FEATURE

2023.12.20
I’mew(あいみゅう)

現在から結成時へ向かって楽曲を遡る形で歌いながら、すべての持ち歌を披露。I’mew(あいみゅう)「その企画いいねと君が言ったから12/17はあいみゅう全曲披露記念日」公演レポート。

I’mewが、12月17日に渋谷スターラウンジで朝の9時50分から行った「その企画いいねと君が言ったから12/17はあいみゅう全曲披露記念日」。この日は、I'mewの持ち曲すべてにカバーした4曲と、これまでにI'mewが舞台の上で歌い続けてきた楽曲を、しかも、現在から結成時へ向かって楽曲を遡る形で歌いながら、すべての持ち歌を披露した。

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 OpeningのSEが流れた時点で、フロア中から太い声が飛び交いだす。ライブはこの空間にドラマチックでファンタジックな物語を描きだすように、ドリーミーかつシンフォニック/ trick or treat調の『Happy Happy Halloeen』からスタート。舞台の上でかわいいモンスターに気持ちを染め上げたメンバーたちが軽やかに踊りだせば、フロア中の人たちも、一緒に踊り続ける。ライブは、まだ始まったばかり。でもこの場には、早朝から宴を楽しみたい輩たちが大勢参加した妖しいパーティーが生まれていた。

 

  場内のテンションをもっともっとアップしようと、I'mewは『Lucky Lucky』を歌唱。メンバーたちも感情のギアをグッと上げ、ハートに火を注ぎ、パチパチッと弾けるキャンディーのように、舞台の上で高く足を上げてはしゃいでいた。5色のペンライトの輝きが入り交じりながら、フロア中でカラフルに揺れている。眩い光が激しく揺れ動く‥観客たちも、大騒ぎしていた。

 

 妄想キャリブレーションのカバー曲『悲しみキャリブレーション』が飛び出したとたん、フロア中から上がりだした凄まじいコール。メンバーらは深い思いも胸に秘めたうえで、沸きだす気持ちを感情的に歌いあげる。とてもパワフルな歌声とパフォーマンスだ。胸の内に渦巻く切ない心模様を、5人は力強い声を通して場内中へ響かせる。熱情した5つの歌声を受け、フロアから熱い熱いコールが生まれていた。

 

 止まることなく、月とテンペストのカバー曲の『恋と花火』へ。「弾けてきらりきらり 夜空に咲き誇る花のように」と歌う虹乃愛南の言葉が、胸をキュッと締めつける。夏を舞台にしたもどかしい乙女の恋心を、メンバー人一人が主人公の気持ちに染め上げて歌い、舞っていた。先の流れも含め、I'mewは淡い乙女の恋心を、少しの切なさを抱きながら、そこへライブ特有の熱を込めて伝えてきた。パッと咲いては瞬時に散ってしまう打ち上げ花火のように、一人一人の歌声が、艶やかながらも、どこか哀愁を帯びた思いを心に染み渡らせていった。

 

 1曲ごと、巧みに表情を塗りかえてゆくメンバーたち。跳ねたリズムに乗せ、ふたたび弾けた姿で、5人は『愛しあいまShow!』を歌唱。その瞬間、この場には、熱狂をむさほり喰らいながら互いを求めあう、最高に愛しあった関係が生まれていた。凛々しい歌声を響かせるメンバーたち。フロアにいる人たちは5人に向かって、とにかく全力で思いをぶつけていた。

 


  最初のMCでは、全曲披露ライブに向けての思いを語りだす。この企画は、妹グループのkimikara(きみから)が全曲披露ライブをしたことに刺激を受けた中澤莉佳子が、SNSで「私たちも全曲ライブをやってみたい」と呟いたことがきっかけだった。楠ゆりは、「(まだ曲数が極端に多くはない)今の時期だからこそ出来ること」という思いから承諾したことを告げていた。でも利根川プロデューサーは、今回が好評だったら、全曲披露ライブを毎年恒例にしそうな思惑を持っているらしい。そこへ対しての不安??も中澤莉佳子は述べていた。

 


