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2019.08.19

狂い咲けセンターロード|「無料定期公演Season3」季節外れの桜前線! 開花リポート

2019年7月16日、Space emo池袋にて、「狂い咲けセンターロード無料定期公演Season3」が開催された。この日は奇しくも、前日にTIF出場が決まったばかりの、まだ興奮覚めやらぬままむかえた定期ライブ。なにやら狙った感あるそのユニークなユニット名、そしてTIF出演も決定し注目を集める謎多きユニットのライブに初潜入。

ジャンルにとらわれぬ個性的な楽曲

暗転のなか、三国みずほ(みくにみずほ)と木下藍(きのしたあい)の影アナが場内に響き渡る。2人から物語のあらすじが語られ、企画コーナーがスタート。コーナーのコンセプトは「推しに出逢えるパーティー」。どうやら、ミュージカル風の寸劇のようだ。劇中のカバー曲で披露したのはモーニング娘。の『Mr. Moonlight』。宝塚の男役を思わせる衣装だ。三国と木下の男装はボーイッシュなルックスも相まって、まさにハマり役に見えた。

狂い咲けセンターロード

企画コーナー後に衣装チェンジ。ライブ本戦の1曲目、口火を切ったのはリード曲『これっきり』。木田葉音(きだはのん)のやや緊張が抜け切らないながらも伸びのある歌声が印象的だった。彼女はメンバー内で最も長身でスタイルが良い。それゆえダイナミックな振りにもつい目がいってしまう。夢咲あいり(ゆめさきあいり)と木下藍の掛け合いが楽しかったのは曲終了後のMC。とくに木下はおしゃべり好きなのか、「ぜんぜんこれっきりじゃないのにね」などとノリツッコミがみられるなど、ライブ後のインタビューもふくめこの日は終始しゃべり通しだった。

続いて、キラキラしたシンセが心地よいエレクトロポップ、『ニューギンガ』。かと思えば、5曲目に披露した『泣き虫ダイヤモンド』などは、一転してかわいらしい王道系アイドルソング。コールも入れやすい楽曲となっている。

楽曲のジャンルが個性的なことに対して、「メンバーもそれぞれ個性的なので、かわいい曲にはかわいい曲が合うメンバー、反対にかっこいい曲にはそれに合うメンバー、というように、どんな曲でも合わせられるのだと思います」と三国はいう。また同様に、夢咲も「狂い咲けにはセンターがいないので、その曲ごとに合ったメンバーがセンターになります」と語ってくれた。そこは大所帯のメンバーならではの強みといえるのかもしれない。

狂い咲けセンターロード

メンバー全員がリードボーカル!実力派パフォーマンンスユニット

本日のハイライトは、ラストの代表曲でエモさあふれるデビュー曲『Go to Heaven』4曲連続のパフォーマンス。同じ曲を連続で披露するこのパフォーマンスは、BiSの『nerve』以来、インディーズアイドル界ではめずらしい光景ではなくなったように思う。だが、2回目、3回目と、落ちさびのソロパートを代えていくという見せ方は、あまり観たことがない。特定の曲を印象づけるには間違いない工夫といえるだろう。この日、現場初参戦の筆者もまた、知らず知らずのうちに歓声の渦にのまれていた。

そして、4曲目の『Go to Heaven』。このときには、サビのフレーズを頭のなかで口ずさんでいる。なにより、もともと運動量の多いこの曲を、連続でこなすメンバーたちの体力に驚かされる。同時に、ファンの声援もラストにむけて益々熱を帯びていく。もはや「狂い咲け!」のフレーズが脳裏に焼き付いてはなれない。

狂い咲けセンターロードの特徴は、メンバーそれぞれがリードボーカルとして務まるだけの歌唱力をもちあわせているということ。現に、大方の曲でメンバーそれぞれのソロパートが用意されている。それにしても、1年足らずですでに表情や振りなどの表現力が高いことに驚かされた。

筆者の知るかぎり、ステージパフォーマンスにおいてとくに重要なのは表現力。観衆、とくにアイドルファンの多くはほぼ彼女たちの表情を観ているといっても過言ではない。彼女たちの場合、ファインダーごしに見ても、どれだけ表情や動作に意識がいっているかがわかる。印象的な振りと躍動感あるダンス、実に撮影しがいのある被写体だ。

コンセプトがないという通り、現在の持ち曲全11曲いずれもジャンルにもとらわれることがない。この日は、そのうちの7曲を披露。最後まで飽きることなくライブを体感できた。まだまだ8分咲きのユニットだが、TIF出演も決まり勢いはじゅうぶん。今後も季節外れの桜吹雪を期待したい。

 


【PROFILE】
花が季節外れに咲くことを意味する「狂い咲き」という言葉をテーマに2017年11月4日デビューした9人組ユニット。カラーが青のチーム「狂」4名、ピンクのチーム「咲」5名の2チームからなる。サウンドプロデュースにでんぱ組.incらに楽曲を提供するDr.Usui氏、花澤香菜の楽曲Remixを手掛けるNor氏、また、振付にベイビーレイズJAPANなどのコレオグラファーを務めたHIROMI氏が担当。

Twitter:@KURUIZAKE_STAFF
ホームページ:https://k-c-r.jp/

 

【INFORMATION】
LIVE:8/2(金)・3(土)「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」出演。
8/6(火)・13(火)・27(火)「狂い咲けセンターロード無料定期公演Season3」(会場:Space emo池袋)/毎週日曜・2部構成

 

【セットリスト】
企画メドレー
MC
<本編>
これっきり
New Ginga Paradise
星空カンフェティ
雷電
泣き虫ダイヤモンド
五臓六腑ハッピーライフ
MC
Go to Heaven(×4.5回)
MC

取材・文・写真◎名原広雄

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