FEATURE
天界ばたんきゅーが始音式(1stワンマン公演)で見せた、心をときめかすチャーミングないたずら!!!

天界ばたんきゅーは、ソロとしても活動している「ももすももす」こと「ももす」が、「ごいちー」と「ハジメタル」を誘って結成したグループ。このたび、天界ばたんきゅーの初ワンマン公演「天界ばたんきゅー始音式〜痛いの痛いの頂くね〜」を、5月25日にSpotify O-Crestで行った。
ハジメタルのきっかけの音を合図に、「手・天・TE・丁・邸・亭・転・典・店・10・訂・展・偵・ばたんきゅ~」と、耳馴染みの良い歌声が響きだす。その声へ導かれるように、ももすとごいちーがステージへ姿を現した。まるで妖精のような2人が、ときにおちゃらけたポーズも見せながら、ふわふわっとした声を響かせ「手・天・TE・丁・邸・亭・転・典・店・10・訂・展・偵・ばたんきゅ~」と歌いだした。ライブの幕開けを飾ったのが『天界ばたんきゅーのテーマ』だ。いたずら好きのお化けに変身した2人が、甘い表情を浮かべ「天界ばたんきゅ~ 君の甘い♡に的中」と歌うたびに、胸のドキドキが大きく膨らみだす。2人とも肩肘を抜いた姿で、場内に詰めかけた大勢の人たちをチャーミングな魅力と魔力で落としていく。彼女たちが「天界ばたんきゅー 君の甘い♡に的中 悪戯したらお化けになれるぞ」と、“どろんどろん”としたかわいい振りをしながら迫るたび、2人に夢中になる。「手・天・TE・丁・邸・亭・転・典・店・10・訂・展・偵・ばたんきゅ~」とおまじないのように繰り返す、その言葉とメロディー、2人の歌う声が頭の中を思いきり駆け巡り、剥がれないポスターのように脳内に貼りついていく。ヤバい、いきなり天界ばたんきゅーの沼にはまってしまったようだ。
『僧侶A』では、少し舌ったらずな高音域の声でももすが歌えば、ごいちーは低音域を生かした歌声を、ももすの声に重ねていく。巧みにハーモニーを繰り出す2人。それを支えるハジメタルとサポートギター米谷侑人の作りだす、プチ・ファンタジックでファンシーな音世界。ももすもごいちーも自由奔放な姿で歌いはしゃぎながらも、サビではしっかりとハモり、めくるめくファンタジックな世界へ観客たちを引き込んでいった。
1曲ごと巧みに表情を変えていくところから見えてきた、天界ばたんきゅーの表現の懐深さ。続く『熊わずらい』では、ごいちーが歌いだすのを合図に、ファンタジックな中にもどっしりとした世界観をハジメタルが描き出す。そこへ、ももすがファルセットも織りまぜた歌声を重ねることで、さらにマジカルな世界へ広がっていく感覚を覚えた。手にした白い熊のぬいぐるみを振り回して、乙女の心模様を歌い語る2人。ときに「熊を背負い投げしたら」とインパクトの強い言葉も交えて歌う姿に、視線がずっと釘付けになっていた。ももすとごいちーの2人とも、どの曲でもめちゃめちゃチャーミングに迫ってくる。渋滞した乙女の感情を愛らしく歌う、その姿を一つとして見逃してなるものかと、ぬいぐるみを手にはしゃぐ2人に視線をずーっと向け続けていた。

MCでは、初ライブという理由もあるのか、ちょっと照れた仕草も見せながら思いを語るももすの姿があった。ごいちーの語った「曲がすべていいから自信を持ってお届けしますので、自由に身体を動かしたり、ニッコリして楽しんでください」という言葉からも、彼女たちの奥ゆかしい自信が見えてきた。
ごいちーが歌いだしたのが、1stシングル曲の『1%だけでも愛して』。この曲では、ハジメタルの作りだすふわふわっとしたファンシーでマジカルな音の上で、2人とも愛らしい仕草の中にも大人の女性としての魅力も忍ばせ、でも、胸をキュンと鳴らす感情もしっかりと抱いたうえで歌っていた。2人が歌声を交わすたび、魔法をかけられたようにときめきの指数が上がれば、彼女たちが甘い歌声でハモるたびに、胸の鼓動がドキドキと大きく弾みだす。2人は「1%だけでも愛して」と迫ってきた。だが、ここにいる人たちはきっと、限りなく100%の愛情を持って、天界ばたんきゅーの沼にはまっていた(と思いたい)。そんな風に虜にしてしまうのは、天界ばたんきゅーの仕掛けたイタズラのせい?それとも3人を愛してしまったから?!
曲ごとに、天界ばたんきゅーはいろんな表情を見せていく。続く『今日会社辞めます』で2人は、「労働反対」と書いたプラカードを掲げ、ハジメタルが作り出す激しく躍動するアップテンポでエレクトロなダンスビートに乗せて、攻めるように歌っていた。本質的に愛らしい2人だけに、凛々しいアジテーションさえ、気持ちをときめかせたうえで突き動かすパワーにしていく。ちょっと強気に歌い攻める姿も、天界ばたんきゅーの魅力の一つ?!
哀愁を帯びたギターの音色と切々としたピアノの旋律が重なりあう。2人はミドルテンポのメロウなリズムに乗せて、ハモるように「チョコレートコスモスが・・・・~」と歌いだした。『チョコレートコスモス』で彼女たちが届けた、ゆったりとした甘い歌声。だけど、毒舌めいた歌詞が示すように、2人とも愛らしさを見せつつも、曲の世界に気持ちを没入しながら、歌詞のひと言ひと言を刺激的に歌っていた。とろけそうなメロウな楽曲の上で、甘くねっとりとした歌声を重ね合わせて。でも、ちょっと毒舌めいた言葉の数々を、天界ばたんきゅーは哀切な表情を持って届けてくれた。
ここからは、ソロコーナーへ。トップを飾ったハジメタルが届けたのが、YMOのカバー曲の『BEHIND THE MASK』。エレクトロな解釈を持って大胆にアレンジしたイントロ。そこへ流れだした、お馴染みのピコヒコとしたシーケンス音と耳心地よくもオリエンタルなシンセサイザーのメロディー。原曲の持つ良さを生かしつつ、そこへ、現代的なエレクトロな解釈を与え、ひと味個性を増したスタイルでハジメタルはカバーしていた。曲の端々から、天界ばたんきゅーにも通じる音やアレンジのテイストが見えてきたのも嬉しかった。ボコーダーを使って歌う姿は、まるで坂本龍一のようだった。

