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2020.01.10

「kolme Live Museum - Do you know kolme? -」ライブレポート

会場には渋いルーツ・レゲエが流れている。ピーター・トッシュ、トーラス・ライリー、ウェイリング・ソウルズ。オーディエンスの逸る心をレイドバックさせようとするかの選曲。そういえば以前にガル・コスタやマリア・ベターニアといったブラジル音楽が流れていたこともあった。誰が選曲しているのだろうか…。

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客電が落ち、BGMの音量が一瞬上がるとオーディエンスから歓声が上がる。そこへ電子音とピアノ音が織り成す煌びやかなサウンドが響くと、男声のネイティヴな英語が聴こえてくる。kolme(当時はcallmeという表記)のファースト・アルバム『Who is callme?』の冒頭を飾る「Intro」だ。暗がりの中、ステージに現れたのは3つのシルエット。そして、ニュースキャスターに扮した男性の英語のスキットが「次のニュースは…失礼、次の曲は…」と告げると、軽快なピアノのコード音が聴こえてくる。3つのシルエットにライトが当たると、KOUMI、RUUNA、MIMORIの姿が浮かび上がる。ショウのオープニングを飾ったのは、彼女たちのデビュー曲「To shine」。

 

令和元年も年の瀬を迎え、2020年が目前に迫った12月30日。kolmeが結成5周年ツアー「kolme Live Museum -Do you knoe kolme?-」を川崎CLUB CITTA’にてスタートさせた。この日はまさに結成5周年となる日。会場も、5年前にグループ結成が発表された思い出の地、CLUB CITTA’である。callmeからkolmeへと途中グループ名表記を変えながら5年という道のりを歩んできた彼女たち。そんな5年間を最初から振り返ろうとするかのような幕開けは、やはりこのショウが特別なものであることを予感させるものだ。

 

歌い踊る3人は、これまでとは一味違った衣装を纏っている。白を基調としたトップに、あたかもクリムトや琳派の絵画を思わせるような、金や青や紫が複雑な模様を織り成すスカート部分。それらが三者三様のデザインで複雑に縫い合わされており、ワンピースとなっているようだ。

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「一緒に最高のライヴを作りましょう!」とMIMORIが声を上げると、印象的なギターのリフとうねるシンセ音によるイントロが聴こえてくる。初期の代表曲「step by step」だ。ステージは一見シンプル。だが、天井から長さの異なるLED管がおよそ30本ほど吊り下がっている。舞台装置はほぼそれのみ。どこかデヴィッド・ボウイの1878年『ロウ/ヒーローズ・ツアー』を連想させるような光景だ。それが赤、青、黄、白、ピンクなどに切り替わりながら点灯したり点滅したり、管を伝って上がったり下りたり、とステージ空間を彩り豊かに装飾している。続くナンバーは、これまたファーストアルバム収録の「My Affection」。シンセやギターやベース音色の織り成す音像がkolme(当時はcallme)らしいこの曲では、ビルドアップからドロップへの滑らかな流れによってじわじわと会場を盛り上げる。オーディエンスもそれに合わせて自己を解放しているかのよう。

 

短いMCを挟んだ後、「”callme”と言えばこの曲」と紹介された「I’m alone」に続き、kolmeの高いアーティスト性を広く知らしめるきっかけとなったバラード「Hello No Buddy」が披露される。KOUMIの英語歌唱がフィーチャーされると俄然洋楽っぽい味わいが出てくるが、一方RUUNAをフィーチャーした楽曲はJ-POP色が強くなる。作曲家であるMIMORIはいずれの方向にも対応しているのがすごい。続いて、彼女たちの“スタイル”の一つであるジャズファンクの最初期型とも言うべき「My Style」。

 

初期ナンバーが続くここまでを観て、ちょっとした“矛盾”が筆者の頭をよぎる。改めて聴くと、初期曲にも今に続く”kolmeらしさ”の萌芽が見られる、いや、既にそれは確立されているように思えるが、その一方で、近年の楽曲は初期のものと比較すると随分と進化したことが感じられる。それは楽曲のクオリティという意味においても、3人のパフォーマンスという意味においても。つまりは、彼女たちがその両面において常に進化し続けてきたということだが、その起点が随分と高い次元にあったということでもある。