  「Get Ride On 進め 望んだ世界へ」と、歌声へより強さを込め、彼女たちは『Get on Ride on』を歌唱。無敵の心を持って、未来へ向かって全力で突き進む5人の気持ちを歌にしたアッパーな楽曲だ。曲を重ねるごとに、ライブは激しさを増す。むしろ、余裕なんてないギリギリの気持ちを持って突き進むライブだからこそ、一緒に最高の景色を描くため、5人も、観客たちも、つねに限界を超える勢いで感情をぶつけていた。だからここには、最強の景色が生まれ続けてゆく。

 

 吉乃椿の煽りを合図に、『Hey You!Hey You!』へ。メンバーたちが「Hey You!」と声をかけるたびに、フロア中からも野太い声が次々飛び交う。「Hey You! やってやんよ」「Wao!!」のやりとりも超熱い。メンバーも観客たちも胸をドキドキと鳴らしながら、一緒に熱い熱いかけあいを重ね続ける。弾けたこの景色、もっともっと輝かせてやろうじゃないか、Youたちと一緒に!!!!!

 

  楠ゆりの歌声から始まったのが、キラキラとしたときめきを降りそそぐポップチューンの『ハピネス ハピネス』。舞台の上の5人はチャーミングな笑顔を浮かべ、その場で飛び跳ねながら、"楽しい歌声の香り"をフロア中に振りまき続ける。心の中で芽吹いた"楽しいの花"が、5人のキラキラとした歌声のシャワーを浴びるたびに大きく伸び、熱狂という満開の花を咲かせてゆく。きっと、それが僕らにとっての幸せ。無邪気な少年少女に戻って思いきり声を張り上げ、思いきり身体を揺らして騒げる。それって本当に「サイコー!!」なことじゃない。だからもっともっと、その声を僕らへ届けてほしい。

 

 「この声届け」と言葉にした虹乃愛南の言葉をきっかけに、I'mewは『この声届け!』を歌唱。5人の思いを詰め込んだ声は、もう十分に届いている。でも、彼女たちも僕らも、何時だって最高を更新し続けたいからこそ、もっともっとその声を身体いっぱいに浴びせてほしい。「走り出そう君と手を繋いで」と歌う彼女たちに向け、場内中の人たちが5人に向けて手を伸ばす景色も素敵だ。フロアから飛び交う熱い熱い口上が、5人の心のエナジーとなり、この楽しさをどんどん更新してゆく。この時間が、本当に大切でかけがえない!!!!!

 

 「Aim for the Stars その先が見たい」と、5人が美しいハーモニーを響かせて『Aim for the Stars』を歌いだしたとたん、フロア中の人たちも天に向けて腕を高く突き上げた。5人と観客たちが心の翼を広げ、熱狂という動力を持って空に向かって羽ばたきだす。まだまだライブは始まったばかりの気分、もっともっと高く飛び続けようか。各自のソロパートで飛び交う、メンバーへ向けた熱いコール。「ジャンプして弾けて」と歌った瞬間、場内中のみんなが思いきり飛び跳ねる景色も最高で最強じゃない。これだよね、この熱狂が本当にほしくてたまらないんだ!!!!!

 


 MCでは、ライブでの定番曲の多い先のブロックを振り返っての感想を述べていた。


  この空間にいる一人一人から熱狂のエキスを搾り取り、興奮という最上級のスープを作ろうと、5人は『恋してスープ』を愛らしく歌唱。彼女たちが、舞台の上でわちゃわちゃとした姿を見せるたびに、この空間の熱が沸騰し、美味しい美味しい熱狂というスープが出来上がる。この日も、なかなか深く染み出た味が、フロアという寸胴の中に渦巻いていた。この楽しさ、おかわりOKだよね。 

 

  この場をファンタジックでドリーミーなマジカルワールドへ染め上げるように、彼女たちは『りある is ふぁんたじー』を通して、さらに胸をドキドキさせる魔法をかけてきた。サビ歌では、飛び跳ねながら歌うメンバーたちと一緒に大きく飛び跳ねる人たちも大勢登場。熱い熱いクラップを鳴り響かせて5人を煽れば、サビ歌へ入るたびに、一緒に高く高くジャンプし続ける。この多幸感はファンタジーの世界だからこそ味わえるもの?いや、この楽しさは、I'mewが創りあげた最上級の現実だ。こんな気持ちなら、何度だって味わいたい。

