Mellowsの1stアルバム「alloy」発売＆1stワンマンライブ「Cute Metal Melted R6/6/6」が開催決定

Mellowsの1stアルバム『alloy』が遂にリリースされる。
彼女たちは”CUTE METAL”を掲げた、新進気鋭のガールズ・メタル・トリオである。
簡潔にプロフィールに触れておくと、ex.PASSPO☆のMio（Vo）がヴォーカルを担当。
PASSPOと言えば、ライヴのサポート・バンドに日本のスラッシュ・メタルを代表するUNITEDの故・横山明裕（B）を筆頭に、メタル界隈から集結した人選でも話題を呼んだアイドル・グループ。
そのメタルの血はMellowsの音楽にも受け継がれ、ツイン・ギター編成にそれが顕著に表れている。
幼少の頃からジャパメタに慣れ親しんできたSally（G）、囁揺的音楽集団AsMRやBabBubbleでも活躍するGINA（G）の2人が脇をガッチリと固めている。
ソリッドにして重厚なギター・サウンドはMellowsの大きな武器と言えるだろう。

　音楽的には、ヘヴィ・メタルを主軸にラウド・ロック/ミクスチャー好きにもアピールする要素を持っている。
そこにMioのキュート・ボイスが乗ることで演奏陣との凄まじいギャップが生まれ、比類なき”CUTE METAL”が誕生するのだ。
鋼鉄のメタル・サウンドと反比例した声色は時にスウィート、時にミステリアスに語りかけてくる。
その破壊力たるや、メタルの範疇に止まらず、ロックやポップスなど幅広いリスナー層に届く訴求力がある。
しかも、そこには未体験の新世界が広がっているのだ。

　今作のオープナー「Candy making」は、不穏なイントロから悲鳴に似た叫び声で始まる。まるでホラー映画のごとき幕開け。
それから間髪入れずにヘヴィな音像で聴く者を強襲する。また、野獣じみた男性コーラス、女性の高笑いも響き渡り、奇怪なムードに拍車をかけている。
続いてiTune Store”メタル トップソング”日本2位/オランダ2位の「未完成」は、鍵盤を大胆にフィーチャーしたナンバー。
激重音の中に華麗な旋律が舞い踊り、さらにギター、ベース、ドラムと各パートの主張も強く、インスト・パートも迫力抜群である。





「POCket.」ではラップを導入したミクスチャー・ロック調のサウンドを展開。スラップ・ベースにギター・ソロが差し込んだりと、フィジカルを揺さぶる躍動感に満ちている。
ライヴ映え必至の１曲だ。「Rabbit Love it!」は鍵盤やドラムに加えて、アグレッシヴに攻めるギター・サウンドが凄まじい。そのヘヴィな音像の中でMioのキュート・ボイスは存在感がグッと増している。
ハンドクラップやエレクトロで色付けしたパーティー曲「Beat Beast」は、ユニーク極まりないアレンジが聴き所。中盤にテーマパーク的なフレーズを設け、聴き手を異世界に誘う。こうした遊び心溢れる仕掛けもMellowsらしい。
アルバム後半の「Jumpink!」に入ると、再び嵐が吹き荒れるような超絶ヘヴィな演奏を叩きつけ、こちらの心臓を鷲掴みにしてくる。
ラストを飾る「秘密closet」も個人的に好きなナンバーだ。ザクザクとヘヴィに刻むリフから晴れやかなアコギが鳴り響き、そこにガーリーなMioの歌声が乗る。
緊張と緩和を往来する曲展開、そして、ブルージーな泣きからライトハンドを交えた速弾きギターも炸裂し、ストーリー性豊かなサウンドで聴かせてくれる。

　今作は1曲1曲の完成度もさることながら、作品全体を通して没入できるクオリティの高さを誇る。
Mioのヴォーカル、SallyとGINAによるツイン・ギターの相乗効果はメタルの新しい未来を切り拓くポテンシャルを堅持している。
20年代のガールズ・メタルを引っ張る強力新人がこのアルバムをひっさげてワンマンライブを開催する！期待せずにはいられない。

TEXT 荒金 良