コーナーのバトンを受け取ったももすが歌ったのが、ももすももすの『無』。あえてソロ曲を歌い、天界ばたんきゅーとももすももすとの違いを彼女は見せてきた。同じエレクトロな楽曲なのに、アッパーなビートに乗せ、得意のハイトーンヴォイスを駆使して早口で攻めるように歌う姿が、とてもチャーミングだ。この奇天烈でファンシーな愛らしさがベースにあって、それが、ごいちーとハジメタルの力を借りることで天界ばたんきゅーの世界へと広がってきたと捉えたら、ももすももすの楽曲にも、天界ばたんきゅーに繋がるルーツを感じずにはいられなかった。

最後にバトンを手にしたごいちーも、ソロ曲の『人生は杏仁豆腐』をかわいさ満載で歌いだした。芯の太い声を持ち味に、でも、彼女もまた愛らしくてチャーミングな要素を曲の中へ色濃く溶けこませて歌っていた。途中から、サングラス姿のももすがコーラスとダンサーとして参加。あくまでも、ごいちーをメインにすることで、彼女の歌声の魅力はもちろん、ももすのコーラスの巧みさやダンサーという名の自由に弾ける姿を微笑ましく見られたのも嬉しかった。途中には、「杏仁」「豆腐」と、ごいちーと観客たちがコール&レスポンスしていく場面も登場。口当たりは良いのに色の濃いごいちーの歌声の魅力を、この曲では存分に味わえた。「次の注文は」「海老シューマイ」と-、ごいちーと、ももすや観客たちがやりとりを交わす、その姿も微笑ましかった。