 

 続く、妄想キャリブレーションのカバー曲『初めてだよこんな気持ちにさせてくれたのは恋。』でもフロア中から熱い口上が飛び交えば、メンバーたちも熱を上げてゆく楽曲に合わせて感情のボリュームを上げながら、胸の内に生まれたドキドキとトキメキを愛らしい色に染めて届けてくれた。この曲のサビ歌へ触れるたび、胸がキュッと疼く。まるで初恋をしたときのような淡い気持ちに、I'mewが『初めてだよこんな気持ちにさせてくれたのは恋。』を通して何時だって染め上げてゆく。「ただ」と声を張り上げる観客たちの声を受けて、5人が「君と 君と 君と 居たいんだ」と歌う流れも嬉しく心を騒がせた。

 

  「ここの曲でもう一つギアを入れて盛り上がっていきましょう」と叫んだ虹乃愛南の声を合図に飛び出したのが、『ファンタスティック ロマンティック』。彼女たちが「ファンタスティック」と歌うたびに、フロア中の人たちの心に熱狂の魔法が降りそそぎ、さらにパワーが沸きだす。サビ歌では、5人と観客たちが同じ振りをしながら気持ちを一つに重ねあう。彼女たちと一緒に大きく手を振り、共に手を叩きながらはしゃぎ続けたい。なんだろう、胸の内からどんどん沸き立つこのドキドキとした感情は‥。「ファンタスティック」と歌う5人と一緒に飛び跳ねながら、このドキドキを思いきり味わい続けてたい。

 


 MCでは、ブロックごとにテーマ性/作品にまつわる流れを持って届けていることや、この日のセットリストが、最新ナンバーから始まりの時期へ向かって遡るように曲が進んでいることを伝えていた。

 


  メンバーが円陣を組んだ上で歌ったのが、激しくもパワフル、凛々しい姿も味わえる『Flash Back Flash』。メンバーたちはキリッとした表情で、でも、感情的な歌声を突きさすように歌っていた。押せ押せな歌声やパフォーマンスに刺激を受けたフロア中の人たちが、舞台の上に向かって突きさすように野太い声を上げる。互いに熱を上げながら、この場に心地よい、でもスリリングさも覚える空気を描きだしていった。

 

 月下のテンペストのカバー曲『月下儚美』では、胸の内に秘めた思いを歌声に乗せて月夜へ響かせるように。それぞれが、物語の世界へ自身の感情を染めあげて歌っていた。どこか影を抱いた歌声を魅力に、胸を焦がす思いが届くようにと、少しの不安も忍ばせながら歌う彼女たち。そんな5人へ向かって熱い声をぶつける観客たち。でも、それがライブらしい景色で素敵じゃないか。むしろ、どんな曲調だろうと全力で楽しむ。さすが、プロのヲタクたちだ。

 

 飛び出したのが、みんなを笑顔にさせちゃうおまじないソングの『デリシャス プレシャス』だ。舞台の上から降りそそぐ笑顔の種を、一つして逃すまいとみんなが伸ばした手で受け止めれば、口の中へ頬張りモグモグしてゆく。その楽しさの種もっともっと降りそそいでほしい。そして5人のピュアネスな歌声の魔法を持って、胸の内で芽吹かせてもらいたい。その幸せ、もっと味わいたい。「何食べたい?」の声に合わせ、楠ゆりが「苺大福」と叫んでいた姿も、とってもチャーミング。そのかわいらしい姿、ほんと大好きだよ!!!!!

