Speak emo

2019.02.27
kolme

私たちの中には「いい作品を作ろう」しかないんですよ

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驚くべき作品である。2019年が始まったばかりだが、「年間ベスト候補である」と明言することに躊躇はない。

複雑な構成によって聴き手を緩やかに翻弄しながらジワジワと熱量を高めていく「The liar」。スウィングジャズの猥雑なムードを纏いつつ、ビートのギアを巧みに入れ替えながら独特のグルーヴを紡いでいく「Tie me down」。フラメンコを思わせるリズムに乗せて、淡々とした佇まいの中で青い炎がメラメラと燃えるかのようなムードを醸し出す「Why not me」。これらはアルバムに先行して配信リリースされたものだが、こうしてアルバムの中に並ぶとまた違った表情を見せ、何度観ても感動する映画のごとく改めてその衝撃を聴き手にもたらしていることだろう。もちろんアルバムで初めて披露された新曲も秀逸なものばかりだ。レトロファンクをガーリーな感覚で再構築した「Today’s」、シャッフルという彼女たちにとっては異質なグルーヴに乗せて家族愛を歌う「My everything」など、その硬軟織り交ぜた筆致に唸らされるばかり。そして当然ながら既存曲も、今や彼女たちの代表曲の一つとなった「Hello No Buddy」をはじめ、強力な新曲群の中でもその存在感を大いに発揮している。

kolmeとしては初のアルバムとなる『Hello kolme』。奇を衒った新しさで表面だけを飾り立てるのではなく、地に足のついた、堂に入った表現をものにした印象。“それなのに新しい”というある種の奇跡が生じている。こうした作品を生み出したことは、クリエイティヴィティという観点では近年のガールズグループ界隈で起きた最も衝撃的な事件といっても過言ではないだろう。

「callme」から「kolme」への改名。そしてその後、強烈なインパクトの新曲を矢継ぎ早に世に問い、あたかも「改名の違和感を感じさせる隙を与えない」かのごとく聴き手を自分たちのペースに引きずり込んできたkolme。そうした波状攻撃の“とどめの一撃”となる『Hello kolme』は、彼女たちのこれまでの音楽的経験が凝縮された、そして、成長を遂げ自信に満ちた現在の姿が投影された、さらには、未来に広がる大きな可能性をも示唆する快作となった。

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3人に、アルバム『Hello kolme』についてたっぷりとお話を伺った。

妥協が一切ない作品が出来上がったと思います(MIMORI)

――昨年9月末に「callme」から「kolme」に改名されましたが、改名されてからの活動がめちゃくちゃアグレッシヴじゃないですか。なにやら「有無を言わさず改名を受け入れさせよう」みたいな(笑)。

RUUNA:そうですね(笑)。“改名すると売れる”説があるじゃないですか。それを狙いました(笑)。改名直後の配信からアルバムまで計画的にやらせていただいてるんですが、改名で盛り上がっているうちに何か作品を出したいなと思っていたので。

――で、そのアルバムですが、想像を超えるものが出てきました。でもアルバムは2年半ぶりなんですよね。もうそんなに経ったのかと…。

MIMORI:そうなんです。昨年7月にプレイリストアルバム『Please callme! -20152018-』を出させていただいたんですが、オリジナルアルバムは2年半ぶりです。自分たちでもそんなに空いていたんだと驚きました。

――まず率直にいかがですか?

KOUMI:今回は自分自身でも成長したのかなと思っていて。歌詞が結構スラスラかけたのは大きかったですね。この2年半の間にいろんな経験をしてきたので、それをアルバムに十分に注ぎ込められたかなと思っています。自分で作詞した曲もそうですし、2人が書いた詞の中に英語のパートがあるので、それを手伝ったりしたんですけど、書いていくうちに自分の英語力が、少しだけなんですけど、向上したのかなと思います。

――“すごく”ですよね!

KOUMI:いえいえ、まだまだです。

――MIMORIさんはいかがですか?

MIMORI:そうですね。2年半ぶりのアルバムで改名後初というのもあって、すごく気合入れて作りました。その結果、妥協が一切ない作品が出来上がったと思います。「今までだったらこういうふうにやってたけど、今ならこうだよね」とかいろいろ言い合って、時に意見の食い違いもありましたが、共通する部分もたくさんあって、曲順やその他のことも満場一致で決まったりしたんですよね。一人一人が自信をもって「これを聴いてください」と言える作品になったと思います。今まではリリースした後、「どうなのかなぁ?」っていう感じで聴いてくださる方の反応を気にしていたんですが、今は「何て言ってくれるのかな?」「これを出したことでみんながどんな反応をしてくれるのかな?」って感じで、楽しみでしょうがなかったです。そのくらい自信がありました。

――RUUNAさんは?