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そして、そんなパフォーマンスを堪能していると、この日が特別でありながらも、特段気負うことなく、実にのびのびと、そして存分にその実力を発揮していることが窺える。そうすることが力を最大限に引き出すことを5年間という経験と試行錯誤によって心得たとでも言わんばかりに。

 

だが、そんな“気負わない”彼女たちも、続く「The liar」で一段ギアを上げたように見えた。様々な新機軸を打ち出し、聴き手をねじ伏せるかのような高い音楽性を鮮やかに打ち出した3rdアルバム『Hello kolme』のオープニングを飾る楽曲だ。3人のヴォーカルも実にクールに、そして官能的に響く。あたかも自分たちの成長を誇らしげに披露するかのよう。そして2ndアルバムからの「In my dream」、『One time』からの表題曲と続き、その後の音楽性の進化と変遷を示していた。

 

ここで前半が終わり、長めのMCタイム。5年間を振り返り、KOUMIが「以前はよく喧嘩をしていた」と述べると、RUUNAは「今は大人になった」と返し、MIMORIは「ようやく3人のバランスが取れてきて、ここ2年は喧嘩していない」と主張する。RUUNAが「今は3人とても仲が良い」と語ると、KOUMIが「屍を越えてきたからね」と独特の表現で返す。そして、MIMORIは「でも、そろそろ一人暮らしもしてみたい」と混ぜ返す。

 

一旦3人はステージを去り、程なくニューアルバム『Do you know kolme?』の「Intro」が流れてくる。そして、「新しいkolmeを観てください!」というMIMORIの言葉と共に後半戦がスタート。新作から全曲披露されることとなった。

 

まずは、アルバムの冒頭を飾る「Gotta look」。ニューアルバムでは、前作『Hello kolme』で示した先鋭性からの揺り戻しが見られ、よりキャッチーな側面が打ち出されているが、中でもこの「Gotta look」は、EDM音色も多様され、いつになくイケイケ感が前面に打ち出されている。kolmeファンは“音楽の妙”を熟知し、いつでもそれに相応しい反応を示すが、より広いオーディエンスへと開かれた感のあるこの曲では、聴衆も本能に任せて自由にノッているように見える。続いて、ギターカッティングが印象的なジャズファンク曲「Get your control」、洋楽的要素とJ-POP的要素がバランス良く配合された「Deep breath」。MCを挟んで「Remind me…」。今は亡き愛犬への想いをRUUNAが綴ったこの曲では、情感が溢れる彼女の歌唱がひときわ感動的に響く。

 

「Same mistakes」では、最新作における先鋭性を一手に引き受けたかのような極めてプログレッシヴな中間部が、より一層臨場感を帯びて展開する。その後のMCでは「今作では初めて様々な外部の方に振付けを依頼した」と明かすと、続く「I live in hope」では早速“コンタクト・インプロビゼーション”というコンテンポラリーダンスの要素を披露する。DECO*27との共作により新機軸を打ち出したこの楽曲同様、ダンスにおいても新たな一面が披露されたのだ。ここでは、ステージ上に立てられた大きな燭台から炎が上がる演出も。「顔だけ見て選んでいたならGood bye」といった辛辣な言葉が綴られたファンクナンバー「Why, Mr.?」。『不思議の国のアリス』のような世界観が描かれたファンクチューン「Wonderland」では、異空間に迷い込んだ様を楽しく表現するかのような振付けが目を引く。

 

「次はみんなで一緒に盛り上がれる曲」と紹介された「Brand new days」は、レゲエやヒップホップのグルーヴでオーディエンスを煽っていく。そして「Up all night」では、kolmeらしい語法を駆使しながら親しみやすいポップを綴り、サビへと向かうブリッジでディープなEDMを展開。ライヴではそのコントラストがより一層強調され、フロアを一段と沸かせていた。

 

