Speak emo
われらがプワプワプーワプワ|われプワの一番の武器は楽曲だと思っています
なかなか難しい取材、いや調査だった。
自らを「宇宙人」いや「プ宙人」だと嘯き、「上の人」いや「プワ神様」からあれこれと指令を受け、「Puwa the city」なるパラレルワールドへ誘ったり、怪しげなサプリを作ったり、強国アメリカを押さえようと国旗を纏ったり…。
まあこの辺りは、なかなか手の込んだものではあるが、よくある"設定"ともいえる。それに"ノル"か"ノラない"かさえ決めておけば、さほど難しい対処が求められるものではない。
だが、今回の取材では、そんな"設定"の合間にリアリティや素のパーソナリティーがちょこちょこと垣間見えたような気がして、"ノル"か"ノラない"かの舵をどちらに切ればいいのか迷う場面が多々あった。
例えば、「星空こまる」という一風変わった名前が本名なのか問うてみると、「本名です」との答え。いかにも芸名っぽいゆえに「宇宙人(いやプ宙人)という“設定“の中での“本名”」ということなのだろう。いや、でも今時の若い子なら、珍しいとはいえこうした名前も十分ありうる気がする。だけど「宇宙=星空」なんてあまりに出来過ぎのような…。あぁ、“ノル”べきなのか、“ノラない”のか、こまる…。あれ、なんかプワプワしてきたぞ…。
筆者がわれプワにハマったのは「ベランダから始めるセカイセイフク」から。いわゆる“ド新規”である。だが、この曲をきっかけにみるみるうちに心が“征服”されていったのだ。
洗練されたグルーヴと、爽やかさと仄かな切なさをたたえた和音の流れが心地好いこのキラーチューンには、これまたイマジネーションとインスピレーションに溢れた歌詞が乗っている。「ベランダ」を舞台に始まろうとする「君」と「僕」とのラブストーリーは、『ロミオとジュリエット』を連想させるようなベランダ越しの逢瀬に興じる古風な恋愛にも、ベランダから見上げる夜空に「君」の姿を思い浮かべる空想物語にも解釈できそうな…。あるいは、宇宙から飛来する「君」にアブダクトされるのを望む「僕」といったSFなのかもしれない。それほど「君」のことを想っている「僕」は、既に宇宙人いやプ宙人に心を“征服”されているのかもしれない……といった具合に“ノル”べきなのか、“ノラない”のか。いや、これは既に“ノッて”しまっているのだ…。
2月にリリースされた初アルバム『セカイセイフク2』には、ドライヴ感溢れるファンク・ビートと4ビートやスローなレゲエが交錯する「イッツアトゥモローワールド」、疾走するディスコファンクから4ビートジャズへの落差が心地好い「教えて♡まいすうぃーと係長♡~アイドル3年戦士地獄の出世物語~」、ドリーミーなムードを纏いながらツボを押さえたメロディを展開しつつ、複雑にリズムを変貌させていくアイドル・ポップ「こずみかるらゔらゔぽっぷ」といった一癖も二癖もあるナンバーがひしめいている。
またそれ以前にも、クリスピーなエレポップからいきなりボサノヴァ~ラップへといつの間にか変化している「初恋ウインク」や、角松敏生ばりの80年代アーバングルーヴな「あなたに出会えた」といった秀逸な楽曲をリリースしている。なんだろう、この混沌とした快感は…。これがプワプワ???
というわけでSpeak emoは、この「プ宙人」たちの徹底調査を試みた。調査対象は、柴田あいこ、川崎ひかる、斎藤真尋、星空こまる、丸島ゆいの、相沢菜々美の6人。
果たして、その正体は…。
「らゔで征服する」ってことですね(星空)
――「われらがプワプワプーワプワ」略して「われプワ」。とても“クセの強い”グループだなという感じがするんですが、一体どんなグループなんですか?
柴田あいこ(以下:柴田):「プ宙」という星から、世界征服を目的に地球へやってきた「プ宙人」です。
――はい。「プ宙」なんですね。「府中」じゃないんですよね?
柴田:「プ」です。
――お一人ずつ訊いてみましょうか。
相沢菜々美(以下:相沢):正統派っていうよりは個性派で、アイドル界では唯一無二なんじゃないかなって思います。
川崎ひかる(以下:川崎):やっぱりみんな個性が強くて、楽曲も良くて、衣装も周りのグループはちょっとレベルが違うぐらいユニークで、個性たっぷりのグループだと思います。
斎藤真尋(以下:斎藤):われプワはコンセプトがコロコロ変わるんですが、民族になったこともありますし、今はみんなアメリカの国旗を掲げたりしてます。
――そうですよね。アメリカ国旗をあしらった衣装ですよね。
斎藤:それが個性的で面白いかなって思います。
丸島ゆいの(以下:丸島):われプワは、名前もユニークだし、メンバーも個性的だし、「われらがプワプワプーワプワ」っていう名前を一度見ると大抵記憶に残ると思います。すごく個性的で楽しいグループですね。
星空こまる(以下:星空):われプワはみんな楽しくて、「らゔ」を届けるグループだと思います。
――「らゔを届ける」わけですよね。「征服をする」と言いながら、やっぱり「らゔを届ける」わけですね?