 

  一転、『君の知らない私になるの』では、秘めた思いを、軽やかに躍るダンスに乗せて、彼女たちは少しずつ零していた。一人一人が胸にそっと手を寄り添え、心の奥に抱いた、愛しい思いを君に「あげる」と歌っていた。初な乙女の恋心を、ときめきに少しずつ色付けするように歌う彼女たち。一人一人が、恋に恋する乙女に気持ちを染めあげて歌う姿から目を逸らしたくない。このままずっと、甘くも切ない歌声の媚薬を含みながら5人に見惚れていたい。

 


 MCでは、I'mewの活動1年目の頃の曲を歌い続けてきたことで感動がジワジワと蘇り、中澤莉佳子が瞳をウルウルさせる姿を見せていた。ここでは、なぜ楠ゆりが『デリシャス プレシャス』の中で「苺大福」と言ったかの裏話をしていた。

 


 ついにラストブロックへ。「SHOWの幕が上がるよWoo!  楽しむだけ」の声に合わせ、フロア中の人たちも「Woo oh oh oh」と一緒に声を上げ、歌いだす。さぁ、ここからもっともっと感情のギアを上げていこうか。I'mewは、これまで以上に歌声に滾る熱情を込めながら『Star Girl』を熱唱。フロア中から上がる声援も凄まじい。まさに、ここにいるみんなが"無敵"の存在になって、高ぶる思いを全力でキャッチボールし続けていた。いや、場内中から沸き立つかけ声も、この曲を彩るうえで欠かせない要素。だから、みんなが眩しく輝いていた。

 

  「Burn up the dance 盛り上がれ」の歌声に乗せて、5人が『Burn up the dance』を歌いだす。その瞬間、この場が常夏のダンス空間に染め上がる。熱く気持ちを騒がせるリズムと5人の火照った歌声に乗せ、無条件に騒ぎまくれ。ここは、楽しむことがルールの楽園。気持ちを燃えたぎらせる情熱のリズムの上で、感じるままに盛り上がれ。「やれるまでやりきればいい」「最高潮 先の先へ」の歌詞ではないが、理性も理屈も全部消し去って、ただただ祭りあがればそれでいい。

 

  最後にI'mewは、始まりの歌『I'm with You』を歌唱。メンバーらの歌に熱くかけあう観客たち。きっとメンバーたちも、ずっと熱狂を止めなかった観客たちも、曲が進むごとにいろんな思いや思い出を巡らせていたに違いない。そうか、曲が進むごとに熱い思い出が沸きだし、込み上げる気持ちを照れ隠すように絶叫した声で塗り重ね、楽しさを上書きしていたということか。。。ライブ自体は100分以上あったのに、まるで40分もないライブを全力で味わっていたような気分だ。一瞬とは言わないが、短い時間の中へ彼女たちと過ごしてきたいろんな思い出をギュッと濃縮し、駆け足で思い出のページをめくっては、熱狂のペンで新たな思いや思い出を上書きし続けたようなライブだった。『I'm with You』で、観客たちが「世界で一番愛してる 愛してる」とガチ恋口上を述べていた姿も、胸を熱く潤してくれた。

 

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 歌い終わったメンバーたちが、汗だくになりながらも、とても満足した表情を浮かべていたのも印象的だった。次は、2024年2月27日(火)にSpotify O-WESTで行うワンマン公演「Happy Lucky Kawaii」の場で祭りあがろうか!!!!!

 

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TEXT:長澤智典


2024/2/27(火)
I'mew(あいみゅう)5thワンマンライブ「Happy Lucky Kawaii」

会場:Spotify O-WEST
時間:開場18:15/開演19:00
料金:前方10,000円(前方エリア・オリジナルTシャツ・メッセージ入りポストカード付き)/一般2,500円(+各1D代)

※オールスタンディング
※チケット予約の整理番号順(前方→一般→当日)での入場となります。
※一般エリアに女性限定エリアを設置させていただきます。
https://t.livepocket.jp/e/mrgpp


セットリスト
Opening SE
『Happy Happy Happy』
『Halloeen』
『Lucky Lucky』
『悲しみキャリブレーション』
『恋と花火』
『愛しあいまShow!』
MC① 
『Get on Ride on』
『Hey You!Hey You!』
『ハピネス ハピネス』
『この声届け!』
『Aim for the Stars』
MC②
『恋してスープ』
『りある is ふぁんたじー』
『初めてだよこんな気持ちにさせてくれたのは恋。』
『ファンタスティック ロマンティック』
MC③
『Flash Back Flash』
『月下儚美』
『デリシャス プレシャス』
『君の知らない私になるの』
MC④ 
『Star Girl』
『Burn up the dance』
『I'm with You』


SNS

https://imew.tokyo/
https://twitter.com/imew_official

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