再びMCを挟み、「次の曲は感謝の気持ちを込めて」というMIMORIの言葉と共にスタートしたのは「Wherever I go」。これには驚いた。振付けは一切なく、立ち位置さえも変えることなく、不動のままで歌い切ったのだ。煌びやかな照明ではなく、ナチュラルな光を浴びながら、ひたすら歌に気持ちを込める真摯な姿は、どこか神々しくさえ見えた。

 

そしてこの壮大なショウを締め括ったのは「Repeat」。Da-iCEの工藤大輝と共作したこのナンバーは、kolme自身の楽曲とはまたひと味違ったポップさが表出しているが、それに呼応するかのように、80年代のダンスの常套句が随所にちりばめられるなどkolmeらしからぬポップな振付けが施されている。オーディエンスは、”kolme流ポップ”の幅をさらに広げるこの曲に合わせ、思い残すことの無いよう身体を揺らしている。3人は会場の隅々まで視線を送りながら手を振り、やがてステージを後にした。

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極めて“音楽的な”ライヴだった。的確に音楽に彩りを添える照明はあったものの、音楽そのものを聴衆にダイレクトにぶつけている印象だった。音楽そのものに大きな力が宿っていることを確信しているかのごとく、過度に装飾することなく、ありのままに提示する――そんな“潔い”ショウだった。そしてそこには、そんな充実した状況に満足することなく、自らに新たな試みを課し、さらに新たな領域へと足を踏み入れようとしている気概も感じられた。5周年ツアーは続き、新年1~2月にかけて全国5カ所で公演を行う。各地でどんなショウを展開してくれるのか、そして2020年にはどんな音楽を届けてくれるのか。それを決して見逃してはいけない、と改めて感じた一夜だった。  

 

取材・文:石川真男
写真:牧野健人

 

<セットリスト>
-opening SE-
01.To shine
02.Step by Step
03.My Affection
04.I'm Alone
05.Hello No buddy
06.My Style
07.The liar
08.In my dream
09.One time
10.Intro 4thAL
11.Gotta look
12.Get your control
13.Deep breath
14.Remind me...
15.Same mistakes
16.I live in hope
17.Why, Mr.?
18.Wonderland
19.Brand new days
20.Up all night
21.Wherever I go
22.Repeat

 

 

kolme 商品情報

4th Album

『Do you know kolme? 』

【Type-A 2CD+DVD】

kolme

AVCD-96365〜6/B ¥6,300 (税込)

[CD①]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude 1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath 12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude 2 15. Wherever I go

[DVD]
01. Remind me... -Music Video- 02. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X [CD②] MIMORI SE Collection 01. Ultra kolme Merry X'mas 2018 02. kolme Happy New Year Live 2019 03. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ 04. REIWA 2019 05. Super Ultra kolme tour 2019

 

【Type-B CD+Blu-ray】

kolme

AVCD-96367/B ¥6,800 (税込)

[CD]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude 1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude 2 15. Wherever I go

[Blu-ray]
01. Remind me... -Music Video- 02. kolme Live Museum 2019 ~Hello kolme~ in SHIBUYA WWW X

 

【Type-C CD】

kolme

AVCD-96368 ¥3,000 (税込)

[CD]
01. Intro 02. Gotta look 03. Get your control 04. Remind me... 05. Interlude1 06 Repeat 07. I live in hope 08. Brand new days 09. Wonderland 10. Why, Mr.? 11. Deep breath 12. Same mistake 13. Up all night 14. Interlude2 15. Wherever I go

 

 

kolme ライブ情報

5周年ツアー「kolme Live Museum - Do you know kolme? -」


2020年
1⽉18⽇(⼟) 埼⽟⻄川⼝Live House Hearts
2⽉2⽇(⽇) 宮城SENDAI MA.CA.NA
2⽉8⽇(⼟) 神奈川横浜Baysis
2⽉23⽇(⽇) ⼤阪OSAKA MUSE
2⽉24⽇(⽉/祝) 名古屋ell.FITS ALL

〈開場/開演時間〉
1部13:00/13:30  2部17:00/17:30

 

 

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