RUUNA:今回は、4年前にグループを始めた時からやりたかった音楽がやっと形になったなと感じていて…。ずっとこういうカッコいい音楽をやりたいと思っていたんですが、それを目指して作っていたのに「何か違う」と感じることもあり、何かちょっともどかしい気持ちが今まではあったんです。自分たちにそこまでの実力がなかったということだと思いますが…。今作はいい意味で自然体の自分たちが作品に反映されていて…。振り返ってみると、10代の頃ですかね、カッコつけたいというか、尖っていた部分があって、「可愛い」というものを遠ざけていた時期もあったんですが、「可愛い」というのを一度自分たちの中に飲み込んでみて、自分たちなりの表現できたんじゃないかなと思います。

――「これまでの経験が注ぎ込めた」「様々なことが満場一致で決まった」「やりたかったことが形になった」といった言葉が出ましたが、具体的にはどういったものになったと思いますか?

RUUNA:やはりMIMORIが好きなサウンドが随所に反映されているんですが、歌詞に関しては今までの作品の中で一番“リアル感”があると思います。歌詞を書くということは自分を曝け出さないといけない部分があって、そういうのも恥ずかしい気持ちがなくなって、今自分が伝えたいことや書きたいことがぶつけられたんじゃないかと思います。

――もしかしたら、以前は背伸びをしていたというか…。

RUUNA:そうですね。

――自分の中に全くないものを想像で書く。それももちろん悪いことではないと思いますが…。

RUUNA:なんですが…。「Hello No Buddy」という作品でありのままの自分を歌詞に込めたんですが、それによって皆さんに共感していただいたので、やはり自分を出さないといけなと。それを踏まえて今回は本当に全部出しました。

――ある意味それが一番強いということかもしれないですよね。

KOUMI:以前は「ポジティヴに頑張ろう!イェイ!」みたいな曲を結構作ってたんですが、もちろんそれを否定するわけではないんですけど、人生は悲しかったり辛かったり、楽しいことももちろんありますが、悲しさや辛さを曝け出すことでもっと人間らしくなるのかなと思って…。今回は「イェイイェイ!」というものより、もっと平常心で自分の人生を詞に書いたりしたので、そこが成長したところなのかなと思います。

――MIMORIさんはいかがですか?

MIMORI:シンプルに「できることが増えたな」というふうに感じています。今回はそれぞれ経験を積んできた分、1作目のアルバムよりも身になってきたことがたくさんあって…。そのおかげでできることの幅が広がって、「こういうのもやってみたい」と思ったら再現できるようになりましたね。あと今回は、自分たちの好きな音楽に全力で向き合うことができたというか…。今までは「こういう流行りだからそれに乗って」という側面もあったんですが、今回のアルバムは自分たちが大好きな音楽を詰め込んだと思えるので、等身大の自分たちにこれまでで一番近づけたアルバムなのかなと思いますね。

――やはり1stアルバムや2ndアルバムを作った頃と比べると、今は音楽的な知識や蓄積が違いますか?

MIMORI:そうですね。勉強してきた部分もあり、遊びでいろいろやってきた部分もあって、そういうのも身になってきましたし、それぞれの人生で歩んできた道が違うので、その分三者三様に表現できることが増えて…。それぞれ性格が違うので人生経験もいろいろあるんですよ(笑)。お互い刺激もし合えますし、それによっていろんなものが表現できたかなと。一人一人役割分担があって、みんなそれに向かって個々で勉強したりもしているので、今回はそれが表現に繋がっているのかなと思います。

――確かに、kolmeサウンドと言えるものが確立されたのは感じるんですが、その中にもいろんなベクトルやニュアンスや筆致を見出すことができますよね。僕も少なからずお話をさせていただいて、何となく皆さんの性格を掴んできた部分が——まだまだ知らないこともありますが—-そうした三人の“色”が出ている感はあります。

KOUMI:みもちゃんが出してきてくれたメロにも、2人で「もうちょっとこうした方がいいんじゃない?」といった意見を出して、それぞれの音楽観を反映させているんですよ。3人のエッセンスが加わって初めてkKolmeのサウンドが出来上がるんだと思います。