星空:はい。そうです。
柴田:なんか矛盾してない? 気付かなかった。待って、矛盾してる。
一同:アハハハ。
星空:「らゔで征服する」ってことですね。
――ね。柴田さんがおっしゃったように、矛盾する部分っていうのはありますよね。ただ、そこにすごく深いテーマがありそうな気もしますし、そこが面白いところじゃないかと思ったりします。で、ここはちょっと難しいところなんですけど、皆さんが「宇宙人」いや「プ宙人」であるという「てい」でお話した方がいいですかね?
一同:そうですね。
――そうすると後々ちょっと設定を維持するのが難しくなって、結構苦しくなってくるパターンのような気もしますけど…。
一同:アハハ。
――「プ宙人」ということでいいんですよね?
一同:はい。大丈夫です。
――で、皆さん出身はどこなんですか?
丸島:プ宙です。
柴田:D78星雲です。
――D78ですか?
柴田:はい。D78星雲。あ、これ言っちゃ駄目なのかな?
マネージャー氏:あ、大丈夫です。
――ここは「P」じゃないんですね?
柴田:はい(笑)。
――細かい設定があるんですね。なるほど。そもそも僕はまだ「われプワ」初心者なので、ファンの皆さんには当然のことなのかもしれないですが、ちょっと基本的なことからお訊きします。「われらがプワプワプーワプワ」の「プワ」ってどんな感じなんですか? 「フワ」とか「プニ」とかだと分かるんですけど、「プワ」って何なんですか?
柴田:グループができた当初は、今とコンセプトが全く違ってたんですよ。最初は宇宙でも何でもなくて(笑)。当時のキャッチコピーが「ふくらんで、はじけて、やわらかくて、かわいい!みんなを笑顔に元気にプワプワにするアイドル!!」だったんです。
――ちょっと調べましたけど、そういうのがありましたね。
柴田:それがいつしか「プワ神様」というものが降臨して、今のわれプワになりました。
――えーっと、ちょっと待ってくださいね。プワ神様?
柴田:はい。
――宇宙人じゃなくて神様なんですね?
川崎:「上の人」がプワ神様なんです。
――やっぱり宇宙にも神様はいらっしゃる?
柴田:そういうことです。
――で、「プワプワにする」って、具体的にはどうすることなんですか?
川崎:楽しくさせちゃうみたいな。
相沢:日常を私たちで染めるみたいな。
――あぁ、「染める」ということなんですね。
相沢:もう「われプワ」じゃないと幸せになれないみたいな感じで。幸せにすることを「プワプワ」って表現する。そういうのかなって私は思ってます。
――地球人の感覚で言うと「幸せな感じ」っていうのが、皆さんの言う「プワプワ」だと。
丸島:ファンの方も「プワプワしたい」って言ってくださるんですよ。それこそ最近ライブがなくて、ツイッターとかを見ていると、「早くプワプワしたい」って皆さん言ってくれてるので、もうかなり染まってるんじゃないかなって。
――あぁ、ファンの方も「プワプワ」っていう感覚を分かってるわけですね。
丸島:はい。
――それは、例えば他のアイドルさんのライブを観ても幸せになる方っているじゃないですか。あるいは、何かを食べて幸せになったり、どこかで遊んで楽しくなったり。それと、皆さんを見て幸せになる「プワプワ」っていう感覚とは違うものなんですか?
相沢:そうですね。日本語では「幸せ」で、プ宙語だと「プワプワ」ってことです。
――なるほど。でもそれでいくと、他のアイドルさんを観たファンの方が幸せになっても、その状態を皆さんの言葉で言うと「プワプワ」になるわけですよね?
丸島:あぁ~。われプワを観て幸せになることが「プワプワしてる」ってことなんじゃないですかね。
――はい。「幸せ」と言ってもいろんな種類があると思います。「われプワを観ないとなれない幸せ」が「プワプワ」っていう“設定”にしましょうよ。
丸島:あぁ、そうです!
――それでいきましょう。
一同:はい!(笑)
われらがプワプワプーワプワ 商品情報
アルバム『セカイセイフク2』
品番:TOG-0006
価格:2,000円(税込)
収録曲:
1.Puwa the city
2.ツインテールトラベラー
3.イッツアトゥモローワールド
4.あるてぃめっとらゔおぶざゆにばーす
5.教えて♡まいすうぃーと係長♡~アイドル3年戦士地獄の出世物語~
6.TOOOO LATE!
7.こずみかるらゔらゔぽっぷ
8.われらがプワプワプーワプワ?
9.ベランダから始めるセカイセイフク
われらがプワプワプーワプワ 出演情報
われプワ初のラジオ番組
「こずみかるらゔらゔらぢお」
4/22(水)よりスタート
https://soundcloud.com/bakugekiradio