ふわふわっとした音色から始まったのが『天界八犬伝』。そこから「オゾン層~」と歌いだすや、楽曲は一気に躍動し始めた。軽快に、でも、アッパーなテイストを持って駆け出す曲調の上で、いい感じで肩肘を抜いた歌声を響かせるももす。そこへ色を濃く塗り重ねるごいちー。歌詞に、数え歌の要素を取り入れていたのも印象的だ。躍動した楽曲の上でも、ファンシーでマジカルな要素をしっかり取り入れて表現していくところが、天界ばたんきゅーらしい。
続く『宇宙が割れる音』ではスリリングなムードも描きながら、ももすが本を片手に、手書きした詩を朗読していく。そこへ、ごいちーが巧みに声を重ねれば、歌声のパートを、この曲では彼女が担っていた。ももすのリーディングとごいちーの愛らしい歌声とのコンビネーションに、天界ばたんきゅーだからこそ描きだせる独創的な世界観を感じていた。互いが、互いの持ち味を知っているからこそ、お互いの長所を生かすように、この曲ではコンビネーションプレイを見せていた。
続く『遣唐使』では、"いやほい"の要素を持ったエレクトロでオリエンタルなビートに乗せ、2人が「天」と書いた扇子を振り、「エイサー ホイホイ」と歌い踊りながら、オリエンタルでサイバーな世界へ観客たちを招き入れ、華やかな宴の様を描き出していった。2人が思いを交わすように歌声を掛け合い、重ね合う姿に、ずっと視線と心が惹き付けられていた。めくるめく時空の旅のような世界観が、とても心地よい。
ライブも終盤へ。MVも公開中、ハジメタルのアレンジセンスの冴えた『おいしい牛乳』を、彼女たちはより濃密にして、ときに牛乳をゴクゴクと飲み干すような仕草も2人は見せながら歌っていた。ごいちーが煽る姿に合わせてフロアからも声や拳が上がれば、クラップも飛び交いだす。力強く躍動した、テクノデリックな要素も印象深いダンスビートの上で、ザクザクとしたギターの演奏も組み込みながら。2人はときに拳を高く突き上げ、「ごくごく 獄獄」と愛らしく、しかも彼女たちらしく、ネガティブな感情を能天気に解き放つように歌い、舞い踊っていた。
ここで、ももすが「ももすももすとしてシンガー活動を続けてきた中、一人でやるのも楽しいけど、誰かと一緒やったら新しい音楽的な気づき、人生の気づきがあると思って2人に声をかけて(天界ばたんきゅーを)始めた」と語っていた。さらに、「ふっと疲れたときに観たいアニメみたいに曲を作っているから、そんな気持ちで、でも、好きに聴いてください」とも述べていた。
天界ばたんきゅーが最後に歌ったのが、こちらもMVも公開している『クーニャン』だ。これまで以上に濃密な刺激を持って、2人は軽やかに歌いだす。彼女たちがどこか甘えた仕草で「クーニャン」と歌う声や、酔ってじゃれ合うような2人の姿に視線がずっと引き寄せられていた。途中には、ごいちーのラップにももすが絡み合う場面も登場。じゃれあう2人を、後ろからしっかりと支えるハジメタル。この動と静のコンビネーションがいい味を出していた。この曲も、天界ばたんきゅーらしい肩肘を抜いた、緩くて甘い衝動を携えている。歌い終わり、場内中から割れんばかりの熱い拍手が起きていたのも印象的だった。
アンコールで歌ったのが、この日の幕開けを飾った『天界ばたんきゅーのテーマ』。歌謡ムードを携えたメロディーを2人が愛らしい声で、軽やかに弾むリズムに乗せて「手・天・TE・丁・邸・亭・転・典・店・10・訂・展・偵・ばたんきゅ~」や、「天界ばたんきゅー 君の甘い♡に的中 悪戯したらお化けになれるぞ」とお化けのポーズをしながら歌うたびに、自分もお化けになって彼女たちと一緒にはしゃぎたくなる。ももすがハイトーンの声で、ごいちーが色の濃い声を持って歌声を交わし、重ね合う。途中には、ももすとごいちーが声を掛け合う場面も登場。スタイリッシュで跳ねたビートの上で、ちょっとお洒落なモードも見せながら、3人は、一人ひとりのハートをしっかりと奪っていった。
最後の最後に3人は、ふたたび天界ばたんきゅーの始まりを告げた『1%だけでも愛して』を届けてくれた。ごいちーの歌声に、ももすが「あっち向いてほい」と声を重ねだす。ライブの場を通して、2人の歌声の魅力や個性をより強調して伝えれば、ハジメタルのテクノなアレンジセンスの妙味もしっかりと伝わってきたように、3人それぞれの魅力を、濃密な臨場感を持って味わえていた。ライブという場を通すことで、楽曲の持つ世界観や、2人の歌い手の持つ声の色や個性をより深く味わえる。だから、100%に近い密度で天界ばたんきゅーのことを愛してしまいたくなる。2人のチャーミングなコンビネーションプレイも、とても愛らしくて、かわいくて、印象的だった。気づいたら、ふわふわっとした妖精のような彼女たちに心がすっかり落ちていた。
次のライブの予定はまだ決まっていないが、なるべく早い時期にライブや、新しい楽曲へ触れたい。天界ばたんきゅーの次の展開も、楽しみにしていよう。

PHOTO:Ray Takano
TEXT:長澤智典
セットリスト
『天界ばたんきゅーのテーマ』
『僧侶A』
『熊わずらい』
-MC-
『1%だけでも愛して』
『今日会社辞めます』
『チョコレートコスモス』
『BEHIND THE MASK』(インスト/YMOカバー)
『無』(ももすソロ)
『人生は杏仁豆腐』(ごいちーソロ)
-MC-
『天界八犬伝』
『宇宙が割れる音』
『遣唐使』
-MC-
『おいしい牛乳』
-MC-
『クーニャン』
-ENCORE-
『天界ばたんきゅーのテーマ』
『1%だけでも愛して』
<インフォメーション>

★6/30(火)@下北沢SHELTER
ももすももすソロ ワンマンライブ
「痛いの痛いの痛いのがすき」
日時 : 2026/6/30(火)
開演:19:00~ (開場 18:30~)
会場:下北沢SHELTER
チケット
https://eplus.jp/sf/detail/4485370001
ももすももす「筆舌」music video
天界ばたんきゅー「天界ばたんきゅーのテーマ」music video
天界ばたんきゅー「クーニャン」music video
https://youtu.be/lAEnoK_UFdA
天界ばたんきゅー「おいしい牛乳」 music video
https://www.youtube.com/watch?v=myuf-4QvZYs&list=RDmyuf-4QvZYs&start_radio=1
天界ばたんきゅー「1だけでも愛して」 music video
https://www.youtube.com/watch?v=BSfhuhXGSt8&list=RDBSfhuhXGSt8&start_radio=1
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