取材・文
石川真男

kolme ライブ情報

「kolme Live Tour 2019」
3月2日(土) 岡山IMAGE
3月3日(日) 福岡Early Believers
3月16日(土) 名古屋RADHALL
3月17日(日) 大阪阿倍野ROCKTOWN
3月23日(土) 仙台MACANA
3月30日(土) 東京WWWX
※岡山・福岡は対バン有り
※東京、大阪、名古屋、仙台は単独公演

kolme 商品情報

3rd Album 『Hello kolme』
2019/01/30 Release

Type-A CD+DVD

【Type-A CD+DVD】
AVCD-96000/B ¥5,000 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything
【DVD】
・Music Video
(The liar、Tie me down、Why not me)
・kolme OFFSHOT MOVIE -Japan ver.-

Type-B CD+DVD

【Type-B CD+DVD】
AVCD-96001/B ¥5,000 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything
【DVD】
・Music Video
(The liar、Tie me down、Why not me)
・kolme OFFSHOT MOVIE – France ver.-

Type-C CD

【Type-C CD】
AVCD-96002 ¥2,700 (税込)【CD】
01. The liar 02. Tie me down 03. Hello No Buddy 04. Why not me 05. You don’t know me 06. Only for now 07. Today’s 08. Interlude 09. No need to rush 10. Say good bye 11. One time 12. My everything


kolmeの代表曲となった「Hello No Buddy」のオリジナル曲2曲(日本語、英語バージョン)と5人の気鋭のクリエイターによってリミックスされた5曲を含む計7曲を収録

Hello No Buddy Remix

『Hello No Buddy Remix』
2019/03/01 Release
※配信・会場限定盤

AVC1-96223 ¥1,500 (税込)
01 Hello No Buddy 02 Hello No Buddy -Aiobahn remix- 03 Hello No Buddy (DE DE MOUSE remix) 04 Hello No Buddy (Yunomi remix) 05 Hello No Buddy (English Ver.) 06 Hello No Buddy -MATZ remix- 07 Hello No Buddy -Kotaro Saito remix-

PROFILE

PROFILE
kolme
kolme

(左から) RUUNA(秋元瑠海) 1996年9⽉9⽇O 型(リーダー)
MIMORI (富永美杜) 1996年6⽉14⽇O 型
KOUMI(早坂⾹美) 1996年5⽉31⽇O 型

KOUMI、RUUNA、MIMORIの3⼈組ガールズ・ユニット。作詞作曲、ダンス振付、英語など、それぞれの得意分野を活かし楽曲やパフォーマンスをセルフ・プロデュースするクリエイティヴ・ユニットとして活躍。リーダーのRUUNA、ダンスを得意とするKOUMI、作曲を得意とするMIMORIの3⼈が⼀体となったクオリティーの⾼いダンスと、⻤才トラックメーカーRumb(残響レコードからアルバムをリリース)とコラボレーションする楽曲の創造性溢れるパフォーマンスが魅⼒。海外からの注⽬も⾼く、2018年7⽉にはフランスで⾏われた『Japan Expo』に出演を果たした。

- 2015年-
3⽉シングル「To shine」でメジャー・デビュー、オリコン初登場10位。
7⽉配信限定「callme -EP Vol.1」iTunesディリートップ10⼊り、OTOTOYディリーチャート1位を 記録。⾳霊、サマソニ、a-nationと数々のフェスに出演。
10⽉には1stフルアルバム『Who is callme?(全16曲収録)』をリリース、 CDショップ⼤賞にもノミネートされた。

- 2016年-
4⽉2ndシングル『Can not change nothing』は初のドラマエンディングに起⽤。
6⽉3rdシングル『Confession』はピアノを主体としたダンスナンバーが話題に。
9⽉には2ndフルアルバム『This is callme(全16曲収録)』をリリース。

- 2017年-
3⽉4thシングル『Bring you happiness』は物流業界初の応援ソングとして制作。
8⽉5thシングル『One time』リリース。ジャズフェスやナイトクラブに出演。

- 2018年-
3⽉6thシングル『Hello No Buddy』Spotifyプレイリスト⼊りやJ-WAVEでのO.A、⾳楽好きな著名⼈からの発信で注⽬ を集めている。
7⽉プレイリストアルバム「Please callme! -20152018-」リリース

- 2019年-
1⽉3rd Album『Hello kolme』リリース
3⽉全国ツアー「kolme Live Tour 2019」決定(東京、⼤阪、名古屋、仙台、岡⼭・福岡)
4⽉〜11⽉毎⽉新曲配信リリース
11⽉4th アルバムリリース
12⽉〜全国5都市6公演ライブツアー開催決定

公式サイト: https://avex.jp/kolme/