsyが1周年を迎えられたのは、応援してくださるみなさんがいてくれたおかげですありがとうございます。私たちelsyはちょうど1年前10月20日にデビューしました。私はアイドル未経験だったので、何もわからないままリーダーになりました。１年間本当にあっという間でしたが、この1年間は正直辛いことの方が多かったと思います。でも辛い時いつも助けてくれたのはメンバーでした。
椎夏ちゃんは、デビューしてからほぼ毎日一緒にいて、椎夏ちゃんの底なしの明るさとか、頭がおかしいところとか、一緒にいるとふざけすぎちゃうところとか、本当に大好きです。私が泣いていたら一緒に泣いてくれるメンバー思いで優しいです。「elsyのリーダーができるのはちえちゃんしかいないよ」って事あるごとに言ってくれて、私に自信をつけさせてくれました。この１年間は、椎夏ちゃんがいなかったら絶対やめていたと思う。一緒にやってこれてよかったです
せいなちゃんが加入してくれたことによって、elsyに新しい風が吹きました。せいなちゃんが加入前は、アイドル経験がない子たちの集まりだったので、せいなちゃんは私たちのお手本になってくれました。いつもステージで、キラキラアイドルしているせいなちゃんをお手本として、elsyがアイドルとして成長しました。せいなちゃんがいなかったら、elsyはコロナに負けていたと思う。本当に入ってくれてありがとうございます。これからもよろしくお願いします。
私はelsyが大好きだしメンバーが大好きです。今でも辞めていったメンバーも大好きで・・・・あの時の事を思うと悔しいし悲しいし言葉にはできな感情でいっぱいになります。・・・・でも今日から新生elsyになります。心強い新メンバーが入ってきてくれます。いつまでもあの時のelsyが一番よかったって思われないよう、今のelsyが一番よかったと思ってもらえるように今日からまた力を合わせて頑張っていきますので、2年目のelsyも引き続き応援よろしくお願いします！！」（愛森）

3人でのパフォーマンスはこれが最後になるので全部出し切って、新メンバーを迎えたちと思います。と「終わらない約束」へ。今そうなんだ、何ひとつ無駄ではなかったと歌う。3人とも涙を浮かべなら、声を重ねてこう言う まだまだここが始まりでしょ と。最後のステージ中央で思いの事した事はないかと言うように抱き合い、そして、ステージを下りていった。

そして新6人体制へ、これからの始りを予感させる新しいOvertureに背中を押され、6人が新衣装にて登場。水色を貴重のセパレートタイプ、胸元のボタンとフリル、そしてスカートのプリーツの紺色がアクセントとなっており、彼女たちのスタイルの良さを強調する。スカート丈は、ロング、膝上後ろさがり、斜めにアンシンメトリーと３タイプでメンバーそれぞれの個性を出す。

新メンバーお披露目にして新曲2曲をいきなり披露。「ずっと前から好きでした！」ミディアムテンポのザ・アイドルポップといった王道ソング。サビに向かって盛り上がっていく感じが高揚する。走れ誰よりも早く、叫べ誰よりも大きな声でと、今日から走り出す新しい姿を見せつけてくる。

望月ひかりは、形容しずらい独特の彼女だけの雰囲気を纏い"一所懸命"という言葉が似合う、この短い時間の中で緊張が解けていくにしたがって表情も動きも柔らかくなっていく。神谷樹里奈は、クールビューティ、まっすぐ見つめる瞳に息を飲むほど魅了される。基礎ができているとひと目でわかるダンスは、6人のフォーメーションの中でもよく目立つ。七瀬ひなたは、小さい体を精一杯姿に、彼女の力強い想いを感じる。その弾ける笑顔は、何より彼女の魅力だろう。

続く「サヨナラも言えなくて」は、エモーショナルなメロディに乗せて、残されたのは、僕と思い出と歌う。この１年に詰まった思い出を胸に、これから始まる新しい物語へ向かうように歌い上げる。

先輩3人が引っ張っているわけでもなく、新メンバー3人が付いていくでもなく、力を合わせ早くも調和しているこの6人は、全員が同じ方向を見ている。

最後は、6人体制で「終わらない約束」を歌いライブは締められた。「今日は久しぶりにelsyを見にきている方もいると思うので、この6人のelsyを見せつけたかった」と言葉が印象的だった。

＜セットリスト＞

惚れた病に薬なし
No.1
トドケトドケ
君に目に映るのは
僕たちの物語
終わらない約束

ずっと前から好きでした！
サヨナラも言えなくて
終わらない約束

取材・文：もりたはぢめ